二.現状認識
公共部門とりわけ地方公共団体のあり方を見直すにあたり、特に私たちが考慮しなければならない社会・経済情勢の変化としては次の諸点があげられます。
- 世界第2位の経済力を持つにいたった我が国において、現在、約3人に2人が心の豊かさやゆとりのある生活に重きを置きたいと思っているなど、人びとの関心は経済的な富から生活の豊かさに移ってきているとともに、住民の価値観が多様化してきています。
また、これに伴い個性豊かな地域社会づくりが求められています。 - 情報化の進展や国の内外における人、物の交流の拡大等により、行政においても地域性を越えたグロ-バル・スタンダード(国際的に通用する基準)への適応が重要な課題となっています。
- 情報公開や住民参画が公正で民主的な行政を実現するための基盤であるとの認識が定着してきています。
- 民間経済の成長に伴い、市場を通じた資源配分への信頼が増してきているなか、従来型の行政活動の弊害が生じてきています。
- 21世紀半ばには、人口が減少していくなか、約3人に1人が高齢者となるなど少子・高齢社会の到来により経済活力の低下が懸念されおり、新たな産業分野の創出が課題となっています。
- 国及び地方の長期債務残高は、平成10年度末には約 529兆円に達すると見込まれるなど、国、地方の財政は危機的状況にあり、財政の健全化に向けて歳入・歳出の徹底した見直しが喫緊の課題となっています。