【Hello!とうけい】vol.172 額面で一喜一憂? ~名目賃金と実質賃金~
春闘の季節を過ぎ、ベースアップなどに一喜一憂されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、厚生労働省が実施している毎月勤労統計調査では、勤労者の賃金・労働時間・雇用の変動を毎月調査し、調査結果も毎月公表しています。
公表項目には、額面どおりの「名目賃金」と、消費者物価指数を用いて物価変動の影響を差し引いた「実質賃金」というものがあります。
平成17年を100.0とする指数を用いたグラフで、三重県の近年の動向を見ていきましょう。
概して、前年比を示す折れ線グラフ(目盛右)を見ると、名目賃金が上昇・下降している年は、歩調を合わせるかのように実質賃金も上昇・下降している傾向が見られます。
しかし、よく見ると、平成19年や23年には、前年比で名目賃金がプラスでも実質賃金がマイナスとなっていますが、これは賃金の上昇よりも物価の上昇の方が大きかったということを示しています。
また、前年比で見て、名目賃金の上昇(下降)率が実質賃金のそれよりも大きければ、実質は額面ほどの上昇(下降)がなく、小さければ額面よりも上昇(下降)があるということになるわけです。
このように、名目賃金と実質賃金を並列して比較してみると、賃金に対する見方も変わってくるかもしれません。
参考までに、下のグラフは全国結果で、平成20年・21年や22年は前年比で名目賃金・実質賃金とも三重県結果と同様にプラスとマイナスを示しています。
しかし、例えば平成19年では名目賃金・実質賃金とも前年比マイナスとなったのに対して、三重県結果はそれぞれプラスとマイナスを示しているなど、必ずしも全国結果と三重県結果とは同じ傾向となっていないのが興味深いですね。
三重県の統計情報は「みえ Databox」/DATABOX/index.htmでご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.173は、平成24年4月25日(水曜日)掲載予定です。
お楽しみに!