【Hello!とうけい】vol.111 分布のばらつきを表す方法とは
近年、よく「都市と地方との間の格差が拡大している。」という報道がなされています。
また、三重県内の各市町間においても、基礎的な統計データにはばらつき(つまり格差)が見られます。
このような「地域間の格差」について、具体的に数字で表すにはどのような方法を用いたらよいでしょうか。
その一つの手法として、変動係数を用いて確認する方法があります。 変動係数とは、 相対的に分布のばらつきの大きさを表すことができるもので、変動係数が小さくなればデータ間の格差が縮小し、大きくなれば拡大していることを示します。
例えば、県内29市町間の経済力を示す指標としてよく利用される「一人当たりの市町民所得」の変動係数を使って、市町間の格差の動きを見てみると下図のとおりとなりました。
このグラフを見ると、変動係数は平成14年度に一度大きく下がったものの、その後、3年連続して上昇しています。このことから、この3年間は、一人当たり市町民所得の数字上では、県内の市町間の格差は拡大していることが分かります。なお、この「一人当たり市町民所得」は企業の利潤なども含んだ市町経済全体の所得水準を表す指標であり、個人の所得や賃金水準を示すものではありません。
変動係数を求めるには、県内29市町のデータの標準偏差と平均値を算出し、次の計算式のように標準偏差を平均値で除して求めます。
変動係数(%) = 標準偏差 ÷ 平均値 × 100
標準偏差とは、集団のばらつきを表す指標の一つで、個々のデータと平均値の差から求められます。
三重県の統計情報は「みえDataBox」http://www.pref.mie.jp/DATABOX/に満載です。
次回のHello!とうけい♪vol. 112は、 5月14日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!