【Hello!とうけい】vol.199 「統計は体温計?」
私たちが、自らの心身の健康を保つために、あるいは病気やけがのときに、体温計や血圧計を使って自らの身体の状態を知るように、社会や経済の状態を知るために、その実態をできるだけ客観的に把握したものが「統計」です。
体温計がなければ、身体の状態がわからないのと同じで、もし、統計がなければ、世の中の状態を正しくつかむことができません。体重計で体重を測ったところ普段より増えていれば運動したり、食事に気を付ける。また、血圧が高ければ塩分をひかえるなど自分がどういう行動をとるべきかがわかります。それと同様に国や自治体のとるべき施策は統計が示す指標により判断が可能になります。
例えば、景気の状況が良くないときには、失業率やモノの売れ行き、家計の動きなどが、マスコミでもよく取り上げられますし、景気が良くなって、度を過ぎますとインフレの心配から、物価の動きや、地価の動向などが注目されます。
今回は、景気判断の指標でもっとも身近なもののひとつである消費者物価指数の動きがどうなっているのか見てみましょう。
消費者物価指数とは、総務省が「小売物価統計調査」から作成している指数であり、全国の家庭が購入するモノやサービスの平均的な値段を、ある時点のものと比べて比率の形で表したものです。三重県では、津市、松阪市、桑名市、伊賀市、尾鷲市の5市平均を三重県の消費者物価指数として公表しています。
消費者物価指数等の月別推移(平成25年4月)
このグラフから、消費者物価指数は平成25年6月に前年同月比が上昇し、その後も上昇基調にあることがわかります。また、消費税率が引き上げられた今年4月の物価指数は前月比で全国では2.1ポイント、三重県では1.9ポイント上昇しています。
三重県5市の総合指数の近年の月別推移
このグラフからは、季節による変動はありますが、平成22年からほぼ横ばいであった消費者物価指数が平成25年から上昇してきていることがわかります。 また平成26年4月の上昇は消費税率の引き上げによる影響をうけたものと考えられます。
実際に現状を調べてみて、全体としてどうなっているか、それを数字で表したものが「統計」です。 私たちが健康管理に体重計や血圧計を必要としているように、統計は国や地域の様々な状態を正しく示す大切な情報として欠かすことができないものであることはもとより、企業の経済活動に必要な基礎的データとしてなくてはならない国民の共有財産です。そして、それを作るためには、みなさんのご協力を得て、統計調査を行うことが欠かせません。
調査員がご自宅を伺った際には、調査にご理解のうえご回答をお願いいたします。
なお、消費者物価指数の調査結果の詳細につきましては総務省統計局のホームページ http://www.stat.go.jp/data/cpi/index.htmをご覧ください。
また、三重県の統計情報は「みえDataBox」 /DATABOX/index.htm でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.200 は、7月23日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!