三重県立子ども心身発達医療センターとは
三重県の子どもの発達支援体制の現状や課題を踏まえ、これらに適切に対応するため、障がいや発達に課題のある子どもの専門医療・福祉機関である県立草の実リハビリテーションセンターと県立小児心療センターあすなろ学園、三重県児童相談センターの言語聴覚機能を統合し、「三重県立子ども心身発達医療センター」として、併設する特別支援学校とともに一体的に整備し、小児の医療提供体制・療育体制の充実を図るとともに、子どものこころとからだの発達支援の拠点として整備します。
※平成29年6月1日 三重県立子ども心身発達医療センターが開設いたしました。
新センターの概要
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建築場所 津市大里窪田町字西穴川340-5 外1筆 地内
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敷地面積 約16,600平方メートル
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建築規模 延べ面積 17,200.62平方メートル
(新センター:13,013.52平方メートル 特別支援学校:4,187.10平方メートル)
建築面積 7,677.20平方メートル -
建築構造 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)4階建て
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標準工期 21ヶ月間(予定) 平成29年6月開院(予定)
新センターのとりくみ
1.専門人材を集積し、専門性を高め、子どもにとって安全、安心な環境の中で、良質で高度な医療・福祉サービスを提供します
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遊びと見守りの空間確保、子どもの育つ力を育む
子どもたちが暮らしやすい空間や遊びの空間を確保し、動線分離を図り、治療の枠組の中で遊びやリハビリ等をとおし、課題の改善や日常の生活スキルやコミュニケーションスキルを高めます。 -
居室環境の改善、病院機能の向上
個室や診察室の増室により受診待ちの短縮や病状アセスメント、保護者のレスパイト機能を含む短期入院の受け入れなどを行います。また、それぞれの不足する機能(リハビリ、心理療法などこころのケア等)の補完や統合効果を発揮するなど、チーム医療・療育を進め、多職種が効果的に関わります。 -
専門人材の集積、多職種が有効に協働
多職種が日常的に協働しやすいようスタッフルームを集約します。また、統一したマネジメントシステム等による適切な治療の進捗と地域での生活に向け、併設する特別支援学校と協働するとともに、地域や地元学校、児童相談所等と連携したケースワーク機能を充実します。
2.小児医療との連携強化・機能補完により、利用者の利便性を向上させるとともに、小児分野の臨床経験の場や機会を創造します
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小児医療(三重病院)との連携強化、機能補完
てんかん等の合併症や小児科的な身体管理等が必要なケースは三重病院が、小児リハ、精神科医療が必要なケースは新センターでと役割分担・連携するとともに、日常的に医師の行き来をしやすくし、子どもの状態に応じた医療を提供します。 -
専門医療が日常的に受けやすい環境、利便性の向上
整形外科手術の術前術後の十分な調整や合同の症例検討・ケースカンファレンスなどを行い、円滑な連携体制を構築し、術後管理、複数科受診や緊急時の対応がスムーズになるよう進めます。 -
臨床の場の創設、医師確保、専門医育成
小児分野の研修医にとって、小児に関する臨床経験が学べる小児エリアとなるよう、三重病院と連携し、幅広い専門医療・療育や複雑なケースなどが研鑽できる研修プログラムの構築や臨床の場や機会を提供します。
3.発達支援の中核として、専門医療をベースに地域の支援機能を高め、併設する特別支援学校とともに三重県全体の総合力の向上をめざします
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スキルやノウハウを地域に還元
これまで草の実リハビリテーションセンターやあすなろ学園、児童相談センターでそれぞれで行ってきた地域支援機能を一元化し、発達に課題を抱える子どもや地域の関係者に対し、チームとして効果的に関わり、臨床に基づく具体的な支援により地域支援の質・スキルを高めます。 -
重層的な支援機能、総合力の向上
一次支援・二次支援は市町等で、高度の専門的支援や専門人材の育成は新センターが対応するなど役割分担しつつ重層的に関わり、途切れのない支援体制により、問題の予防・治療・アフターケアを進めます。 -
教育のセンター的機能の充実
新センターの病棟や地域支援機能と連携・協働することにより、併設学校教員のスキルやノウハウなどの向上を図り、地域の学校に波及されるよう取り組みます。 -
新たな機能効果を創出
臨床データの蓄積・活用、臨床現場からの情報発信機能の充実・強化、支援ツールの普及啓発、多様な機関との連携を進め、障がいの理解等を促進するなど、この立地環境を活かし、新たな効果を生み出す取組につなげます。