景気基準日付(第16循環の景気の谷の設定)について
令和4年10月5日公表
三重県では、景気循環の局面判断や各循環における経済活動の比較などを行うために、景気基準日付(景気の
山・谷)を設定しています。景気基準日付は、一致系列のヒストリカルDIにより設定しており、これまでの景気
循環は下表のとおりです。
今回、三重県における第16循環(現在)の景気の谷について、三重県景気動向指数(ヒストリカルDI)を中心
に検討した結果、2020年5月と設定しました。
この結果、2019年1月から始まった三重県の景気後退期間は17か月、第16循環全体では91か月となりまし
た。第16循環の期間は、第11循環(87か月)を超え、三重県景気基準日付の設定を開始した1973年11月以来、
最長となりました。
なお、内閣府も、全国の第16循環における景気の谷を2020年5月と設定しており(2022年7月19日公表)、全国と同時期となりました。
谷 | 山 | 谷 | 期間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
拡張 | 後退 | 全循環 | |||||
第6循環 |
三重県 |
||||||
全国 |
1965年10月 (昭和40年10月) |
1970年7月 (昭和45年7月) |
1971年12月 (昭和46年12月) |
57か月 | 17か月 | 74か月 | |
第7循環 | 三重県 | 1973年11月 (昭和48年11月) |
1975年6月 (昭和50年6月) |
19か月 | |||
全国 |
1971年12月 (昭和46年12月) |
1973年11月 (昭和48年11月) |
1975年3月 (昭和50年3月) |
23か月 | 16か月 | 39か月 | |
第8循環 | 三重県 | 1975年6月 (昭和50年6月) |
1977年3月 (昭和52年3月) |
1977年11月 (昭和52年11月) |
21か月 | 8か月 | 29か月 |
全国 |
1975年3月 (昭和50年3月) |
1977年1月 (昭和52年1月) |
1977年10月 (昭和52年10月) |
22か月 | 9か月 | 31か月 | |
第9循環 | 三重県 | 1977年11月 (昭和52年11月) |
1980年5月 (昭和55年5月) |
1983年2月 (昭和58年2月) |
30か月 | 33か月 | 63か月 |
全国 |
1977年10月 (昭和52年10月) |
1980年2月 (昭和55年2月) |
1983年2月 (昭和58年2月) |
28か月 | 36か月 | 64か月 | |
第10循環 | 三重県 | 1983年2月 (昭和58年2月) |
1985年5月 (昭和60年5月) |
1986年8月 (昭和61年8月) |
27か月 | 15か月 | 42か月 |
全国 |
1983年2月 (昭和58年2月) |
1985年6月 (昭和60年6月) |
1986年11月 (昭和61年11月) |
28か月 | 17か月 | 45か月 | |
第11循環 | 三重県 | 1986年8月 (昭和61年8月) |
1991年6月 (平成3年6月) |
1993年11月 (平成5年11月) |
58か月 | 29か月 | 87か月 |
全国 |
1986年11月 (昭和61年11月) |
1991年2月 (平成3年2月) |
1993年10月 (平成5年10月) |
51か月 | 32か月 | 83か月 | |
第12循環 | 三重県 | 1993年11月 (平成5年11月) |
1997年6月 (平成9年6月) |
1999年2月 (平成11年2月) |
43か月 | 20か月 | 63か月 |
全国 |
1993年10月 (平成5年10月) |
1997年5月 (平成9年5月) |
1999年1月 (平成11年1月) |
43か月 | 20か月 | 63か月 | |
第13循環 | 三重県 | 1999年2月 (平成11年2月) |
2001年1月 (平成13年1月) |
2002年1月 (平成14年1月) |
23か月 | 12か月 | 35か月 |
全国 |
1999年1月 (平成11年1月) |
2000年11月 (平成12年11月) |
2002年1月 (平成14年1月) |
22か月 | 14か月 | 36か月 | |
第14循環 | 三重県 |
2002年1月 |
2007年11月 |
2009年3月 |
70か月 |
16か月 |
86か月 |
全国 |
2002年1月 |
2008年2月 |
2009年3月 |
73か月 |
13か月 |
86か月 |
|
第15循環 | 三重県 |
2009年3月 |
2012年4月 |
2012年10月 |
37か月 |
6か月 |
43か月 |
全国 |
2009年3月 (平成21年3月) |
2012年3月 (平成24年3月) |
2012年11月 |
36か月 |
8か月 |
44か月 |
|
第16循環 | 三重県 |
2012年10月 |
2018年12月
(平成30年12月)
|
2020年5月 |
74か月 |
17か月 |
91か月 |
全国 |
2012年11月 (平成24年11月) |
2018年10月
(平成30年10月) |
2020年5月 |
71か月 |
19か月 |
90か月 |
注1. 景気基準日付については、季節調整値の再計算による遡及改訂及び採用系列の見直しにより、暫定的に
設定していた日付が改訂される場合があります。今回、第16循環の景気の谷を設定するとともに、過去のデータ
を再計算し、暫定的に設定していた第16循環の景気の山を2018年12月と確定しました(暫定設定から変更な
し)。
注2. 景気基準日付の設定に用いる景気動向指数は、景気循環が一巡した時点で採用系列が見直される場合が
ありますが、景気基準日付の設定にあたっては当時の経済情勢を反映した採用系列を使用しています。そのた
め、今回設定した景気基準日付(第16循環の谷)とそれ以前の景気基準日付とでは、推計に用いた系列が異なっ
ています。
景気基準日付の設定方法
三重県の景気基準日付の設定にあたっては、内閣府経済社会総合研究所による設定方法を準用し、次のように
設定しています。
令和4年3月までの三重県景気動向指数の一致系列を構成する指標について、「ブライ・ボッシャン法」という
統計的手法を用いて、個々の採用系列ごとに山・谷を設定し、ヒストリカルDIを求めています。求めたヒストリ
カルDIが50%ラインを上方から下方に通過する直前の月を景気の山、下方から上方に通過する直前の月を景気の
谷として、景気基準日付の候補を決め、その候補をもとに、さらにCI一致指数なども参照して、経済部門への波
及度、量的な変化、期間の長さについても検討し、総合的に判断して景気基準日付を設定しています。
注1. ヒストリカルDIとは、個々の採用系列ごとの変化方向を、その系列で設定した山から谷にいたる期間はす
べて下降(マイナス)、谷から山にいたる期間はすべて上昇(プラス)として作成したDIです。個々の系列の
月々の不規則的な動きを無視して変化方向を決めているため、ヒストリカルDIは比較的なめらかで、景気の基調
的な動きを反映したものになります。