(日時) 平成29年6月26日(月) 9:08~10:00
(場所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、稲垣副知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、人事課長、
福利厚生課長、管財課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長 他
(議題) 1 ワーク・ライフ・マネジメントの推進について
議題に入る前に知事及び委員長のあいさつ
(知事)
本年度1回目で、鳥羽委員長になって初めての中央労協。引き続き、「労使で日本一働きやすい県庁づくり」をがんばっていきたい。
ワーク・ライフ・マネジメント(以下「WLM」という。)は4年目を迎え、一定の成果は出ているが所属間の温度差、部局間の二極化の傾向が見られる。昨年度の実績の検証、今後の目標設定を共有して取組の進め方について議論をしていきたい。
また、平成24年度の労協セミナーで、ファザーリング・ジャパンの安藤さんに講演に来ていただいたのが、イクボス、イクメン、WLMの端緒だったと思われる。
その後、労使で取組を進めてきた結果、イクボスランキングで全国1位という結果となった。これは企業・県内の取組の評価でもあるが、県庁の労使協働での取組も評価されたものだと思う。ご協力に感謝を申し上げたい。
(委員長)
労協には、担当者の時から関わっており、WLMやイクボスの取組を進めてきたが、まだまだ道半ばである。また、部局間で二極化という現状もある。
取組が県庁全体へ波及していくこと、それぞれの部局で考えていただくことが大事である。そのためにも、職場ごと、業務ごと、地域ごとの状況を見ていただきながら、真摯な議論をしていく必要がある。
画一的な数字だけでなく、職場、部局において建設的な意見が進むように、中央労協でのトップの知事の発言や、労協セミナーで県庁全体に浸透するような取組をさせていただければと思う。
以下、発言は○が労側、●が使側である。
1 ワーク・ライフ・マネジメントの推進について
※行財政改革推進課長から資料説明
○WLMの昨年度結果、改善はしているが部局間のバラツキ、二極化について意識する必要がある。
思ったように進まないのは、所属の構造的な問題があるということを検討していただく段階に入っている。このことを意識していただきたい。
●部局で進捗状況にはバラツキがあるので、今後はそういったことを意識して対応していきたい。
●これまでの所属、部局の効果的な取組、ジュニアボードの取組事例集も含めてイントラサイトで4月から共有できるようにして、水平展開の強化を図っている。
防災対策部、健康福祉部など、なかなか目標を達成できない部局は、やれるところから参考としていきただきたい。
○防災対策部は時間外が多い。
有事の際に、余裕を持って対応できるような体制づくりをお願いしたい。
●一律で目標を設定しての取組と、各部局ごとの取組と両面が必要である。
職場の確認、推移を見ながら、総務部として部局と意見交換をさせてもらいたい。
○本庁の各部労協に出席しているが、時間外勤務の目標を600時間としている職場もあった。職場によって業務内容が違い、人がいれば解決するかというとそうでないこともあるが、二極化については、県全体の課題として認識していただき、解決に向けて取り組んでいただきたい。
●人を増やすことだけで解決する問題ではない。
北勢児童相談所の人員増強を図ってきたが、一方で事案の件数が増えており、事案の発生が時間外となることもある。
児童相談所も防災対策部も職員のモチベーションは非常に高い。職員のモチベーションに頼らないような取組を行っていきたい。
○防災対策部の職員のモチベーションが高いという認識はあるが、災害が起こった際に大丈夫か、危惧している。
○全般的な時間外、超長時間勤務は減ってきているが、1000時間超えの職員がいるのは残念。何とか有効な対策を検討いただかないといけないと思う。今年度は、重点的に考えていきたい。
●年々、800時間超、1000時間超は減ってきているが、まだいるのが実状。
今年度から、職場アクションシートで毎月の実績を把握する仕組みを入れた。
「まずい」と思った時には、手遅れとなっており、対応しても功を奏しないときがある。夏の今頃から傾向を見て、兆候が出てきたときに、早めに業務の係替えするなどの対策ができるよう、シートを活用していきたい。
水平展開も重要なので、上手く行っている事例を周知などに取り組みたい。
○職場アクションシートが良い仕組みになればと思っている。業務分担の変更にも時間を要するので、ギリギリになってからではなく、兆候が見えたタイミングで対策をお願いしたい。
○全庁的に時間外勤務の分布は0~100時間が多いというのがスタンダードな形。
防災対策部は、200~300時間が多く、業務量が多い中でも平準化が進んでいると思われる。この点は防災対策部長とも議論をさせていただいている。
一方で、健康福祉部は時間外勤務の分布はスタンダードな形であるが、超長時間勤務者は1つの地域機関と本庁の4課に集中している。
職員の増強等により1000時間が減ってきたのは大きな成果と認識している。ただ、医療計画等に当たると増えてしまうので、健康福祉部の中で、課を超えての色々な対応も考えていただければと思う。
●防災対策部は、部長等が仕事の割り振りも機敏にしていただいていると思う。健康福祉部は、部の中に局が2つある状況にあるが、部内の連携はしっかりとお願いしていきたい。
(委員長)
これまでマネジメントとして管理職の業務管理を進めてきた。昨年度知事は、仕事を減らすのは難しいから、まずは年休の割り振り、その後仕事の割り振りと話しをされていた。
WLMは業務管理だけではなく、労務管理の部分もある。
労働安全衛生法、職員のライフステージなどもあり、今後は、労務管理に注目していきたい。民間は36協定などの法律で縛られるが、公務では全職場で36協定を締結しているわけではない。管理職も労務管理を認識していただき、その観点から業務を減らしていただきたい。
今日の資料にあるのは、時間外勤務の状況であり、この下には通常の勤務時間がある、その点の労務管理も含めて職場で取り組んでいただきたい。
平成29年度の推進方針では労務管理を全面に出してお願いしたい。
昨年度、行財政改革推進課と一緒になって職場アクションシートを見直した。月単位で管理すれば、労務管理もできると思う。きっちりと実践ができるようお願いしたい。
●職場アクションシートの活用については、できるだけ効果的な活用ができるよう管理・活用を検討しながら、進めていきたい。
また、勤務間インターバルの意識醸成について、労務管理を意識するという観点からも行っていきたい。
●ツールはだんだんできている。それをどう利用するかにある。
職員の健康管理、労働安全については委員長の言うとおりである。
●アンケートの結果によると「職場の雰囲気」は良くなっているが、「個人のWLM実現」が減っているのはどう理解すればよいのか。
○所属の休みが取りやすい雰囲気づくりは進んできているが、実際は取れなかったり、自己規制の意識もあるのでは。
(知事)
自己規制してしまうと、取組は進まない。
(委員長)
アンケートでは、「ライフについては、口出ししてほしくない」という職員の意見もあると思われる。そのため、結果にバラツキが出ているのではないか。
以前に比べると、職場の風土・醸成は進んでいるが、単年度では比較できない。子育て・介護だけでなく、独身の人においても自己実現等のライフ・マネジメントを気にしていただければ、アンケートの点数はあがると思われる。
○「職場の雰囲気」は良くなっているが、個人に任せる部分も大きい。
男性の育児参画は進んでいるが、友人の職員の声を聞いたところ、育児休業手当金、1か月以内の育休なら勤勉手当が減らないといった制度を知らず、育休を取らなかったという声もあった。
育休を取るように進めるだけではなく、育休を取った場合、このような制度や共済掛金の免除等の制度があることを提案できてこそ真のイクボスだと思う。そういった所属長を増やしてほしい。
●制度の情報等は非常に重要。総務部の職員も手当金等の情報をふまえて、育休を取った例がある。所属長の半数は手当金等の制度を知らないと思われるのでPRしたい。
○是非PRしていただき、育休の対象者には所属長から制度を伝えてほしい。
●育児参画計画シートを使った面談が定着してきている。また、育児休業の給与面の影響を示したリーフレットも作って周知してきたが、所属長への周知の徹底も行いたい。
○二極化があるが、一定改善できている所属もある。押し並べては今回の資料のような目標数値であるが、細かく見ていくと500時間を超えの高い目標を掲げている職場もある。
職員を1人、2人増やしたぐらいでは時間外削減には繋がらないという分析結果もある。職員もモチベーションを持って仕事をしている。
時間外が1000時間を超えるようになってくると、労務上の問題もあり、何かが起こってからでは遅い。所属長のマネジメント、必要な体制について、職場の意見をふまえて議論いただきたい。
●業務の見直し、プロセス改善は重要。
今、財政状況も厳しく、集中取組を行っている。効果がない事業から、効果がある事業へ集約していくなど、財源面からも見直していく必要がある。業務見直しについては、各部に働きかけていきたい。
○勤務間インターバルは、職員に無理させない、健康管理では必要だと思う。併せて業務改善、業務見直しをして時間外を減らさないと、仕事が後へと先送りとなってしまう。しっかりマネジメントの中で業務改善を行ってほしい。
●勤務間インターバル、定時退庁等の意識づけは非常に重要で、きっかけでもある。
税の地域機関で職員と意見交換をした際に、子育て中の女性職員から、女性職員は子どもの迎えのために17時15分には仕事を終える必要があり、家事と同じように同時並行的に仕事に取り組んでいるが、男性職員は1つの仕事を終えるまで仕事を続けると言われ、働き方の見直しが必要でないかと指摘された。
時間の意識は必要ではないかと思う。時間管理の意識も7月~8月にできなければ、その後も何ともならない。7月~8月にこの取組をしっかり行い、各職場でどう展開していくのかだと思う。
○各部でも定時退庁の取組をあげてもらっているので、今回の取組(定時にスイッチオフ運動、勤務間インターバル確保の意識醸成)がきっかけとなって取組が広がっていけばと成果があると思う。
放送をかけることで、時間管理の意識づけを持ってもらう取組であるので、一定、どこかのタイミングで成果も検証しながらより良いものしていきたい。
(委員長)
業務管理、労務管理をしっかり見てもらえれば、定時退庁やインターバルにも繋がる。思いがあれば伝わって、成果となって現れる。思いが職場に浸透するように一緒にしっかり進めていきたい。
(知事)
1点は、地域・企業の声では「人が確保できない」と聞く。だからこそ、中小企業・地域経済界等は生産性の向上、働き方の見直し、労務管理の取組を必死で行っている。県庁でも行財政改革の中で職員数を抑制しながら進めている。県庁が、地域の率先垂範となる取組をしていく必要があると改めて思っている。
もう1点は、WLMが4年目を迎え、マクロの数字の分析、アンケート集計値の分析はしているが、もう1回原点に立ち返って原因把握、分析をする必要がある。
業務が多いという抽象的なことだけでなく、「どういう業務が、どういうところで、どういう風に多いのか」といった原因の把握、分析を突っ込んで行い、改善が必要であると思っている。
県庁職員と会話する時には、ぜひそんなことも話していきたい。