【Hello!とうけい】vol.241 商業動態統計調査の結果からわかる商業販売額の動向
商業動態統計調査は、全国の商業を営む卸売・小売事業所の事業活動の動向を明らかにすることを目的とした、経済産業省が毎月実施している調査です。全国の商業を営む卸売・小売事業所のうち一定の基準で選ばれた事業所などを対象に、事業所ごとの毎月の商品販売額や従業者数などを調査します。
調査結果は、国や地方公共団体での景気対策や商業・流通・中小企業振興政策の基礎資料として利用され、私たちの社会生活の中に活かされています。また、卸売業の結果からは、生産・輸入と消費・投資・輸出を結ぶ流通段階の動向が、小売業の結果からは、「もの」の供給側から見た我が国の個人消費の動向が見えてきます。
それでは、最近の全国の商業販売額の動きや傾向がどうなっているか見てみましょう。
上の図は、平成28年11月から平成29年10月までの1年間における全国の商業販売額及び前年同月比を表したものです。
これを見てみると、卸売業販売額の前年同月比は、平成28年11月から平成29年2月までの4か月は減少していますが、それ以降は増加の傾向が見られます。一方、小売業販売額の前年同月比は、平成29年10月に減少した以外は増加の傾向が見られます。商業販売額の前年同月比では、平成29年1月にわずかに増加し、3月から10月までは卸売業販売額の前年同月比と同様に増加していることがわかります。
このように、全国から集まった調査票に記載された商品販売額を集計した調査結果から、卸売業や小売業がどのような状況かがわかり、個人消費や流通の動きや傾向が見えてきます。
また、業種別や都道府県別に商業販売額を集計すれば、どの業種が好調になってきたか、どの地域で商業販売額が伸びているのか、といったことまで読み取ることができます。
では、最近の三重県の商業販売額はどのようになっているでしょうか。
上の図は、三重県の商業販売額の前年同月比を表したものです。
先ほどの全国の商業販売額の前年同月比と比較すると、かなり違う動きになっています。全国に比べて、減少に転じている月が多く、三重県の方が減少率は大きいことがわかります。最近の三重県は商業販売額が増加傾向ではない状況がわかります。
商業動態統計調査の最新の調査結果は経済産業省のホームページで公表されています。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/
この調査のことを今回初めて知った方もぜひ一度ご覧になって、全国や都道府県ごとの商業、業種ごとの販売額などから、消費や流通の動向がどうなっているか考えてみる機会を持ってみてはいかがでしょうか。
三重県の統計情報は、「みえDataBox」http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/ からご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.242は平成30年2月28日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!
※本文中等の統計数字は「経済産業省大臣官房調査統計グループ編商業動態統計月報(平成29年10月分)」による。