三重県資金運用方針
第1 趣旨
この運用方針は、県資金の確実かつ効率的な運用を図るため、その運用及び管理に係る基本方針等について、地方自治法及び条例に定めるもののほか、必要な事項を定める。
第2 資金運用方針の対象資金
この運用方針の対象となる資金は、歳計現金及び歳入歳出外現金(以下「歳計現金等」という。)並びに基金(土地及び貸付金等を除く。)とする。
第3 資金運用の判断の優先順位
1 安全性
元本の安全性の確保を最優先とし、歳計現金等及び基金それぞれの資金全体の元本の保全に努めるものとする。
2 流動性
歳計現金等の支払い及び基金の将来の取崩しに支障のないよう、流動性の確保に努めるものとする。
3 効率性
安全性及び流動性を確保した上で、効率性の追求に努めるものとする。
第4 資金運用に関する計画の策定
1 年間資金運用計画
年間を通して歳計現金等及び基金の資金を、流動性を確保しつつ安全かつ効率的に運用するため、毎年、年間資金運用計画(以下「年間計画」という。)を策定するものとする。
年間計画の計画期間は、毎年6月から翌年5月までとする。
運用可能な資金量の大幅な増減、金融市場の動向等、資金運用の前提となる事項に大きな変動があった場合は、必要に応じ年間計画を見直すものとする。
2 資金収支計画
毎月の支払資金を確保するため、各所属からの収支計画報告等に基づき、毎月、資金収支計画を策定するものとする。
第5 資金運用方法の基本原則
1 歳計現金等
(1)当座借越相当額の預(貯)金運用
支払準備金の安定的な確保及び資金調達コストの縮減を図るため、当座借越契約(一時借入金契約)を指定金融機関その他の金融機関と行うものとし、当座借越契約額と同額を、契約先の指定金融機関その他の金融機関に預託することができる。
(2)当座借越相当額の預(貯)金以外の余剰資金の短期運用(1年以下の運用)
(1)の当座借越枠を超えて資金余剰となることが見込まれる場合には、預(貯)金又は債券により運用するものとする。
(3)中長期運用(1年を超える運用)
次の要件のいずれかに該当する場合には、預(貯)金又は債券により、中長期運用を行うことができる。
① 公営住宅敷金見合いの現金を運用する場合
なお、運用額及び運用期間の設定にあたっては、公営住宅担当所属と調整するものとする。
② 基金繰替運用等を活用することにより、資金の流動性が確保され、確実かつ効率的な運用が見込まれる場合
2 基金
(1)短期運用(1年以下の運用)
短期運用は、年間計画に基づき、預(貯)金又は債券により運用するものとする。
(2)中長期運用(1年を超える運用)
中長期運用は、将来の基金の取崩しに支障のない場合において行うことができるものとし、預(貯)金又は債券により運用するものとする。
(3)基金繰替運用
歳計現金の資金調達の上で必要があると認めるときは、各基金条例の規定に基づき、歳計現金に繰り替えて運用することができる。
第6 1年を超える中長期運用の基本原則
1 中長期資金運用計画の策定
第5 1(3)②及び2(2)に規定する中長期運用を行うにあたっては、中長期的に流動性を確保しつつ安全かつ効率的に運用するため、運用する預(貯)金又は債券の種別、上限額及び期間等を明記した中長期資金運用計画(以下「中長期計画」という。)を策定するものとする。
中長期計画は、年間計画と整合を図るようにしなければならない。
運用可能な資金量の大幅な増減、金融市場の動向等、資金運用の前提となる事項に大きな変動があった場合等においては、必要に応じ当該中長期計画を見直すものとする。
中長期計画策定にあたっては、各基金担当所属及び予算担当所属と調整するものとする。
2 債券購入時期の分散
債券購入にあたっては、金利変動リスク回避のため購入時期を分散し、償還日も分散することに努める。
3 債券発行元の分散
債券により運用する場合は、原則として債券の発行元の分散に努めるものとする。
第7 リスク管理の基本原則
1 運用対象とする金融商品
資金運用の対象とする金融商品は、次のとおりとする。
(1)当座預(貯)金
(2)別段預(貯)金
(3)決済用普通預(貯)金
(4)普通預(貯)金
(5)通知預(貯)金
(6)定期預(貯)金
(7)譲渡性預(貯)金
(8)国債
(9)政府保証債
(10)地方債
(11)地方公共団体金融機構債
(12)財投機関債
(13)金融債
(14)社債(電力債、NTTファイナンス社債、銀行社債等)
ただし、(12)から(14)については、発行体又は当該債券が、金融庁登録のいずれかの
信用格付業者(関係法人として指定されているものも含む)から、シングルA格相当以
上の格付を取得しているものに限る。
2 金融商品の運用期間
(1)1(1)から(7)に掲げる金融商品
5年以下の期間で運用するものとする。
(2)1(8)から(11)に掲げる金融商品
20年程度を上限とする。
(3)1(12)から(14)に掲げる金融商品
2年以下の期間で運用するものとする。
3 金融商品の保管及び運用の原則
満期設定のある金融商品は、原則、その満期到来日まで保有するものとする。
ただし、次の(1)から(3)までの場合に限り、運用中の預金の解約又は債券等の売却若しくは一時譲渡を行うことができる。
(1)資産の安全性を確保するために必要な場合
(2)流動性を確保するためにやむを得ない場合
(3)解約又は売却若しくは一時譲渡することによる経済合理性を確認できる場合
4 預託対象金融機関の選定及び預入限度額
預託対象金融機関(債券運用及び預金保険制度により全額保護される決済用預(貯)金を除く)の選定にあたっては、県債との相殺による保全が可能となるよう県債(金銭消費貸借契約証書による借入)引受先金融機関とし、その県債引受額を預入限度額とする。
5 預託先金融機関(債券購入にあっては債券購入会社)の決定
預託先金融機関(債券購入にあっては債券購入会社)の決定にあたっては、競争性の確保に努めるものとする。
6 預託対象金融機関の経営状況把握
預託対象金融機関については、預(貯)金の増減状況、自己資本比率、金融再生法開示債権比率(又はリスク管理債権比率)及び格付け等により、積極的に経営状況把握に努めるものとする。
7 保有債券発行元の状況把握
保有債券の運用状況管理の一環として、債券保有期間中、保有債券発行元の状況について情報収集に努めるものとする。
例えば、地方自治体においては、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率(実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率)及び資金不足比率及び格付け等により情報収集に努めるものとする。
第8 ポートフォリオ管理の基本原則
ポートフォリオ管理(資金運用に係る金融商品等の組合せの管理)は、次の基本原則の範囲内で行うこととし、市場金利等の動向に留意し、適正なポートフォリオの構築に努めるものとする。
ただし、歳計現金等における公営住宅の敷金見合いの現金及び県債管理基金のうち満期一括償還県債の償還財源に充てるため積み立てる部分の運用分は除く。
1 歳計現金等
(1)運用商品別のシェア
① 第7 1(1)~(7)に掲げる金融商品 100%以下
② 第7 1(8)~(14)に掲げる金融商品 50%以下
(2)運用期間別のシェア
① 1年以下 100%以下
② 1年超 資金の流動性が確保され、基金繰替運用又は一時借入金を活用することにより当該資金
の確実かつ効率的な運用が見込まれる場合には、その運用見込額を上限に運用できる。
2 基金
(1)運用商品別のシェア
① 第7 1(1)~(7)に掲げる金融商品 100%以下
② 第7 1(8)~(14)に掲げる金融商品 50%以下
(2)運用期間別のシェア
① 1年以下 100%以下
② 1年超 50%以下
第9 運用結果の公表
資金運用状況は、毎年度その運用結果をとりまとめ公表するものとする。
第10 資金運用方針の見直し
この運用方針の内容について、必要があると認めるときはこれを見直すものとする。
第11 その他
この運用方針に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。
附則
この運用方針は、平成14年4月1日から施行する。
附則
この運用方針は、平成17年4月1日から施行する。
附則
この運用方針は、平成21年4月1日から施行する。
附則
この運用方針は、平成22年5月24日から施行する。
附則
この運用方針は、平成26年5月9日から施行する。
附則
この運用方針は、平成27年5月21日から施行する。
附則
この運用方針は、令和元年6月17日から施行する。
附則
この運用方針は、令和3年11月10日から施行する。