【Hello!とうけい】vol.217 「三重県の外国人住民の割合は全国3位」
近年、三重県においても地域社会や学校で外国にルーツをもつ住民(以降、「外国人住民」と略します)の皆さんと触れあう機会が多くなってきました(※)。
※なおこれ以降で示す「外国人住民」とは、「在留外国人」として在留資格により日本国籍がなく日本国内に居住されている住民の皆さんを指しています。
実際、法務省「在留外国人統計」の平成26年(2014年)末データによると外国人住民数(在留外国人数)では全国14位です。しかし、その数を総務省「推計人口」の平成26年10月1日現在の各都道府県推計人口データで割って算出した表1「外国人住民人口が県人口に占める割合」でみてみると2.35%(全国平均1.67%)と全国3位となります。
よって、三重県は全国的に見て外国人住民の皆さんが多く住む県ということが出来ます(概ね42人に1人ということで学校の1クラスに1人は外国人住民とも言えます)。
表1 都道府県別外国人住民の割合
なお、三重県と同様に外国人住民数に比べて県人口に占める割合が高い傾向がある府県としては、図1「各都道府県別外国人住民の割合と外国人住民人口数の散布図」のように岐阜県や群馬県、茨城県、滋賀県など北関東、東海地域といった主に太平洋側で製造業の盛んな県が該当します。
図1 各都道府県別外国人住民の割合と外国人住民人口数の散布図
従来から外国人住民の方々は東京や大阪をはじめとした大都市部に居住する傾向があり、三重県においてはもともと外国人住民の割合はそれほど高くありませんでした。
しかし、平成2年(1990年)に改正「出入国管理及び難民認定法」(以降、「入管法」と略します)が施行され、外国人住民が日本国内で滞在するための資格である「在留資格」(いわゆる「ビザ」)において、3世までの日系人とその家族に対して職種などの就労制限がなく滞在できる在留資格(「定住者」資格)が新設されるとそれ以降、特に中南米諸国からの日系3世までとその家族の方々の入国が増加したと言われています。
図2 三重県内における外国人住民人口並びに主な国籍別人口の推移
三重県生活環境部ダイバーシティ社会推進課が調査している「外国人住民国籍別人口調査」のデータから作成した図2「三重県における外国人住民人口並びに主な国籍別人口の推移」をみると、平成元年より後に特にブラジルからの外国人住民の増加に従って、三重県内の外国人住民数が急増していることが分かります。
これはブラジルをはじめとする日系3世までの外国人住民の就業先の多くが自動車、電子機器などの製造業が中心(※)で、三重県は県産業に占めるそれら製造業の割合が高いため(※※)多くの方々が居住することになったと考えられます。
※この点は【Hello!とうけい】Vol214「国勢調査からみる外国人の就業状況」(http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/00006810201.htm)を参照。
※※この点は【Hello!とうけい】Vol.63「県民総生産(GDP)を都道府県比較してみると・・・」(http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/25634002632.htm#3san)を参照
よって全国では外国人住民の出身国で一番多いのは中国ですが、三重県ではブラジルとなっています。
このように平成元年以降、三重県において外国人住民数は年々増加していきましたが、いわゆるリーマンショックによる世界的な経済危機が発生した平成20年(2008年)以降は、それに伴う企業の急激な業績低迷の影響で特に製造業においてそれら外国人従業者に対する解雇や雇い止め事案が急増したことなどが影響して特にブラジルからの外国人住民が急減。そこをピークに三重県における外国人住民数も大きく減少しました。
ただ一方で、平成26年には僅かに増加に転じるなど減少傾向は収まり、さらに法務省「在留資格外国人統計」のデータからは定期的な更新の必要がない在留資格である「永住者」資格者の数は増加しているなど、外国人住民の皆さんの中でかつてのような出稼ぎ労働による数年程度の居住から永住する傾向が強くなっています。
今後、全国的な少子高齢化の流れで地方においても三重県と同様に程度の差はあれ外国人住民の割合が高くなる傾向にあります。すでにそれを先取りしている三重県においてはますます外国人住民の方々との共生が重要と思われます。
三重県の統計情報は「みえDataBox」http://www.pref.mie.lg.jp/DATABOX/index.htmでご覧いただけます。
次回のHello!とうけい♪vol.218は、1月27日(水曜日)掲載予定です。
お楽しみに!