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平成25年06月10日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平 成 25 年 6 月  6 日
於:プレゼンテーションルーム

発表項目等

・風疹ワクチン助成事業の創設について(発表)

・公務員給与の削減について(発表)

 質疑項目

・発表項目等に関する質疑
・震災復興予算の基金  

発表項目等

(知事)まず1つは、風疹に関係することです。昨年秋頃から流行し始めました風疹は、今年に入っても全国に拡大しつつあります。本県においても、6月2日現在の届出患者数は55人となり、昨年総数61人に迫る事態となっております。妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウィルスに感染し、白内障や先天性心疾患、難聴などの病気をもった赤ちゃんが生まれることがあるため、注意が必要な感染症です。このため、本県では、平成25年5月21日付けで厚生労働省健康局長に対して、予防接種等の対策を国が全額費用負担して行うことを内容とする「風疹対策に関する緊急提言」を行いましたが、5月31日に厚生労働省に確認をしたところ、国の財政状況も厳しく提言内容の実現は困難であるとの回答を得ました。このことを受け、県としましては現在の風疹の流行状況を考慮し、先天性風疹症候群の発生防止を目的として、風疹ワクチンの接種費用の助成を行う市町への補助制度の創設について、市町との調整を行って、速やかに対応するよう関係部局に私の方から指示したところであります。

もう1つは、交付税の削減に伴う人件費の削減の関係のお話であります。手元に資料が2枚いってると思いますので、まずは1ページ目の関係のことと、経緯を再度申し上げたいと思います。地方交付税等が削減されたことへの対応として、人件費を含む財源捻出について職員組合と交渉を行ってきたところでありますが、今朝、妥結に至りましたので、私からこれまでの経緯を含め説明させていただきます。平成25年度の地方財政計画において地方公務員の給与関係経費が削減されたことにより、当初予算編成において地方交付税等の減額により83億円の歳入不足が生じました。この歳入不足への対応として、人件費を含めた財源捻出を行わざるを得ないと判断し、5月9日に職員組合に対して協議の申入れを行って以来、10回を超える交渉を行ってまいりました。交渉においては、執行部側は副知事、総務部長等から今回の事態に至った経緯や県の厳しい財政状況を丁寧に説明するとともに、人件費以外による財源捻出の努力も示しながら、理解と協力を求めてきました。私としましては、今回の対応に当たっては、まず何より今年度の予算執行に支障を及ぼさずに県民サービスを低下、後退させないということ、それから併せて職員の皆さんへの影響を可能な限り少なくする、この両方の思いの中で、最大限人件費以外による財源を捻出するための努力を行った結果、財源不足額は約53億円となりました。この不足額をもとに、平成25年7月1日から平成26年3月31日までの期限を定め、職員の給料月額を職階に応じて3.9パーセントから10パーセント、平均でいきますと5.5パーセント減額するという内容を、昨日、私から大西三重県職員労働組合中央執行委員長、細井三重県教職員組合中央執行委員長に直接提案し、その後、双方での交渉を続け、今朝、職員組合と合意が得られました。職員の皆さんに2年連続で給与減額のお願いをすることになり、大変申し訳なく思っています。言うまでもなく職員の皆さんの協力なくしては、より良い県民サービスを提供していくことはできません。今回の給与の減額措置に対し、理解と協力をいただいたことについて感謝申し上げます。今後とも職員の皆さんとともに「幸福実感日本一」の三重を目指し、取り組んでいきたいと思っています。今後も引き続き、健全な財政運営に取り組むとともに、国に対しては、今後こうした措置を行わないよう、県政運営を預かる知事としてあらゆる機会を捉え、強く申入れを行っていく所存です。それから、お配りしている資料の2ページの、ちょっと図示して示していますので、今回の内容をちょっと改めて説明をしたいと思います。まず左の表を見ていただきますと、今回の妥結内容に基づく職員給与費の減額による財源捻出額は約53億円と。一方で、平成25年度当初予算では当面の対応として、退職手当等の約75億円の計上を見送っていました。その差が上にありますように点々で書いてますが、約23億円ということで、この端数調整がありますから、53と23足したら76ですけども、これ合ってますので。その23億円を、次、右側ですけども、現在の財政調整基金、約49億円あるわけですが。ここから23億円取り崩します。そうすると財調が書いてありますとおり約26億円の残高となるわけでありますが、他方、その下に今後の見込みの26億円の横に約5億円と書いてますけども、平成24年度の最終補正予算の後、国から普通交付税の5億円の追加交付がありましたので、これを今後、速やかに財政調整のための基金への積み立てを行っていくということで、この5億円と26億円を足すと約31億円になりますが、元々国から防災減災対策とか地域活性化のためにということで計上されていました地域の元気づくり事業費相当分、これが30億円でありましたけれども、これは確保するということで、防災減災とか地域活性化に対する県民サービスの低下はさせないという、低下せずにその分の財源を確保するという形になっておりますので、数字の入り繰りがややこしいものですからこういう資料で説明をさせていただきました。

発表項目に関する質疑
○風疹ワクチン助成事業の創設について(発表)
(質)1つ目の風疹の費用助成なのですが、指示をされたということなのですが、具体的にどの程度、どういう助成をされるかというのは何か指示はされているのでしょうか。 
(答)それも含めてどういう制度設計、対象、額、そういうものについてもよく検討するようにということで指示をしました。これは県単独で行う事業ではなくて、市町と折半して行う事業になると思いますので、市町の意向もしっかり聞いた上でないと、県が先走ってやるというわけにいきませんので、そういう意味で市町との調整をしっかり行って速やかに対応するように指示をしたということであります。したがって市町と議論をする中でちゃんとそういう対象とかを決めていきたいと思います。でもピークとかを逃してはいけませんので、速やかにということで早急に対応するようにという指示をしております。

(質)速やかというのは知事の中でいつまでという考えなのでしょうか。
(答)速やか。

(質)今月中ですか。
(答)速やか。予算の事業でありますから、議会に提案しなければいけませんので、速やか。三重県は幸いにして年がら年中議会開いてますけど。速やか。

(質)2カ月後、3カ月後じゃないということですよね。
(答)スピード感持って対応します。

(質)既に伊賀市が今日、開会の予算にどうやら上げたようなんですけども、そういうのも出始めてる中でのこういう制度、ちょっと若干遅いような気もするのですけど、いかがですか。
(答)従来から申し上げてますけども、国全体での対応というのを我々まず求めなければならないといって、21日付で出して、国からの回答がないもんだから、これはスピード感に欠けてはいけないということで、31日に確認したら、国がやらないと明言したということで、じゃあもう地方でやろうということで、31日金曜日ですから1日、2日は土日ですので、3日から今日6日でしょ、調整し始めてますので、そんなに遅いということは私は無いと思いますけど、市町の議会の手続きとかもあるので、それの可能な限りスピード感を持ってという範囲に入っていると思いますけどね。

(質)6月の定例会議に追加提案すると、を目指すということですね。
(答)いや、速やかにということですね。市町の議会の対応とかもあるので、我々がいつのどうこうというのを、今この場で申し上げるのはちょっとできませんので、速やかに対応できるように指示をしたということです。

(質)現時点で市町の意向というのは聞かれてますか。
(答)一部聞いてますけども、まだ聞き取れてないところもありますので、前向きに考えていただいているところもあるし、一方で財源が必要な部分もありますから、いろんな調整が必要ですから、まだ一部しか聞き取れていませんので、市町全体の感触どうこうというのはちょっと申し上げないようにしたいと思います。前向きにいきたいというところの方が、今当たってる中では若干多いと思いますけどね。若干というか、多いと思いますけどね。

○公務員給与の削減について
(質)職員給与の件なのですけど、このような形になりまして、改めて知事の思いをお聞かせ願いますか。 (答)そもそも国が地方の固有の財源たる地方交付税に手を突っ込んできて、削減をするという大変遺憾な対応であったわけであります。しかし、実際に83億円という地方交付税が減額されて、県民サービスを後退させないというために現実的な対応が必要であったという中でいろんな財源捻出の対応をやってきた。一方で、去年も給与削減やってますから、職員への影響はやはり少なくしたい、国からそういう遺憾な話が来た中で、職員に対応してもらわなければならないわけですから、そういう両方の思いの中でとってきて、職員組合の皆さんにも理解を得て今回の対応になったということですから、そもそもの公務員の給与のあり方、そもそも地方公務員の給与は地方で条例で決めるというふうになっていますので、国からどうこう言われる筋合いじゃ無いのですけれども、例えばひとつラスパイレス指数の考え方とってもそうだし、財源のあり方をとってもそうですけども、国においてはもっと地方に胸襟を開いて、国と地方がもっとしっかりと議論をする、そういうことが今後に向けて必要じゃないかなと思いますし、そういうことを知事会なども通じてしっかり申し入れしていきたいと思いますけどね。

(質)公務員に対するストライキ権の付与についてはどう考えてますか。
(答)働く方の基本的人権というようなことも、基本的人権というか基本的な権利というようなことについてはいろいろ議論があるかもしれませんけれども、公務員という特別な職にあるということなども勘案して慎重な議論が必要だと僕は思っています。

(質)人事院勧告に従うべきだという?
(答)基本的には人事院勧告を尊重するという立場に変わりはありません。

○風疹ワクチン助成事業の創設について(再質問)
(質)風疹のことで、具体的には予防接種の費用の一部を負担すると、そういうことですよね。
(答)そうです。イメージ的には予防接種にかかる経費のうち、ご本人で負担していただく部分と、県と市と一緒に負担していく部分とそういう形になっておりますね。だからそういう形になりますね。だからまるっきり無料になるということではありませんけど。

(質)今、都道府県でそういうのやってるとこというのはどれぐらい全国であるのですか。
(答)決まっているのは、まだ10以下ぐらいじゃないですか。これから議会にかけるところとか検討中とかというところは幾つかあると思います。今やるというのが確定しているというのは何個と言っていいの?8やったっけ。
(答:健康福祉部)13が検討も含めて入っていまして。
(答)決まっているところは。
(答:健康福祉部)公表はしているのですけど6月補正で対応ということで、今議会に上げているところが多いです。
(答)じゃあ確実な数字は言えないということなのですか。
(答:健康福祉部)はい。

(質)議会で検討されているところも含めての数字で結構なんですけど。
(答:健康福祉部)他県の状況ですけど、13都府県が表明しております。
(答)表明やな?だから議会に上げるということも含めて表明している?
(答:健康福祉部)知事が表明している。

その他の項目に関する質疑
○震災復興予算の基金
(質)震災復興予算の関係で地方自治体に基金として来ているものが、いわゆる批判として、被災地以外に使われているのじゃないかという批判で、財務省とか復興庁が自治体に対して基金の執行停止を求める動きがあるのですけれども、これに関して知事の見解をお願いします。
(答)自治体としては国が枠組みを組んでいただいたものに沿って事業を展開しているという中で、こういう話が出てきたということについては、今現在、財務省と復興庁で精査をしているというふうに聞いています。それを踏まえてどういう要請とか指示とかが来るのか分かりませんが、それを踏まえた対応をしたいと思います。一方でうちだと林業の関係とか、雇用の関係とかそういうのがありますので、例えば林業とかだと全て事業計画が決まってますので、それを停止というふうになると影響は大きいなと、雇用についてもそれで働いている方がいらっしゃいますから、停止ってなると働く場を奪うことになる可能性もありますから、そういう意味では非常に深刻なことだなというふうに思ってますので、被災地以外に適切にお金が回らないということについては、総論としてはやはり残念だと思うし、良くないことだとは思うけれども、一方で今申し上げたような事情もあるので、いずれにしても国のどういう要請なり指示が来るかというのを待って適切な対応したいと思います。

(質)今のところ県で把握している、いわゆる復興予算の中の基金で2個来てる額みたいなものというのは。
(答)それはどういう感じですか。いろんな基金の合計?それは精査してまた言います。

(質)おそらく補正で、確か、以降だと思うのですけど。
(答)雇用のやつとかと、緊急雇用創出事業臨時特例基金のうち震災等緊急雇用対応事業分というやつと、森林整備加速化・林業再生基金とあるので、ちょっと基金の総額、どの事業というのを足したやつはまた後で精査してお伝えします。

○公務員給与の削減について(再質問)
(質)前後して申し訳ないですが、公務員給与の関係でパーセンテージとして平均のパーセンテージですね、に関しては、国のものより低い水準というか、全国的にみても若干低いのかなという気がするんですが、そこまで圧縮できたことについての所感と、あとは、そもそも論なんですけども、ここまで圧縮できるんだったら最初からこの数字で提示したら良かったんじゃないかという気がするんですが、去年、昨年度も削減しているわけですから、この辺について最初からの努力が何故こうならなかったのかというところを教えてほしいんですが。
(答)まず、パーセンテージについては、うちの5.5パーセントというのは給料月額ですので、国の7.8パーセントは年収ベースなんですよね。うちは手当、期末手当とかへの跳ね返りはありませんからそういう意味では同じ物差しではありませんので、それは一概に高いとか低いとかいうのは言えないと思います。それは、他県で既に妥結したところとか妥結せずに実行するところにおいてもそれぞれ手当の跳ね返りとかそれぞれの判断でやっていますので、一概に国と比べて高いとか低いとか言えるもんではないと思います。一方で、圧縮っていうのは、僕らが一番最初に提示したのは、約60億円でそれが53億円になってるわけですが、その7億円については、いろいろな財源について更にもう一度精査をしたということでありますので、60億円でもギリギリでした。で、更に今年度内の予算執行においての節減努力とか、そういうのを再度いろいろ精査した中でこういう数字が出てきていますので、最初から提示すれば良かったじゃないかというような安易なことを言われるのは大変心外ですけども。かなり苦労して60億円を出して更に県民サービスを後退させないということと、職員への影響を国に起因する今回のあれですからなるべく最小限に抑えたいという中で53億円になるべく圧縮していこうということで再度精査した、そういう中でのものですので、何かドラえもんとか、あるいは打出の小づちのようにぱっぱぱっぱと財源が出てくるようなものではありませんので、60億円提示する時も相当努力はしましたし、今回更に圧縮するにおいても相当努力をしたということだと思います。

(質)関連で他の財源捻出策というのは、例えばどういうのがありますか。
(答)他の財源というのは?

(質)人件費以外の部分で努力された部分とかは。
(答)今申し上げたような、これからの今年度の予算執行やあるいは26年度に使う予定にあるものについてのどういう事業でっていう確定をしながら、どういう節減努力が図れるかということ、いろんな様々な財源を、いろんな税収のこととか、あとはいろんな剰余金のこととか様々な今後の財政の見通しを考えた中で出してきたということです。

(質)知事の中の思いとしては、絞りに絞ってもうパズルを組んで何とかここまで用意したという、そういう思いですか。
(答)特に、僕は元々、繰り返しになって申し訳ないですけれども、県民サービスにその影響が出てはいけないということがやっぱり大切なことだと思うんですね。一方で職員の影響も少なくしたいということでありましたから、相当絞りに絞って、今日も妥結した後、部局長に集まってもらって話もしましたが、そういう意味で予算執行における無駄とかも無いようにね、かなり雑巾絞った、そういうような思いですけどね。

(質)今朝って何時位?
(答)6時。あと、最初の60億円と率の印象でいくと最初の60億円というのは、8月実施を念頭に置いていたので、それを7月にずらして平準化したということもありますからその率が下がったというのもありますけどね。

(質)この減額なんですけど、つまりこれで妥結したということは、もう6月議会に議案として、もう、もちろん上げるということですか。
(答)上げたいと思いますが、県議会とどういう日程になるかとかを調整したいと思います。

(質)基本的には6月を想定している?
(答)そうですね。はい。

(質)朝6時ってことは徹夜っていうことですよね。
(答)まあ、そういうことになるでしょうね。徹夜か休んでいるか、ちょっと分かりませんけど、朝6時に大西委員長から総務部長に「これでよし」という電話をいただいて、総務部長から僕に電話をもらいましたので、それが6時過ぎです。その間休んでいたか徹夜でやったか、そこまで聞いていませんけど。

(質)今回、その妥結の連絡があった後、知事は大西さんとかとは?
(答)まだ、接触はしていません。

(質)先ほど、5.5パーセントというのは、これ月額給与のベースでの5.5パーセントですよね。で、国の場合7.8パーセントというのは、おっしゃったように、ボーナスを含めた全体ですよね。その国の7.8パーセントに相当する数字というのはあるんでしょうか。
(答)これは今まだ無いな?
(答:総務部)はい。
(答)計算できるの?
(答:総務部)ちょっと難しいです。
(答)手当の種類とかも違うし、そういう意味では同じ尺度で測るのちょっと難しいですね。他の県とかでも国並みとか言ったりしているのも、それぞれ尺度が違うので、うちは給与月額ベースで加重平均したら5.5パーセントということですね。

(質)先ほど、国に対する働きかけ、給与の関係で働きかけってあったんですけど、知事としてはどういったことを訴えていきたいというふうに?
(答)そもそも論として、地方交付税は地方の固有の財源ですよと、そこに国が手を突っ込んでくるというのはあってはならないことなんですよと、というそもそも論もさることながら、あとは、給与の決め方っていうんですかね、地方が決めることにはなっているものの、ラスパイレス指数とかね、実態に即してない数字の作り方とかもありますから、そういう部分について制度的なことも含めて、国とよく議論をしていくということと、あとは、国も、今回、たまたま7.8パーセント削減しましたけれども、これまでの10年間の人員、定数の削減や人件費の削減というのは、地方の方が圧倒的に多いわけですね、ちょっと、今、数字忘れちゃいましたけど。国はこれまでやっていないわけですね。なので、地方にやれと言うなら、国もしっかり態度を示さないといけないと思うし、そういう国の方のあり方も含めてよく議論する必要があると思いますけどね。単独でもちろん言うけれども、単独よりは、やっぱり知事会として、まとまって言っていくという方が迫力もあるだろうし、あとは法定化されている国と地方の協議の場というのをしっかり活用してやっていくということだと思いますけどね。安倍政権になってから国と地方の協議の場というのがほとんど開かれていないですね。そういうのも大変危惧しているところですけどね。

                                                           以上

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