県民経済計算(ここがポイント)平成25年度確報から
県民経済計算とは
私たちは、経済活動を営むことにより、財(モノ)・サービスを生産し、新たな価値(付加価値)をつくりだしています。
この付加価値を、生産・分配・支出といった三つの側面から把握し、県経済の実態をとらえることのできる総合的なモノサシが県民経済計算なのです。
【何がわかるの】 ★県経済の規模と成長率 ★産業の構造 ★所得の水準や分配状況 ★家計の消費や企業の設備投資など... |
【何に使えるの】 ★経済見通しや経済計画の策定 ★経済実績や諸施策の評価・分析 ★国、他県との比較 など... |
県民経済計算は、数多くの一次統計を加工して作成する二次統計です。このため、公表時期は一次統計の公表後、推計作業を完了してからとなります。
また、一次統計のない中間年は、 補間推計などの統計処理を行います。
SNAとは
SNAとは「System of National Accounts」の略称であり、「国民経済計算」または「国民経済計算体系」と訳されています。このSNAは、一国の経済について体系的に記録する国際的な基準です。08SNAとは2008年に国連が加盟各国にその導入を勧告した国民経済計算体系の名称であり、日本の国民経済計算では平成28年度からこの08SNAを使用した方式に移行しています。
県民経済計算では、すべての都道府県が平成29年度からこの08SNAを使用した方式で算出することになっています。
経済の循環と三面等価の原則
生産活動によって生み出された付加価値は、生産に参加した人や企業などに配分され、配分された所得は、消費あるいは投資されます。
このように、経済活動は「生産」「分配」「支出」という循環を繰り返していますが、これは同一の付加価値の流れを異なる面からとらえたものなので、一致すべきものです。これを「三面等価の原則」といいます。
県民経済計算の構成
県内総生産とは..................................................................................................................
《産出額》 財貨サービスの総額 (出荷額、売上高など) |
- | 《中間投入額》 原材料・光熱水費など |
= |
県内総生産 付加価値額 |
県民所得とは.......................................................................................................................
《県民雇用者報酬》 私達の受け取る給与など |
+ | 《財産所得》 利子などの財産運用収入 |
+ | 《企業所得》 法人の経常利益など |
= | 県民(分配)所得 |
県内総生産(支出側)とは..................................................................................................
《民間最終消費支出》 家計の飲食費 住居費など |
+ | 《政府最終消費支出》 国や地方公共団体などが生産したサービスを自ら消費したとみなす。 |
+ | 《総資本形成》 住宅建設、 企業設備、 公共投資など |
+ | 移出移入の差額など 県外への移出-県内への移入(統計上の不突合を含む) |
= |
県内総生産 (支出側) |
経済成長率について
経済成長率には、名目ベースと実質ベースの二種類があります。名目ベースは、その年度の市場価格で表示されているのに対し、実質ベースは、ある年次を評価基準として、物価変動分を除去して表示されています。
一人当たり県民所得と豊かさ
都道府県の所得水準を比較するときによく使われる「一人当たり県民所得」は、県民所得(分配)を県の総人口で割ったものです。したがって、一人当たり県民所得は、私たち個人の所得(給与)水準を表すものではなく、企業の利潤なども含む県民経済全体の水準を表しています。
また、県民経済計算には、余暇時間や歴史・文化的資産などの評価は含まれていません。一方、物価や家賃の高騰、私たちにとって望ましくない環境破壊や治安の悪化などを防止する経費の増加などが県民所得を膨らませることもあります。
県民経済計算は、県民経済を総合的に測ることができる有効な指標ですが、県民所得だけで豊かさが測れるわけではないことにご留意ください。