免震装置
免震装置
免震装置は、建物の固有周期を長くし、地震時の強い短い周期での動きを免れる働きをします。この免震装置は、地震力を減衰し、ゆっくしとした揺れに変換して建物に伝えるため、建物自体はもちろんのこと、執務空間も保護されます。
熊野庁舎の免震装置には、次の種類のものが使用されています。
天然ゴム系積層ゴム
「厚さ数mmのゴム」と「鋼板」を交互に積層し、上下(鉛直)方向には硬く、水平方向には柔らかい性能を持った装置です。
鉛直方向には硬いため、建築物を支えることができ、地震時には、水平方向の揺れをソフトな動きに変え、建物内に発生する水平力(せん断力)を減少させることができます。
鉛プラグ入り天然ゴム系積層ゴム
外周部分は天然ゴムと鋼板を重ねた「天然ゴム系積層ゴム」と同じ形状ですが、中心部には、円筒状の「鉛プラグ」が挿入されています。
この装置は、台風などの比較的小さい水平力にはストッパーとして機能し、建築物が揺れるのを防ぎ、大地震持には、地震エネルギーを吸収する役目を持っています。
弾性滑り支承
弾性滑り支承は、積層ゴムと滑り材を組み合わせた構造をしています。
小さな地震では積層ゴムだけが弾性変形し、大きな地震では滑り材が滑ることにより大きな変形を許容します。
積層ゴムと同様に、地震時の揺れをゆるやかな動きに変える役割があります。
オイルダンパー
オイルダンパーは、筒型のロッドにより、免震建物と下部の基礎構造に接続しています。
筒型の中にはオイルが充填されており、オイルが小さい穴を通るときの抵抗力で、水平方向の力の減衰を与える機構となっています。
地震の際には、このダンパーが伸び縮みすることによって、地震エネルギーを吸収する役割を持っています。