平成24年度 第2回中央労使協働委員会 概要
(日時) 平成24年10月31日(水) 9:30~10:50
(場所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、植田副知事、渡邉危機管理統括監、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、人事課長、福利厚生課長、
管財課長 他
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長、書記次長 他
(議題) 1 「防災・危機管理体制の充実に向けての提言」にかかる改善状況
2 総勤務時間縮減運動
3 日本一、働きやすい県庁(業務改善)職員提案制度
4 その他
※ 議題に入る前に知事及び委員長のあいさつ
(知事あいさつ)
・ 労使協働セミナーは有意義であった。今後に活かしていきたい。先般、港湾改修工事にかかる処分を発表し、幹部職員に対するコンプライアンス研修を実施した。県民の皆さんの信頼を損なう重大な事実であり、信頼回復に向けて一致団結して取り組んでいかなければならない。一方で、職員のモチベーションを下げてはならない。その意味でも労使で協働して再スタートを切りたいと考えているので、よろしくお願いしたい。
・ 総勤務時間縮減については、これまでの取組を検証しながら、新しい取組をしていく必要があると考えているので、忌憚のない意見をいただきたい。
(委員長あいさつ)
・ 定期大会で地域機関の見直しにかかる議論が多かった。組織が変わる中で自分たちの働きぶりをどうしていくかなど、入れ物だけでなく中の体制についても議論を深めていきたい。
・ 労使協働セミナーの内容にも関連するが、ワーク・ライフ・バランスを進める中で、意欲も上がる職場づくりを一緒に進めていきたい。家畜保健衛生所の職場訪問では、いろんな資源が不足している現状を知事に実感していただいた。今後、改善が図られればありがたい。信頼回復や意識の向上に向けて、組合も一緒になって取り組んでいきたい。
1.「防災・危機管理体制の充実に向けての提言」にかかる改善状況
※ 人権・労使協働監から資料説明
以下、発言は○が労側、●が使側である。
(危機管理統括監) 提言にかかる取組については、さらに改善に向けた検討を行っていく必要がある。また、個別の課題と全庁的に対応していくべき課題の整理も必要と考えている。風水害については、毎年対応する必要があるので、できるだけ早く改善していきたい。
○ 災害対応について、全庁的な体制で対応していくべきとの意見がある。災害対策本部だけの仕事にせず、全職員が意識を高め、災害に対応できるようにすべき。建設事務所や県民センターは限られた人員で対応している状況であり、一度、全庁的に対応する体制について議論してはどうか。
(危機管理統括監) 今年は特に警報も多く、防災対策部も対応が大変だった。市町から県職員の派遣要請もある中で、担当部署だけで対応するのは難しい。全職員が、災害対応時に何をやっているか知る、経験することは重要。特定の職員だけでなく、全職員が積極的に災害対応を経験していくような取組について、労使協働の場で議論できればありがたい。
(委員長) 全職員が経験し、共有できるような方策について議論ができればと考えており、検討の場も含めて、相談させていただきたい。
(知事) 提言にある派遣職員と派遣先、派遣元等との連絡調整を行うコーディネーターの役割を担う職員については検討されているのか。今も派遣されている職員がいるが。
● 東日本大震災でも、発災直後に多数の職員派遣を行っている時期には、防災対策部の職員が調整員として派遣されていた。人事課では今回の経験を活かすために、職員の声を派遣時の留意事項としてまとめており、できるだけそのような職員を配置できるようにしたいと考えているが、全てのケースで配置できるわけではない。
○ 発災直後は、現地の状況把握も困難な状況にあり、そういった要望が多かったが、今は事前の説明等もあり一定改善されている。
(委員長) 多くの課題が出てくると思うので、総務部が中心となりフォローしていただきたい。派遣職員への細かな気配りが大事だと思うので、また相談させてほしい。
○ 情報伝達体制が見直され、メールを活用することとなり、訓練でも一定の効果が確認された。一方、①メールは気づきにくい、②所属長へ受信確認メールを送るため、個人情報の管理の徹底も必要、③所属長が受信確認の集計に手間取ったなどの課題もある。実際の災害時に有効に活用できるように改善していっていただきたい。
(危機管理統括監) ①は電話との組み合わせ方により対応していく、②は個々の問題でもあり再周知したい、③は仕組みの部分であり改善について検討したい。
(委員長) 受信確認メールをサーバーへ返信するなど、システムで集計できないか。
(危機管理統括監) 職員の安否確認も重要。コストの問題もある。実際の災害時に有効であるかという視点での検討が必要。有効活用できるようにしていきたい。
2.総勤務時間縮減運動
※ 行財政改革推進課長から資料説明
○ 時間外勤務時間数が20年度以降急に増加し、今現在198時間となっている。紀伊半島の大水害等様々な要因があった昨年度の時間外勤務時間数より増える見込みである。少し危機的な状況だと感じている。先日、副知事交渉で今後は真剣に取り組みたいという発言ももらったので、具体的にどう進めていくかお話を伺いたい。
(知事) 時間外勤務時間数がこの数年高い水準で推移していることもあり、私自身も危機感を持っている。職員の皆さんのワーク・ライフ・バランスの実現を考えると、勤務時間数を減らす必要があるし、一方で県民の皆さんからみれば行政におけるコスト削減であり、両立をさせることが重要である。今後は今までとアプローチを変えた抜本的な取組も必要であると感じている。管理職の総勤務時間縮減に対するマネジメント強化が必要であるし、私自身も仕事の進め方について改めるべきところは改めたいと考えている。総勤務時間縮減につながる抜本的な対策を労使で一緒に考えていければと思っている。これは決意表明だ。
(委員長) 私も同感で、「日本一、働きやすい県庁(しょくば)」で「時間」をテーマにおきながら逆方向に進んでいる。また厳しい財政状況のなかで、県民の皆様からいらぬご指摘をいただかないという意味からもきちんとやっていきたい。ただ、しっかり全庁的に取り組み、雰囲気づくりをしながら、仕事を見直すことが重要だと感じている。過去に時間外勤務の半減運動をした時は、職員の士気が低下したことがあった。それを踏まえて、労協で減らそうということになり、取り組んできた。当時と比較して知事部局の職員定数は10%強減って、仕事は増えている状況であることを前提として、仕事を見直すということをベースに労使で取組を考えていきたい。
また、業務改善をすると定数削減につながるという職員や幹部の意識も強かった。当時は計画的にどんどん減らす時代だったので、意識改革ができなかったが、そういう視点が効果的だと感じている。
(副知事) ユーカリで言ったとおり、強い決意で臨みたい。今年度の予算編成から事業にABCを付けることになっている。部局長へも事業の薄切りではなく、0か100かで事業を見直すようお願いしている。そういうことを通じて事業をみなおして総勤務時間縮減を進めていきたい。
○ 職員の意識もワーク・ライフ・バランスに向けて変えていく必要がある。職場で一生懸命仕事をすることも大切だが、時間外に自分たちの知識を地域に還元していくことも大事である。
● 労使で検討したいということであるので、小委員会のほうで具体的な方策を検討させていただいて、中央労協へ諮り、進めてよいか。
○ 中央労協を待っていないでいい取組があればすぐに始めていただきたい。
○ 個別の案件であるが、時間外勤務が多い一つの例として、児童相談所があげられる。窓口を強化していくことを知事もおっしゃられたが、虐待を受け、保護した場合、その後の生活全般のケアも県がしていく必要がある。県の施設ではあすなろ学園が担っているが、その体制についても来年に向けて十分強化いただきたい。
(知事) あすなろ学園も児童相談所も現場でお話しを聞いたが、おっしゃるとおりで、一時保護した後や家庭に返した後の相談支援については、児童相談所が担うべき部分もあるが、児童福祉法上は、市町村で行うことになっている。いきなり市町村でと言っても無理なので、体制強化のなかでは、しっかりケアをしながらも、市町が体制を確立できるような支援をすることを柱として、総合的にやっていくことで、今おっしゃられた懸念が出ないようにしたいと思う。
○ リフレッシュ休暇の取得は、計画がないところに取得はないので、意識が大事だと思う。知事もリフレッシュ休暇を率先して取得していただくようお願いしたい。
(委員長) この数年超長時間勤務者が増えている。ワーク・ライフ・バランスの観点からすると非常にひどい。目の前に事例がみえているので本気で考えてほしい。以前それぞれの課と小委員会で話し合いをしたがなかなか解決策がみえない。副知事や総務部長にも対応を考えていただきたい。
(知事) もちろんこれだけで減るとは思わないが、経産省時代に、人事の面談の際に仕事以外の楽しみを気づかせる面談をしていた。人間は他に興味があれば、効率的にそれ以外をこなすということからである。一定の改善効果はあったので、管理職にはこういったコーチング手法も身につけていただければと思う。
(副知事) 現在各部局長と中間面談をしているが、時間外の数字や超長時間勤務者については対策をとるように話している。
(委員長) 超長時間だけは、本当に減らすように。知事の言われた視点も大事だと思う。
(知事) 僕自身も公務員時代、仕事が終わってからやりたいことがあると、仕事を効率的にしたり、仕事を任せることもした。僕自身も残業が減った。
○ 安藤哲也さんの講演であったように、シャネルにできて資生堂にできない。エールフランスにできてJALにできないのがくやしい。本気度が足りないと感じる。
○ 心をこわすと家庭へも影響する。少しでも総勤務時間縮減に協力していただきたい。
3.日本一、働きやすい県庁(業務改善)職員提案制度
※ 人権・労使協働監から口頭で説明
● 総勤務時間縮減につなげる改善提案をもらい、少しでも総勤務時間の縮減につなげていきたい。
○ 職場労協は、何度も開かないので、普段何気なく感じることを集めるためには、今年度実績ができたら、いつでも提案できるよう通年で提案を受け付けるような形で運用をお願いしたい。
(委員長) 支部長クラスには話をしているが、現場の責任者の分会長まで浸透するのは時間がかかると思うが、どのように考えているか。
● 11月6日の共通幹事会で各部の総務課へ周知していきたい。
(委員長) 時間外を減らすのに、仕事を見直すいいアイデアをもらえるよう伝えてほしい。
○ この制度には非常に期待をしている。周知の仕方も大事である。組合も努力していくので、知事の方も情報発信をお願いしたい。
4.その他
※ 人権・労使協働監から口頭で説明
・ 職員満足度アンケートについては、今年度も実施を予定しており、現在、アンケート項目について検討中である。
以上