平成26年度「みえの少子化対策を考えるフューチャーセンター事業」実施報告
さまざまな分野の皆さんに参加をいただき、三重県の将来を見据えた少子化対策について、自由で活発な対話をふまえ、たくさんのアイデアをいただきました。
事業の概要
県内のNPO、企業・団体、学生、行政関係者等の多様な分野の方々が、一時的に設置したフューチャーセンターに集い、三重県の将来を見据えた少子化対策に関するテーマ(結婚、子育て等)について、課題抽出から課題解決に向けたアイデアを考えるためのフューチャーセッションを行いました。
さまざまな方々が意見交換することで、それぞれの少子化対策に関する認識が深まるとともに、地域での普及啓発にもつなげていきます。
また、セッションで生まれたアイデアについては、少子化対策推進県民会議などでもご検討いただき、取組を進めていくものです。
フューチャーセンター、フューチャーセッションとは
フューチャーセンターは、企業、自治体などの組織が中長期的な課題の解決をめざし、さまざまな立場の関係者を広く集め、対話を通じて新たなアイデアや問題の解決手段を見つけ出し、相互協力の下で実践するために設けられる場のこと。フューチャーセッションは、フューチャーセンターで行われる対話を言います。
実施時期
平成26年11月~平成27年1月
実施地域・回数
県内5地域(北勢・中勢・南勢志摩・伊賀・東紀州)において、各2回「フューチャーセッション」(平日午後3時間)を実施しました。
地域 |
回数 |
会場 |
参加者数 |
テーマ |
北勢地域 |
第1回 |
県四日市庁舎2階 第24会議室 |
25名 |
【子育てについて】 |
第2回 |
じばさん三重 大研修室 |
21名 |
【男性の育児参画について】 |
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中勢地域 |
第1回 |
県総合文化センター 1階 レセプションルーム |
24名 |
【妊娠・出産について】 |
第2回 |
県総合文化センター 2階 大会議室 |
35名 |
【困難を有する子どもたちについて】 |
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南勢志摩地域 |
第1回 |
県伊勢庁舎 |
22名 |
【男性の育児参画について】 |
第2回 |
県伊勢庁舎 |
25名 |
【結婚について】 |
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伊賀地域 |
第1回 |
伊賀市 |
26名 |
【家族・地域の絆について】 |
第2回 |
ハイトピア伊賀 |
20名 |
【子育てについて】 |
|
東紀州 地域 |
第1回 |
県熊野庁舎 |
25名 |
【結婚について】 |
第2回 |
熊野古道センター |
21名 |
【家族・地域の絆について】 |
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計 |
計10回 |
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のべ244名 |
6種のテーマ |
まとめ
参加者は、市町担当者、団体、企業、学生、主婦等、多様なセクターの方々に及び、各地域で積極的な意見交換を行っていただき、全地域合計で664ものアイデアを出していただきました。いただいたアイデアは今後の少子化対策の参考にしていきたいと考えます。
参加者のアンケートを見ると、「さまざまな方々の意見を聞くことができて、気づきが多かった」、「みんなの個性を持ち寄ることで、課題解決への可能性を感じた」など、さまざまな分野の方々が一緒になって少子化の解決に向けた前向きな話が出来たことを評価いただく意見が多く、参加者の少子化対策への取組に対する機運の醸成を図ることができました。
(参考)セッションの進め方
各地域において、概ね次のとおり対話を進めました。
(各テーマにより、詳細が異なる場合があります。)
所要時間 |
内容 |
めあて |
開始前 |
受付。参加者はあらかじめ4~5名程度のグループ分けにより着席 |
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30分 |
・三重県少子化対策課より挨拶、少子化の現状についてのレクチャー ・ファシリテーターより本日の進行などについて説明 |
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15分 |
ウォーミングアップ (ブレインストーミング) |
各グループでのセッションで話しやすくする。アイデアが出せる雰囲気にする |
30分 |
・自分の強み、得意な点の洗い出し ・各自での少子化対策のアイデア出し |
参加者の持っている強み、資産を棚卸しして、参加者同士で理解を図る |
30分 |
グループ共有、討議 |
他の人のアイディアを知る グループでアイデアをまとめる |
15分 |
グループ発表 |
他のグループのアイデアを知る |
15分 |
投票・結果発表 |
共感するものを選ぶ |
(参考)テーマ別検討結果
テーマ:「子育てについて」
- 北勢地域(第1回) 平成26年11月13日(木曜) 13時10分~15時40分
三重県四日市庁舎 2階 第22会議室 25名参加
- 伊賀地域(第1回) 平成27年1月15日(木曜) 13時10分~15時40分
ハイトピア伊賀 3階 コミュニティー情報プラザ 20名参加
実施結果
子育てについて、「これがあったら嬉しいな」「こんな子育ていいんじゃない?」という視点で、地域性が豊かなものや、現実的なものまで、さまざまなアイデアが出されました。アイデアの一例
- 「小中学生と大学生の寺子屋」(北勢地域)
子どもと大人が教え・教えられる場をつくり、それぞれの悩みを解決する場としよう。 - 「鉄道学童」(北勢地域)
地元の内部線の車両を利用して、どの駅からも乗り降りできる学童保育はどうだろう。 - 「自分達で保育園・幼稚園を作る!」(北勢地域)
使っていない幼稚園の施設を使って地域のママが当番制で先生を努めると面白いよ。 - 「スーパーで託児」(伊賀地域)
スーパー等で、利用額に応じた託児サービスを実施すれば、双方にメリットがあるよ。 - 「3世代同居のススメ」(伊賀地域)
3世代同居を体験するプログラムを行えば、きっとその良さが分かってもらえるよ。 - 「一人っ子、集まれ!」(伊賀地域)
地域の一人っ子を集め、みんなが兄弟・姉妹として遊べば、引っ込み思案も改善!
テーマ:「男性の育児参画について」
- 南勢志摩地域(第1回) 平成26年11月25日(火曜) 13時10分~15時40分
三重県伊勢庁舎4階 402会議室 22名参加
- 北勢地域(第2回) 平成26年12月16日(火曜) 13時10分~15時40分
じばさん三重(三重北勢地域地場産業振興センター) 21名参加
実施結果
「育児に取り組む理想のパパになるため」父親はどうしたらよいだろうという視点でアイデアをいただきました。家族、妻への気遣いという点で、多くの意見が出されました。
アイデアの一例
- 「『今日育児があるので早く帰ります』」といって退社する」(南勢志摩地域)
家庭を第一に考える職場風土の醸成が必要じゃないかな? - 「妻の自由時間をつくる」(南勢志摩地域)
男性が少し子どもの相手をして、妻が趣味を楽しめる時間を持てるといいな。 - 「ありがとう、お疲れさまが言い合える」(南勢志摩地域)
毎日、夫婦の気遣いの言葉があれば、男性の育児参画もうまくいきそう。 - 「思いを言葉にする」(北勢地域)
ありがとう、ごめんねを妻や子どもに言えるお父さんっていいな。 - 「ほめプロパパ」(北勢地域)
子どもや家族をよく褒めるパパは、育児にもよく参加されているようなきがします。 - 「早く家に帰る」(北勢地域)
仕事を切り上げ、早く家に帰ると、妻も子どもも大喜びだよ。
テーマ:「結婚について」
- 東紀州地域(第1回) 平成26年12月15日(月曜)15時~17時30分
三重県熊野庁舎 大会議室B 25名参加
- 南勢志摩地域(第2回) 平成27年1月13日(火曜)13時10分~15時40分
三重県伊勢庁舎4階 402会議室 25名参加
実施結果
結婚に対して前向きに考える人が増えるようなアイデアについて、2つの会場とも、独身の方も含めて意見をいただきました。若者らしい、斬新なアイデアも見られました。
アイデアの一例
- 「新婚×独身者交流会」(東紀州地域)
独身の方に、新婚さんの幸せを感じてもらって、結婚に前向きになって欲しいね。 - 「月に1度の『出逢い作業日』」(東紀州地域)
独身の男女が一緒にボランティア活動ができる日を設定すると気軽に参加できるね。 - 「地域企業大運動会」(東紀州地域)
地域の企業対抗で若い方が集めて行うと、企業の枠を超えて盛り上がるんじゃない? - 「明るいお見合いキャンペーン」(南勢志摩地域)
“お見合い”の良さをもう一度見直して、気軽に利用できるようになったらいいね。 - 「自活のススメ」(南勢志摩地域)
ある程度の年齢になったら、一人暮らしを始めれば、結婚がしたくなるかもしれない。 - 「LOVEキャンプ」(南勢志摩地域)
独身の男女を集めてキャンプしたらどう?相互理解も深まっていいんじゃない?。
テーマ:「家族・地域の絆について」
- 伊賀地域(第1回) 平成26年12月3日(水曜)13時10分~15時40分
伊賀市ゆめぽりすセンター 2階 東会議室 26名参加
- 東紀州地域(第2回) 平成27年1月20日(火曜)15時~17時30分
熊野古道センター 映像ホール 21名参加
実施結果
「どうしたら、家族はもちろん、地域のみんなで子育てができるか?」という、アイデアについて、2つの会場とも、独身の方も含めて意見をいただきました。若者らしい、斬新なアイデアも見られました。
アイデアの一例
- 「祭りの伝承」(伊賀地域)
地域の祭りは世代を超えて受け継がれるもの。地域とのつながりも深まるよね。 - 「子育て失敗談集会」(伊賀地域)
どこの家庭でも失敗はある。親も失敗しながら子育てが楽しめれば気が楽になるよ。 - 「逆家庭訪問」(伊賀地域)
子どもが他の家庭を訪問したら、いろんな家族あるって分かっていいんじゃない? - 「3世代交流イベントの実施」(東紀州地域)
気楽に地域で集まれる催しを定期的に開催すると、自然に顔が見られる関係になるね。 - 「回覧板は子どもが持って行くプロジェクト」(東紀州地域)
まずは、他愛のない挨拶から地域の子どもと大人のつながりをつくったどうだろう。 - 「誰でもティーチャー」(東紀州地域)
地域にすごい人がたくさんいます。先生になってもらい子どもも大人も学びましょう。
テーマ:「妊娠・出産について」
- 中勢地域(第1回) 平成26年11月19日(水曜) 13時10分~15時40分
三重県総合文化センター 県文化会館 レセプションルーム 24名参加
実施結果
「安心して子どもを産み、育てられる妊娠・出産環境」には何がいる?を切り口としてアイデアを検討しました。男性の参加者も戸惑いながらも一生懸命に意見交換をしました。
アイデアの一例
- 「妊娠・出産シミュレーション」(中勢地域)
今、もし妊娠したら?を考えると、何が必要か分かるんじゃないだろうか。 - 「企業内保育の充実」(中勢地域)
職場復帰後も、近くで子どもの様子が分かったら、安心して子どもをつくれるね。 - 「第3のじいちゃんばあちゃん」(中勢地域)
実家が遠くても、近くに信頼できるお年寄りが居てくれると心強いよね?
テーマ:「困難を有する子どもたちについて」
- 中勢地域(第2回) 平成27年1月9日(金曜) 13時10分~15時40分
三重県総合文化センター 県文化会館 大会議室 35名参加
実施結果
「虐待」「引きこもり」「発達障がい」「貧困対策」という難しい内容でしたが、それぞれの県担当職員から現状と課題を説明を聞いたのち、真剣に今後のアイデアを考えました。
アイデアの一例
- 「みんなで生きるオープンファミリー」(中勢地域)
地域のみんながもっと子どもに関わって、みんなで子育て、見守りをしようよ。 - 「みんなで助産院見学ツアー」(中勢地域)
小中学生、高校・大学生、社会人も皆で子どもの命の尊さにふれあってはどうだろう。 - 「父親が障がいについて語り合える居酒屋」(中勢地域)
子どもに障がいを持ったお父さん同士が本音で話し合える場があってほしい。