【Hello!とうけい】vol.197 「平成23年度県民経済計算の結果より」
県民経済計算とは何?
ニュースなどで、GDPという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、内閣府の出す経済統計である国民経済計算の一部門で、国内で行われた生産活動の生み出した付加価値の合計を表します。この国民経済計算の都道府県版が県(都道府)民経済計算で、各都道府県でも個別に計算し、公表しています。
計算しているものは、生産・支出・分配と呼ばれる三つのものです。
何がわかる?
生産では県の経済規模や成長率、産業構造等を表しています。支出では家計の消費や企業の設備投資、分配では所得水準等がわかります。
冒頭挙げたGDPは県民経済計算では県内総生産と呼んでいます。これは県内で行われた生産活動の生み出した付加価値を表しています。
実際の結果を見てみましょう。最新の結果は平成23年度三重県民経済計算(確報)として公表しています。
なお、最新が3年も前なのは、県民経済計算が他の統計が出てから、それを利用して作成する2次統計なためです。
生産:県内総生産(生産側)
出荷額や売上高から原材料費などを引いたもの(付加価値)の合計が県内総生産(生産側)になります。
下の表は三重県の名目の総生産額とその伸び率(経済成長率)です。
棒グラフを見ると、平成13年度から平成19年度にかけて順調に成長を続けていましたが、平成20年度以降、下がったままな事がわかります。この平成20年度の急な落ち込みは、平成20年度に有名なリーマンショックがあったためです。
県内総生産(名目)と名目成長率
なお、総生産については市場価格のままの名目値と物価の変動をとりのぞいた実質値の二つがあります。下の図は名目と実質を合わせたものですが、こちらも棒グラフを見ると、リーマンショックからの回復は実質ではかなり進んでいることがわかります。この名目成長率が実質成長率を下回る現象は「名実逆転現象」と言われるもので、その原因は、継続的な物価の低下によるものです。
名目と実質の総生産と成長率
支出:県内総生産(支出側)
家計の支出、政府の支出、企業などの投資と県内外への物・サービスの移出入の差額を合わせたものが県内総生産(支出側)です。これは県内総生産(生産側)と同じ値になります 。
分配:県民所得
県民や県内の企業が受け取った所得を表します。給与等の県民雇用者報酬、利子等の財産所得、企業所得の三つを合計したものです。よく県の豊かさを表す指標として、これを県人口で割った一人当たり県民所得が使われますが、企業の所得を含んでいることからもわかる通り、県民一人あたりの収入を表しているわけではないので、注意してください。
一人当たり県民所得とその増加率
県民経済計算(速報)など
県民経済計算(確報)は推計するまでに時間がかかるため、次年度の県民経済計算をもっと簡易な方法で推計した速報も発表しています。これは確報が出るまでの暫定値なので扱いに注意してください。
また、毎年度、発表の度に過去の数値も見直しを行っています。ご利用になる場合は必ず最新のデータをご利用ください。
最新の県民経済計算はこちらをご覧ください。 /DATABOX/DATABOX/07354002714.htm
三重県の統計情報は「みえDataBox」/DATABOX/index.htmでご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.198は、平成26年5月28日(水曜日)掲載予定です。
お楽しみに!