知事定例会見録
平 成 24年 2 月 17日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目
○防災ノートの作成について(発表)
○第23回紀伊半島知事会議の開催について(発表)
○平成22年度三重県民経済計算速報(早期推計)について(発表)
質疑項目
○発表項目に関する質疑
○政治塾
○放課後児童クラブ
○予算編成プロセス
○天皇陛下のバイパス手術
○木曽岬干拓地へのメガソーラー誘致
発表項目等
○防災ノートの作成について(発表)
(知事)まず1つは防災ノートについてであります。この度、近い将来の発生が懸念されている東海・東南海・南海地震等による地震・津波から児童生徒の命を守ることを目指して防災ノートを作成し、2月15日に約23万部を私立学校を含めた県内の全ての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等へ送りました。防災ノートには2つの目的があります。1つ目は、児童生徒が学校での指導や家庭での話し合いを通して学校にいる時や通学時に発生する危険や避難方法、家庭での防災対策等について防災ノートに書き込み理解することで、命を守ることを考え、行動に移すことができるようにすることです。2つ目は家庭の防災対策の充実です。児童生徒の命を守るためには家庭における防災対策も大切です。そこで、保護者が児童生徒とともに家庭で防災ノートに取り組むことで家族の防災意識を向上し、家庭の防災対策が一層充実することを目指しています。防災ノートは、小学校1年生から3年生を対象とする小学校低学年版、小学校4年生から6年生を対象とする小学校高学年版、中学生及び高校生を対象とする中高生版の3種類があり、いずれも14ページとなっています。特徴は、学校で指導を受けて取り組む部分だけでなく、家族で話し合ったり、確認したり、自分で書き込むページがあることで、大きく3つの部分で構成されています。たとえば、小学校低学年版では、まず3ページから8ページですけども、学校・通学経路・自宅という児童生徒にとって身近な場所での危険とその回避方法、安全な場所への避難について考え、学んでもらいます。9ページから12ページは、避難経路、避難場所、家具の転倒防止などの安全対策や、非常持ち出し品の確認など、家庭での備えを家族で話し合ったり、確認したり、自分で書き込む部分、13ページから14ページは、地震や津波について知っておいて欲しい知識をまとめた部分です。各学校では特別活動の時間などで発達段階などを踏まえ、防災ノートを使った学習をしっかりと行ってもらうこととしています。さらに、防災ノートとあわせて、学校で的確な指導が行われるよう指導上のポイントを作成し、各学校で活用してもらうよう指示したいと思っています。児童生徒には防災ノートで得た知識と高い意識をもって地域での避難訓練に保護者とともに参加して欲しいと考えています。なお、3月に5つの言語、ポルトガル語、スペイン語、中国語、タガログ語、ビザイヤ語の外国語版を、日本語指導を必要とする外国人児童生徒が在籍する学校に配付する予定です。最後になりますが、防災ノートの作成に当たっては、三重大学の川口准教授をはじめ、先般公表させていただいた「学校における今後の防災対策・防災教育の在り方の指針」ですけども、それを検討していただいたプロジェクトのメンバーである市町教育委員会の担当課長や小学校・中学校の校長先生などからも意見をいただき、反映をさせていただきました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
○第23回紀伊半島知事会議の開催について(発表)
(知事)2点目は紀伊半島知事会議であります。第23回紀伊半島知事会議の開催ですが、紀伊半島知事会議は、三重県、奈良県、和歌山県の3県の知事が紀伊半島地域の振興と活性化を図るため、広域的な課題について協議し、一体的かつ総合的な施策の展開を図ることを目的として毎年開催しているものです。平成24年度は23回目となり、4月24日から25日にかけて県内で開催し、鳥羽市を中心に会議や視察を行う予定です。議題などは現在検討中ですが、奈良県の荒井知事、和歌山県の仁坂知事と活発な意見交換を行い、有意義な会議にしたいと考えています。知事就任後いろんな知事会議がありますが、初めて三重県でそういう知事会議を開催することとなりますので、お二人をしっかりおもてなしをし、三重の魅力を堪能していただいたり、あるいは情報発信の絶好の機会ともしていきたいというふうに考えています。
○平成22年度三重県民経済計算速報(早期推計)について(発表)
(知事)続きまして3点目、県民経済計算ですが、平成22年度三重県民経済計算速報をとりまとめましたので公表します。平成22年度の県内総生産は、名目で7兆4,216億円となり、対前年度比で3.7%の増加となりました。実質では9兆4,237億円となり、対前年度比で7.3%の増加となり、名目・実質ともに3年ぶりにプラスとなりました。県内総生産を生産側でみますと、電気・ガス・水道業・サービス業などは減少となりましたが、製造業が対前年度比で11.1%の大幅な増加となりました。次に、県内総生産を支出側でみますと、民間最終消費支出、総資本形成ともに増加に転じました。最後に分配側となる県民所得をみますと、県民雇用者報酬、企業所得ともに増加に転じました。その結果、一人当たりの県民所得は285万8千円となり、対前年度比で4.7%の増加となりました。県民経済計算のやつはこれまであまりこういう場で公表することなかったと思いますが、私のほうから今回は発表させていただきました。
質疑応答
○発表項目に関する質疑
(質)防災ノートなのですけど、年末に子どもたちに実際に配って、使いにくいということで直したと伺っているのですけど、どういうところが使いにくかったのかと、直す前と直した後でどう変わったのかをお願いします。
(答)だいたい40人ぐらいの小中学生に2回ぐらいやってもらったのですけども、『記述が難しい』とか『書き込みにくい』とか、あとは『言いたいことはわかるんだけど、なかなかこれでは伝わらない』とか、そういう指摘を受けて、書き込み方とか表現とか、そういうのを修正したという形です。
(質)外国語版はだいたいどれくらいの冊数になりますでしょうか。
(答・教育委員会)全体で4,000冊近く・・・・。
(答)ポルトガル語が2,050、スペイン語が1,000、中国語が250、タガログ語が500、ビザイヤ語が200冊。ビザイヤ語はフィリピンのミンダナオ島とかね、僕も初めて知ったのですけど、ヴィサヤ諸島とかミンダナオ島で使われている言語らしいです。
(質)これは23万部、全小中学校・高校・特別支援学校に送るということなのですけど、全国的に防災ノートを県が全ての小中学校・高校・特別支援学校に送っている県はあるのですか。
(答)『あんたところ配っていますか』と全部聞いたことはないですが、あんまり聞いたことないですね。
(答・教育委員会)調査という形ではとっていないので、確定的なことは言えないのですけれども・・・・。
(質)やっているであろう県というのは想定されると思うのですが。
(答)まだ正確に調査してないですけど、あまり聞いたことはないですね。
(質)全国で初ですか。
(答)『・・・かも知れない』ぐらいにしていただいたら。『・・・となる模様』とか。
(答・教育委員会)作成途中ということを聞いているところがありますもので、出すタイミングがうちが早いかそちらが早いか。
(答)それはでも早く頑張ったのですからいいじゃないですか。『全国初となる模様』ぐらいでどうでしょう。ちょっと調べておきますよ、と言ってもそれまた別途というのはあれやけどなあ、はい。
(質)もう1回あらためてなのですけど、防災対策に防災ノートを配る意義について、知事もう一度あらためてお願いします。
(答)もともとは6月の補正予算で付いた予算で、僕が就任したあとのあれだと思うのですが、特に僕は8月に釜石に行って、「釜石の奇跡」と言われた、釜石の子どもたちがたどった、鵜住居(うのすまい)小学校とか釜石東中学校の子どもたちがたどっていった道を実際に歩き、そこでの子どもたちのエピソードなどを聞いて、子どもたちが自分の命は自分で守るんだということをしっかり考え、行動に移していくということの重要性を非常に認識をしました。ぜひ三重県の子どもたちにもそういう思いになってほしいということでこの防災ノートを作りましたので、子どもたちが自分たちの命を自分で守っていくんだという一助になるということを期待しています。特に自分としては釜石に行った経験とかからも思い入れの深い事業であります。本当はもうちょっと早くと思っていたんですけれども、先ほど申し上げたとおり、子どもたちにやってみてもらったり、あと川口先生に見てもらったり、やはり出すからにはいいものにしたいということで教育委員会が頑張ってくれたので、そういうたくさんの人の協力を得てそういうふうになったので、ぜひ活用してほしいなと思います。
(質)これは学校の授業でも使ってもらうような感じになるのですか。
(答)そうですね、ベースは特別活動の時間というところで2回か3回ぐらいは最低やってもらいたいし、どういうふうに指導したらいいんだ、どういうふうに活用したらいいんだという指導上のポイントもこれから作りますので、それで配付していきたいと思いますし、あと新年度になったときに新年度のオリエンテーションとかで早い目に使ってもらったりとかすると非常にありがたいなと、災害はいつ来るかわからないのでね。あとはこれ、もう1個途中で目的でも言いましたけど、家族でよく議論してほしいと言うのですかね、父ちゃん、母ちゃんとも一緒に議論して書き込んでもらうということも1つの意義だと思います。授業との関係では今言ったとおりです。特別活動の時間を念頭に置いています。
(質)これは子どもたちの手には渡っているのですか。
(答)もう15日に配ったんで、到着して、あとは子どもたちにいっているかどうか各学校の中で、授業のときに配る所もあれば先に配ってしまう所もあるだろうし、それは学校によって違いますね。
(質)授業はあくまで新年度から?
(答)いや、今年度中にやりたいよと待ち受けている学校もあるので、今年度中にやる所もあるし、新年度で活用する所もあります。
(質)そうすると、年度が変わって新しく入ってくる1年生、学年が変わる人たちにはその分を支給するという形になるのですか。
(答)はい、増刷して、今回24年度予算の中にそれを入れています、増刷の。
(質)津波の部分が少ないのですけども、東紀州はまた別に考えているのですか。
(答)そうですね、これそうなんですよ、地域ごとの本当は特色を生かすようなことができれば良かったのですけれども、そこはそうなっていない。一般的に共通項をしっかり拾うという形にしてあるので、授業の中で各地域の特殊事情的なことについてはよく指導してほしいなと思いますのと、あと先ほど僕が説明した中でも、こういうのをもとに保護者と一緒に地域の防災訓練にも参加をしてほしいというふうに思いを申し上げましたとおりですので、そういう地域の防災訓練に入る中で津波のこととかも、さらに地域の事情を踏まえて学んでほしいなと思います。確かに地震ということが大きくきてて、津波ということに対しては、全体は少なく見えますけど、避難するということについては同じですので、実際に避難経路を書くわけですから、そういう形で考えています。
(質)3種類あってもそれぞれ中身がほとんど同じような・・・・。
(答)まあそうですね、多少中高生のやつは知識的なやつもあれかな。子どもたちが自分の命を守ると、そして自分が自分の地域にある危険箇所から避難をしていくために、基礎的に必要なことをしっかり学んでもらうということですから、まあどうなんだろうなあ、いろいろこれまでも三重県のみならず、いろんな防災関係のグッズとか資料とかいろいろ見てきたけれども、あんまりたくさん情報が多いよりは、本当に必要なことだけバシッとしっかり理解してもらうということがまず大切なんじゃないかなと思いますけどね。
(質)予算額を教えてもらえますか。
(答・教育委員会)1,192万2,000円です。
(質)これは外国語版も含めてですか。
(答・教育委員会)含めてです。総額の予算額です。
(質)これは6月補正だったのですか。
(答)6月補正で付けて、12月に減額補正。
(質)その結果がこうなんですね。
(答)そうです。
(質)紀伊半島知事会議について、議題検討中という話でしたけれども、こういうテーマ知事あげたいというのはありますか。
(答)去年は7月に高野山でやったのですが、その後台風12号が起こっていますので台風12号の関係はあげたいですけども、国との三県の会議もやっているので、それとの関係をどう整理するかというのを今ちょうど事務的にやっているところです。いずれにしても復興のための観光とか、復興のためにどうするとか、復興というのが大きなキーワードになってくると思いますけどね。特に観光のこととか産業のこととかそういうあたりが復興ということで中心になってくると思いますし、あとは7月にやる三県の少年野球大会のことはしっかりPRしたいと思います。
(質)2日間にわたるというのは普通なんですか。
(答)毎回そうですね。視察もかねていますので。前回も終わった後に高野山を巡りましたので。今回はまだ調整中ですけど遷宮館もできるのでこの4月にね、遷宮館を見ていただいたり、あとは鳥羽の『かまど』とかね、今うちが観光で売り出しているところなんかも見てもらおうかなとは個人的には思っていますけど、『いやだ』と言われるかもしれないですけど。結構でも荒井知事は個人的によく神宮に来られているようですので、三重県のことは大変よくご存知なんですけどね。
(質)7月の会議に議題として出て、具体的にこういうふうに進んでいるのだというような状況を教えてもらえますか。
(答)今手元に7月の会議がどう締めてどう整理しているか確認していないのでわかりません。今はわからないです。
(質)復興がキーワードで、東紀州でなくて鳥羽でやるというのは何か意味があるのですか。
(答)会場の都合とかその後の視察の関係とか。実は平成21年の時に熊野リゾートでやっているので、前回の三重県の時ね、もう1回同じ所というのも、別にかまわないのはかまわないですが、いろんなところをPRというか情報発信したほうがいいかなと思いまして。
(質)県民経済計算速報について、今までこういう場で発表したことはなかったということですが、なぜ発表したのですか。
(答)経済統計というのは、平成22年度のやつなので23年度の震災以降とかそういうものは反映していないものの、それなりの理屈でそれなりの意味があるものだと思うのですね、リーマンショック後にこういうふうに経済が伸びてきたとか、回復してきたとか、あと特にこの中の県民所得というのは7割方が雇用者報酬なのですね、雇用者報酬も上がってきていると、そういうような現実をしっかりと知っていただきたいと。経済統計って放っておくと難しいのでみんなほったらかしになるのですよね。でもマクロ経済をとらえるという意味では一定の現実を表していますので、仮に難しいとかいろいろ言われたとしても僕はいろんな所で説明をしたいというふうに思っていますし、自分が商工会議所とかで講演する時とかも経済データは説明してますからね。多くの人が数字の難しいのとかは嫌だなと敬遠しがちだけれど、やはり行政とかいろんな物事はデータ、事実、ファクトに基づいてやっていかなくてはいけない。そういう現実を知ってほしい。
(質)震災前の数字ですけれど、一応この数字に対する評価を。
(答)今回総生産が3.7%増ということで非常にリーマンショック後から伸びが非常に大きくなってきているということなので、特にほとんど寄与度、3.7%増のうちの寄与度3.7ポイントが製造業なので、そういう意味では製造業の一定の回復というのが見られるというのは非常にいいことだと思います。雇用者報酬も増加しているということはいいことだということと、民間最終消費も増えているということでリーマンショック後のいろんな閉塞感がある中で徐々にではあるけれども増加してきていると。今言った特に3点がですね増加しているということが高評価ではないかなというふうに思います。一方で名目と実質で、ご案内のとおりですけども、名目は時価で実質は物価変動を除いていますので、物価変動を除いたやつだと約9兆円で、名目だと約7兆円、デフレの中で実質だと結構景気の良かった平成16年から19年くらいのレベルに戻ってきているのですけれども実質額でいくと、でも名目でいくと全然まだ戻れていないというのが今のデフレの状況なのでこういうの早く克服しなくてはならないなという危機感は持っています。
(質)製造業の中で寄与度の大きい業種とか何かわかりますか。
(答)配っている資料の3ページの下、表3の22年度の対前年度比の伸び率ですが、電子部品・デバイスで26.3となっていますので、電子部品・デバイスの回復が一番大きかったというふうに考えています。輸送機械はまだ思ったより戻っていないという、この時点ではですねという状況で、やや意外でしたけれども。
(質)実際にこの統計をご覧になって、統計なので実態を表しているのでしょうけれども、知事の肌感覚としてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)震災前なのでねあれですけど、まあまあ近いところなんじゃないですか。実感的に大きい要素はこういうものプラスあと為替なので、為替に対する評価とか全く載っていないので、この間の為替の変動の厳しさというのは結構大きいから、為替以外の部分についての実感というのはまあまあ近いのじゃないかなと思いますが、為替が加わると余計厳しい思いになりますね。
(質)平成22年度の統計ですけど、それから東日本大震災があって、タイの大洪水・烽?って、あとそれに為替も影響するとこれよりか現状厳しくなっているというご認識でしょうか。
(答)そうですね、と思います。一人当たり県民所得、これ企業所得も入っているのでこれが全てではないですけれども、やはりここにも載っているような平成8年以降と比べても低くなっているということについては、多少回復してきたけど、危機感というか上げていかないといけないなと思いますけどね。ぜひ経済指標も皆さん書いていただいて。
○政治塾
(質)知事が塾を開くとか開かないとかはちょっと置いておいて、昨日も滋賀県知事が政治塾をやるとか何とかという話があるのですが、知事ご自身として、地方からの橋下さんとか河村さんとかの動きを含めて、この辺についてはどういうふうなご認識を持たれていらっしゃいますか。塾とかいろんな政治が地方から動いている現状について知事はどのように。
(答)それはいいんじゃないのですか。大変いいことだと思いますね。僕も国で10年勤めていましたけれども、国からでは見えない、地方の現場からじゃないと見えない現状というのがやはりありますので、そういう現状を踏まえて国に対していろいろ物を申していこうとか、あるいは国から何か言われるのを待つのではなくて自分たちから動いていこうというそういう姿勢とか行動というのは大変すばらしいことだと思いますし、どんどんそういうのは進めばいいなと思いますけどね。塾は自分ではやらないですけどね。
(質)橋下さんの船中八策に対する評価は。
(答)賛成できる部分とちょっとどうかなという部分がありますね。首相公選制については僕は元々賛成なので、首相公選制はいいんじゃないですか。参議院廃止はサンカクやな二院制の良さもあるからな。教育委員会の選択性はサンカクというか、即教育委員会廃止というよりは制度をなくしたら何かが進むというわけではないと思うので。年金はこれ難しいね、掛け捨ての人たちがどう感じるかというのがあるからな。憲法改正の要件緩和はいいんじゃないですかマル。TPPは三重県知事としては慎重にという立場ですから相いれないかもな。日米同盟の堅持もいいんじゃないですか。ああいう形でいろいろ実現できるかどうかは別としてあるべき論を語られるのはいいのじゃないですかね。堺屋さんなんかもどこかの講演で遠い未来の話みたいなのおっしゃったというふうに聞いていますけど。白地でどういうことがいいのかというのを議論するのは良い事だと思いますね。
(質)もう1個ありませんか。
(答)プライマリーバランスの黒字化か、これいいんじゃないですか。やはりプライマリーバランスが黒字化しないと借金の残高減らしたりとか、そういうふうにしていけませんから。基本的な経営感覚でしょうから、それは良いと思いますね。プライマリーバランスの黒字化も骨太の方針で竹中平蔵さんがずっと言って頑張ってたけどなかなかいろんな国会議員の抵抗があって進まなかったけれどね、族議員さんたちがいろいろあれを増やせこれを増やせと言ったけれど。でも基本はそこじゃないですか、財政運営の中で。
○放課後児童クラブ
(質)放課後児童クラブの減額のことで、改めて減額して影響が出ていることについての考えと、今の財政の厳しさが今後の財政運営に与える影響についてお願いします。
(答)今回は厳しい財政状況の中でそういう減額をせざるを得なかったということについては運営の中で影響が多少なりとも少なからず出ているということについては心苦しく思うというのは実際のところです。放課後児童対策の重要性というのは自分は認識しているつもりなので、どういうふうにして放課後児童対策を中長期的にしっかりと進めていくかということについて市町や関係者の皆さんとよく議論をしていきたいということですね。あとは手続きとして市町の皆さんにお知らせするタイミングが遅くなってしまったということについては、これはあまり良くなかったなと思いますね。市町の減額のやつというのは他の浄化槽のこととか、バスのこととかもありますけど、それについてはだいぶ早い段階からですね市町と議論をし、もう一定のご理解を得てやっているものですから、そういう中身のこともあれですけども手続き上の問題も少し大きかったのかなとは思いますけどね。
(質)手続き上遅れた要因というのは。
(答)全体のスケジュールの中でどこで言うかなのですよね。こういう可能性があると。部の包括予算の中なので部で議論している時に一定程度関係者の人たちとか市町に通知するという方法もあるし、最後決まってから言うという方法もあって、そこの選択を全部決まってから伝えるというというところだったので、少しタイミングが遅れたんじゃないかなと思いますけどね。
(質)県としてはギリギリまで削減をためらっていたというか、そういうことでもあるのですか。
(答)部の中でもそうだと思いますね、やはりなるべくずっと放課後児童対策は推進してきているのでなんとか他で対応できるところはないかという最後の最後まで努力した結果そういうことであったのだと思います。
(質)この関係で知事この前のぶら下がり会見の時に最後は全部見たので自分の責任だとおっしゃっていたのですけど、責任論はちょっと置いておいて、知事がやりたいと言っているところが減額されているのは非常にわかりづらいんですね、これが起こった要因というのを、責任とは別に、なぜこれが起こったのかというのをちょっと説明いただけますか。
(答)いくつかあると思うのですが、まず1つは僕の思いというのが上手く浸透しきれていなかった、僕がちゃんとこういうのが大切だとちゃんと職員の皆に伝えることができていなかったというのがあるだろうし、もう1つは仕組み上の問題として、今、学童の運営費の部分については、包括配分の中に入っているので仕組上自分の目を通らない部分にあるということとかの問題もゼロではないというふうに思います。そういう意味も込めて、これがあったからというわけではなくて、いつも言っているようにモグラ叩きとかにも限界があるので予算プロセスの見直しをやりたいというふうに思っています。やはり無駄なものがちゃんと削減されて、大切なものがちゃんとやれる体制にしたいと、そういうふうに思います。しかし責任論とは別にとおっしゃっていただきましたけれども、皆でご議論して、皆で決めて議会に提出させていただいた以上は今はそれをしっかり説明をしていくと。他にも自分がやりたくて減額したやつとか、例えば障害者施策でももっと例えば社会的事業所の特例子会社の件数をもっとたくさんやりたかったし、でもそれを1件ずつにせざるを得なかった。あるいは海外の拠点のやつとかも3箇所くらいやりたかったけれども2箇所にせざるを得ない。それが市町との関係の無いものだったのであれでしたけれども。そういうのが一定の要因、今回そういうふうになったということかなと思いますけどね。
○予算編成プロセスの見直し
(質)予算プロセスの見直しというか、モデルというか、ほかの例とか何かあるのですか。それとも真っさらにひねり出す感じですか。
(答)まず今の、3段階あると思うのですね、一つは、まず第1段階は今の三重県の予算プロセスがどうであるかと、これをしっかり検証評価するということが1個、第2段階というか、それが同時並行でもいいのですけども、もう一つは国内外の予算編成プロセスを調べまくると、それのいいところと悪いところを調べまくるということが第2段階、そして第3段階はその第1と第2を踏まえて、新しいものをひねり出していくということだと思いますので、どこかを模倣するとかいうのはないと思いますが、参考にするというのはあると思いますし、あとは最後第3段階でひねり出すときは、そういう事例と関係なく理想的な形はこうだと思っていただいている学者の人とか、財政を研究されている方々もたくさんいますので、そういう方々の意見もヒントにしながらやりたいと思います。大作業になると思いますけどね。自治体の場合は総務省から地方財政計画が出ないと一定決まらない部分があるという、一定の制約はありますけども、その中でそういう制約条件は一定あるものの、それでも改善できるところはあるはずなので、大作業になると思いますけど、しっかりやっていきたいと思います。海外なんかも調べたりとかしてね。
(質)予算は付いてないのですか。
(答)予算は付いてないです。今回の産業振興戦略も1000社回れと言って、今800数社ぐらいまでいっていますけど、予算無しでみんな走ってますからね、なので走り回るということですね、そんな感じかな。
(質)今のところ予算編成プロセスの見直しの考え方はボヤットでもないですか。大まかな方針とか。
(答)僕が方針というか、僕が考える、言っているような課題、先ほど申し上げたような包括配分という制度は、責任を明確化するという意味では、一定の責任を与えるという意味ではいい制度だけど、しかし、それを減額となった時に無駄なものを止めて必要なものを残すというのではなく、一律に薄く広く削減をするという方策も取られてしまうというメリットデメリット両方あるのでそれをどう考えるかとか、あるいは、一個一個査定でこうやってもぐら叩きのように査定をしていくのではなく、もう少し全体的に事業のサンセットを厳しくするとか、3年限定とかで基本は止めるとかというような形で自動的に一定程度減っていくようなスキームは考えられないかとか、いくつかそういう課題とか論点とかはあると思います。韓国は1998年にIMFから管理をされるという状況になって、ウォン危機がありましたね、あの時に韓国は政策を思いっきり大転換したのですね。例えば規制で言うと行政規制基本法という法律を作って、規制というものは基本的に5年で止めると、それを残すためには役所が説明責任を負わなければならないという、いろんな法律を1998年の時に大転換して、今ああいうふうに経済も成長し変わってきているというのがありますから、そういう仕組み、いろんなところのものを参考に財政再建をするためにはどうしたらいいかという考えで検討していきたいと思います。あと僕が見ているのと、実際に実務をやってるメンバーから見てというのもあると思うので。
(質)国内外ということですけど過去の三重県の野呂、北川県政についてはあまり考慮しないのですか。
(答)なので、第1段階は今の予算編成プロセスがどうなのかという検証なので、それはもちろんこれまでの県政の予算編成プロセスの変遷も含めてやっていくということになりますね。
(質)知事からご覧になって過去の県政の財政の運営はどう見えますか。
(答)その都度その都度は、一定の理解ができる取り組みだったと思いますけどね。そういう包括配分を導入するというのは、しっかり各部、それはいろんな経営で今やもう普通に事業部で責任を持ってやるというのは、これは企業の中で当たり前の状況になっていますから、そういうのと同様の手法を入れたとかね、そういうことについては過去の予算編成プロセス自体は一定の評価ができると思いますし、一方で今回行財政改革取組の中でPDSをPDCAに変えますという、「何変えてんの」というような分かりにくいのはあるかもしれないですけど、あれはPDSは評価で終わってるわけのですよね、PDCAはチェック・アクションまであるので、評価をしたことが改善に本当に繋がっていますかというところの部分については、これまでの政策評価や予算プロセスの中で一定の改善の余地があるのではないかとは思います。予算編成プロセスは、もちろんこれまでの評価もしっかり、課題論点も検証するのですけど、過去のやり方もそうですけど未来、よく関学の小西さんなんかもよく言うのですけれども、未来に向かってどういう財政運営というか、どういう経営であるべきかと、人口減少というのがあらゆる政策においてビルトインされなければならない状況の中で、財政というものはどうあるべきなのか、これまでのこともさることながら、未来どう経営していくかという観点でという、先ほど新しいものをひねり出すということはないのかというのをおっしゃっていただきましたけれども、そういう方法もあるのじゃないかなと、今はどれだけ使えるかという前にこれだけ使いたいというのがあって予算編成するわけですよね。それってなんか変ですよね。どれだけ使えるかって、地方財政計画がありますけれども、そういうものをどう考えていくのか。
(質)例えば包括配分とか大幅に減額して、否が応でもメリハリを付けざるを得なくなるようなとか、そういうことはイメージとしてあるのですか。今75%ですよね、あれをもっと50%とかそういう広く薄くというようなことができないような形にすると。
(答)それも方法としてはひとつであるでしょうね。そうするとどうしても賄わなければならないもの、ちょっと外出し、例えば今回の放課後児童クラブのやつも義務的経費に入れたほうがいいのではないかという議論もあるし、そういう今の包括配分の中のものの経費が、それが正しいかどうかということも合わせて検証しないといけないと思いますけど、いろんなあらゆる方法を考えたいと思います。難しいけどね。
○天皇陛下のバイパス手術について
(質)天皇陛下がバイパス手術のために東大病院にご入院されたことについて。
(答)本当に激務をこなしていただいて、お体をそういう形で調子がよくないというのは大変心配をしてます。ですので手術が無事にしっかり終わることをお祈り申し上げたいと思いますし、やはり前からもそうですけど、陛下に来ていただくと国民としてはうれしいけれども、やはり陛下にやっていただいている公務の国事行為も含めてそういう量をそういうのをよく精査をしていただく必要があるのではないかなというふうに思います。これは本当難しいです。両陛下来ていただくとうれしいです、やっぱり。僕も元旦にごあいさつにあがった時も両陛下入ってこられるとうれしい思いになりますからね。いずれにしても手術をしっかり無事に終えられることをお祈りします。
○木曽岬干拓地へのメガソーラー誘致
(質)木曽岬干拓地のメガソーラーの誘致なのですけど、あらためて意気込みと新エネルギービジョンの中での位置付けみたいなのをお願いします。
(答)意気込みということでは、ぜひとも成功をさせたいというふうに思います。これは、本当は木曽岬干拓地というとことでの、メガソーラーというのは2つ意味があって、1つはエネルギーの中央集権を止めてエネルギーも地域主権というような形の事例にしていきたいということと、もう1つは木曽岬干拓地という何10年に渡って利用がされていなかった所の転換を図りたいという思いからやったものでありますので、ぜひとも成功させたいと思います。そしてなぜこのタイミングなのかということについては、なぜ急いでやらなければならないのかということについては、7月に全量買取の制度ができるので、事業者の皆さんはそこからなるべく速やかにやりたいというふうに、多くの企業の皆さんは思っているので、ここに乗り遅れると事業者はもうほかで全部メガソーラー造ってしまって、メガソーラーやりたいと思ってもやれないので、このタイミングでやったということですので、いずれにしても関係機関も多いですから、これからしっかり協議して実現できるようにがんばっていきたいと思います。新エネルギービジョンの中での位置付けについては、新エネルギービジョンの中で具体的な戦略プロジェクトというのは、今回のエネルギービジョンの中の目玉でありますので、目玉の中でも特にメガソーラーの部分というのは大きな目玉でありますから、そういう目玉中の目玉と言っていただいてもいいのではないかなと思いますけど。
(質)その過程の中で農政局との契約があると思うのですけど、公共利用の5年というところがどうしてもネックになると思うのですが、そこをどう乗り越えるかというところが今後の焦点かなと思うのですけども、知事の中で今のところお考えはいかがですか。
(答)農政局とよく議論をして公共用というのをどう読むかと、湾岸道路から南の所の部分ですよね、5年というと上のわんぱく原っぱの所のことかな、こっち下の部分ですよね。いずれにしても公共用、公共の用に供するというふうになってますから、そこをどうクリアーしていくかというのはよく議論をしていかないといけないと思ってますけど、その本当に公共の枠の中でなにか、すごい抽象的な言い方で、奥歯に物が挟まったような言い方で申し訳ないんやけど、そういう公共用というもののままで乗り越えるのか、うちが知恵というか屁理屈付けて乗り越えるのか、それとも農水省としても公共用ということについての枠を乗り越えてもらうというのかな、非常に抽象的な言い方で申し訳ないのですけど、鶴亀算でも片方だけが動くよりは、両方が歩み寄ったほうが早く物事が到達するので、両方がいろんな枠を超えてやるということじゃないですか。
(質)木曽岬の時に、いつもぶら下がり会見で雇用を生むようなというような話がありましたよね、あの点についてはどうですか。
(答)今回の湾岸道路の南側の所で考えている部分については、即大きく雇用を生み出すということではないと思います。一方で実際にパネルを設置したりメンテナンスとかそういうことを考えると、一定の仕事が出ますので、一定の雇用効果はあると思います。なので大きく生み出すことではないけれども一定の効果があるという認識で、あとは湾岸から上の所、わんぱく原っぱの所をこれから都市的土地利用していく中で、どういうふうな雇用や税収を生むようなものをしていくかということだと思います。これは今までもずっと毎年度予算を付けて、今年も600万円付けてますが、調査をし、環境とか物流とか植物工場とかそういうような業種をいろいろみんなで議論して絞り込んできていますから、そういう中で今後検討していきたいと思いますけどね。わんぱく原っぱもマックスの平成30年までいったとしても、平成30年の後からそういう都市的土地利用をしようと思っても、もういろんな案を練っていって、いろんな仕込みというかですかね、議論をしていかないといけないと思いますね。なので、そんな感じです。
以上