令和元年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要
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令和元年10月11日
三重県人事委員会
【職員の給与に関する報告及び勧告】
○本年の給与勧告のポイント 1 月例給は、公民較差(0.04%)が小さいため据え置き (4年連続で給料表を据え置き) 2 ボーナスは、勤勉手当の支給月数を年間0.05月分引上げ (年間4.45月→4.50月) |
Ⅰ 本年の給与改定
1 職員の給与と民間給与との比較
種別民間給与実態調査を実施
(1)月例給
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参考(国) |
区分 |
金額等 |
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金額等 |
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民間従業員の給与 |
(A) |
391,210円 |
411,510円 |
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職員(行政職)の給与 |
(B) |
391,068円 |
411,123円 |
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公民較差 |
(A)-(B) |
142円(0.04%) |
387円(0.09%) |
※特例条例による減額措置後の公民較差
区分 |
金額等 |
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民間従業員の給与 |
(A) |
391,210円 |
職員(行政職)の給与 |
(B) |
389,489円 |
公民較差 |
(A)-(B) |
1,721円(0.44%) |
(2)ボーナス(特別給)
民間事業所の支給割合は給与月額の4.49月に相当しており、職員の支給月数(4.45月)を上回っていた。※特例条例により、勤勉手当が0.085月分減額されています。
(期末・勤勉手当年間支給月数:4.45月→4.365月)
2 改定すべき事項
ボーナス(特別給)
・職員の期末・勤勉手当の支給月数を4.45月→4.50月
・引上げ分は、勤勉手当に配分
改定後の支給月数(一般の職員の場合)
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6月期 |
12月期 |
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令和元年度 |
期末手当 |
1.30月(支給済み) |
1.30月(改定なし) |
勤勉手当 |
0.925月(支給済み) |
0.975月(現行0.925月) |
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令和2年度 以降 |
期末手当 |
1.30月 |
1.30月 |
勤勉手当 |
0.95月 |
0.95月 |
3 実施時期
令和元年12月1日
(令和2年度以降の改定は、令和2年4月1日)
Ⅱ その他の課題
「能力・実績に基づく人事管理」に伴う給与制度の確保
・給与制度自体は、公平性・客観性が確保された人事評価及びそれを基礎として行われる適切な任用等の人事管理に伴って効果的に機能するものであり、任命権者においては、これらの視点を認識しつつ人事管理上の問題
について取り組むことが必要
・本委員会においても、任命権者の取組と並行し、人事管理及び給与制度について絶えず調査研究を継続
【人事管理に関する報告】
1 人材の確保・育成
(1)人材の確保
・採用試験の受験者数が減少傾向にあり、受験者の確保に向けた取組が必要
・受験者確保に取り組む際は、県と受験者の間で、職員に求める能力や仕事の内容等に認識のずれが生じないよ
う、マッチングを意識することが重要
(2)人材の育成・活用
ア 人材の育成
・若手・中堅職員は、下図のような年齢別職員構成により、現在よりも早期にマネジメント層に登用される可能
性があることから、計画的で適切な育成と職員自身の主体的な能力向上の取組が必要
・高齢層職員は、これまでの豊富な経験から得た知識・技術を次世代の職員へ継承していくという意識を持つこ
とが必要
・RPA等による業務の効率化が見込まれる中、職員には、RPA等が具備しない新しい価値の創造、責任感に裏付
けられた行動力や立場・価値観の相違を超えて調整する能力等が必要
イ 多面的・長期的な視点による人材の活用
・世代や性差、職員の抱える事情にかかわりなく、全職員が高い意欲を持って働きがいを感じられるよう、多面
的・長期的な視点から人材活用を進めることが重要
【年齢・職級別職員構成】
(平成31年4月1日現在)
(注)「平成31年人事統計調査」から、知事部局、各種委員会事務局、警察、県立学校、市町立学校の行政職給料表、研究職給料表、医療職給料表(二)、医療職給料表(三)適用職員の構成を示しています。
(3)不祥事及び不適切事務の防止に向けた取組の徹底
・本年度においても依然として不祥事が発生しており、非違行為に対しては厳正な対応を行うとともに、職員の
不断の資質向上と、職員が意欲的に仕事に取り組める環境づくりを進めることが必要
・不適切事務の防止については、業務を進めるうえで担当職員が孤立しないよう周りの職員が気遣える組織であ
るとともに、先端技術を活用した業務の効率化等により職員の業務の負担軽減を図ることが必要
2 能力・実績に基づく人事管理の推進と組織力の向上
・各任命権者における人事評価では、比較的高い水準への評語の偏りや評価者による評価結果の差異など、運用
における客観性の確保が懸念される。下位の評語を含め、各評語の水準や職級に応じた適正な評価を行い、勤
務成績が良好でない職員については、降任・免職等の分限処分も含めた厳正な対応を行うことも必要
・人事評価の目的とされる人材育成の効果を挙げるには、目標の設定と管理が重要であり、その設定にあたって
は、背伸びをして手を伸ばさないとつかめないような難度の目標(ストレッチゴール)を設定するとともに、
一貫性のない目標にならないよう措置を講じることが必要
・一般的なキャリア形成とは別に、現在実施されている専門監制度、スペシャリストコース制度といった複線型
人事管理の仕組みを拡充し、全職員が能力を発揮し充実したキャリアデザインを描けるよう取組を進めること
も必要
3 勤務環境の整備
(1)長時間労働の是正と健康対策の推進
・職員の健康確保の観点等から、「長時間労働を是正する」という時間外勤務命令の上限等に係る制度趣旨を正
しく理解し、組織全体で業務の削減や平準化などに取り組むことが必要
(2)知事部局等における取組の推進
・時間外勤務の部局内二極化の解消に向け、部局の幹部職員等は、特定の職員に時間外勤務を偏らせないという
視点を強く持ち、地域機関を含む部局内の人員や業務の配分、課等を超えた応援体制の取組などを適切に行う
ことが必要
(3)学校現場における労務管理の推進
・教員の長時間勤務の縮減と健康確保のため、県教育委員会や市町教育委員会による労務管理や、各学校におけ
る管理職員のマネジメントをこれまで以上に進めることが必要
・教員の長時間勤務の縮減を図るため、勤務環境の整備を進めるとともに、教員一人ひとりが働き方改革の必要
性を真に理解することが必要
(4)警察における労務管理の推進
・警察職員のワーク・ライフ・バランスの確保に向け、全所属における的確な労務管理と組織全体での取組の展
開が必要
・勤務の特殊性から警察署全体が他律的所属として整理がされており、警察署内の課の枠を超えた業務平準化に
取り組むことが必要
(5)仕事と家庭の両立支援
・管理職員をはじめ職員一人ひとりが、育児・介護や障がいなど様々な事情を有する職員を共感を持って理解
し、柔軟で多様な働き方について認識を深め、ともに働く仲間として支えあう組織風土を築き上げることが必
要
(6)ハラスメントのない職場環境づくり
・ハラスメントに関する正しい理解の促進や、日頃から相談しやすい職場の雰囲気づくりに努めるなど、引き続き防止対策に取り組むことが必要
4 臨時・非常勤職員に係る人事管理
・臨時・非常勤職員が、高い意欲を持って能力を十分に発揮して勤務できるよう適切な勤務環境を整備するとと
もに、学校現場で臨時的に任用される講師も含め、職務の内容と責任に応じた処遇が確保されることが必要
・教員の多忙解消を図り、正規教員と講師の間に不合理な処遇格差を生じさせないためには、正規教員の比率向
上を進めていくことも重要
5 高齢期の雇用問題
・国による制度設計等の動向を注視し、若年・中堅層職員も含めた人事管理全体の見直しや、人事評価に基づく
昇任管理の厳格化など、本県の実情に沿った制度設計となるよう検討することが重要