【Hello!とうけい】Vol.270 梅雨の時期から熱中症にはご注意を!
令和4年5月25日掲載
5月も終わりに差し掛かり、梅雨が近づいてきました。この時期になると「早い時期から熱中症に警戒を」と聞くことがあります。皆さんは梅雨の時期にはどのくらい熱中症対策を意識しているでしょうか?今回の【Hello!とうけい】では梅雨の時期の熱中症リスクを「暑さ指数」という指標から見てみましょう。
熱中症対策では気温を意識することが多いと思います。一方、今回紹介する暑さ指数は、気温の他に湿度、輻射熱(日射しから受ける熱や温度の高いものから出てくる熱)を計測して作られます。このデータは環境省の熱中症予防情報サイトで公開されていて、指数が25以上では警戒、28以上で厳重警戒などというように注意喚起に活用されています。
下の表は過去5年間の梅雨入りから梅雨明けまでの期間(※)の暑さ指数(津地方気象台)をまとめたもので、警戒レベルの25以上の指数は赤字にしてあります。
※梅雨入り、梅雨明けの期間はともに東海地方のデータ。また、気象庁はその時期について〇〇日ごろという形で発表しています。
表を見ると、梅雨の時期でも半分以上の日は暑さ指数が警戒レベルに達していることが分かります。
梅雨の時期でも雨が降らないと夏場のような暑い日になりますが、これはこのような合間の晴れの日が多かったからなのでしょうか。そこで、先ほどの表に、気象庁の公開している降水情報を重ねてみましょう。青色で塗られているのは降水のあった日です。
表を見ると、梅雨らしく多くの日に降水があり、暑さ指数の高い日でも雨が降っていたことが分かります。
実は暑さ指数の中で最も重視されるのは気温ではなく湿度で、影響度では7割を占めています(※)。このため気温の上がりにくい雨の日でも指数の高い日があるのです。
※詳細な計算式については環境省のホームページ(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_detail.php)で解説されています。
ここで、実際に湿度の高い地域と比較してみましょう。ここでは例として、津と尾鷲の観測データを比較してみました(過去5年間の梅雨入りから梅雨明けまでの期間)。
平均気温では尾鷲が津より少し低いくらいの水準ですが、平均湿度を比べるといずれの年も尾鷲の方が10ポイント近く高くなっています。そして暑さ指数が25以上となった日の割合を比べると、やはりいずれの年も尾鷲の方が高くなっており、湿度の影響が読み取れます。
6月はまだ体が暑さに慣れていないことに加え、梅雨に入り湿度が上がる時期でもあります。このため本格的に気温の上がる前から警戒が呼びかけられるのです。「暑いな」「ジメジメしているな」と思ったら喉が渇いていなくても定期的に水分補給をしたり冷房を使用したりするなど、油断せず熱中症対策を取り、健康に夏を迎えましょう。
三重県の統計情報は「みえDataBox」 https://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/ でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.271は、7月27日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!