南伊勢町立南島中学校及び志摩市立東海中学校による合同研究発表会と本事業講師による指導講評を通して、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善について研修し、生徒の言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力の育成を深めることをねらいとしています。
また、発表会の視聴を通して、県内の学校教育関係者が、生徒を主体とした郷土教育のあり方について考え、郷土教育の充実を図る機会としました。
1 日時
令和6年1月19日(金) 9時40分から11時30分まで
2 場所(Zoomを使用してのオンライン開催)
三重県庁(津市広明町13番地)
南伊勢町立南島中学校(度会郡南伊勢町東宮1033)
志摩市立東海中学校(志摩市阿児町甲賀2088-1)
3 対象
県立公立小中学校等教職員、県及び市町等教育委員会事務局指導主事等
4 内容
(1)学習発表と生徒間交流
各中学校で中学校で、自分たちが住んでいる地域の中から課題を見つけ、課題解決に向けて地
域で調査して考えた解決策など、1年間の課題解決型学習の成果を発表しました。互いの発表に
対して、質疑応答を行い、学校の枠をこえた生徒間による交流を行いました。
○南伊勢町立南島中学校
「景色」、「地域おこし」、「歴史」、「祭り」の4つの班にわかれ、総合的な学習の時間に
探究活動を行いました。各班が、「出会い」と「行動」を取り入れた調査を行い、ふるさとPR
動画を作成しました。その中で見えてきた課題の解決について、どのように取り組んでいけばよ
いかを提言しました。
○志摩市立東海中学校
水曜日の放課後と夏休みに、安乗人形芝居保存会の方とともに、地域に400年続く安乗人形
芝居の練習を行い、G7三重・伊勢志摩交通大臣会合や安乗神社秋季例大祭、東海中学校文化祭
で上演しました。その上演の様子や、活動を通して学んだことや感想を伝えるなど、学びを深め
ました。
○生徒同士の質疑応答
生徒間交流では、相手校の発表を聞き、質問や感想を出し合いました。人形芝居で思い出に残
っていることや、あらためて気づいた地域の良さなど、普段学習の場を共にしていない同年代の
学びを知ったことで、今の学びを続ける良さや新たな視点による学習の広がりや深まりに気づく
ことができました。
(2)講演
三重大学 山田康彦名誉教授による講演
演題「課題解決型学習(PBL)を通じた新しい郷土教育の成果と可能性」
〈2校の取組についての講評〉
・地域の景観や人の営み、歴史や祭り、伝統文化を身につける等、地域の価値を新たに見直す形
で発見したこと。
・出会いと行動を通した学習の意義を示したこと。
・伝統文化の継承にあたっての、学校が持つ可能性を示したこと。
5 視聴者の主な感想(アンケートから)
・どちらの学校も、地域の方の思いを受け止め、活動していることがよく分かり、とても良い発
表でした。子どもたちの学びが、次々と広がっていくことを感じ、改めて地域との学習の大切
さを感じました。リモートでの学校交流も良かったと思います。
・自分の住む町の人との出会いを通して課題に感じたことや自分たちの行動によって主体的な姿
勢が育成されるとともに、深く考えることによってよりよく行動しよう、生きようとする生徒
の様子が見られ価値ある学習だと感じた。
・どちらの学校も、子どもたちが主体的に取り組み、どのように発信していけば効果的に伝えて
いけるかについて考えられていました。また、自分たちの町について外に発信するだけでな
く、次の世代にもつなげていけるよう工夫されているところに感銘を受けました。
・地域の方の思いを聞く学習はとても大切だと思った。
6 今後の予定
令和6年度は、「地域と連携した郷土教育・キャリア教育推進事業」として、県内の小中学校から実践校を選定し、取組を行ってまいります。