【Hello!とうけい】Vol.262 統計表の見方 ~リンク係数って何?~
統計表を見ていて、ふと疑問に思ったことはないでしょうか?
次の統計表は、「みえDataBox」で毎月公表している「労働/商業/建設・建築/金融/企業経営の状況」の中の「百貨店・スーパー販売額」(三重県内)(令和2年10月末公表)です。
令和2年3月に注目すると、販売額合計が24,927百万円で前月より4,148百万円の増加となっています。
品目別にみると飲食料品も3,798百万円増加していることから、コロナ禍のなか、外食を控えた影響で販売額が伸びたのかと考えました。しかし、店数をみると店数が109店で前月より22店増加しています。1ヶ月で22店舗も新規開店があったのかと疑問に思いませんか?
統計表の脚注*を見ると、注4)として、「令和2年3月分から調査対象事業所の見直しが行われたため、令和2年2月分以前の月間販売額などとの間に不連続が生じている。したがって、令和2年2月分以前の月間販売額などにリンク係数を乗じたものが令和2年3月分以降と接続する。空欄はリンク係数が無いことを示す。」とあります。
このことから、リンク係数を適用して平成31年1月から令和2年8月までの店数と販売額合計を表にすると右図のとおりとなります。
*脚注:統計表、あるいは統計表の個々の数値に対する補足説明のことで、表の下にあるものを「脚注」と呼びます。(表の上にあるものは「頭注」
と呼びます。)
また、リンク係数を適用する前と後の店数と販額合計の推移をグラフにすると次のとおりとなります。令和2年2月から3月の不連続の状況が
良く分ります。
このようにリンク係数とは、調査事項の「定義や範囲の変更」などの変化要因により、過去のデータと現在のデータの連続性が保たれなくなった場合に、データの比較を行う目的で、前後のデータの水準の変化状況から算出した係数のことをいいます。
リンク係数適用前 リンク係数適用後
今回は、「統計表の見方について」として、リンク係数を取り上げましたが、統計表やグラフなどは、いろいろな視点で見ると新しい発見があるかもしれませんね。
また、三重県の統計情報は、「みえDataBox」http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/
でご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪VOL.263は、令和3年3月24日(水曜日)です。
お楽しみに!