平成13年度第8回意見書(林道開設事業)
1 経過
平成13年10月30日に開催した第6回委員会において、県より林道開設事業1箇所の審議依頼を受けた。
審議対象事業に関して、県の担当職員から事業説明を受け、審議資料に基づき審議を行うとともに、平成13年11月27日の第7回委員会において現地調査を実施するなど慎重な審議を行った。
2 対応方針案に関する意見
審議対象事業に関して慎重な審議を行った結果、以下のような意見を委員会としてとりまとめ、三重県知事に対して答申するものである。
(1)林道開設事業
① 国見能見坂線
①は、平成8年度に事業着手し、5年を経過して継続中の事業である。事業着手以来、大宮町において開設作業を進めてきたが、南島町においては、林道建設による環境破壊、海洋汚染や産業廃棄物等の不法投棄等の懸念から反対運動等もあり、平成12年度からの事業着手を見合わせてきた事業である。
県の森林環境創造事業の取り組みは先進的でもあり、大いに評価でき、環境林の管理のための森林環境創造事業、生産林における木材生産のため、それぞれに対応した森林アクセスは重要である。
また、現地調査の結果、南島町における森林整備の緊急性・必要性は十分にあり、そのための林道設置についても理解できる。
しかし、現在の林道開設事業については、林道計画の基礎となる南島町の森林整備計画は当初から不完全であり、地元合意形成にも不備が認められ、県代行事業として県が継続する根拠を認めがたい。このため、現計画をこのままの形で継続する対応方針案については現段階では認められない。
ただし、来年度以降に南島町が的確な地元説明の上に、責任ある森林整備計画を作成し、それに伴って林道開設計画が策定されることを否定するものではない。