【Hello!とうけい】vol.183 住宅・土地統計調査ってなあに?
大学4年生の計子さんは、統計調査の権威(けんい)と呼ばれている統博士と約半年ぶりに会いました。
(計子さん)統博士、お久しぶりです。私の書いている卒業論文「三重県における統計調査に関する論考」は完成間近ですが、住宅・土地統計調査の内容も追加しようと調べているところです。さて、三重県内の「持ち家住宅率」は一体どのくらいなのでしょうか?
(統博士)計子さん、あれから半年か、早いものじゃ。さて、ご質問の件じゃが、平成20年10月1日を調査時点とした「住宅・土地統計調査」によれば、三重県内の「居住世帯のある住宅数」は約680,900戸で、その内「持ち家」は約497,000戸、「持ち家住宅率」は73.0%となっておる。いわゆるバブル期であった昭和63年の79.5%をピークとして、近年は減少しているようじゃ。(参照:表1及び図1)
(計子さん)持ち家住宅率が73%ってことは、居住世帯のある住宅のうち、大体、四分の三弱が持ち家住宅であるという意味ですね。近年減少しているとは言え、個人的には、結構、高い率だと思います。ところで、この統計調査の目的や実施年なども教えてください。
(統博士)この調査は統計法に基づき総務大臣が指定する「基幹統計」で、昭和23年から実施されておる。住宅など人が居住する建物の実態、現在住んでいる住居以外の住宅や土地の保有状況、住宅等の居住している世帯の実態などを明らかにすることを目的としておるのじゃ。5年毎に実施されていて、平成25年10月には本調査が行われる予定じゃ。
(計子さん)平成24年度にも、準備調査か何か行われているのでしょうか?
(統博士)平成24年度については、平成25年2月1日を期日とした「単位区の設定」を行っておる。その期日前後に、「統計指導員」が県内2,905の調査区の現地調査を行っておるのじゃ。
(計子さん)その現地調査では、具体的に何を調べているのですか?
(統博士)建物の新築や除却の状況に加えて、調査区の中心から道路や最寄りの金融機関までの距離などを調査しておる。
(計子さん)国勢調査と関係はあるのですか?
(統博士)この調査では、平成22年国勢調査の際に設定された調査区のうち、総務大臣が指定した調査区において市区町村長が「単位区」を設定することになっておるのじゃ。
(計子さん)つまり、国勢調査の調査区がベースになっているという意味ですね。ところで、設定された単位区内の住宅は全て10月の本調査の対象になるのかしら?
(統博士)設定された単位区のうち、総務大臣が指定する単位区内に平成25年10月1日時点で現存する住宅等と、これらに居住している世帯の中から総務大臣が指定する方法により市区町村長が選定した世帯が本調査の対象となるのじゃ。
(計子さん)単位区と調査対象世帯を「抽出」するってことね。
(統博士)うむ、そういうことじゃ。抽出する対象数が多いことから、この住宅・土地統計調査は我が国で最大の標本調査(sample survey)と言われておる。
(計子さん)調査結果は、何に活用されるのでしょうか?
(統博士)国や地方公共団体の「住生活基本計画」や「都市計画」、「空き家対策条例」などの基礎資料として利活用されているとのことじゃ。
(計子さん)国土利用や国民の資産活用などにかかる大切な調査なのですね。住宅・土地統計調査や就業構造基本調査などの話を聞いているうちに私も、統計調査員を是非やってみたくなりました。
(統博士)ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、素晴らしい心意気じゃ。統計調査員については、お住まいの市役所や町役場で諸条件を確認してほしいところじゃ。
(計子さん)わかりました。早速、確認してみます。博士、今日はどうもありがとうございました。
(※文中の登場人物は、架空のものです。)
【住宅・土地統計調査ホームページ】http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/index.htm
三重県の統計情報は「みえDataBox」/DATABOX/index.htmでご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.184は、平成25年3月27日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!