プラスチックごみ対策
プラスチックは、その有用性から、幅広い製品や容器包装にあまねく利用されている現代社会に不可欠な素材である一方、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題などへの対応を契機として、国内におけるプラスチックに係る資源循環の促進等の重要性が高まっています。
これを受けて、国では「循環型社会形成推進基本計画」に基づき、これらの幅広い課題に対応した国内資源循環体制を構築しつつ、持続可能な社会を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいくため、「プラスチック資源循環戦略(令和元年5月)」を策定しました。
また、多様な物品に使用されているプラスチックに関し包括的に資源循環体制を強化し、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組「3R+Renewable」を促進するための措置を講じるため、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が令和4年4月1日から施行されています。
(リンク)プラスチック資源循環法の普及啓発ページ(環境省)
三重県においては、三重県循環型社会形成推進計画(令和3年3月策定)に基づき、プラスチック対策を進めてきたところです。さらに県の中期の戦略計画であるみえ元気プラン(令和4年10月)においては、特に取組を一層加速させていかなければならない課題のひとつである「脱炭素化をチャンスととらえた産業振興」において、プラスチックの一層の循環的利用に係る取組を促進していくこととしています。
プラスチック資源循環の高度化
県のプラスチック資源循環の目指すべき姿
県では、リデュースの徹底や使用の合理化、分別回収、効率的な回収・リサイクル、リサイクルの高度化の促進を通じて、プラスチック資源が可能な限り地域内で循環できるよう取り組みます。
図1 県のプラスチック資源循環の目指すべき姿
県内のプラスチックごみの処理状況
県内では、一般廃棄物で約13万トン、産業廃棄物で約17万トンのプラスチックごみが排出されています。その多くが焼却や燃料化となっています。プラスチックの焼却は廃棄物処理における温室効果ガス発生の主な要因となっていることから、焼却からリサイクルへの転換を図るとともに、マテリアルリサイクル等の高度なリサイクルを促進していく必要があります。
●一般廃棄物の状況(令和元年度実績 131千トン)
図2 プラスチックごみの処理状況(一般廃棄物)
●産業廃棄物の状況(令和元年度実績 173千トン)
図3 プラスチックごみの処理状況(産業廃棄物)
マイボトル用ウォーターサーバーの設置(令和4年度~)
マイボトルの利用を広く県民や事業者に呼びかけ、ワンウェイプラスチックを削減するため、令和4年7月に県庁内にマイボトル用ウォーターサーバーを設置しました。
令和5年1月末時点で500mLペットボトル9,000本分相当が削減できました。
(リンク)マイボトル用ウォーターサーバーの設置
ペットボトルのボトルtoボトル促進モデル事業(令和3年度)
使用済みペットボトルをペットボトルにリサイクルするBtoBを促進するため、令和3年11月から12月にかけて、津市内でモデル事業を実施しました。自動販売機横に設置されているリサイクルボックスを新形状のものに変更(50か所)し、行動変容を促すことによる異物混入率の変化を調査したところ、異物が36%減少(異物混入率は6.4ポイント減少)し、高品質にペットボトルを回収することができました。
<水平リサイクル>
使用済み製品を原料として同じ製品をつくるリサイクルのことで、資源を繰り返し循環利用できる仕組みです。使い終わったペットボトルを原料として、再びペットボトルにすることを「ボトルtoボトル」といいます。水平リサイクルでは、異物等が入ってしまうと、再生できる量が減ったり、品質に影響が出てしまいます。
(リンク)ペットボトルのボトルtoボトル促進モデル事業のページ
製品プラスチックのマテリアルリサイクルに係る調査研究(令和3年度)
市町で焼却等されている製品プラスチックのリサイクルが促進されるよう、津市が回収した製品プラスチックを用いたマテリアルリサイクルの調査研究を実施しました。
調査研究の結果、既存事業者の破砕機や光学選別機を活用することで、一定の品質のリサイクル材(ポリプロピレン57.9%、ポリエチレン35.1%)が得られました。
<調査研究の結果>
製品プラスチック リサイクル材(ペレット)
みえスマートアクション宣言事業所登録制度(令和2年度~)
資源のスマートな利用を宣言し、新しく自主的な取組を実施する事業所を「みえスマートアクション宣言事業所」として登録する制度を令和2年10月から開始しています。
<資源のスマートな利用>
製品の生産、流通、消費、再生利用、廃棄等に至るライフサイクル全ての段階で、環境負荷の低減を図りつつ、徹底した資源循環を推進する取組のこと。
(リンク)みえスマートアクション宣言事業所登録制度のページ
三重県庁プラスチックスマートアクション(令和元年度~)
プラスチックごみ対策として、まず三重県自らプラスチックと賢く付き合うことを意識して行動する活動を実施しています。
(リンク)三重県庁プラスチックスマートアクション
海洋プラスチック対策
海洋プラスチック対策を推進するため、県内の河川に流入するプラスチック類を調査したところ、レジ袋、ペットボトル、食品包装、食品トレーの生活系ごみのプラスチック類が約70%(重量割合)でした。
陸域から海域への流出防止が必要であることから、県民や事業者が継続的にごみ拾いを行うよう、活動内容が共有でき、楽しみながらごみ拾いができる取組を実施してまいります。
河川プラスチック調査(令和元年度~令和2年度)
県では陸域から河川を通じて環境中に流出するプラスチックの実態を把握することを目的として、令和元年度から2年度にかけて2級河川である海蔵川を対象に調査を実施しました。
河川から流入するプラスチック類を調査したところ、レジ袋、ペットボトル、食品包装、食品トレーの生活系ごみのプラスチック類が約70%(重量割合)でした。
(リンク)河川プラスチック調査結果のページ
楽しくひろって三重をきれいに!三重の環境美化プロジェクト(令和4年度~)
三重県ではごみの流出対策として、ごみ拾いSNS「ピリカ」を使って環境美化活動を投稿いただき、その成果(参加人数と拾われたごみの数)を見える化する「楽しくひろって三重をきれいに!三重の環境美化プロジェクト」を開始しました。「ありがとう」で活動をつなげ、その輪を広げるため、是非、プロジェクトへご参加ください。
【三重の環境美化プロジェクト】https://mie.pref.pirika.org/
※ごみ拾いSNS「ピリカ」https://corp.pirika.org/sns-pirika/を使って投稿すると、
「三重の環境美化プロジェクト」のページに取組結果が反映されます。
図4 三重の環境美化プロジェクトのイメージ
スポGOMI大会(令和3年度~)
県では、日本財団の推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト CHANGE FOR THE BLUE」と連携し、スポGOMI大会を開催しています。
<スポGOMI大会>
従来のごみ拾いに「スポーツ」のエッセンスを加え、今までの社会奉仕活動を「競技」へと変換させた日本発祥の新しいスポーツです。スポGOMI大会では、60分の制限時間内に、定められたエリアで、3人1組のチームが力を合わせてごみを拾い、その量と質を競い合います。
(リンク)県内のスポGOMI大会のページ