【Hello!とうけい】vol.236 個人企業経営者も高齢化の波が!
全国の民営事業所の38.8%(平成26年経済センサスー基礎調査)を占める個人経営事業所を対象として、総務省は「個人企業経済調査」を昭和22年(現在の形態に近いものになったのは昭和36年以降)から実施しています。
この調査は、統計法に基づく基幹統計調査(基幹統計である「個人企業経済統計」を作成するための調査)として、個人で「製造業」、「卸売業, 小売業」、「宿泊業, 飲食サービス業」 又は 「サービス業」 を営んでいる事業所の経営実態を明らかにし、景気動向の把握や中小企業振興のための基礎資料などを得ることを目的としています。
全国の個人企業数の長期的な推移を見ると、「製造業」や「卸売業, 小売業」が昭和50年代中ばから減少の一途をたどっており、平成12年以降は「宿泊業, 飲食サービス業」や「サービス業」の減少も明確となっています。その結果、昭和50年代半ばには、400万を超えていた個人企業数は、平成26年には211万と半数近くまで減少しました。
平成17年から平成27年までの事業主の年齢構成の変化を見てみると、60才以上が占める割合は、10年間で「製造業」が8.8%、「卸売業, 小売業」が10.0%、「宿泊業, 飲食サービス業」22.8%、 「サービス業」11.7%と増加し、4業種とも60歳以上の事業主が6割以上となりました。
特に、「宿泊業, 飲食サービス業」については、平成17年度は59歳以下が55.0%と半数を超えていましたが、10年後には32.2%に低下し、60歳以上が67.8%を占めるなど、他の3業種に比べ一気に高齢化が進展しました。これらは、高齢社会を反映し年齢が高くなっても働き続ける割合が増加しているものと思われます。
後継者がいると回答した事業所につきましては、「製造業」で18.2%(対10年前比▲1.6%),「卸売業, 小売業」で20.1%(▲6.8%),「宿泊業, 飲食サービス業」 で13.7%(▲3.5%)、 「サービス業」で17.0%(▲5.6%)と軒並み減少し、後継者が確保されている業種は1/4以下であり、厳しい状況におかれていることがうかがえます。
総務省統計局個人企業経済調査のページ http://www.stat.go.jp/data/kojinke/index.htm
三重県の統計情報は「みえDataBox」/DATABOX/でご覧いただけます。
次回のHello!とうけいvol.237は、平成29年8月23日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!