令和5年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要
職員の給与に関する報告及び勧告はこちら
人事管理に関する報告はこちら
印刷用ファイルはこちら
令和5年10月13日
三重県人事委員会
【職員の給与に関する報告及び勧告】
○給与勧告のポイント 『2年連続で月例給・ボーナスともに引上げ』 1 月例給:給料表を引上げ ・初任給をはじめ若年層に重点を置いて改定 ・初任給 A試験(大学卒程度)11,000円(約6%)引上げ C試験(高校卒程度)12,300円(約8%)引上げ 2 ボーナス:支給月数を年間0.1月分引上げ ・年間4.40月→4.50月 |
Ⅰ 本年の民間給与との比較による給与改定
1 職員の給与と民間給与との比較
種別民間給与実態調査を実施
(1)月例給
参考(国)区分 | 金額等 | 金額等 | ||
民間従業員の給与 | (A) | 383,550円 | 407,884円 | |
職員(行政職)の給与 | (B) | 380,685円 | 404,015円 | |
公民較差 | (A)-(B) | 2,865円(0.75%) | 3,869円(0.96%) |
(2)ボーナス
民間事業所の支給割合は給与月額の4.48月に相当しており、職員の支給月数(4.40月)が0.08月下回っていた。2 本年の民間給与との比較により改定すべき事項
(1)月例給
・公民較差を解消するため、給料表を引上げ改定初任給をはじめ若年層に重点を置いて引上げ
勧告後の初任給(給料月額+地域手当)
A試験(大学卒程度)214,900円
C試験(高校卒程度)181,900円
○改定内容(行政職)
区分 | 配分額 | 配分率 |
給料 | 2,712円 | 0.71% |
地域手当 | ー | ー |
はね返り分 | 131円 | 0.03% |
計 | 2,843円 | 0.75% |
・配分率については、各項目で四捨五入しているため計と一致しない
(2)ボーナス
・職員の期末・勤勉手当の支給月数(4.40月)が民間の特別給の支給割合(4.48月)を下回っていること
から、支給月数を4.50月に引上げ
※支給月数は従来から0.05月単位で改定
・引上げ分は、期末手当及び勤勉手当に0.05月分ずつ配分
○改定後の支給月数(一般の職員の場合)
|
6月期 |
12月期 |
|
令和5年度 |
期末手当 |
1.2月(支給済) |
1.25月(現行1.2月) |
勤勉手当 |
1.0月(支給済) |
1.05月(現行1.0月) |
|
令和6年度 以降 |
期末手当 |
1.225月(前年1.2月) |
1.225月(前年1.25月) |
勤勉手当 |
1.025月(前年1.0月) |
1.025月(前年1.05月) |
(3)初任給調整手当
・医師等に対する支給月額の限度を人事院勧告に準じて引上げ3 実施時期
(1)及び(3)令和5年4月1日
(2)令和5年12月1日(令和6年度以降の改定は、令和6年4月1日)
Ⅱ 獣医師に対する初任給調整手当の改定
・安定的な採用が困難な獣医師の人材確保のため、他の都道府県における給与上の処遇改善の状況等をふまえ、初任給調整手当の月額の上限を30,000円から50,000円に引き上げ、支給期間については上限を12年
から15年に延長
・令和6年4月1日から実施
Ⅲ その他の課題
1 社会と公務の変化に応じた給与制度の整備(給与制度のアップデート)
・本年8月の人事院の公務員人事管理に関する報告において、「人材の確保への対応」、「組織パフォーマンスの向上」、「働き方やライフスタイルの多様化への対応」における給与制度のアップデートの骨格案
が整理・公表されたことから、本委員会においては、引き続き人事院の動向を注視するとともに、本県の
状況をふまえた対応を検討していく必要
2 教育職員給与
・令和5年5月に中央教育審議会が、文部科学大臣の諮問「質の高い教師を確保するための環境整備に関する総合的な方策について」を受け、処遇改善のあり方について検討。本委員会としてもその動向を注視し
ていく必要
【人事管理に関する報告】
1 人材の確保
・多様で有為な人材を確保し行政課題に安定して対応するために、採用数は長期的視点に立ち、適切な規模
で維持されることが妥当
・試験のあり方については、試験結果や任命権者が策定予定である「三重県人材マネジメント戦略(仮
称)」の方針等をもとに引き続き検討
・民間企業等における多様な経験や高度な専門性を有する人材の確保も必要
採用手法、人材育成、給与等のあり方について一体的な取組の推進が必要
・若手職員の離職者数が増加傾向。人材の定着につなげるため、マネジメントの改善や、やりがいを持って
働くことができる勤務環境の確保が重要
・教員や警察官についても、勤務環境の改善等を通じて、人材の確保につなげることが必要
2 適切な人材活用等による組織力の向上
(1)組織全体で取り組む人材育成
ア 若手・中堅職員の人材育成
・若手・中堅職員は、自身のキャリアパスがこれまでの一般的なキャリアパスと異なる可能性があること
を認識し、今後組織の中で必要な能力や積むべき経験について、主体的に考え学んでいくことが重要
【年齢・職級別職員構成】
(令和5年4月1日現在)
(注)「令和5年人事統計調査」から、知事部局、各種委員会事務局、県立学校の行政職給料表・研究職給料
表・医療職給料表(二)・医療職給料表(三)適用職員の構成を示しています。
イ 能力や適性に基づいた人材育成
・組織の活力を一層高めるため、職員一人ひとりの能力・適性に基づいた、よりきめ細かい人材育成に取り組むことが重要
(2)適切な人事評価に基づく人事管理
・管理職員は、困難度や重要度等を考慮したふさわしい目標設定や、職員の果たすべき役割を明確にする
ことが必要
・職員の育成支援とともに各職級に求められる職責を果たしているかなどを把握し、下位の評語も含め各
評語の水準に応じた適正な評価がなされるよう、適切に人事管理を進めることが必要
(3)60歳を超えて働く職員の活用
・高齢層の職員は、社会の急速な変化や求められる能力に係る情報のアンテナを立てておくことも重要
変化する働き方に柔軟に対応することが必要
・役職定年制により管理職員から降任した職員、役職定年者以外の60歳を超える職員、暫定再任用職員、
60歳以下の職員が互いに好影響を与えながら職務を遂行していく職場を作ることにより、組織力を向上
していくことが必要
(4)DXの推進による組織力の向上
・職員一人ひとりが、DX推進の意義等を十分に理解し、自分は当事者であるという意識を持つことで効果
的に取組を推進し、組織力向上につなげていくことが重要
(5)不祥事及び不適切事務の防止に向けた取組の徹底
・職員の非違⾏為には、厳正な対処とともに、職員個⼈の不断の資質向上と、職員が意欲的に仕事に取り
組むことのできる環境づくりの推進が必要
・不適切事務の防止に向け、職員一⼈ひとりがリスクを⽇常的に意識すること等を目的として、内部統制
制度に取り組むことが必要
(6)非常勤職員に係る人事管理
・非常勤職員一人ひとりが、高い意欲を持って能力を十分に発揮して勤務できるよう、引き続き働きやす
い職場づくりに取り組んでいくことが必要
3 勤務環境の整備
(1)知事部局等における労務管理の推進
・引き続き業務の見直しやワーク・マネジメントを行い、長時間労働の是正に取り組むことが必要
・長時間労働是正に向け、業務改善の取組と並行して、業務量に応じた柔軟で適切な人員配置を行うこと
も重要
・環境の変化や新たな業務への適応に不安があると考えられる若手職員が、メンタルヘルス不調に陥らな
いよう働きかけることが重要
(2)学校現場における労務管理の推進
・時間外上限時間の遵守に向けて、引き続き県及び市町の教育委員会と学校が一体となって働き方改革を
推進し、長時間労働の是正に取り組むことが必要
・業務の適正化については、優先順位をふまえて業務を見直すなど、必要な取組を精選することが、教育
の質の向上からも重要
・臨床心理士等の専門家からの助言もふまえ、メンタルヘルス対策がより効果的な取組となるよう進めて
いくことが必要
(3)警察における労務管理の推進
・職員のメンタルヘルスについて、管理職員に研修等で意識啓発を行っていくことが必要
・ワークとライフのバランスについて、職員が能力を最大限発揮できるように、勤務環境を整備していく
ことが重要
(4)柔軟かつ多様な働き方
・在宅勤務制度、早出遅出勤務制度については、職員の希望や事情に応じた働き方が可能な勤務環境であ
ることが必要
・全ての職員が自らのライフスタイルに応じて安心して働くことができるよう、組織全体で人員体制や業
務量の適正化を図ることが重要
(5)ハラスメントのない職場環境づくり
・ハラスメントを当事者間の個人的な問題として片づけるのではなく、組織全体で対応するべき問題とし
てとらえることが必要
・管理職員はもとより職員一人ひとりが、風通しの良い職場づくりを心掛けることが重要