【Hello!とうけい】vol.202 「卵は物価の優等生?」
卵は、数十年あまり値上がりせずに、一定の価格を保ち続けていることから、「物価の優等生」といわれます。今回は、この卵の価格の変遷と、他の品物との比較についてみていきます。(なお、ここで取り上げる卵は「鶏卵」のことを指し、価格はすべて東京都区部のものです)。
まず、卵の価格の推移を見てみましょう。総務省が実施している小売物価統計調査でみてみると、卵の価格は大きく変動がないことがわかります。(下図参照)
1kgに換算した場合、その価格は昭和40年平均で219円、平成25年平均で340円です。この40年の間に、(多少の増減はあるものの)120円ほどしか値上がりしていないということになります。
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一方、私たちの身の回りのものは、この48年の間に上がっています。たとえば、下のグラフは、男性の大卒者の初任給の推移と、それに対する卵の価格の割合を示したものです。卵の価格がほぼ一定なことで、相対的に価値が低くなっていることが分かります。
また、卵の値段がある程度一定であることを踏まえると、卵の価格で他のものの値上がりを見てみることができます。下のグラフは、昭和40年と平成25年を比較したときに、あるものの価格が卵いくつぶんかを示したものです。 (※下の=卵5個分を表します。)
昭和40年には、食パン1kgは卵6.8個分でした。それが、平成25年になると、食パン1kgの値段で卵が19個買えるようになります。同じように、牛肉(国産ロース100g)は卵10.5個分が35.5個分に、バター200gは11.4個分が17.8個分に、それぞれ値上がりしていることがわかるかと思います。また、タクシー初乗料金はかつて卵7.1個だったのが、今は32.3個分、映画観覧料は、16.9個分がなんと81.8個分にまで値上がりしています。(※バターは平成7年まで225gで調査しています)
さて、この優等生なはずの卵ですが、最近値上がり傾向にあります。卵焼きにオムライス、茶わん蒸しやケーキ、マヨネーズなど、さまざまな場面で活躍する卵の価格が今後どうなっていくか、注目されるところですね。
小売物価統計調査の結果は、総務省統計局小売物価統計調査http://www.stat.go.jp/data/kouri/index.htmで、三重県の統計情報は「みえDataBox」 /DATABOX/index.htm でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.202は、平成26年10月22日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!