労使協働委員会概要
(日時)平成14年12月25日(水)14:00~16:00
(場所)吉田山会館特別会議室
(参加者)総務局長、総務局総括M(組織・職員分野、財政・施設分野)、行政システム改革TM、
人材政策TM、職員支援TM、管財TM他
中央執行委員長、副委員長(3名)、書記長、書記次長他
*Tはチーム。Mはマネージャー。
(議事)1 職員満足度アンケートについて
2 職場・県民局労使協働委員会の運営上の課題について
3 総勤務時間縮減運動とサービス残業防止対策にかかる進捗状況について
4 県民局公用車有効活用について
5 その他
(概要)
1 職員満足度アンケートについて
*書記長から、「職員満足度アンケート2002」の概要について説明
・有効回答率が上がったということは、職員の関心が高まっているということの表れであり、全体的に満足度も重要度も上がったことはよかったと県としては認識している。
・少しでもポイントが上がったということは、労使間の相違点を解消していくための一つのメルクマールである。いろいろな解釈の仕方があると思うが、現状として認識する必要がある。
・三役に報告したところ、知事もこれまでの取組が少しでも前進していることの現れであると評価している。引き続き、様々な方法で現状を評価・検証しながら取組を進めていきたい。
・総務局組織・職員分野総括マネージャーとして、このアンケート結果を勤務評価の目標としている。結果的に総合満足度は目標値には達しなかったが、全体的に改善傾向を示しており、一定の評価はされていると受け取っている。
・今後この結果をどうするかということが重要である。強みと弱みを分析し、強みは伸ばしていき、弱みは改善していくことがこのアンケートの趣旨である。
・満足度が低い項目の中に「過度の精神的負担」、「職場スペース」、「ホッとできる時間・場所」などが入っており、職員がストレスを感じている県庁の事情を反映していると組合としては認識している。メンタルヘルス対策については、さらに取組を進めていく必要がある。人事異動・定数配置にも十分留意していただきたい。
・今年の結果は若干上がっているが、基本的には現状維持であると組合は受け止めている。また、具体的に結果を受けてどうするかということが、昨年度はできていなかった。今後は、課題となる項目を整理し、小委員会等で検討を行う必要がある。
・部局別では満足度が下がったところもある。各部局が独自の課題改善について取組を進める必要があり、部局・県民局労使協働委員会においても議論していただきたい。
・表面的な取組だけでなく、内発的に改善を進めていくことが重要。内発的な動きは結果が表面に現れにくく、評価されにくいが、着実に改善を進めていく必要がある。今回の結果を真摯に受け止めるとともに、欧州労使関係調査の復命にあった「合意に達しないことを受け入れる意志」と「合意に達しなくとも前進しようとする意欲」という言葉を肝に銘じ、今後も労使で取り組んでいきたい。
・「職場環境」に関する満足度が全体的に低い。各職場での改善に向けた取組が必要である。
・労使協働で職員満足度アンケートを行っている。しかも2回目で今後も継続していくということ自体に大きな意義があり財産であるといえる。この財産をいか有効に活用していくかがより重要である。
・2年目ということで、アンケートを取った結果どうなったのかということを示す必要がある。そのためには現場も含め、皆で知恵を出し合っていくことが重要である。
・具体的な成果があった項目は評価されており、具体的な成果がなかった項目はやはり評価が低い。例えば、「休暇」は一定の整理をした成果が、今回の評価であると思われる。一方「ホッとできる時間・場所」などは具体的な成果が必要とされている。
2 職場・県民局労使協働委員会の運営上の課題について
*労使協働・人材政策特命担当監から、職場・県民局労使協働委員会の運営上の課題について説明
・12月に実施した県民局労使協働委員会との意見交換会での議論で特徴的なものとしては、(1)職場レベルでは「労使協働」と「対話」の区別がついておらず、形式的に労使協働委員会を行っているケースが少なくない、(2)労使が情報、時間、意識の面で対等になっていない、(3)県民局労使協働委員会が経由機関的な位置付けになっており、労使協働のメリットが感じられていない、というものであった。
・労使協働を進めるうえでの指針のような「パートナーシップ基準」を提示し、あらためて職場で労使による議論をしていただく必要があるのではないか。
・より良いディスカッションを行うための「会議の6原則」があり、(1)対等、(2)聴く、(3)簡潔、(4)本音、(5)反対歓迎、(6)しこりなし、といわれているが、管理職が真剣になって対話をしないと、労使協働もうまく機能しない。アリバイづくり的な労使協働委員会ではやらされ感だけで全く問題解決にならない。
・今後具体的にどうしていけばよいか議論していくとともに、うまく機能している職場労使協働員会をベンチマーキングするなど、優良事例を紹介する機会も必要ではないか。
・労使協働委員会が始まって2年余り経ったが、人事異動や役員の異動などで人がかわっていくため、継続して一定のレベルを保つことはなかなか難しい。全てが一度に解決する話ではないため、重点的に対応すべき項目を整理して、取組を進める必要がある。
・職場に民主主義を定着させるためには、労使間のハンディキャップを埋めるための基準が必要であり、労使共通の認識を持つ必要がある。組合としては、1月下旬から委員長と組合員との意見交換の場を設け、そのような問題提起を行うこととしている。
・新しい基準を出すことにより職場が混乱しないかという懸念もある中、職場や県民局において何が必要かというニーズ把握がこれまでなかったことから、今回意見集約を実施したところである。その結果、労使とも当初の想定とほぼ違いはなかったため、これらの結果を踏まえた整理を行い、議論をさらに進め、次回労使協働委員会に提案していく。
・「情報」とは、必要な量の情報を、議論する前段で皆が理解しておくということであり、これが対等であるかということが重要である。その問題を解決することが大きな足がかりとなるのではないか。職場労使協働委員会が情報伝達会議になっている側面があるが、情報の重要性は理解しつつも、労使が議論する前提条件としての情報共有には至っていないというのが現状である。
・情報共有は労使間だけの課題でなく、県行政全体における課題である。情報の量や範囲だけでなく、スピードも重要な問題である。
・労使とも未成熟なところもあり、県庁の改革もすっきりと進んではいない。労使協働委員会だけがうまくいくという問題ではない。
・具体的な対策として、職場労使協働委員会の底上げを図るために、一つの見本となる職場を選定して定点観測し、紹介していくことを検討してはどうか。また、今年度の職場労使協働委員会の開催回数等を把握してはどうか。
・マニュアルを作って型にはめることが必ずしも問題解決に繋がるわけではない。労使協働が何のためにあるのかという意識さえあれば、自ずと各人が何をすべきかが分かるはずである。意識改革が何より重要である。
・県はシステムをたくさん作ってきたが、そのことが目的ではない。一定の基準は作るが、枠にはめられているだけではやらされ感になってしまう。
3 総勤務時間縮減運動とサービス残業防止対策にかかる進捗状況について
*行政システム改革TMから総勤務時間縮減運動とサービス残業防止対策にかかる進捗状況について説明
・いまだに1900時間があるから時間外勤務ができないという職員もいるが、サービス残業を黙認する職場はなくなってきたと組合は認識している。現状の問題は、自己規制という個人の意識レベルの問題に変わりつつある。その一方で、総勤務時間縮減運動も3年間進めてきて、意識レベルでもある程度定着してきたことから、1900時間にこだわらなくてもよいという意見もある。
・時間外を出しにくい雰囲気がある職場もあり、また、部局の違いもある。総勤務時間縮減という考えは、自己実現に関わる側面もあり引き続き必要であるが、1900時間ありきという考え方は考え直す必要があるのではないか。
・1900時間も36協定も管理職側の責任を問う数値であるという側面もある。それが守られなかった場合、その環境を作らなかった管理職の責任が問われるべきであるとの認識も必要である。
・県としても個人レベルの問題として片付けるべき問題ではないと認識している。管理職の問題として、深刻に受け止め、社会人、家庭人、地域人としての自己実現を図ることができる環境づくりに結び付けなければならない。引き続き、踏み込んだ職場内での議論を進めていきたい。
・組合員から、現場の職員には危機感がないので、県は金がないから時間外勤務手当が払えないといったらどうか、という意見があったが、勤務時間を縮減しサービス残業なくすことによって、職員満足度の向上を図らなければ意味がない。
・若い職員の中には、手当の問題は抜きにしても、もっと自分の時間が欲しいという意見も多い。勤務時間縮減という割に、仕事ばかり増えて人が減っているということが根本の原因であるとの意識が強い。
・総勤務時間縮減運動は職員満足度を高めるうえで重要なことである。そのためには、業務の効率化を考える必要がある。管理職のマネジメントによる部分も大きく、今までの業務のやり方を全く変えずに職員に押し付けるだけは問題解決にはならない。
・数字云々の時期は過ぎた。ここで原点に戻って総勤務時間縮減を考えないといけない。しかし、現実には仕事のやり方を変えるだけで解決するものだけではないという思いが、組合員にも管理職にも不満としてある。業務そのものをどう削減していくかという議論も含め、業務量と人員のバランスから考えなければいけない。
・原点に帰るということは、もっと高いレベルに行くいうことである。作ったシステムの中に魂を入れていく努力をしていかないといけない。今後具体的な手法を詰めていく。
4 県民局公用車有効活用について
*行政システム改革TMから、県民局公用車の有効活用について説明
・趣旨が県民局にうまく理解されていなかったこともあり、これまでの議論をフィードバックしたうえでさらに現場での議論を行う必要がある。
・地域機関は、緊急事態に備えて、常時数台の余裕は残しておく必要があるという意見があった。
・結論ありきではなく、今後の議論を踏まえて改善していく。
・この議題は、県民局独自のより身近かな問題として議論しやすいのではないか。
5 その他
・組織定数について、業務削減や見直しが現場では進んでいない。定数削減について現場の意見が反映されず、管理職が職員に説明することもできないという状況である。トップダウンではなく、職場できちんと職員に説明できるような取組とするよう要望する。
・「運営要綱」に基づく組合による意見収集会議を1月下旬から2月上旬に実施する。議題は「対等・信頼に基づく各労使協働委員会の運営について」とする。