【Hello!とうけい】vol.214 「国勢調査からみる外国人の就業状況」
【Hello!とうけい】vol.214「国勢調査からみる外国人の就業状況」
いよいよ平成27年国勢調査の調査期間に入りましたが、国勢調査は日本に常住している全ての方が調査対象であり、日本人のみならず、外国人の方も調査の対象となります。
そこで今回は、平成22年国勢調査の結果から、外国人の就業状況について取り上げてみましょう。
まず、三重県に住んでいる外国人就業者のうち、最も多い国籍はどこでしょうか。
外国人の就業状況は、国勢調査の基本集計結果のうち、「産業等基本集計」(平成24年4月公表)により調べることができます。
三重県の国籍別15歳以上外国人就業者の割合は、以下のとおりです。
三重県の中で就業者人口が一番多い国籍はブラジルで27.2%であり、続いて中国の26.9%となっています。
三重県は、ブラジルのサンパウロ州、中国の河南省と姉妹提携を結んでおり、ブラジル、中国とは古くから交流があることも一つの要因となっているのではないでしょうか。
ちなみに、市町では、津市がブラジルのサンパウロ州オザスコ市、中国の江蘇省鎮江市と、四日市市が中国の江蘇省天津市と、尾鷲市が中国の遼寧省大連市金州区と、熊野市がブラジルのサンパウロ州バストス市と、名張市が中国の江蘇省蘇州市と、松阪市が中国の江蘇省無錫市濱湖区と姉妹提携を結んでいます。
次に、外国人の方がどの産業に就業しているか見てみましょう。
三重県の産業別15歳以上外国人就業者の割合は、以下のとおりです。
1)「その他」に含まれるのは「農業、林業」、「漁業」「鉱業、採石業、砂利採取業」、「建設業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「情報通信業」、「金融業、保険業」、「不動産業、物品賃貸業」、「学術研究、専門・技術サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」、「医療、福祉」、「複合サービス事業」、「公務(他に分類されるものを除く)」である。
三重県全体では製造業に従事している外国人が一番多く56.2%ですが、これは全国の33.6%を大きく上回っています。三重県は、自動車関連工場や電子部品等の工場があることもあり、製造業の比率が高くなっています。
また、ほとんどの国籍で製造業の比率が高いのですが、韓国、朝鮮では、「宿泊業、飲食サービス業」の従事者の比率が高く、アメリカ、イギリスでは「教育、学習支援業」(英会話教師等と推測されます)の従事者の比率が高いといった状況です。
一口に外国人労働者といっても、出身国ごとに傾向が異なることがわかります。
今年の国勢調査は、東日本大震災後初めての調査であり、5年前と比べて円安の進展やアベノミクスによる経済状況の変化や経済連携協定による看護師・介護福祉士の受け入れなどの要因もあり、外国人労働者の就業状況はどのように変化しているでしょうか。
平成27年は国勢調査の年です。10月1日を調査期日とし、今回の調査から、パソコンやスマートフォンでインターネットによる回答(オンライン回答)もできるようになり、より便利で簡単になります。国勢調査へのご理解とご回答をお願いいたします。
次回のHello!とうけい♪vol.215は、10月28日(水曜日)掲載予定です。お楽しみに!