(日 時) 令和3年12月17日(金) 14:30~15:30
(場 所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、服部副知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、
総務部副部長(財政運営担当)、総務課長、行財政改革推進課長、
人事課長、福利厚生課長、管財課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長 他
(司会進行)コンプライアンス・労使協働推進監
(議 題) 1 共同アピール2021(案)について
2 ワーク・ライフ・マネジメントの上半期の検証について
3 日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2021の概要について
議題に入る前に知事及び委員長のあいさつ
(知事)
労働組合は、働きやすい職場をつくるため、執行部とパートナーシップを取る大事な機関と思っている。私も公務員をやってきて、職員の仕事をある程度わかっているつもりであり、皆さんの思いや悩みも多少はわかっているつもり。就任時に伝えた、皆さんの仲間に入れてください、仲間として働きたいとの気持ちは変わっていない。三重県に生まれた人間として、皆さんと同じく、この県を良くしていきたいと思っている。
職場で働くにあたって、3つのFが大事とこれまで言っていた。1つ目はフラットで、フランクな職場が2つ目。3つ目はフューチャー、未来を見据えてということ。子供も大事、係長の人が課長になるそういう未来も大事、何よりも三重県の未来も大事。その3つが大事と思いながら仕事をしようと申し上げたい。
知事に就任して3ヶ月。知事の部屋からあまり出る機会がないが、職員がどんな環境で働いているのか見てみたい。これまで見たところでは、働きやすい職場ではあるのかなという気がするが、いろんな問題もあると思うので、その時は教えていただきたい。
最後に、自分、仲間の健康と、家族より大事な仕事はないと思いながら、日々仕事をしている。これからもよろしくお願いする。
(委員長)
一見知事になって初めての中央労使協働委員会。労使は、北川知事の時代に交渉だけではなく、県政運営のパートナーとして協働して取り組むために創設されたもので、以降の知事も趣旨を理解していただき、継続して取組を進めてきた。引き続きこの労使の関係を継続することをお願いする。
これまで、風通しのよい職場づくりのほか、組織定数の話など、労使の関係でなかなか発言ができないような県政運営に対してもオープンに議論していこうと、部労協や職場労協で意見交換を行っているので、引き続き進めていきたい。
また職場の状況を見ることについては、以前、労使協働委員会主催で知事や委員長が参加し、職場訪問という取組を行った。コロナ禍でなければ、労使で職場を回り職場の意見を吸い上げる。それが働きやすい職場づくりにつながると考えている。
(以下、発言は○が労側、●が使側である。)
1 共同アピール2021(案)について
※コンプライアンス・労使協働推進監が読み上げ
(委員長)
知事は就任当初から、職員の健康、家族を守ることが大事だとおっしゃっている。そうでなければ、県民サービスの提供ができないと私どもも考えている。職員が、働きやすい職場、きちっと仕事ができる環境のもとで、能力を100%、120%発揮し、最高のサービスを提供することを目指していく。またそれが、「強じんで多様な魅力あふれる『美し国』みえ」につながると思っている。この案に問題はない。
(知事)
この案に賛同したい。
そのうえで1点提案したい。いろんな場面で、ワーク・ライフ・マネジメント(バランス)という言葉が使われているが、ワークとライフを比較したときに、まず家族という意味も含めてライフがあってワークがある。ワークが最初にあってライフがあることではない。以前の職場では、象徴的な意味として、ワークとライフの言葉をひっくり返して取り組んできたこともある。皆さんの賛同を得られれば、「ワーク・ライフ・マネジメント」を「ライフ・ワーク・マネジメント」とし、三重県はライフを大事にしていると打ち出してはどうか。
(委員長)
新たにそのように取り組んでいくという強い思いを、職員にアピールできると思うので賛成する。ただ名前だけ変えるのではなく、どう成果を出すのかが大事であり、中身を考えないといけない。こちら側からもいろいろ提案したい。職員の生活が公務より優先ということではない。職員も、今回のコロナ禍で公務に従事する中、ライフの面で随分厳しい状況にあることも踏まえたうえでの提案として受けとめたい。
(知事)
次の方針の中に具体的な取組を盛り込んでいきたい。実のある言葉にしたいと思う。
※共同アピール2021を決定。
2 ワーク・ライフ・マネジメントの上半期の検証について
※総務課長から資料説明
3 日本一、働きやすい県庁(しょくば)アンケート2021の概要について
※コンプライアンス・労使協働推進監から資料説明
○時間外勤務の上半期の状況だが、特例業務を除いた時間は、昨年度から71時間と微増し、特例業務を含めると、昨年度から大きく増加して99時間となっている。また、超長時間勤務者の見込みとしては170人だが、昨年度の見込みと最終的な実績を考えると、400人以上になると懸念される。勤務時間の縮減に向け、今年度の残りの期間で何ができるのか。例えば、業務の平準化の点で、班・課や所属を越えて応援することをより一層推進することは大切ではないか。当然、とことん業務の見直しを行うことも極めて大切と思う。また、部局労協の中で、管理職に対するレクに時間を割かれるという声がある。そういったことも効率よく効果的に行うことも一つではないか。労使協働による「あと10%」活動を労使とも積極的に取り組まなければならない。
●新型コロナウイルス感染症に関する全庁的な兼務、応援体制等により、時間外勤務が増えている。これを減らしてくため、まずは、通常業務の中で緊急性の低い業務を見合わせ、今やらなくてよい仕事は中止、廃止する。また、さらなる業務見直しを進め、業務分担を見直す。特定の職員に業務が偏ることは絶対だめなので、班・課、あるいは所属をまたいで業務の平準化ということも必要と思う。あわせて、第1回中央労使協働委員会で確認した部局長のあと10%廃止、見直し取組をこれからも積極的に進めたい。管理職に対するレクの効率化については、三重県庁スタンダードルールに、レクチャーは開始時間、終了時間、目的を明確にすること、資料は必要最低限にすることとあり、取り組んできたところだが改めて周知したい。
○時間外勤務について、特に新型コロナウイルス感染症対応の中心を担っている医療保健部では、この4月、5月、時間外勤務が月100時間を超える職員、中には200時間を超える職員もいる状況だった。6月の中央労使協働委員会で、何とか1週間に1日は休みを取れる体制を築くことを意見交換し、その体制を整えた。しかしながら、我々の想像をはるかに超える第5波の影響で、この7月、8月に、結果としては1週間に1日も休みが取れない職員が多数いた。今後、第5波を超える波が来ても、何とか週に1日は休みをとれる体制をお願いしたい。
●第1回の中央労使協働委員会の場で、週に1日は休める体制をという意見を受け、医療保健部と協議をしてシフト制を整備すること、あらかじめ休日を割り振ることによって、休みが取れるよう取り組んだところであるが、第5波の際、急激な感染拡大により、結局のところ計画どおり休みが取れなかった職員がいることは聞いている。第6波に備え、11月1日に、新型コロナウイルス感染症対策本部の組織体制を1課4PT体制に強化し、保健所職員の増員を行った。加えて、各部からの応援職員として350人をリストアップし、その職員には事前に業務マニュアルの配付やweb研修を受講し、いわゆる即戦力として対応できる形の支援体制もとった。これからも本部、保健所職員の負担軽減に向け考えていきたい。
○第6波に向けての体制整備は重要と思う。一方で、部労協の中で、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いている中、なぜ関連業務のため、応援職員を出さないといけないのか、またその応援要請の時期が遅すぎるという意見がある。現在も応援が必要との説明を十分に行う必要があるし。またその要請もできるだけ早く職員に連絡がある体制をとってほしい。
●もし、仕事の応援内容がきちっと説明されていないのであれば、的確に説明するよう指示をしたい。今、応援をお願いする必要性は、第5波の時の対応の反省や新たな課題に対応し第6波へ備えるため、さまざまな対応が求められているからである。例えば、新型コロナウイルス感染症の患者受入のための増床や、ワクチン接種対応等に協力していただく医療機関への各種補助金等の事務に対応するため、各部局へ応援をお願いしている。お願いするタイミングはできるだけ早くしたいが、緊急的に業務が発生する場合もある。医療保健部をはじめ、関係部局との連携を一層図り、応援をお願いする際はできるだけ早く連絡しどんな仕事なのかを丁寧に説明したい。
○年次有給休暇の取得に関し、職員満足度アンケートの結果によれば、休暇の取りやすさの満足度が伸びている。半日在宅勤務と半日休暇の組み合わせの事例紹介があったが、労使協働による、3つの「あと10%」活動の中の所属長のあと10%対話が、アンケート結果に反映していると思う。ただ、年度目標の15.3日、年間見込み15.4日のハードルは高いので、所属長のあと10%対話にしっかり取り組み、休暇を取得しやすい職場づくりをお願いしたい。年末年始の時期にあわせて休暇の取得促進を打ち出すことも必要であるし、下半期、メリハリをつけて業務を行い、休暇取得の促進に向け、中央労協としても取り組むべきと思う。
●例年、上半期時点の年度末年休取得見込み日数を、実績では下回る傾向があるので、引き続き休暇を取得しやすい職場づくりを進め、休暇取得の促進に努めたい。また年末年始の年休の計画的取得促進については、今年度も中央労使協働委員会の名前で発信したいと考えているがどうか。
○賛成である。
○男性職員の育児休業取得率は、昨年度に比べかなり上がっているが、職員からは、職場のことを考えると育児休業を取るのは難しいという声がまだまだ聞かれる。来年度、育児休業法が改正され、育児休業の取得要件等が緩和されると思うが、男性について、制度的には育児休業を取得しやすくなっても、職場環境が変わらなければ、育児休業が取りにくいという実態は変わらない。制度改正とあわせて、より一層、育児休業が取りやすい職場環境づくりを議論していく必要がある。
●次世代育成については、三重県特定事業主行動計画に基づき取り組んでいるが、今後も、新任の管理職研修等で趣旨を徹底するほか、制度の概要やパンフレット等により周知を図りたい。また労使協働で作成した育児参画計画書の活用を図り、所属長と職員との間で育児参画に関するコミュニケーションを積極的にとり、職員が安心して出産育児等ができるよう、所属長のマネジメントのもとサポートできる職場づくりをしっかりと進めたい。
(知事)
育児休業が取りにくい理由として、どのようなことが考えられるのか。
○年度途中から育児休業を取得すると、他の職員に負担が回ってしまうことを気にして取れないとの意見が多い。年度末に子どもが生まれた場合、翌年度の4月から育児休業を取りやすいが、年度途中に子どもが生まれた場合、その年度内は育児休業を取れず、ずるずると4月以降も取れないことがある。
(委員長)
所属は早い段階から把握しているので、その時期に他の職員の支援を受けられるようにできればよい。
(知事)
計画的に対応することが大事ということか。
(委員長)
制度はできているが、運用は簡単なものではないと思う。そういうところに目を配っていただくとありがたい。
(知事)
中央省庁でも、男性職員の育児参加はどんどん進める雰囲気がある。
●お互いさまということで快く育児休業を取ることができたという声を聞くこともある一方で、育児休業を取ってもいいと言われながらも、自分の仕事量を考えるとどうしても取りづらさを感じる職員もいる。職場の状況による。制度で解決は難しい。
(知事)
制度はあるが運用の面で難しい点があるということか。その課の中でのサポート対応が難しいときは、組織を越えて応援することが必要かもしれない。
(委員長)
新型コロナウイルス感染症業務の応援について、応援を出す部局と応援をお願いする部局は話をするが、応援を出す部局が所属へうまく伝えられていない感じがする。その所属の職員からすると、今、余裕があるのになぜ応援に行かないといけないのかということになる。全体として、しっかり情報が伝えられるのが大事と思う。
○満足度アンケート調査について、全体の満足度が少し上がり取組の成果が表れていると思う。ただ、新型コロナウイルス感染症対応もあってか、医療保健部が2年連続で最下位。また今年度スタートしたデジタル社会推進局の満足度が低く、県土整備部では昨年度から大きく満足度が下がった。各部局で分析を行い、対策を講じる必要があると思う。
●デジタル社会推進局の満足度が低いのは、新しいCDOのもと、民間ベースの考え方を取り入れられ、県職員がなかなか受けとめられなかったことが要因ではないかと思う。CDOと職員の間に県職員の局長を置く形にした効果がでるよう期待している。県土整備部は、国土強靱化に関連してかなり多くの事業量をこなし、時間外勤務が増えている現状がある中で、満足度が下がったのではと思う。部で対応できる業務量を見据え、できるだけ平準化する形で進めるよう県土整備部と話をしている。いずれしても満足度が下がったところは、それぞれの職場労協でしっかり意見交換をし、原因を解決できる方法があれば、総務部もしっかり対応したいと思っている。