【Hello!とうけい】vol.223 「地震への備えを!~減災のために~」
平成28年熊本地震では多くの方が被災され、避難生活を余儀なくされており、現在も厳しい状況の中で生活されています。心からお見舞い申し上げます。
地震国の日本では、いつどこで大きな地震が発生しても不思議ではありません。三重県でも海溝型の南海トラフ地震や活断層のずれに伴う内陸直下型地震の発生が心配されるところです。
そこで今回は、地震が発生した際に自分や家族等を守るために、事前に何かできることがないか考えてみたいと思います。
総務省統計局が実施している「住宅・土地統計調査」では、住宅の耐震改修工事の状況を調査しています。
平成25年10月1日現在、平成21年以降における三重県の持ち家の耐震改修工事実施率は2.42%で、全国順位では12位となっています。県内市町では、熊野市、多気町、亀山市などが高く、尾鷲市、明和町、志摩市などは低くなっています。
東日本大震災で大きな被害があった県では、実施率が高くなっていますが、熊本県や大分県は低くなっています。阪神・淡路大震災や平成28年熊本地震では、地震によって住まいや建物が倒壊し、その下敷きになってしまうケースが多くありました。
耐震改修には費用がかかりますが、住宅の部分補強のほか居室の一角に安全なスペースを確保する「耐震シェルター」などもあり。無料耐震診断制度等を実施している市町などもあります。
次に、同調査では「太陽光を利用した発電機器のある住宅」も調査しています。
平成25年10月1日現在の三重県の住宅の太陽光発電設置率は4.38%で、全国順位は18位となっています。県内市町では、多気町、玉城町、東員町などが高く、紀北町、尾鷲市、鳥羽市などは低くなっています。
大規模な地震発生時には、長期間にわたり電気などのライフラインが途絶する可能性があります。
太陽光発電などの新エネルギーは、自立分散型電源として活用することが期待でき、住宅における電気や熱などを確保する手段としてあらかじめ検討しておくことも重要かもしれません。
次のグラフは、平成27年度に実施された「防災に関する県民意識調査結果」(調査対象者:20歳以上の県民5千人、有効回答率60.3%)で、東日本大震災発生時と比べ防災意識の変化を調査したものです。平成25年度以降、徐々に防災意識が低下していることがわかります。
また、同調査の中で、災害に備えてどんな防災対策を行っているかを確認した結果が次のグラフです。
「懐中電灯や携帯ラジオ等を入れた非常持ち出し袋を準備している」が46.7%で最も多く、「災害が起きたとき避難する場所を決めている」が39.4%で続きますが、一方で3日分以上の「飲料水の備蓄」や「食糧の確保」は、25~30%程度しかないことがわかります。
震災直後は、すぐに食糧等の救援物資が届かない状況が懸念されます。最低3日分以上の飲料水や食糧を準備しておきましょう。
各自が防災意識を持ち、地震への備えを行うことで、地震そのものの被害やその後の火災、病気等の発生を減らし、再建へ向けて自らを助けることができると思われます。
まずは、防災意識を高めてその意識を継続し、可能な対策から始めてみましょう。
○「平成25年住宅・土地統計調査」の結果は、総務省統計局のHP等に掲載されています。
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/tyousake.htm#1
○「平成27年度防災に関する県民意識調査結果」は、三重県防災企画・地域支援課が実施し公表していま
す。 http://www.pref.mie.lg.jp/D1BOUSAI/88730000001.htm
※無料耐震診断制度等についての各市町の窓口も掲載されています。
○太陽光発電等のエネルギー政策は、三重県エネルギー政策・ICT活用課が関連情報を掲載しています。
http://www.pref.mie.lg.jp/ENERGY/HP/index.htm
※家庭向けの太陽光発電設備などの新エネルギー設備の設置に対する市町の補助金についても掲載されています。
三重県の統計情報は「みえDataBox」http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/index.htm でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.224は、7月27日(水曜日)掲載予定です。 お楽しみに!