１．理念
身体拘束は、患者様の自由を制限することであり、尊厳のある生活を阻むものである。
当院では患者様の尊厳と主体性を尊重し、身体拘束を安易に正当化することなく、職員一人ひとりが拘束による身体的・精神的弊害を理解し、拘束廃止に向けた意識を持ち、緊急・やむを得ない場合を除き身体拘束をしない診療、看護の提供に努める。
２．基本指針
１）身体拘束適正化のための体制
当院は身体拘束適正化に向け身体的拘束最小化チームにて以下の項目を検討する。
①院内での身体拘束廃止に向けて現状把握、及び改善について月に1回、検討をする。
②身体拘束を実施せざるを得ない場合の検討をする。
③身体拘束を実施した場合の代替案、拘束解除の検討をする。
④身体拘束廃止に関する職員全体への指導・教育をする。
２）身体拘束の原則
患者様の生命または身体を保護するための措置として、以下の3つの要素の全てを満たす状態にある場合は、
患者様・家族への説明、同意を得た上で例外的に必要最低限の身体拘束を行う事がある。その際は患者様の
心身の状況並びに、緊急やむを得ない理由をカルテに記録する。
①切迫性：患者様本人、または他の患者様の生命あるいは身体が危険にさらされる可能性が著しく高い場合。
②非代替性：身体拘束以外に代替えする方法がないこと。
③一時性：身体拘束は、一時的なものであること。
３）身体拘束を行った時の注意事項
①身体的拘束最小化チームを中心に毎日カンファレンスを実施し、拘束をすることによる損害と拘束しない事
によるリスクを検討する。
②身体拘束による損害や観察についてカルテに記録する。
③身体拘束を継続する必要がなくなった場合や、家族の申し出等があれば速やかに解除する。
