- facebook
- facebook share
- twitter
- google plus
- line
令和04年03月22日
令和4年度課題解決型学習(PBL)を通じた新しい郷土教育推進事業に係る合同研究発表会を開催しました
県教育委員会では、1月17日(火)に、令和4年度課題解決型学習(PBL:Problem-based Learning)を通じた郷土教育に取り組んだ中学校の合同研究発表会を開催しました
多気町立勢和中学校及び松阪市立飯南中学校による合同研究発表会と本事業講師による指導講評をとおして、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善について研修し、生徒の言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力の育成を深めることをねらいとしています。
また、発表会の視聴を通して、県内の学校教育関係者が、生徒を主体とした郷土教育のあり方について考え、郷土教育の充実を図る機会としました。
1 日時
令和5年1月17日(火)9時30分から11時30分まで
2 場所(Zoomを使用してのオンライン開催)
吉田山会館第206会議室(津市栄町1丁目891番地)
松阪市立飯南中学校(松阪市飯南町粥見566)
多気町立勢和中学校(多気郡多気町片野2254)
3 対象 県内公立小中学校等教職員、県及び市町等教育委員会事務局指導主事等
4 内容
(1)学習発表と生徒間交流
それぞれの中学校のグループで、自分たちが住んでいる地域の中から課題を見つけ、課題解決に向けて地域で調査して考えた解決策など、1年間の課題解決型学習の成果を発表しました。それぞれの発表に対して、質疑応答を行い、学校の枠をこえた生徒間による交流を行いました。
○多気町立勢和中学校 2年生
総合的な学習の時間で、小学校から経験してきた体験学習を基に課題解決型学習に取り組みました。 学習のテーマを「勢和の魅力を伝える」とし、 「イベント企画・運営」、「エンタメ」(伝統芸能など)、「ものづくり、販売」(地域につながる商品開発など)、「広報」(イベントの情報発信や日々の勢和の発信)の4つに分かれ、各班で作業や話し合いをし、現地での活動や聞き取りをもとに課題に対して解決策を考えるなど、学習を深めました。
○松阪市立飯南中学校 1、2、3年生(当日は1,2年生のみの参加)
総合的な学習の時間を「あしやまタイム」と称し、縦割り班(1~3年生の異学年で構成)で探究活動を行いました。
学習テーマを「飯南地域の魅力」とし、「お茶」、「松阪牛」、「棚田」、「深野和紙」、「しいたけ」、「伊勢本街道」、「粥見信貴山」、「てんてん」(粥見神社の神事。天狗が地上に舞い降りてきて、太鼓に合わせて舞を奉納する祭りのこと。)の8つにわかれ、それぞれの班が自ら課題を見つけ、その解決方法も自分たちで考えて取り組みました。今回の発表会では、「しいたけ」、「てんてん」、「棚田」について3つの班が発表を行いました。
〇生徒同士の質疑応答
生徒間交流では、相手学校の発表を聞き、質問や感想を出し合う有意義な時間となりました。勢和中学校の「イベント企画・運営」班が、校区にある水力発電所の壁面に絵を描いて、水力発電をアピールしたと発表した後、飯南中学校の生徒は、この後、どうやって広めていきたいかを尋ねました。勢和中学校からは「広報」班と連携して、インスタグラムを活用すると回答がありました。 また、飯南中学校の「てんてん」班に対して、勢和中学校の生徒からは「てんてんは700年前と変わっていないのだろうか?」と質問がありました。飯南中学校からは、「てんてんは言葉で伝えられてきたものなので、少しずつ変わってきた部分もあると思う。」といった回答がありました。 普段、学習を共にしていない同年代の学びを知ったことで、今後の学習に深さや広がりを与えたことと思います。
(2)講演
三重大学教育学部 山田康彦特任教授による講演
演題「課題解決型学習(PBL)を通じた新しい郷土教育の意義と展望」
〈2校の取組についての講評〉
・地域の価値の発見のし直しを行っているということと、出会いと行動を通した学習を進めているというこ
と、教師もともに学んでいることが、2つの学校の取組の特徴である。
・問いを深めることや、地域の価値を知って、伝えるだけでなく地域の様々な問題に目を向けること、そし
て問題解決のための行動を行ってみることを期待したい。
5 視聴者の主な感想(アンケートより)
・とてもよく調べてありましたし、行動を伴うことが主体性を生んでいると感じました。
・子どもたちが質疑応答する姿から、子どもたちの学びの深さを感じました。
・わかりやすく伝える事を意識した立ち方や話し方がよかったです。 また、発表に対して意見や質問、そ
して質問に対して自分たちなりに考えて答えられていてよかったと思います。
・他校の生徒の取組を交流し合うのはお互いの刺激になってよいと思いました。質問に対してきちんと答え
られなかったことについては、次に調べるべき課題になると思いました。
・地域の魅力について意欲的に課題を見つけ、かつ協働して生徒同士が取り組んできた様子が画面から伝
わってきました。また、成果と課題について表現(発表)する姿は、この取組を通して、地域の課題学習
に対する自信を深めたように映りました。
6 今後の予定
令和5年度も県内の中学校から実践校を選定し、取組を行ってまいります。
ページID:000270996