(日 時) 令和5年12月20日(水) 14:10~15:00
(場 所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、
人事課長、福利厚生課長、管財課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長 他
(司会進行)コンプライアンス・労使協働推進監
(議 題)・令和5年度ライフ・ワーク・マネジメントの上半期検証について
・日本一、働きやすい県庁(しょくば)づくりアンケート2023の概要について
知事及び委員長のあいさつ
(知事)
第1回はライフ・ワーク・マネジメントの方針について話をさせていただいた。本日は「日本一、働きやすい県庁アンケート結果」等について話し合いをさせていただければと思う。
今年を振り返ると新型コロナウイルス感染症が5月に5類に移行し、県の業務としては落ち着いてきているとは思うが、児童虐待や不適切保育の事案により、特定の所属の負担が大きくなった。10月に中勢児童相談所を訪問させていただいたが、職員は相当つらい思いをしており、人員や研修システムについての課題を伺った。恒常的な業務についてどのように対応していくか、現在検討しているところではあるが、さらに進めていきたい。
また、大規模災害など、緊急事案が発生した際の応援体制についても検討する必要がある。年度途中でも補充しないと職員の士気が下がる。現在、子ども・福祉部に応援職員を配置しているが、検証が必要である。
(委員長)
県民の方々からのニーズは、公助の比重が年々増えていると感じており、10~20年前と比較しても無くなる業務が乏しく、職員の仕事は質・量ともに増えている。
そのような中、本日はライフ・ワーク・マネジメントについて議論させていただく。様々な事案がある中で、今回の上半期の検証では実績見込みを基に、職場の状況を馳せながら、職員に対して何ができるのか議論させていただきたい。
ぜひ、中央労使協働委員会での議論がそれぞれの部局労協・職場労協への議論に伝播し、意見交換が活性化するようつなげていきたい。
(以下、発言は○が労側、●が使側である。)
・令和5年度ライフ・ワーク・マネジメントの上半期検証について
・日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2023の概要
※行財政改革推進課長から資料説明
〇今年度の上半期の時間外勤務(1人あたり)は、特例業務を除くと76時間と昨年度と同様であるが、特例業務を含めると82時間と、減少傾向である。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により縮小していた社会経済活動の正常化に伴い、通常業務が本格化し、令和3年度と令和4年度の特例業務を除く時間外勤務を比較すると、年度末実績で169時間から181時間と増加している。加えて、今年度は特例業務に指定されている児童虐待事案への対応等に従事する職員の時間外勤務が増加する傾向にあるのではないかと考えている。
また、新型コロナウイルス感染症の発生前後で比較すると、令和元年度の時間外勤務が196時間に対し、令和4年度の特例業務を含む時間外勤務は225時間であった。超長時間勤務者は令和元年度の158人に対し令和4年度は329人であり、このことから業務量の平準化がなかなか進んでいないのではないかと考える。
そういった中、とりわけ特例業務に従事する職員の時間外勤務が増えているという認識を持っており、例えば健康管理医の面接の強化など、職員の健康を守るための体制強化をお願いしたい。
もう1点、今年度から業務改善に向けた議論をより一層活性化するための「見える化」の取組を進めているところである。報告いただいた内容によると、所属単位で実施できないと判断された改善提案が207件もあることから、部局単位で本当に実施できないかを改めて検討いただくとともに部局長のリーダーシップのもと、業務削減に取り組んでいただきたい。また、効果があると思われるものの「全庁的な調整が必要」、「他所属等との調整が必要」といった理由で実施されていない141件については、総務部において調整をしていただければと考えている。3月の中央労使協働委員会までに少しでも実施されるものが増えるようにお願いしたい。
●職員の健康管理、特に「虐待防止対策等子どもの命を守る取組」に従事する職員については、健康に配慮するため、過重労働や高ストレス者を対象として実施する面談に加えて、特に所属長が必要とする職員や面談を希望する職員に対しては健康管理医の面談を実施することとした。また、地域機関においても積極的に面談を受けていただくために、健康管理医の巡回を予定している。
体制の強化に関して、異動や兼務などで職員を増員したが、増員するだけではなく、外部委託や業務の見直し、経験者の配置等含め、様々な対策が必要だと考えている。
業務削減については、私自身の経験からも、トップダウンで進めるよりも、「見える化」のような取組を通じ、みんなで議論して進めていくことが効果的だと思う。
〇8月に実施した時間外勤務の事前命令・事後確認の徹底について、各部局労使協働委員会でも「時間外勤務の考え方を再確認できた」、「業務にメリハリができた」、「声掛けにより定時退庁しやすくなった」といった声を聞いている。
一方で、一部であると思うが、「事前命令がない場合はいかなる理由があっても時間外勤務をしてはいけない」といった認識を持っている所属長もいると聞いているので、正しく理解してもらえるように趣旨を徹底することが必要である。メリハリを付けて働くことは大切であるため、来年度もぜひ実施してほしい。
●今の「ライフ・ワーク・マネジメント」は、以前は総勤務時間縮減運動という名称だった。そのときは「時間外勤務をゼロにしないといけない」と勘違いをする職員も多く、名称を変更した経緯がある。時間外勤務は必要があればしなければならないが、事前命令が原則という趣旨を徹底し、来年度も引き続き実施したい。
〇昨年度の年次有給休暇の実績が15.4日と、平成26年から目標としてきた15日を初めて達成できた。今年度も目標を達成できるよう、年次有給休暇の取得促進に取り組んでいただきたい。また、例年通知している年末年始の年次有給休暇の計画的取得について、今年度も通知をお願いしたい。
●今年度は、職員が計画的に休暇を取得できる雰囲気づくりの一環として、毎月の庁内会議の場等において、部局長をはじめ管理職の休暇予定を共有するなど、管理職が率先して年次有給休暇の取得促進に向け取り組んでいる。また、年末年始の年次有給休暇の計画的取得についても、本日付で通知する予定である。
●休暇取得を促進するには、表を作成し、見えるようにするのが効果的だと考える。庁議では部局長等の情報を共有しているが、各部、各課でも同じような取組をしているところもあると思う。休まないと士気の低下や体調を崩すことにもつながる。
〇そういった意味では、メリハリをつけることは大事だと思う。
〇男性職員の育児休業取得率の向上について、今年度は男女協働小委員会を3回開催し、次長級職員からの声掛けや未取得者への個別対応などの取組を実施した。10月末時点において男性の育児休業取得率が100%と、昨年度と比較しても高い取得率であり、これらの取組が効果的であると考えられるため、引き続き実施いただきたい。
加えて、育児休業取得にあたって収入面の不安を抱えている職員もいたと思うが、今年度、収入シミュレーションシートを作成いただき、年代別や取得日数別でいくつか試算したものを見せてもらったが、日数や時期によっては収入が減少しないこともあり、必ずしも収入が減るわけではないことが分かった。今後、収入シミュレーションシートを幅広く周知いただき、漠然と収入の減少を懸念して育児休業取得に踏み切れない職員の不安を払拭し、男性職員の育児休業取得促進に繋げていただきたい。
●10月末時点の男性の育児休業取得率が100%になっているので、効果があった取組は継続していく。
また、収入面の不安についても、今までは育児休業取得により収入が減少するという先入観があったが、収入シミュレーションシートにより、2週間以上の取得では掛金が減少することで、総額が必ずしも減少するわけではないことが理解できたので、十分周知していきたい。
●今年度の男性の育児休業取得率は全国的に上昇していると聞いている。国の施策によるものが大きいと思うが、良い傾向なので継続していく工夫が必要である。県庁全体では取得する雰囲気が醸成できていると思うが、大事なのは「特定の職場では取りづらい」ということをなくすことである。また、育児休業を取得した職員の補充をどうするかも課題である。
また、私も収入が減るという先入観を持っていたが、必ずしも減るわけではないということが分かった。令和7年度からは10割補填するように国も動いており、良いことだと思う。
〇お話しいただいた収入面の情報は、十分に周知を行っていただきたい。
育児休業を取得した職員の所属では、残った職員の負担が大きくなるということはあると思う。また、「日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート」の報告でもあったが、業務量が満足度に大きく影響しており、特に子ども・福祉部など満足度の低い部局における業務量の改善は非常に重要だと考える。 今後も職員が安心して業務ができる体制について、職場の意見もふまえ、議論を継続していただきたい。
職員の負担を軽減しないと公務員を志望する人も増えない。また、余裕が持てる業務量であれば、突発的な県民の方々からの要望にも応えることができる。
また、議会質問に係る発言通告について、コロナ禍に3日前までを期限とし、一時2日前に戻ったが、再び原則3日前までとしていただき、感謝している。こういうことが職員の心身的な負担を減らすことに繋がる。県庁内のレクについても、職員の負担軽減という観点から工夫をしていただければと思う。
●業務削減に向けて、業務の棚卸しを常に行うことが必要である。またトップダウンではなく、ボトムアップで取り組むことも重要である。
「見える化」の取組状況について、全庁的な調整、あるいは他所属等との調整が必要で実施しないものについては、総務部が調整し実施する方向で進めている。
〇まだ途中の段階だと思うので、これから実施に繋がることを期待する。
●内部管理事務についても見直さないといけない。知事答弁に関する事務の簡略化についても検討していきたい。質問を3日前までにできたのはみなさんのおかげだと思う。
アンケートの自由記述にあった知事レクの日程確保が困難などの意見であるが、今年度は突発的な事案が多かった。また、スケジュールを詰め込みすぎたせいもあるが、レク時間が延びてしまうと後のレクが遅れ、最終的に後日になってしまう。
1か月ぐらい前から、レクとレクの間にバッファの時間を設けるようにし、少しずつ改善していると思う。職員のモチベーションが下がるのは問題であるため、改善していきたい。