(日 時) 令和6年12月19日(木) 16:20~17:20
(場 所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、服部副知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、
人事課長、福利厚生課長、管財課長、デジタル改革推進課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長、書記次長、
中央執行委員
(司会進行)コンプライアンス・労使協働推進監
(議 題)・令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの上半期検証について
・日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2024の概要
(知事)
本日はライフ・ワーク・マネジメントに係る目標の上半期実績を検証していきたい。
社会全体で、公務員を志す人が減少している。また、若年層の労働者の意識は変化している。
公務員のみならず様々な業種で働く若年層の方を対象としたアンケートでは、就職後何年ぐらい働きたいかという
設問には概ね5年程度という回答が多く、管理職になりたくないと回答した者の割合は約7割であったと記憶してい
る。40代、50代の労働者とは異なる傾向があるように感じる。
我々にとって大事なことは、アンケート結果の評価ではなく、そういった傾向のある方々にどうやって働いていた
だくかを考えていくことである。
本日は、皆さんと意見交換を、より密に行いたいのでよろしくお願いする。
(委員長)
社会全体の傾向として、少子高齢化で労働人口が減少する中、先ほどの知事の発言にあった「若年層の多くが就職
後5年で転職を考える」等による労働力の流動化は、以前は民間部門に限っていたが、現在は公共部門も含む傾向で
ある。
公務員全体の応募状況も低調で、「労働力の取り合い」の状態。三重県でも欠員が生じ、人材確保が課題である。
現在、来年度に向けた組織・人員等の議論が行われているが、人がいないのが現状。
中央労使協働委員会では、現有の職員でどのように業務を回していくかを考える中、これまで年休や時間外勤務、
超長時間勤務の状況を確認してきた。今後職員が求めるのはさらなる業務改善・平準化や、業務のDX化により人員
不足を補うことである。
(「令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの上半期検証について」「日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2024」の概要)
※行財政改革推進課長から資料に沿って一括説明
1 令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの上半期検証について
(1)意識、組織風土改革の推進
〇職員アンケートのLWM項目の満足度 目標:R5実績以上
・ライフ・ワークの充実に向けた雰囲気の醸成:R6実績 3.27点(目標 3.28点以上)
・充実した働き方、生き方:R6実績 2.76点(目標 2.78点以上)
<検証>
・所属長と職員が定期的に対話する仕組みが定着することにより、ライフとワークの充実に向けた雰囲気は一定醸
成できている。
・職員一人ひとりの充実した働き方、生き方につながる取組の継続が必要。
(2)ライフ・マネジメント支援の推進
➀年休取得日数 目標:16日以上 R6年間見込:16.3日(R5実績:15.8日)
➁男性職員の育児休業取得率【取得期間:1週間以上】 目標:90%
R6実績:97.44%(8月末時点)(R5.8末実績:100%)
③職員アンケートの休暇取得項目の満足度 目標:R5実績以上
休暇の取りやすさ:R6実績 3.42点(目標3.49点以上)
連続休暇の取得:R6実績 2.81点(目標2.83点以上)
<検証>
・年休取得日数が向上し、休暇取得の満足度も一定確保されるとともに、男性の育児休業取得率も目標を大きく上
回っている。
(3)時間外勤務時間(1人あたり)及び超長時間勤務者数
①時間外勤務時間(1人あたり)
目標:平成25年度の時間外勤務実績から30%削減 →154時間/人
R6年間見込:183時間(R5実績:174時間)
②超長時間勤務者数(500時間超え)
労使で令和2年度に設定した令和6年度の目標人数 0人
R6年間見込 33人(R5実績:220人)
<検証>
・時間外勤務は、能登半島地震等の突発的な事案が発生したが前年度比5%程度の増加で留まった。超長時間勤務
者は目標未達だが前年度より大幅に縮減見込。
(4)「ライフ・ワーク・マネジメント」に係る次期取組について
・これまで取り組んできた取組の成果を基盤にしつつ、以下の3つの柱に沿って、職員の「ウェルビーイング」の
土台となる環境を整備し取り組みたい。
1 職員がやりがいをもって生き生きと働ける職場環境づくり
・各職員の役割の明確化と納得感をもった業務遂行
・柔軟な働き方の選択肢の充実と助け合いの職場風土の醸成
2 業務改善・業務の効率化による仕事の進め方改革
・各所属・各部局における不断の業務見直し
・デジタルツールの更なる充実と活用方策の浸透
3 職員の心身の充実
・ストレスチェックの集団分析結果の活用による職場環境の改善
・こころと体のセルフケアの意識向上
・勤務間インターバルの確保
2 日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2024の概要
・全体の満足度は63.14点(昨年度比▲0.76点低下)
○テーマ別満足度
・直近4年間について6つのテーマ毎に集計したところ、いずれの年度も「男女共同」に関する満足度が最も高
く、「意欲」に関する満足度が最も低い傾向。
・「意欲」に関する満足度が直近4年間で最も低い結果。
○設問別
〈点数順〉
・最も点数高:「子育て・介護への理解」(3.86点)
・最も点数低:「昇任のしくみ」(2.48点)
〈昨年度からの増減〉
・増加幅最大:「男性職員の子育て・介護への理解」(+0.04点)
・減少幅最大:「職場環境」(▲0.20点)
○部局別
・上位3位:「病院事業庁」(79.65点)、「出納局」(75.04点)、「各種委員会」(70.38点)
・下位3位:「観光部」(51.02点)、「子ども・福祉部」(57.09点)、「政策企画部」(59.18点)
○地域庁舎別
・最も点数高:「熊野庁舎」(得点67.88点、昨年度比▲2.23点)
・最も点数低:「伊勢(志摩)庁舎」(得点62.26点、昨年度比▲5.19点)
○役職別
・最も点数高:「課長級以上」(得点71.49点、昨年度比▲2.04点)
・最も点数低:「課長補佐級(主幹等)」(得点59.22点、昨年度比+0.95点)
(以下、発言は○が労側、●が使側である。)
○これまでの労使協働取組により、休暇を取得しやすい空気は醸成されつつある。
一方、年休や夏季休暇の取得が困難な職場や、育休取得者の代替職員の不在が1年以上経過し職員に過度な負担がか
かっている一部職場への対策が必要。どのように取り組んでいるか。また、全庁的に連携して考えていく必要がある。
●現在、職員が自身の健康や家族の状況や計画的な年休取得など「職場で支えてほしいこと」をライフ・ワーク・マ
ネジメントシートに記載し、所属長と対話を行い、心身のリフレッシュ、勤務意欲の向上のため、休暇を計画的に取
得しやすい職場環境づくりを進めている。今後、所属長と職員の対話にとどまらず、職場全体に波及するようさらに
進めたい。
また、毎月の庁内会議の場等で、部局長をはじめ管理職の休暇予定を共有するなど、管理職が率先して、職員が計
画的に休暇を取得できる雰囲気づくりを行っている。
●特に技術職について育休代替職員が配置できていないという課題に対しては、会計年度任用職員を補充し、事務的
な業務を担ってもらうことのほか、選考試験(年間4回)による補充や、合格者の前倒し採用、育休代替任期付職員
(フルタイム勤務)の採用・配置を積極的に行っていくことで対応しているところである。
また、職場のさらなる人材確保に向けて、令和5年度から経験者採用を推進しており、令和7年度も試験対象職種
のさらなる拡大の方向で協議しているところである。
〇現在、能登半島の災害地派遣関連業務の他、子ども・福祉部の一部業務が特例業務の適用となっている。
特例業務が続いている業務の中でも次年度以降も継続が予想される業務は、現在のままの人員配置は不適当ではな
いか。人員不足の今だからこそ、持続可能な県政のために大胆な業務削減・見直しが必要。現場からの提案だけでな
く、知事や部長レベルで、外部関係者・県民に対しても丁寧な説明で理解を得ながら、外部委託やデジタル化も駆使
した業務改善を進めていくべきではないか。
●現在、労使協働取組として進めている「業務改善の見える化」取組を通じて、業務改善の風土が高まるように進め
ていきたい。なお、業務削減が所属単位で進めるよりも部局単位であれば前進する場合には、部局長がリーダーシッ
を発揮し、所属を越えた部局単位での業務見直し、業務削減を進め、改善の幅が広がっていくように行財政改革推
進課が声をかけていきたい。
○職員一人ひとりの努力を強いるのではなく、組織としてより良い方向に進んでいくことを期待していきたい。
〇職員満足度アンケートについて、満足度の特に低い部分の要因については、丁寧な状況確認・分析を行ったうえ
で、対策を講じていく必要がある。
特に、職員の意欲が低いことが問題と考えるほか、また、業務量と配置人員があっておらず、職員の疲弊が蓄積し
ていることも意欲低下の一因と思われ、今こそ大胆な業務削減・効率化が必要だと思う。
●満足度が低い項目として「意欲」の項目が問題という点は同感である。
そこで、令和6年3月に策定した「三重県人財マネジメント戦略」に基づき、職員一人ひとりが主体的に成長してい
くことでモチベーションを高めることができるようにしたい。例えば、職員が所属の枠を超えて自身が関心のある分
野に参画・活躍できる取組の創設や、新規採用職員入庁時研修の集合研修を長期化することで横の連携を強め組織に
対する愛着を高めるようにすること、自分のキャリアビジョンが描けないという職員の声に応えるための取組のほ
か、人事異動において希望する分野や地域を丁寧に聴き取る仕組み等に着手したところである。さらに進めていきた
い。
また、満足度が低い部局、昨年度より大幅に低下した部局について、当該部局の人事担当者と協議しながら今後の
対策を検討していくこととしたい。
○これまでのライフ・ワーク・マネジメント推進の取組では、職員の「ライフ」充実に一定の効果があったと考えら
れる一方、「ワーク」部分について、新型コロナウイルス感染症の拡大や労働人口の減少など社会全体の要因に
より、これまでの取組では立ちいかず、抜本的に見直していく必要があると感じている。これまで様々な指標を設けて
観測してきたが、時間をかけて取組を熟考していくことも必要ではないか。
また特にユーカリ交渉でも話題となった個別の課題として、窓口・受付時間の短縮は、現場から出された提案であ
り、人員不足の今、職場の状況を改善する一端になるのではないかと期待しているので、ぜひ進めてほしい。
●時間外に関して一定の目標を立てていくことについて、どういう形での指標の管理が必要であるかについて、しっ
かりと考え、協議をしていきたい。
●窓口業務の短縮の実施にあたっては、まずは他自治体の状況を調査し、検討していきたい。調査を行う際には、電
子申請等による受付改善、関係者等への説明、受付時間の一定の整理の視点についても、聴き取りをしていきたいと
考えている。早速であるが、先行して年度内に全庁の窓口業務に取り組んでいる近隣県への聴き取りを予定してい
る。
○今年度で終了する「ライフ・ワーク・マネジメント」の後の取組について、モニタリングする数値は必要だとは思
うものの、数字で一喜一憂するのではなく、これまでの課題を検証のうえ、アンケートで抽出された課題などしっか
りと考えて解決していくことが必要ではないか。例えば、これまでのような「5か年計画」等の計画期間ありきで考
えるのではなく、また、今後の取組を考えるにしても、例えば半年間、労使でじっくりと吟味して進めていくという
方法でもよいと思う。
●これまでの「ライフ・ワーク・マネジメント」の取組を通じ、休暇は上昇し時間外は減少してきているという実感
はあるし、アンケートにも結果は出ている。しかし、満足度が下落している要因は何か、休暇を取得したいときに取
得できないなど、単に数値では見えない新たなニーズを探っていく必要があると思う。
●現行の取組について5年経過して、次のステップに移るにあたり、窓口業務の短縮やAIの導入など改善を進めて
いく中で、小手先や人海戦術では通用しない時期に来ていると思っている。3年先はどうするのか、5年先はどうす
るのか、しっかりと考えていく必要があると思う。
また、見えないところでの課題として、特に福祉分野においては、「人員が不足しているから新しい人を連れてく
ればよい」といったものではなく、将来的にも中心となる人材をどのように育成していくのかが非常に重要である。
これからも議論をしていきたい。
●ライフ・ワーク・マネジメントの今後の取組については、やり続けないといけない性質のものなので、終わりとい
うものはない。
何が良いのかはこれからの議論であるが、一定の年限や目標は必要であり、いつまでに何を目指すのかといった目
当ては必要。
職員の意欲、士気の低下が非常に気になるところである。下落した要因や、上昇した部局の要因などのしっかりと
した要因分析は大事である。業務がしんどくても、業務の内容によってはみんなで乗り越えることで士気が上昇する
こともあるなど要因は複雑。平準化に向けて、例えば部局単位で、年度途中の異動や業務分担の変更を各部主導で行
うなども一つの手である。
改善に関して、「業務の棚卸」という手法について、業務見直しに大きな効果が期待できる一方、班長等特定の職
の職員に相当な負荷がかかるのは経験上よく分かっているので、手法を取り入れるにしても、「進めて下さい」では
なく「検討してください」と言っている。総務部、各部の総務課でもどのように行うのか、検討してほしい。
県民サービスにつながる業務についてはしっかり考える必要がある。カスハラ対策については、録音機能の導入
や、対応時間を「15分」等予め決めておいたうえで対応する、など、職員が「守られている感」を持つことは職員
の士気につながる。また、内部事務の簡素化にむけてできることは、発言要旨や議会答弁要旨、発言通告の仕組の見
直しなど、まだあると思うので、そのことについても考えていければと思う。
大事なことは成功体験。マネジメントのやり方は人それぞれだが、職員が成功体験を実感できれば士気は上がる。
いずれにせよ、要因分析は大事である。