(日 時) 令和6年7月4日(木) 11:00~11:50
(場 所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、服部副知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、
人事課長、福利厚生課長、管財課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長、書記次長
中央執行委員
(司会進行)コンプライアンス・労使協働推進監
(議 題)令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの推進について
(知事)
今日お集まりいただき、また、日頃から職員の労務環境に関して心を砕いていただき様々な提案を頂戴していることについて、お礼申し上げる。
最近は、特例業務でもあった能登半島地震への対応に追われたが、防災対策部がよく頑張り、能登半島地震の反省点や気づきを、将来の発生が想定される南海トラフ地震の対応としてまとめてくれた。29市町と意見交換のうえまとめたことで、三重県民の命を守るツール、武器が1つ増えたと思う。
常々、管理職は、一部の職員への過重な労働やしわ寄せに注意してマネジメントしているが、気づかない部分もあると思うので、皆さんからご意見をいただきたい。
以前も申し上げたが、前回検討した令和6年度の方針の項目にある男性職員の育児休業の取得を進める中で、障壁となりうることは2つあると感じている。
1つは給料面の心配。この心配に対しては、実は取得期間によっては給料はさほど下がらないことを提示させていただいたこともあり、取得しやすくなってきたのではないかと思う。もう1つは周りの雰囲気。男性職員の育休取得状況を庁内会議でも各部局長から報告してもらい、総務部からも働きかけを行いながら、働きやすい職場づくりに向けてしっかりと邁進していきたい。
(委員長)
今年度は5ヶ年計画の最終年度である。本目標は、新型コロナウイルス対応業務や、児童虐待防止にかかる業務など、年度ごとに社会情勢が変化する中、目標達成が難しい面もあるかもしれないが、達成のための各部局や職場での議論がマネジメント上必要であるということを、前回の労使協働委員会の中でもお話をさせていただいた。
数字に一喜一憂することなくプロセスや手法について協議し、各職場で努力することで、めざす姿に少しでも近づくと考えており、各部局の中での創意工夫をお願いしたい。
また、職員にどんな働き方をしてもらうか。いわゆる公に関する要望、先ほどの自然災害への対策など、三重県庁に求められる業務が増えてくることが多いと思う。そんな中、今の人材・キャパシティの中でどうしていくか。業務量の増は当然業務時間の増への懸念につながる中、どのようにマネジメントしていくかが大事だと思う。
県民サービスを低下させることなく業務を進めることが、労使協働委員会での課題である。本日は、県政運営を含んだ私たちの様々な思いを議論させていただきたい。
(令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの推進について)
行財政改革推進課長から資料1「令和6年度ライフ・ワーク・マネジメント推進について」説明
1 令和5年度ライフ・ワーク・マネジメント推進方針の進捗状況について
(1)意識、組織風土改革の推進
目標(職員満足度アンケートにおけるライフ・ワーク・マネジメントにかかる項目が前年度実績より上
昇):達成
(2)ライフ・マネジメント支援の推進
①年次有給休暇取得日数(目標15.6日):達成(実績15.8日)
・所属長と職員の対話がかなり定着。令和4年度から取組の名称を「ライフ・ワーク」に変更し、「ライフ・
ワーク・マネジメントシート」の様式に、職場でどんなことを助け合って欲しいか等を記載する欄を追加し
たことなどにより、職場内の助け合いの風土も徐々に醸成されてきていると分析。
・毎月の庁内会議における各部局の取組の進捗の共有や、部局長の休暇予定などの共有により、管理職がまず
率先して、計画的に休暇を促進する雰囲気づくりが浸透してきている。
②男性職員の育休取得率
目標②-1(目標75%【1日以上の取得】):達成(実績83.78%)
目標②-2(目標60%【1ヶ月以上の取得】):達成(実績67.74%)
・令和4年度実績が前年より下がったため、令和5年度は取組を強化し、庁内会議での各部局の育休取得状況
の共有、次長級職員からの対象職員への丹念な声掛けにより取組が進んだ。
・なお、育休取得の目標に関し、これまで1日以上の取得としていたが、令和6年度からは、国のこども未来
戦略の目標にあわせ1週間以上の取得を90%に改定。
③職員満足度アンケートにおける休暇項目に関する満足度
目標(職員満足度アンケートにおける休暇取得にかかる項目が前年度実績より上昇):達成
・休暇取得実績の上昇に伴い満足度も上昇したものと分析。
(3)時間外勤務時間(1人あたり)及び超長時間勤務者数
目標①時間外勤務時間(1人あたり) 170時間(特定業務を除く):未達成(実績174時間)
目標②超長勤務時間勤務者数 108人:未達成(実績220人)
・時間外勤務時間(1人あたり)については若干目標に届かず、部局ごとのばらつきも見られた。昨年度は複
数の所属で行政計画の策定や改定の年に当たっており、このことに時間を要したこと、夏場に複数発生した
大型の台風に伴い水防待機、災害査定関連業務が増加したことなどが、未達成の要因と考えている。
・超長時間勤務者数の目標に対する大幅増の要因は特例業務の影響が大きく、医療保健部、子ども・福祉部は
コロナ関連業務や児童虐待の防止に係る業務が影響。1月以降には能登半島地震が発生し、全庁的に職員の
派遣を行ったことが影響。
2 令和5年度ライフ・ワーク・マネジメントの検証
・昨年度は組合を含め労使一体で新たに各部局、各所属での取組を、職員からの提案を受けて対応を進め、そ
れを見える化していく取組(「業務改善提案の「見える化」」)を実施。業務改善に対する機運の醸成の機
会になったという意見もあったことから一定の効果があったと考える。
・時間外の事前命令の徹底月間を8月に実施。検証の結果、「時間外勤務の取り扱いを再確認することができ
た」「サービス残業の防止に繋がった」といった当初のねらいどおりの声もいただいた。
・毎月の庁内会議での部局ごとの時間外勤務時間の共有、議会答弁についての事前の打ち合わせで事後の修正
の負担を軽減する取組や、読み上げ原稿を箇条書きにするなどの取組を積み上げ、業務改善も進んできたと
考えている。
・令和5年度は新型コロナ対応が落ち着いたことで通常業務が本格化したものの、前年度より時間外勤務時間
数、超長時間勤務者数ともに減少した。
・引き続き、各所属単位ではもちろんのこと、部局長がリーダーシップを発揮して所属を超えた部局単位での
業務の見直しや削減に積極的に取り組む必要がある。
3 令和6年度ライフ・ワーク・マネジメント推進方針に掲げた目標の状況
(1)意識・組織風土改革の推進
・職員満足度アンケートのライフ・ワーク・マネジメントの目標数値を、令和5年度実績以上と設定。
(2)ライフ・マネジメント支援の推進
・年休の取得日数:昨年度全庁実績15.8日をふまえ、今年度は16日と設定
・男性職員の育休取得:90%【取得期間を1週間】と設定
・職員満足度アンケートにおける休暇取得に関する満足度の目標数値:令和5年度実績以上と設定
(3)ワーク・マネジメント推進の目標
・時間外勤務実績(1人あたり):154時間
・令和2年度に設定した5ヶ年計画での令和6年度時点の目標として、「平成25年度実績から30%削減」
(154時間)を掲げている。昨年度実績や各部局の状況を勘案すると、大変厳しい目標設定ではあるが、
5ヶ年計画の最終年度である今年度、目標に向かって全庁が組織一丸となり取り組む。
・超長時間勤務者についても、令和2年度当初に設定した5ヶ年計画に基づき、各部局とも0人をめざして取
り組みたい。
・これまでは特例業務となっていた新型コロナ対応や震災関係等の突発的な業務については、今年度は一旦特
例の指定も解除になっている。そういった中、今一度、特定の職員に業務が偏ることはなるべく避けること
をめざし、取り組みたい。
・従前同様、予期できない事態が発生することも当然ありうるので、そのような場合は、当然に一律0人にす
ることまでは考えていない。
・必要な業務は着実に執行する必要がある一方、特定の職員への負担をなるべく軽減するということをめざ
し、業務の平準化に取り組みたい。
4 本年度のライフ・ワーク・マネジメントの推進について
・高い目標を掲げるうえで、引き続き、毎月の庁内会議などでの年休や育休の取得状況・時間外の状況等の共
有により、部局長をはじめとした幹部職員のリーダーシップのもと、職員が計画的に休暇を取得できる雰囲
気づくり、タイムマネジメントを進めていきたい。
・男性職員の育休取得については、声掛けのみにとどまらず、周囲の職員の負担にも配慮した、職場全体でサ
ポートし合えるような職場環境づくりを進めたい。
・引き続き、今年度も「業務改善提案の「見える化」」の取組、時間外勤務の事前命令、事後確認の徹底の取
組などを行いながら、所属長は職員の時間外状況を適切に把握し、特定の職員の業務負担を過度に生じさせ
ないようなワーク・マネジメントを進めるため、取組を進めていきたい。
(以下、発言は○が労側、●が使側である。)
○男性職員の育児休業取得率の令和5年度目標は達成でき、知事からも冒頭、庁議で確認や共有を行い、取組を進めているとのお話をいただいた。
そして今年度は目標を「1週間以上90%」とさらに高く設定したことで、私たちも男性職員が育休を取得しやすい環境をより整えていく必要があると考えている。
しかしながら、推進上の課題もあり、特に専門職の分野では、男女関わらず代替職員を配置できていない職場もあるので、まずはその状況の早急な改善が必要。職員も代わりがなかなかいないので、取得できる職員が取得を躊躇したり、取得期間を短縮したりといった状況も見受けられるので、その状況の改善に取り組む必要がある。
また、育休取得者本人のみならず周囲の職員も安心できる人員配置は当然に必要。
加えて、今年度策定予定の三重県特定事業主行動計画の次期計画が、当然に現場の声を十分に反映した計画となるよう、策定過程において小委員会を通じて協議をお願いするとともに現時点の策定のスケジュールについてもお聞きしたい。
●男性職員の育休取得にかかる目標は達成し、新たに「1週間以上90%」という高い目標を設定した。今後も労使で協力しながら達成に向けて頑張りたい。
引き続き、育休を取得しやすい環境づくりは必要である。目標を達成したものの、まだ取得できていない職員もいるため、何がネックとなって取得できていないかを丁寧に聞き取った上で、部局と総務部が連携しながら取組を進めていきたい。
代替職員については事務、技術も含めた任期付職員や、会計年度任用職員の募集を行ってきている。一方で人手不足の影響等もあり、募集に対して応募がない状況も承知している。引き続き、代替職員の確保に努めていきたい。
次期の三重県特定事業主行動計画の策定については、8月に地域懇談会を県内約3ヶ所にて実施のうえ、現場の意見を反映した計画を策定したい。スケジュールについては、8月の地域懇談会実施後に中間案、3月までに最終案をそれぞれ作成し、労使で協議しながら策定を進めていきたい。
●男性育休は、雰囲気の醸成も進み、以前と比べると取得しやすくなってきており、実際に大多数の職員が取得しているなど非常に進展している。取得しようとする職員の後押しのためにも、周囲への職員のサポートが最重要であり、休業取得期間中の代替職員の配置は非常に大事である。
現状として、従前から確保が難しかった資格職種以外でも確保しづらい状況である。この状況に対してどのように対応するのか、どういう条件ならば確保できるかなどについて、現場の要望をしっかり把握して進める必要がある。
従前は非常勤の会計年度任用職員を中心に代替職員を配置してきたが、常勤の任期付職員の配置を進めることが職場への支援となるのであれば、任期付職員の活用も今後考えていきたい。募集したらすぐ確保できるような状況がなくなりつつある今、各部局と相談しながら、これまでとは違う様々なことを考えながら進めていきたい。
○「ライフ」の部分については一定の効果が見られたように思う。一方「ワーク」の部分については、時間外実績は、実績値は目標値に近い数値であったものの、超長時間勤務者数は、目標108人に対し実績220人と倍近くに及んでいる。
今年度は計画の最終年度であり、目標0人に向けて、組織として思い切った業務の見直しや削減にしっかり取り組んでいくよう、よろしくお願いしたい。
●休暇日数は順調に伸びており、引き続き、庁内会議等で幹部職員が率先して計画的に休暇を取得するところも見せ、休んでもよい雰囲気の醸成をさらに進めていきたい。
超長時間勤務者が多かった要因のひとつとして、特例業務に起因するところが大きかったが、現時点では特例業務も一旦収束している。
超長時間勤務者を出さないための、各職場での業務の平準化や見直し、時間外の事前命令の徹底による業務の偏りの防止の取組はまだ可能と考えている。今年度も労使で協働して、事前命令の徹底や「業務改善提案の「見える化」」を進めていきたい。
なお、能登半島地震にかかる派遣については、一旦はカウンターパート支援が終了したが、一部の所属での求償業務や中長期派遣は継続している。これら、派遣が続いている所属で残った職員への業務負担がないよう状況の把握に努めていきたい。
●ライフ・ワーク・マネジメントを推進してきて職員の働きやすい環境が整ってきたが、「ワーク」の部分については時間外の削減という点でまだまだと感じている。
コロナ禍の中で、会議がリモート開催になり出張が減り、業務時間の確保ができるなど、デジタル化で業務の効率が上がった面もある。コロナ禍で実施してよかったことは引き続き実施したい。また、デジタル化による業務の効率化は人材確保が難しい中では大きな武器になりうると思う。試行錯誤して、労使で議論をしながら進めたい。
〇職員の採用者数も減少しており、今後の行政運営の維持についての影響を危惧している。今後とも様々な手段の検討について議論を深めたい。
●働きやすさへの様々なしわ寄せが出てくる中、一つずつ解決していきたい。また、超長勤務時間勤務者数の削減については数値目標ありきではなく、現実を見て様々な対策を考えていきたい。
○コロナは収束しつつあるが、「業務が戻っている」部分とそうではない部分があり、単純にコロナ禍前後を比較してもコロナ禍の仕事のやり方の良し悪しを判断できない面もある。
部労協や職場労協において、勤務時間にかかる全庁目標の達成は相当厳しいとの声もいただいており、単純な目標指標等の数値の追求にとどまらず、目標の道筋としての手法の議論が必要。また、来年度以降のワーク・ライフ・マネジメントについて、その都度突発的な社会情勢に応じ勤務状況も変化する中、目標数値ありきでなくてもよいのでは。小委員会も含め、労使でしっかり議論したい。
●時間外管理については、突き詰めると所属長の日常の丹念なマネジメントが非常に大事だと考えている。翌年度以降についてもよく議論させていただきたいと思う。
●採用志願者の増加を期待している。その点でも、デジタル化による職場環境の整備は志願者の増や時間外勤務の効果を生むと思う。全庁一律ではなくとも業務や部局の現状に合わせて積極的に導入することは効率的ではないかと思う。
●最後に2点、働きやすさに関して共有したい。まずは、現在、カスタマーハラスメント対策にかかる条例の制定にむけて作業中である。不条理な苦情があることも意識して、行政運営を進めていきたい。
また、中途採用については、労働者数が減っているため1人あたりの負担が大きくなるなか、推進に向けての議論を進めていきたい。
○カスタマーハラスメント対策については、他県の状況も聞いているが、運営方法などは三重県にあった方法で、職員のニーズに合った形で実施を進めていただきたい。
人材確保については、働きやすさが前面にでるよう、様々な手法をうまく取りいれていただきたい。