【Hello!とうけい】Vol.273 経済センサス-活動調査 製造業結果概要から見た三重県の製造業の特徴は?
令和4年11月24日掲載
統博士:計子さん、こんにちは。今回は、令和3年に実施した経済センサス-活動調査の製造業結果概要を用いて簡単な分析をしてみたいと思うのじゃ。
計子さん:統博士、こんにちは。経済センサスは、かなり大規模な調査と聞いてましたので、どのような結果になったのか楽しみです。
統博士:さて、センサスという言葉の意味は、計子さんはご存じかのう。
計子さん:はい。対象を抽出して行う標本調査ではなく、対象全てを調査する全数(悉皆[しっかい])調査という意味ですよね。
統博士:そのとおりじゃ。古代ローマにおいて、市民の登録、財産及び所得の評価、税金の査定などを行う職業をラテン語でCensereといい、これが転じてCensusとなったといわれておるのじゃ。
計子さん:経済センサス-活動調査の結果を見る上での留意点は、ありますか?
統博士:「事業所数」、「従業者数」などは令和3年6月1日時点のもので、「製造品出荷額等」や「付加価値額」などは、基本的に、令和2年1月1日から同年12月31日までの暦年の1年間を対象としていて、時点にズレがあることに留意する必要があるのじゃ。
それから、令和2年は、コロナ禍がはじまり、最初の「緊急事態宣言」が出されたりして経済活動に影響があった年であることを考慮する必要があるのう。
計子さん:それでは、経済センサス-活動調査のうち、今回公表された製造業結果概要でわかった三重県製造業の特徴を教えてください。これは、今までの工業統計調査に相当するものですよね。
統博士:そのとおりじゃ。製造業結果概要は、工業統計に合わせて、4人以上の事業所のみのデータを集計しておるのじゃ。令和2年の1年間の「製造品出荷額等」を見てみると、日本全国の出荷額は約302兆円で、そのうち、三重県が約10兆円、約3.5%を占めて、全国順位としては9位じゃった。
計子さん:三重県の製造業だけで、「製造品出荷額等」が10兆円もあるとは、とても大きな金額ですね。
(図1)製造業の「製造品出荷額等」(従業者4人以上)とシェア(単位:百万円)
統博士:全く同感じゃ。そして、この三重県の製造業の「製造品出荷額等」を産業中分類別に見てみると、次のグラフのようになるのじゃ。
(図2)三重県製造業の産業中分類別「製造品出荷額等」(従業者4人以上)(単位:百万円)
計子さん:業種別の状況がよくわかりますね。その中で、輸送用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、化学工業の「製造品出荷額等」が特に大きいですね。
統博士:そのとおりじゃ。さらに、それらの業種の全国順位とシェアを表したものが次のグラフじゃ。
(図3)輸送用機械器具製造業の「製造品出荷額等」(従業者4人以上)とシェア(単位:百万円)
(図4)電子部品・デバイス・電子回路製造業の「製造品出荷額等」(従業者4人以上)とシェア
(単位:百万円)
(図5)化学工業の「製造品出荷額等」(従業者4人以上)とシェア(単位:百万円)
計子さん:産業中分類別の「製造品出荷額等」において、輸送用機械器具製造業は約2.6兆円で全国シェア4.4%(全国6位)、電子部品・デバイス・電子回路製造業は約1.7兆円でシェア11.7%(全国1位)、化学工業は約1.2兆円でシェア4.3%(全国9位)なのですね。
統博士:全ての業種について紹介できないのが残念じゃが、三重県の製造業の「製造品出荷額等」のボリューム感をイメージとしてつかんでもらえたじゃろうか。
計子さん:はい。三重県の特徴がよくわかりました。
統博士:お忙しいとこころ、本調査にご協力をいただいた事業所の皆様と統計調査員の方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。
計子さん:調査に、ご理解・ご協力をしていただき、本当にありがとうございました。
この結果概要については、こちらからご覧になれます。
https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/75679003130.htm
博士、今日は、ありがとうございました。
統博士:こちらこそ、ありがとう。
(※文中の登場人物は、架空のものです。)
三重県の統計情報は「みえDataBox」 https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/
でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.274は、令和5年1月25日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!