【Hello!とうけい】vol.213 「熱(暑)くなる地球 -猛暑の実態-」
暑かったです。本当に情け容赦もなく暑い日が続いた7月・8月でした。
ようやく8月も終わりに近づき、二十四節気の一つで小暑・大暑・小寒・大寒と並んで気温を表すとされる「処暑(しょしょ)」も8月23日(日)に過ぎました。「処暑」には、暑さも峠を越えて収まり始める頃という意味があります。
また、「処暑」には時点だけでなく期間としての意味もあり、次の二十四節気の「白露(はくろ)」(9月8日(火))前日までを「処暑」と言われるそうです。
そこで、「処暑」の期間における日別の平均気温の推移を見てみたいと思います。
「処暑」の期間は年によって日が前後しますので、8月23日から9月8日で固定をし、1960年代の平均気温を基準に、津市における10年ごとの年代別推移を見たのが図1になります。
データの制約上、推移を見た期間は短いのですが、1960年代の平均気温を0℃とすると、年代を追うごとに平均気温が上昇しているのがよく解ります。どうりで暑い訳です。
そもそもいつ頃から気温は上昇したのでしょうか。
図1の日別気温データは1960年代からという制約がありましたが、月別平均気温であれば1年としてまとまったデータが1890年からありましたので、それを使って津市の年平均気温の動きを見たのが図2になります。
1890年から2014年までの125年間における津市の年平均気温(緑の折れ線)を見ると、1950年代までは概ね14~15℃で推移し、1980年代の半ばから上昇して現在は概ね16~17℃となっています。
1890年から2014年までの年平均気温を基準として、各年のそれとの差(棒グラフ、青:マイナス、赤:プラス)を見ると、1987年以降はプラスが続いています。
暑くなり始めたのは1990年頃からで、本格的になったのは1998年以降からですね。
それでは、暑くなり始め20世紀末説を裏付けるために、同じく津市の熱帯夜・猛暑日・真夏日のデータからも検証したいと思います。
熱帯夜と真夏日は1931年の日数を、猛暑日は1961年の日数を、それぞれ100として指数化し、10年の移動平均で表したものが図3になります。
真夏日は緩やかな上昇ですが、熱帯夜と猛暑日は1990年代に入ると急激に上昇を始め、猛暑日は2000年代に入って落ち着きますが、現在は1961年当時の約3倍、熱帯夜に至っては2000年代半ばまで続き、現在は1931年当時の約5倍を超えています。
おそらく、暑くなり始め20世紀末説は正しそうですね。
今までは津市だけを見てきましたが、日本とか地球レベルではどうでしょうか。
世界と北半球、そして日本の年平均気温を、1981年から2010年における30年間の平均気温を基準として、そこからの差の推移をグラフに表したのが図4になります。
長期の変化傾向を示すトレンドと5年の移動平均を見ると、世界的にも20世紀末から高温となる年が多くなっており、北半球ではより顕著に現われ、日本も同じ傾向にあります。
トレンド線の傾きによって判る上昇幅(100年当たり約1.14℃の割合)も際立って高くなっています。
日本は北半球の中でも暑くなっている国と言えますね。
また、三重県の統計情報は「みえDataBox」 http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/ でご覧いただけます。
今年は国勢調査の年です。10月1日を調査期日としており、今回の調査から、パソコンやスマートフォンでインターネットによる回答(オンライン回答)もできるようになり、より便利で簡単になります。国勢調査へのご理解とご回答をお願いいたします。
次回のHello!とうけい♪vol.214は、9月24日(木曜日)掲載予定です。 お楽しみに!