【Hello!とうけい】Vol.256 三重県の人口重心は?
こんにちは。皆さんは「人口重心」という言葉をご存知ですか。
「人口重心」は私たち一人一人が赤ちゃんから大人まで仮に同じ体重であると仮定して、その地域の人口が全体として平衡を保つことのできる点を言います。
5年に一度実施する「国勢調査」では全数調査である点を生かして、市区町村よりも小さい単位である基本単位区[1](全国では約200万、三重県では約2万)別の集計も行っており、この集計を用いて全国、各県、各市区町村の人口重心が総務省統計局から公表されています。
日本の人口重心は新聞等で記事になることも多いのでご存知の方も多いと思いますが、三重県の人口重心はどのあたりにあるかはご存知ですか。
(ちなみに、平成27年国勢調査時点の日本の人口重心は岐阜県関市にあります。)
平成27年国勢調査時点の三重県の人口重心は、東経136度31分15.85秒、北緯34度44分59.17秒の位置にあります。 これだけではどこにあるかよくわかりませんね。
この位置を地図に落としてみると、津市の栗真町屋町になります。
(三重大学の少し北北西、国道23号線沿いのあたりです。)
この地図は、三重県市町総合事務組合所管の三重県共有デジタル地図をM-GISにて利用したものを加工しています。
また、当然ながら各地の人口は出生・死亡、転入・転出により増減が繰り返されているため、人口重心も調査時点のたびに移動しています。
それでは、三重県の人口重心はどう動いているのでしょうか。過去3回(平成17年、22年、27年)の移動を見てみましょう。
これを地図に落とすとこうなります。
この地図は、三重県市町総合事務組合所管の三重県共有デジタル地図をM-GISにて利用したものを加工しています。
北へ北へ移動しているのが分かりますね。
これは、南に比べ北が重くなってきているということなので、北勢地域の人口増やそれ以外の地域の人口減を反映していると考えられます。
なお、三重県各市町別に平成27年調査時点の人口を色分けするとこうなります。
北勢地域・中南勢地域の市の人口が多いですね。
さて、三重県の人口重心は今後どこへ移動していくのでしょうか。
人口重心算出の元となる調査である「国勢調査」は、今年開始から100年を迎え、令和最初の国勢調査が実施されます。
日本国内に住むすべての人と世帯を対象とした令和2年国勢調査へのご協力・ご支援をお願いします。
※こちらもご覧ください。
国勢調査2020キャンペーンサイト(総務省統計局ホームページ)
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020campaign/
※人口重心の算出方法について
平成12年調査までは、市区町村役場の位置にその市区町村の人口が集まっているものと仮定し、都道府県及び全国の人口重心が算出されていましたが、平成17年調査以降市町村合併の進展を踏まえ、より精緻に算出する観点から、基本単位区の図形中心点に人口が集まっているものと仮定し、市区町村の人口重心が算出されています。また、都道府県の人口重心はこの市区町村の人口重心を用いて計算され、さらに全国の人口重心はこの都道府県の人口重心を用いて計算されています。なお、平成12年から平成17年の移動距離については、基本単位区ごとに算出する方法により遡及計算した平成12年の人口重心を用いて算出されました。
[1]基本単位区とは、街区または街区に準じた地域を基準とした約25~30世帯の地域単位をいいます。
[2]グラフに用いた地域区分は、次のとおりです。
北勢地域:四日市市、桑名市、鈴鹿市、亀山市、いなべ市、木曽岬町、東員町、菰野町、朝日町、川越町
中南勢地域:津市、松阪市、多気町、明和町、大台町
伊勢志摩地域:伊勢市、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町
伊賀地域:名張市、伊賀市
東紀州地域:尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町
(各調査時点で市町村合併前の市町村区分の場合は、合併後の市町で集計しています。)
【資料出典】
統計トピックスNO.22 NO.61 NO.102「我が国の人口重心」(総務省統計局ホームページ)
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/topics/index.html
政府統計の総合窓口(e-Stat) 国勢調査ページの数値データ
https://www.e-stat.go.jp/stat-search?page=1&toukei=00200521
を基に作成しました。
次回のHello!とうけい♪vol.257は、令和2年3月25日(水曜日)掲載予定です。
お楽しみに!