【Hello!とうけい】vol.175  就業構造基本調査ってなあに？

　大学4年生の計子さんは、統計調査の権威（けんい）と呼ばれている統博士に久しぶりに会いました。

（計子さん） 統博士、お久しぶりです。私は、統計調査に関する卒業論文を書いている最中です。三重県における「就業構造基本調査」について調べているところですが、県内で普段（ふだん）、職に就いている人と就いていない人は、それぞれ何人くらいいるのでしょうか？

（統博士） やぁ、計子さん。さて、ご質問の件じゃが、平成19年10月1日を調査時点とした就業構造基本調査によれば、三重県の15歳以上の人口を普段の就業状態別にみると、有業者は97万9千人、無業者は63万4千人じゃった。男女別にみると、有業者は男性が56万6千人（対平成14年比1.1%増）、女性が41万3千人（同0.5%増）、無業者は男性が21万1千人（同5.0%増）、女性が42万3千人（同2.2%増）なんじゃ。 （図１参照）

　この調査の後、平成20年9月にリーマンショックと呼ばれる世界的な金融不況、平成23年3月に東日本大震災、その後欧州の金融危機の顕在化などにより、雇用情勢はますます厳しいものとなっておる。そのため、以前にも増して効果的な雇用・経済対策が必要で、その立案に際しては、就業の状態や、有業者及び無業者の数や状態、求職の実態などを出来るだけ正確に把握する必要があると言えるのじゃ。

（計子さん） 先ほどの数値は平成19年のものとのことでしたが、次回のこの調査は、いつ実施されるのですか？

（統博士） 今年（平成24年）10月に実施予定じゃ。この統計調査は統計法に基づき総務大臣が指定する「基幹統計」で、昭和31年から実施されておる。国民の就業と不就業の状態や、全国や地域別の「就業構造」などを明らかにすることを目的としており、経済計画や雇用計画の立案に使用されておるようじゃな。

（計子さん） 就業の構造って、難しい名前ですよね。

（統博士） うむ。この調査で就業構造とは、「従業上の地位」、「雇用形態」、「勤め先の事業の内容」、「転職または追加就業の希望の有無」などのことをいうのじゃ。「従業上の地位」は自営、被雇用などの区分を、「雇用形態」は正規の職員（従業員）、パート、アルバイト、派遣社員などの区分を、「勤め先の事業の内容」は日本標準産業分類に基づく勤め先の事業内容などを調査しておるの。

（計子さん） 調査は、具体的にはどのように行われるのですか？

（統博士） 平成24年10月1日（月）の午前零時を調査期日として、その前後（同年9月23日から10月15日までの間）に調査員が県内約9,800の調査対象世帯を訪問するんじゃ。各調査員は、三重県知事から任命され、「（統計）調査員証」を携帯しておる。

（計子さん） インターネットで回答することはできないの？

（統博士） 津市と四日市市に於いては、インターネットでの回答も可能な「オンライン調査」を紙の調査票による調査と並行して行うので、可能な方は、是非、利用してほしいところじゃな。

（計子さん） 前回の平成19年調査と、今回の調査は全く同じ内容なのかしら？

（統博士） 時代の趨勢（すうせい）を反映するよう調査内容の一部を変更しておる。今年の調査では、以前の内容に加え、「育児・介護の状況」、「非正規雇用の雇用期間」、学卒時の経済情勢と就業実態の関係を明らかにするため「学校の卒業時期」、震災と雇用の関係を明らかにするため「被災者の離職状況や避難状況」などを記入することになっておる。

（計子さん） 回答した人のプライバシーは守られるのかしら？

（統博士） うむ、大丈夫じゃ。統計法という法律によって、調査員や役所（役場）職員に「守秘義務」や「調査票情報等の適正な管理の義務」などが課せられておる。調査対象になった方々には、この調査の趣旨を理解して、ご回答をよろしくお願いしたいところじゃ。

（計子さん） 大切な調査なのですねぇ。私も就職後に調査対象になったらかならず協力します。

 【就業構造基本調査ホームページ】http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（※文中の登場人物は、架空のものです。イラスト：総務省統計局より）

　     三重県の統計情報は「みえDataBox」/DATABOX/index.htmでご覧いただけます。    

      次回のHello!とうけい♪vol.176は、平成24年7月25日（水曜日）掲載予定です。お楽しみに！