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令和05年09月27日

三重の統計 - みえDataBox

【Hello!とうけい】Vol.278 三重県の令和2年度の経済成長率は?

 令和5年9月27日掲載

 令和2年度は、年間を通じて新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた最初の年度でした。
 三重県におきましても、経済成長率(県内総生産額の前年度に対する増減率)に影響を受けましたが、結果としては経済成長率はプラス(名目1.6%増、実質0.8%増 ※1)となりました。
 これはどうしてなのでしょうか。
 令和5年6月に公表された令和2年度県民経済計算(確報)の内容から、三重県の経済成長率がプラスとなった理由を探ってみましょう。
 ※1 「名目」とは時価で示した値、「実質」とは物価変動分を取り除いた値です。

 まず、全体的な経済成長率を見てみましょう。
 全国(※2)と三重県の実質経済成長率の推移は図1のグラフのようになりました。

図1 実質経済成長率の推移

 ※2  全国の資料出所は令和3年度国民経済計算年次推計(内閣府経済社会総合研究所)です。
   (以下、同じ。)

 これを見ますと、【Hello!とうけい】Vol.272「どうして三重県経済は振れ幅が大きいの?」でも触れていますように、平成27年度を除き、令和元年度までは全国の経済成長率のプラスマイナスと変動方向は同じで、その縦幅を大きくしたような振れ方をしてきましたが、令和2年度は全国の経済成長率はマイナスであるのに対し、三重県はプラスとなり、異なる動きとなっています。

 この要因を探るため、まず、令和元年度の三重県の経済成長率への影響が大きかった製造業について、総生産額の増減を図2のグラフで見てみましょう。

図2 製造業 総生産額(名目)の増減率
 

 三重県の製造業の総生産額は、令和元年度は大きく落ち込みましたが、令和2年度は大きく増加している一方、全国(暦年)の製造業の総生産額は、令和元年に引き続き令和2年も減少していることがわかります。

 次に、製造業のほか、各経済活動の動きがどうだったのかを全国と三重県の寄与度(※3)のグラフを並べて比較してみましょう。
※3 寄与度とは、全体の変動に対して、各構成項目の変動がどの程度影響を与えているかを示す指標です。
    寄与度=前期における構成比×当期の前期に対する増減率

図3 全国(国民経済計算)における経済活動別寄与度(暦年)


図4 三重県(県民経済計算)における経済活動別寄与度(年度)

 
 まず、全国(暦年)の令和2年の寄与度の動きを見ると、図3のグラフのように、運輸・郵便業、宿泊・飲食サービス業がマイナスとなっており、さらに製造業も令和元年に続き、マイナスとなっています。
 一方で、三重県の令和2年度の寄与度の動きを見ると、図4のグラフのように、全国と同様に運輸・郵便業、宿泊・飲食サービス業がマイナスとなっており、他にもマイナスになっている経済活動が多いのですが、製造業が、令和元年度が大きくマイナスになっていたのが、令和2年度では大きくプラスになっています。三重県では製造業のプラスの寄与度が他の経済活動のマイナスの寄与度を上回り、全国と異なった結果となっています。

 以上のことから、令和2年度で、全国と三重県で経済成長率の動きが異なり、三重県の経済成長率がプラスとなったのは、三重県の製造業の総生産額が対前年度比14.3%と大きく増加したからだったんですね。

 参考に、三重県における製造業の総生産額と製造業以外の経済活動を合計した総生産額の推移を見てみましょう。

図5 三重県の製造業と製造業以外の総生産額と対前年度増減率の推移


 図5のグラフのように、製造業の対前年度増減率は製造業以外の対前年度増減率よりも振れ幅が大きく、県内総生産額に対する寄与度が大きいんですね。

 では、次に、三重県の製造業で特に大きく増加した業種を見てみましょう。

図6 三重県の製造業の業種別寄与度



 図6の寄与度のグラフを見ると、三重県の製造業のうち、主要3業種(電子部品・デバイス、化学、輸送用機械)の一つである電子部品・デバイスが令和元年度は大きくマイナスとなっていて、令和元年度の製造業の総生産額が減少した主な要因となっていました。
 令和2年度は電子部品・デバイスは1.7%とプラスになっています。また、化学が1.0%、輸送用機械が
0.5%といずれもプラスとなっています。その他、石油・石炭製品も2.0%とプラスになっていて、これらが令和2年度の製造業の総生産額が増加した大きな要因となっています。

 令和2年度の三重県の製造業では石油・石炭製品が最も大きくプラスに寄与していますので、さらに石油・石炭製品について、総生産額と中間投入額を見てみましょう。
 総生産額は産出額(出荷額、売上額など財貨・サービスの総額)から中間投入額(原材料費、燃料・電力使用額など)を引くことで求められます。

図7 三重県の石油・石炭製品の総生産額と中間投入額


 図7のグラフを見てみると、令和2年度は石油・石炭製品では産出額に対して中間投入額の減少が大きく、結果として総生産額が伸びたことがわかります。

 ここまで、生産側から令和2年度の県民経済計算を見てきましたが、最後に、支出側の動きを少し見てみましょう。
 支出側の増減内訳を見てみますと、表1のように、令和元年度までそれほど大きな増減がなかった民間最終消費支出が対前年度比マイナス6.1%、その民間最終消費支出の大部分(令和2年度96.7%)を占める家計最終消費支出が同様に対前年度比マイナス6.8%となっています。

表1 三重県の県内総生産(支出側、名目)の対前年度増減率


 では、家計最終消費支出のうち、何が大きく下がったのか見てみましょう。

図8 三重県の県内総生産(支出側、名目)における家計最終消費支出(対前年度増加率)の推移

 図8のグラフのとおり、特に減少の大きかったものを5項目挙げると、外食・宿泊サービス、交通、個別ケア・社会保護・その他(※4)、被服・履物、娯楽・スポーツ・文化が挙がりました。新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響が、家計の消費支出からうかがわれます。

※4  「個別ケア・社会保護・その他」とは、美容院および身体手入れ施設、個人ケア用器具及び製品、宝石及び
  時計、その他の身の回り品、介護サービス、その他のサービスのことです。

 今回は、令和2年度の県民経済計算について、主に生産側を中心に紹介しました。
 令和3年度以降も新型コロナウイルス感染症の影響などが懸念され、三重県民経済への影響も注視する必要があります。

 県民経済計算は生産側、分配側、支出側と、様々な面から地域経済を見ることができます。
 これからも県民経済計算が様々な分野で広く活用されることを期待しています。

令和2年度三重県民経済計算結果(確報)は次のページで公表しています。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/31774002733_00008.htm

三重県の統計情報は「みえDataBox」でご覧いただけます。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/

次回のHello!とうけい♪Vol.279は、令和5年11月22日(水)に掲載予定です。お楽しみに!

本ページに関する問い合わせ先

三重県 政策企画部 統計課 分析・情報班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎2階)
電話番号:059-224-3051 
ファクス番号:059-224-2046 
メールアドレス:tokei@pref.mie.lg.jp

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