平成13年度第4回意見書
1 経過
平成13年8月24日に開催した平成13年度第3回三重県公共事業再評価審査委員会において、各市町より下水道事業2箇所、土地区画整理事業1箇所、都市公園事業3箇所の審議依頼を受けた。
各審議対象事業に関して、各市町の担当職員から事業説明を受けるとともに、審議資料に基づき審議を行った。
2 対応方針案に関する意見
審議対象事業に関して慎重な審議を行った結果、以下のような意見を委員会としてとりまとめ、各市町長に対して答申するものである。
(1)下水道事業
① 多度町公共下水道事業
② 小俣町公共下水道事業
①~②については、平成4年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
再評価の結果、公共用水域の水質保全と生活環境を改善するための必要性、事業も順調に進められ平成15年度には事業完了であるとの事業進捗状況から判断し、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
なお、今後の下水道事業については、生活排水処理率の早期向上を図る観点から、時間コストも考慮した合併処理浄化槽等の代替施設との比較検討を、積極的に行うよう要望する。
(2)土地区画整理事業
① 名張市中央西地区
①については、平成4年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
再評価の結果、市のまちづくり計画上の位置づけからの必要性について疑問を持つが、既に仮換地指定もほぼ終わり、造成事業の概成が平成15年度との事業進捗状況から判断し、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
今後は、市として総合的なまちづくりの観点からの事業の説明責任を果たす必要があり、長期的な視点から、住民との協働による、21世紀型の環境配慮型のまちづくりを要望する。
また、関連する緑地及び公園事業においては、在来の地形や自然環境を活かした計画の遂行を求める。
なお、こうした新市街地の開発を巡る社会経済情勢は、地価の下落や全国的な人口減少等から非常に厳しいものが予想され、また、全国的に中心市街地の活性化が大きな課題になっている時でもあり、新市街地の開発に伴い、旧市街地の空洞化や地価下落の促進など周辺地域へ大きな影響を及ぼす恐れもある。
従って、県に対しては、社会経済情勢の急激な変化を踏まえ、現在進めている土地区画整理事業について、早期の見直しを行うための総合的かつ住民参加型の、地域に適合したシステムの構築を提言する。
(3)都市公園事業
① 桑名市総合運動公園
② 鈴鹿市海の見える岸岡緑地
③ 津市岩田池公園
①~③については、平成4年に事業着手し、10年を経過して継続中の事業である。
住民へスポーツ・レクリェーション機能を提供する、あるいは市街地に残された貴重な自然環境の保全を図るといった都市公園の必要性、事業進捗に対して支障となるような地元情勢もなく順調に進められていることから判断し、事業を継続するとの対応方針案について了承する。
なお、今後の公園計画・整備にあたっては、防犯面、安全面、子供から高齢者まであらゆる人の利用を前提とし、開発の進む民地と公園との間の緩衝帯の設置などについて、目的を明確化して自然環境の保全と利用面の観点から総合的な検討を行うとともに、公園整備・維持管理にあたっては、住民参画、住民との協働に努めること。
また、自然環境を十分に活かした公園整備のあり方について検討を行うこと。