【Hello!とうけい】vol.38 景気動向指数のレシピ
さて今回は「景気」を見るための定番メニュー、「景気動向指数」のレシピを紹介します。「景気動向指数」は「Diffusion Index」を略して「DI」と呼ばれています。
作り方は簡単です。
新鮮な今月の材料から同じ材料の3か月前の分を引いて、その残りがプラスかマイナスかを見ます。そして、プラスになった材料の数を「DI」を作るために使った全体の材料の数で割れば出来上がりです。どうです、簡単でしょう。
それでは次にその材料はどんな物を使うのでしょう?
実は「DI」には景気の「現在、過去、未来」を示す「一致指数、遅行指数、先行指数」があります。
それぞれの指数を作るためにそれぞれの材料が必要です。
例えば、景気の現在(一致指数)を見るために必要な材料として、三重県では「鉱工業生産指数」「大口電力使用量」「輸入通関実績」「有効求人倍率」「建築着工床面積」「百貨店販売額」「所定外労働時間指数」の7つの材料を使っています。過去(遅行指数)、未来(先行指数)を見るためには別の材料を使います。
この材料は毎月の指数を出すためのものですから、毎月確実にその月のものとして取れるものでなくてはなりませんし、経済活動を代表する大物でなければなりません。また、以前からずっと取れている材料でないといけませんし、経済の流れに乗って動き、その流れより先に動くか、後に動くかが一定していなければなりません。
この条件にあった材料はなかなか手に入りにくいものです。作り方は簡単でも材料が集まりにくいのですね。
・・・さて、予め用意しておいた地元三重県産の平成17年1月分の材料を使って、「DI」がすでに出来上がっています。
出来上がった平成17年1月の「DI」は先行指数33.3%、一致指数42.9%、遅行指数50.0%となっています。(グラフでは遅行指数を省略しています。)
この景気動向指数を味わうためには「50%が景気判断の分かれ目」という味覚が必要です。
つまり、
「先行指数」が50%を上回っていると、この先(半年程度先と言われています。)の景気は上向くだろう、50%以下だと下向くだろう。
「一致指数」が50%を上回っていると現在の景気は上向いている、50%以下だと下向いている。
「遅行指数」が50%を上回っていると半年程度前の景気は良かったようだ、50%以下だと悪かったようだ、と味わうのです。
結局、景気動向指数は材料を揃えるのが難しいので簡単には作れないのですが、出来上がったものを見ると上記のように判断することができます。
新聞などで出来上がった「DI」を毎月見ることができますので、是非、皆さんも「DI」を味わってみて下さい。
そうそう、「DI」はくれぐれも熱いうちに(最新のものを)お上がり下さい。過去のものは傷んでいる(変更されている)場合があります。
三重県の景気動向指数はhttp://www.pref.mie.jpでご覧いただけます。
そのほかの三重県の統計情報は「みえDataBox」http://www.pref.mie.jp/DATABOX/でご覧いただけます。
次回Hello!とうけい♪Vol.39は4月27日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!