知事定例会見録
平成 2 3 年 8 月 5 日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目
○食の安全・安心の確保と畜産農家等への支援にかかる要望について(発表)
○三重県教育改革推進会議の開催について(報告)
○東日本大震災被災地訪問について(発表)
質疑項目
○発表項目等に関する質疑
○子ども手当について
○衛星電話を利用した伝達訓練
○広島の平和記念式典
○木材チップの利用について
○円高について
○県内スポーツの振興について
○商店街の振興について
○汚染牛の肉の県内流通について
発表項目等
○ 食の安全・安心の確保と畜産農家等への支援にかかる要望について
(知事)まずは県産牛の関係です。食の安全・安心の確保と畜産農家等への支援にかかる要望ということで、東京電力福島第一原子力発電所事故に起因して、放射性セシウムを含む牛肉や稲わらが全国各地に流通し、牛肉に対する安全・安心が大きく損なわれています。こうした事態を受けて、本県は、大きく影響を受けている畜産経営の健全化を図るとともに、県産牛肉に対する県民の安心感を取り戻すため、県産牛肉に対する放射性物質の全頭検査を実施することといたしました。このような状況のなか、食の安全・安心の確保や畜産農家等への支援に万全を期す観点から、国も責任を持って一刻も早く取り組まれるよう、本日(5日)、民主党県連地域戦略局に要望を行うこととしました。具体的には、食の安全・安心の確保と風評被害の防止ということで、放射性物質に関するモニタリング検査体制の強化、国の責任における牛肉の全頭検査の実施、県独自の検査に対する幅広い支援、それから畜産農家に対する支援措置の実施ということで、畜産農家に対する適正な損害賠償など支援措置の実施、放射性セシウムを含む稲わらや排泄物等の適切な処理方法と処理に対する支援措置の提示、それから風評等による被害を被った食肉関連事業者等に対する支援措置の充実、そして暫定許容値を超えた放射性セシウムを含む腐葉土等による放射性物質汚染の拡大への的確な対応などについて、内閣府、農林水産省、厚生労働省に要望を行います。なお、民主党陳情要請対応本部等への要望日程については今後調整していきますけれども、その際、要望内容は、要望へ行くまでの間にいろんな国の発表とかがあれば、それを踏まえて少しずつ変えていくということを考えております。
○三重県教育改革推進会議の開催について
(知事)2つ目は三重県教育改革推進会議の開催についてであります。これは、昨日、教育委員会のほうから資料提供させていただきましたけれども、8月11日にプラザ洞津(津市)で三重県教育改革推進会議を開催します。第2回定例会で私の知事提案説明の中でも述べましたように、教育立県に向けた取り組みを進めるうえで、学校・家庭・地域が一体となって県民総がかりでの教育を推進するということは県政における重要な課題の1つだということで申し上げましたので、このようなことを踏まえ、今年度の推進会議での審議において、三重県教育ビジョンに掲げる施策の中でも、子どもたちの学力の向上や豊かな心の育成に向けて、「学力向上」、「キャリア教育の充実」、「郷土教育の推進」、「地域と共に創る学校づくり」、この4つをテーマに議論していただくことにしております。そういう形で進めていきたいということのご報告であります。
○東日本大震災被災地訪問について
(知事)3点目、被災地の訪問であります。このたび、8月18日、19日の両日、東日本大震災の被災地を訪問させていただくこととしました。今回は知事として初めて被災地を訪問させていただくものであります。関係の方々との意見交換、被災地の復興現場の自分自身での確認、被災地復興のための支援や本県防災対策への備えに向けた今後の取り組みの参考とするべく実施するものであります。知事に就任前の4月16日、17日にも宮城県を訪問し、村井宮城県知事ともお会いをいたしましたが、今回あらためて三重県知事として宮城県を訪問し、村井知事と今後三重県として支援させていただく具体的な内容を意見交換させていただくという予定であります。会談後は仙台市内の被災地も行きまして、震災後約5ヶ月を経過した被災地の復旧・復興状況を確認する予定です。また、みえ災害ボランティア支援センターが、継続してボランティアを派遣し、復興支援のお手伝いをしていただいている岩手県山田町も訪問し、取組状況の確認、そしてどういう支援ができるのか、そしてスタッフの皆さんの激励、そういうこともしてきたいと思っています。併せて岩手県釜石市にも訪問をいたします。釜石市に関しましては、三重県の防災対策でも大変お世話になっています、群馬大学の片田先生がいろいろ釜石で取り組んでこられた、そういうことも着目いたしまして、野田市長にもお話を伺ったり、この機会に関係する方々からお話をお伺いできればと考えております。先ほど申し上げましたけれども、今回、被災地の復興のために今後もどういう支援を継続していくべきなのかということを意見交換させていただくことと、本県の防災対策についても学ばせていただくという、そういう機会にしたいと考えております。なお、以上の予定となっていますけれども、毎月第3木曜日は全国知事会で「知事会議の日」と定められておりますので、今のところこの第三木曜日の18日は、知事会議の本体もそうですし、私が所属するPT(プロジェクトチーム)、円高とか子どもとか、全国知事会組織のあり方とか、そのあたりが開催されるという連絡は受けていませんけれども、それらが開催することとなれば知事会議のほうに出席をする予定であります。そういう日程の状況であるうえでの発表でありますので、ご理解いただければと思います。
質疑応答
○発表項目等に関する質疑
(質)食の安全・安心の確保の件なのですけれども、岐阜県のほうが稲の検査を自主的にやるということを表明しましたが、常々知事は否定的な考えを示されていましたけれども、現時点でそれを受け、お考えに変わりがないかというところを聞かせていただけますか。米です。
(答)前も申し上げましたけれども、今三重県で毎日放射性物質の降下物に対して測定をしています。検出されていません。そういう観点と、あと農水省が米の検査をやると言った14地域にも入っていないということで、三重県の米は現在安全であるという認識ですので、今、県で検査を実施するということは考えておりません。一方で、生産者の方々、あるいは消費者の方々、そういう方々の声とか動向というのはよく聞きながら進めていかないといけないと思っていますけれども、現在のところ、米の検査を実施する予定はありません。
(質)この東日本大震災被災地訪問は、確認なのですけれども、全国知事会の定例のやつがあれば、この被災地で18日の分とかいうのは、全部日程はとぶということですか。
(答)そうですね、村井知事、18日のそこしかないもので、18日に知事会が入ったら、村井知事はちょっと申し訳ないですけどということになると思います。
(質)その知事会のやつが終わって、夜、例えば仙台の被災地に入るとかは?
(答)あり得ると思います。それは知事会議とかの時間とか日程次第で、はい。
(質)19日は予定どおりなのですか。
(答)19日にPTで、例えば子ども手当のことで何か決議するとか、そういう会議でどうしても行かなあかんとかいうことになればちょっと話は別ですけれども、基本的には18日会議に出て、もしあったらですね、出て夜入るとか、19日はそのままというのはそのとおりです。
(質)被災地訪問なのですが、福島県に行かれるご予定というのはありますか。
(答)今回、いろいろ検討してみたのですけれども、時間の関係で、移動で、例えば盛岡から岩手県の山田町へ行くのも車で3時間ぐらいかかるのですって。まずは宮城県の村井知事との関係でこれまでご支援させていただいたことをさらにどうするかという、合意と言うか、意見交換というのを優先させてもらって、それを軸にちょっと日程を考えて、移動の時間とかそういうので。あとは山田町にもずっと三重県の人が行っていただいていますので、その2つをちょっと優先させる日程を組んだところ、福島県にちょっと行けなかったので。今後はちょっと、そういう被災地に行くタイミングがあるかどうかとかわかりませんけれども、今はそういう予定はないですが、今回はそういう事情で福島県は入っていません。
(質)釜石での視察ポイントをもうちょっと教えてください。
(答)もちろん被害の状況、そしてご支援をさせていただくとしたらどういうご支援をさせていただければいいですかというのがもちろんメインであって、一方で今回釜石市が『釜石の奇跡』と言われたり、本当に自助という部分で、あるいは防災教育という部分で先進的な取り組みをされておられた結果、もちろんお亡くなりになられた方がゼロではないので完全だったとは言えないにしても、他市町村と比べて生存率が高かったというようなこともありますので、そういう自助の意識、そういうようなもの、市民の皆さんに十分理解してもらうためにはどういう取り組みをされているのかというようなことを学んできたいと思っています。9月にまとめる緊急地震行動計画においても、その防災教育の充実であるとか、あるいはこの6月の議会で認めていただいた子ども防災ノートなんかもまさにそういう家庭とか地域での自助の話ですので、そういうものの参考にもしたいと思っています。
(質)仙台市内の視察は具体的に?
(答)たぶん沿岸部が中心になると思いますけど。私が前回行ったときも仙台のコンビナートと漁港に行かせていただきましたので、そこをもう一度行くというような感じになると思いますけど。その日の夜のうちに盛岡に入らないと行程が無理なので、ちょっと時間は短いと思いますけど。
(質)例えばそのときに合わせて今から何か持って行くとか、そういう具体的な予定というのはあるのですか。基本的には話を聞きに行くということですか。
(答)村井知事とは、こういう今後支援を三重県としてはすると、宮城県としてもしてほしいというような、箇条書きかもわからないですけど、項目を、合意と言うか共通認識みたいなものをちょっと作りたいとは思っています。
(質)現段階でどういうことを合意するか、言える段階の範囲で。
(答)事務的に東日本支援プロジェクトが宮城県のところに聞いているのと、あと僕自身が村井知事と直接もう既に2回ぐらい話しているのですけど、それの関係で人的支援が一番大きいと言われているので。あと物産とか観光とかというのを中長期的に応援してほしいというようなことも言われていますので、そのあたりは盛り込まれてくると思います。これも難しいところなんですけど、住民の皆さんのところまではいろんなことが行き届いてないんだけども、県という自治体ベースで聞くと、なかなかその、自衛隊も撤退してもらいますしと、まあまあだいたい足りてますわ的なことを言う話もあって、それはちょっと乖離があるんじゃないかなと思いますので、そういう部分はよく聞き取りながら、でも押しかけ支援になったらあきませんので、向こうで復興してきて、向こうで物を販売しようとしているのを上からかぶせるようなことをしたら復興にもならないと思うし、そこらを十分注意をした上でということですけれども、項目を考えたいと思います。
(質)例えば産廃の関係で具体的な合意をするとか。
(答)今はちょっとがれきのは難しいですな。
(質)国の枠組みが決まらないとなかなか難しい?
(答)そうですね。
(質)食の安全・安心にからんで、県産牛肉の全頭検査ですけれども、現段階の開始の目処と、あと、そこに至る行程、どんな準備をするかを聞かせてください。
(答)まず目処は今はもう一日も早くという、何とかこの8月中にはやりたいと思っているのですけれども、一日も早くということしか申し上げられませんが、あとは検査機器の納期との関係が一番大きいと思いますね。それは今いろいろ当たっていますけれども、そこがまだちょっと具体化されていませんので、そういう状況です。
(質)実施が8月下旬から9月初旬が目処で、それが用意できないということで、仮に大幅にずれたり、そういうこともあり得るのですか。
(答)今当たっている感じだとそこまではないと思いますけどね。そんなにずれるというような感じでは聞いてませんので。
(質)現在なのですけども、検査機器の納入の目処は立っているのですか。それともそこから探すような段階なのでしょうか。
(答)それも含めてです。何台か、前2台と言いましたけど、2台準備しないといけないので、全部手をつけたという状況ではないです。
(質)他県からのリースとか、あるいは民間からのリースとかその辺はどうなのですか。
(答)もちろん検討します。それは今、県が独自に2台くらい調達するということがどれくらい確実になるかというのを踏まえて、もし、片方は結構ちゃんといけるけど、片方はすごく遅くなるということになった場合には、この期間において民間に委託したりリースしたりというのもあり得ると思いますし、その2台が整うかどうかの調整を今やっていますので。
(質)19日の釜石市の件なのですが、野田市長にお会いする以外にどこに行くとか、誰と会うか、他に決まっているのはあるのですか。
(答)今、詰めているところです。今、野田市長は決まっていますけれど、例えば、どこかの小学校とか、その中学生が逃げていたルートを一緒に行ってみるとか、そういうのを、どういうのをすると一番効果的かというのを、一方で向こうのお邪魔になってはいけないので釜石市さんと今詰めさせていただいているところです。
(質)この日に三重に戻ってくるということですか。
(答)その夜一番最後に戻ってきます。
(質)教育改革推進会議ですけれど、改めて今回設置で知事の思いとか、何を諮ってもらいたいか、それと委員の選考はどういう形で指示されたのか。
(答)思いというところで、三重県教育改革推進会議で教育振興ビジョンを作ってもらって、この4月からやっているわけですけれども、特に今回テーマを出した4つ、学力、キャリア教育と書いていますが、もう少し社会に出て行く力みたいな、あるいは仕事に就いていくそういうための力みたいなところの充実と、あと、地域、郷土、ふるさとに対する教育。それから地域と共に作る学校づくりということで、学校の先生には学校の先生しかできないことをしっかりやっていただいて、その学校の運営で地域でカバーできるところはしっかり地域でカバーするという、地域がどんどん学校に入っていくという、そういうようなことですけれど、この4つのテーマを今の教育ビジョンだけでは、それを淡々とやるだけでは、この今三重県の私が申しあげた4つのテーマの向上を図るのはちょっと難しいなというふうに思っていますので、その部分を更に充実強化するというか、具体策をより出してもらうということですね。今回は、委員は前の教育推進会議のメンバーと、充て職的だった人を入れ替えたりとかして委員を構成しています。今回は分科会この4つのテーマで3つなのですけれど、4つ目の地域でつくるというやつは横串的なやつなので、それは分科会を設けないのですけれども、その分科会にゲストスピーカーを毎回か呼んでその議論のたたき台とすると、そのゲストスピーカーも1回に限らず、1回目来たのだけれどその後も議論に入ろうと思えばずっといてもらおうというふうにしようと思っていますので、ゲストスピーカー選びとかのところで少し新しい、私がよくお付き合いさせていただいている方々とか知見を注入してもらいたいなというふうに思っています。
(質)この末松鈴鹿市長は市長会の充て職ですか。
(答)前はいなべ市長にやってもらっていたのですけれども、教育長とどなたにさせていただきましょうかという話をもらった時に、末松さんはキャリア教育のNPOを自分でやっているのと、鈴鹿は前の三井教育長が頑張っていただいて、小学校、中学校全部がコミュニティスクールになっているのですね。僕は小中は学力向上とさっき言った地域の学校づくりでコミュニティスクールをどんどん進めたいと思っているので、その鈴鹿市という観点と末松市長個人がキャリア教育のNPOをやって知見があるというその2点で末松さんにしてもらいましょうと教育長と話をして、市長会に打診してOKをもらったという形です。市長会から日置さんはもう交代するというので『誰か、どの人にやって欲しい人はあるの?』とか聞かれたので、今言ったような形で答えました。
(質)雪解けとかいうこと?
(答)もともとノーサイド。
○子ども手当について
(質)子ども手当の廃止について改めてお伺いしたいのですけれども、国の制度に関して地方が事務負担などで振り回されたかなという感があるのですけれども、改めて受け止めをお願いします。
(答)今回、東日本大震災の財源を確保しなければならないということで、本当は子どもの支援という部分はあまり影響を受けない方が良いのでしょうけれども、今回は止むを得ないのかなと思う一方で、この子ども手当については、ずっと知事会経由でも地方負担は無しにして欲しいということ、子ども支援については、そもそも現金給付は国、現物給付は地方という考え方でやってくれと、制度設計にあたっては地方の意見をよく聞いてくれということを随時言い続けてきたにも関わらず、今回は地方の意見を聞いた形跡無し、かつ地方負担について全く示されていないという状況で大変残念です。これから協議をする場があるのか分かりませんけれども、協議をする場があるなら、しっかり地方としてはそういう意見を言っていきたいと、そういうことですね。
(質)具体的に新たな制度に関しては、どのような制度を望まれていますか。どのような仕組みが、例えば子育て支援という形ではふさわしいか。
(答)経済的な理由で子育てとかあるいは子どもを増やしていくと言うか、そういう部分での経済負担がハードルだということがいろんなアンケートでも事実ですので、そういうのを支援するという意味では一定の効果のある策なのかなとは思いますけれども、児童手当やっていて子ども手当に変えてまた児童手当に戻るというのは何でなんかなというのはありますけれどね。一律に全部配るということと額が高いということがあったのでしょうけどね。
(質)民主党がマニフェストで掲げた目玉政策が、ボロボロと崩れてきているのかなという印象があるのですけれども、衆院選挙で戦われたというご経験もあるかと思うのですけれども、率直に言って、解散すべきだというふうに思われますか。
(答)解散云々は思わないですね。今はまず経済産業省の人事もあれですけれども、復興に、原発事故の収束に全力を注いで欲しいとそれだけです。
(質)マニフェストの見直しもやむを得ない状態だということですか。
(答)大きい事象が起こっていますからね。
(質)そういうふらふらしているのは率直にどう思いますか。マニフェストがせっかく決めたのにふらふらしているのを。
(答)政治家としてのコメントとして難しいところがあるのですけれども、選挙で約束をしたと、それをしっかり守っていこうというのは当然基本姿勢として大切なのですけれども、事情が変わったり、あるいは岡田幹事長も会見でおっしゃっておられましたけれども、勉強不足のところがあったとおっしゃっておられましたけれども、こういうのは僕がなんか自分で自分を守るようなことを言っているのじゃないかと思われると困るのですけれども、あまりに世の中の情勢やニーズとかいうのを考えずに選挙で約束したからということで拘泥(こうでい)しすぎるのはあまり良くないのかなとは思いますけれども、そうすると僕が言い訳しているようで微妙な発言ですけれども、一般論としてはそうだと思うし、今回もそういう考え方で被災地の皆さんへの財源を確保しなければならない、あるいは、今回の原発事故などの影響で三重県も影響を受けているわけですから、そういうことへの財源が必要だということで修正されたのだと思いますので、それは一定理解できると思います。言い訳みたいな感じではありますけれども。
(質)財源の捻出なんかにですね、特別会計の組み替えなんか全く手を付けずに進んできた中でこういうことが起こっていると、そこら辺の説明も含めて、民主党政権が方針を変えていることの説明というのが十分というふうにお考えか、不十分とお考えかその辺の考えを教えてください。
(答)そういう意味では十分とは言えないとは思いますけどね。
○衛星電話を利用した伝達訓練
(質)先ほどの前葉市長との会談で、大災害に備えて衛星携帯電話の訓練をやりましょうという提案があったと思いますが、それについて。
(答)私も就任前に村井知事のところにお伺いした時に、情報途絶、35市町村の首長さんと連絡が取れたのが3日かかったというお話を聞いてきまして、それを踏まえて、この6月の定例会で出した補正予算では衛星電話の充実も予算認めていただいたところですので、情報の伝達訓練というか、それは非常に重要だと思います。一方でなぜ津市だけなのだとか、あるいはこれまでの訓練の中でも情報伝達訓練はやってる部分もあるので、その辺をちょっと事務的に詰めさせていただこうというふうに思っています。情報訓練が大切だという認識は前葉市長と同じです。
(質)8月中というのでどうですかという提案だったと思いますが。
(答)そんなに詰めるのに時間がかからないと思いますので、防災の日とかその辺に重ねていくのが良いのじゃないかということだと思いますので、実際8月中といっても下旬だと僕、日本にいませんので、27から31日ですね。物理的な市長と私と33連隊の連隊長の日程の関係もあると思うので、中国に衛星電話持っていけという話かも知れませんけれども。
(質)他の首長への呼びかけは、同じようにやるのですか。
(答)衛星電話が配置されて、今、配置されていない市町もあるので、これまでの訓練との関係をちょっと詰めたいと思います。なぜ津だけなのだとなるといけませんので。
○広島の平和記念式典
(質)8月6日の広島に県内でも伊勢の市長と松阪の市長が行かれるのですが、知事は今年とか来年以降はお出になるとかお考えは?
(答)今回も出席できればしたいなとは思っていたのですが、いろんな公務との日程を考えて、6日は『みえの現場・すごいやんかトーク』の初日で、各地域、玉城町・鳥羽・伊勢回るので、そちらを今回は優先をさせていただきましたけれど、今後は日程が合えば出席はいつかしたいなと思っています。
(質)15日終戦記念のほうを出られて、6日の広島はあえて避けたわけではなくて日程の問題だと。
(答)そうですね。
(質)機会があれば出たいということに変わりないですね。
(答)はい。私、実は経済産業省の2年目の時に、2年目になると1ヵ月間企業で研修するのですけれど、その時広島にいましたので、その時に原爆ドームをはじめ、被爆された方、あるいはそのご遺族の方々といろいろ話をしたこととかもあって、自分なりにも思い入れがあるので、日程的に合えばぜひ行きたいと思います。
(質)核軍縮も含めて核へのなんかお考えは?
(答)平和利用というのは当然のことでありますし、日本が唯一の被爆国ということでそういう経験を有しているからこそ出さなければならないメッセージというか、その核軍縮というか平和利用に向けて進めていくと、平和利用含めて全部なくすというところまでは私は考えていないですけれど。そういう先頭に立っていかなければならない国であるというふうには思っています。
(質)平和利用を含めてまでなくすつもりはないというのは、要は原発とかですね。
(答)そうですね。今そこを全部なくすということは、さすがにエネルギーの確保の目処も立っていない中では言えないと思いますので。
○木材チップの利用について
(質)昨日会議でちょっと出たと思うのですが、木材のチップ、中部電力に10月にということですけれど、そこら辺の経緯をもう少し詳しく説明してください。
(答)もともと中部電力の碧南火力、石炭のところで木質のバイオマス、チップを混焼してやりましょうというのを、三重県からも提案をさせていただいて、ずっと協議をしてきました。本当は今年の3月くらいですかね、3月くらいに実証実験やれればという話だったのですけれども、この震災の関係や、中部電力における浜岡のこともありましたので、時期が10月にずれたと、そういうことですね。本当は極秘にと言うか、愛知、岐阜からうちもと言われると困るので、内々進めてきて、やっとそういう目処がたったのでそろそろ浮上させてもいいかなと、いうことに。岐阜の古田さんとかも林業のことでは狙っていると思いますので、先にうちがいきたいということです。
(質)県内産をどうするかということが課題になってくると思うのですが、そこら辺は昨日大台町長さんも地元でできるシステムを作れないかみたいなご主旨だったと思いますが、そこら辺はどうなのでしょう。
(答)今、いろいろなところがチップのやつをやっている各自治体の取り組みでですね、いかに収集運搬を低コストでできるかというところが最大のポイントになっていて、そこがなかなか昨日の会議でも申し上げましたけれど、うまくいっているところがあまりないのですよね。そうすると価格のところで今カナダから入れているチップとの関係で負けてしまう可能性があるということと、あと大きな問題は量ですね。量を安定的に出せるかどうかという、この収集運搬を低コストにできるかというのと、安定的に量を確保できるかというのが大きなポイントで、そういう仕組みをどうやったらいいのだというのは、今、林業11の事業者の人たちと収集運搬のところを特に実証実験みたいなのをやっているので、その成果を踏まえてやっていきたいと思います。結構、なかなかコストがうまく下がらない。ただ、未利用間伐材みたいなのを中心に最初使っていくことになると思うのですけれど、それだけだと量がということもあるかもしれないので、悩ましいところですけれども、他県よりも早く三重県がその軌道に乗って、やるぞというふうに決めてもらいたいなと思っていますので。
(質)それやれば、松阪木材コンビナートは生き残るのですか。
(答)どうかな。分からないですけれども。一定の核となる事業にはなるでしょうね。それで全体がペイするかどうかちょっと分からないですけど。その観点での計算はちょっとまだしてないです。
(質)結果見て閉鎖とかいう。
(答)安定的に量を出そうと思うと、今の木を入れて「ガー」と回転させてチップにしていく機械があるのですけれども、あれだけではちょっと足りないかもしれないので、設備投資とかそういうのも全部考えて、ウッドピアが全部ペイするかどうかというのは、ちょっとまだそこまで試算していないので分からないですね。松阪のあれもそうだし、本当は尾鷲の三田火力の所で、そこに木材コンビナートもあってチップ工場もあって、そこでチップにして、尾鷲の三田火力でバイオマスみたいなのができたら、収集運搬のコストはすごい下がるし、いいんですけどね。本当は。だからといって松阪があかんと言っているわけではなくて。
(質)その後、速水さんとは話してないですか。
(答)速水さんとはいろいろ意見交換しています。
○円高について
(質)知事会の円高対策プロジェクトチームのことに関してお伺いしたいのですけれども、昨日は為替介入をしましたけれども、1ドル78円台にまた今日戻ってしまって、現状に対する感想とか認識と、県に与える影響に関して認識をお願いします。
(答)円高は単独介入していただいたということは、姿勢はね、一定の評価ができると思いますけれども、やっぱり国際協調して介入しないと意味が無いのですね。今回、プロだと分かっていただいていると思うのですけれども、日銀とか政府の人たちは、この円高になっている原因が、ドル安と欧米経済の減速によってなされているということは、普通理解できるはずなので、そうすると、単独で介入するよりは、協調して介入したほうがいいというのは当然の帰結だと思うのに、その交渉を少なくともG7とかとやらずに単独でやるというのは、姿勢はいいけれども、手法としてはいかがなものかというのと、タイミングが遅いのではないかということ。結果論かもしれないけれども、アメリカの雇用統計の出る時にそこを考えずにやってしまって、結局また戻されたというのがありますので、ちょっとタイミングはいまいちやったんではないかなと思います。県内においてもこの円高、自動車や電気・電子などの輸出産業が三重県にはたくさんありますから、それに関して、その関係の協力企業さんとか、そういうところに与える影響が大きいと思いますから、この円高、デフレ、こういうのが長期化しないようにして欲しい。大企業は円高だから海外とかってね、簡単に行けるかもしれないけれども、中小企業はそれについて行くということができませんから、中小企業への影響はすごい大きいと思いますので、今も、実は県内のいろんな金融機関、それから商工団体、各企業回って状況を聞いてます。影響を聞いてますので、そういうのを踏まえて、対策が必要であれば、リーマンの時も円高のやつでやってますので、必要があればうちもやりたいと思います。
(質)そのことに関連して、プロジェクトチームなのですけれども、いわゆる通貨管理といえば国の専権事項というような、国の役割だと思うのですけれども、為替介入ができない知事会としてはどんなことができるのかについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)実際の地域の実体経済において、実体経済を見ている、あるいはそこでプレイしている立場から通貨管理が不適切なのではないか、あるいは不適切というか、まだまだやれることをやっていないのではないか、あるいは法規制上問題があるならそれを直したほうがいいのではないかという提案を、現場から見てこうだということを声を上げていくということではないかと思います。現実を見てくれと。
○県内スポーツの振興について
(質)先日、ご講演の中で知事が、今後力を入れたい分野の中で防災やエネルギーは当然としておいても、まず一番にやりたいのはスポーツをあげたいとおっしゃってまして、なでしこジャパンの試合や、甲子園もこれから始まったりしますし、あらためて知事のスポーツ振興への思いと、どのような点を、具体的に県内スポーツの改善をしていかれたいのかお気持ちを聞かせてください。
(答)あの場で特に今の、なでしこジャパンが旬であるということもありますけれども、やはりこういう暗い、あるいは閉塞感、不安感がある時代の中でスポーツというものは、結果の如何を問わず、やっぱり人の心に希望や勇気を与えるというようなことだと思っていますので、力は偉大だと僕は思っています。そういう意味でなかなか行政でいろんな施策を打ちながらも、本当に県民の皆さんに勇気や希望を与えるというのはすごい難しい仕事の中で、スポーツというものはそれをうまくできる、あるいはそういう力を持っているものだと思いますから、そういうスポーツの振興というのを通じて県民の皆さんが夢や希望を持ったり、勇気を感じてもらいたいとそういう思いで、スポーツを振興したいというふうに思っています。伊賀の『くノ一』の話をしましたけれども、そういう練習環境やあるいはスポーツを継続していく技術や技能を持っていながらも、スポーツを継続していける環境に無いような人たち、あるいはそれが非常に困難な人たち、そういうものを支えていくということがひとつだと思いますし、あるいはスポーツをみんなで応援しようという機運を作るための大規模な大会の誘致であるとか、そういうことを進めていくと、トップセールスも含めてしていくということ、そういうことを通じてやっていきたいと思います。僕の持論としてあとさらにスポーツを振興していくというか、技術力を上げていくには体育からスポーツへの脱皮というですかね、体育でずっとやっているだけではやっぱり技能が上がらないので、それをクラブチームみたいなのをどんどん、伊賀の『くノ一』もジュニアとユースがありますけども、そういうのを応援していく、少年野球のクラブとかでもそうだしサッカーもそうだし、テニスとかもそうかもしれないし、そういう体育から脱皮していくということがひとつ重要なことなんじゃないかなと、全体の競技力向上という意味ではというのが僕の基本的な持論なので、そういうクラブチームとかも支援していくというのは先ほど言ったような持論の関係であります。
(質)公演の中で名前が出ました、四日市の球場とかを例えば改装するとかは?
(答)あれは四日市市さんと相談しなければいけないので、と思います。あとはああいうプロ野球とかの基準とかだと、グランドの広さ狭さもさることながら、観客席と照明の基準というのが高いのですね。これをクリアするのは相当大変なんですわ。
(質)知事、『くノ一』に対する支援というのは今後どういうふうに行っていきたいなというようなお考えは?
(答)近々また、こっちに来ていただけるので、その時にもう少し詳細を聞いて、ご意向を踏まえてと思っていますので、今も強化費ということで日本のトップリーグに出ているチームには、年間で強化費で予算をつけて出させていただいていますけれども、それだけじゃなくて、やっぱり個人とか法人のサポーターを増やしたいということと、あとはメディアサポーターみたいなのを増やしたいという、結構、ご意向もあるみたいですので、そういう営業活動と言うのかな、そういうのをどういう形ができるのか分かりませんけれども、ご協力していくというのはひとつかなと。やっぱりその皆、今、あそこプロ契約の人が一人もいなくて、みんな地元で働きながらやっていて、練習環境もままならないという状況ですので、それを支えるのはやっぱり個人のサポーターが増える、法人のサポーターが増えるということが一番大きいという話ですので、そういうこと、あとは今、メディアサポーターも伊賀のFMやケーブルネットが中心になってますので、もう少し本日お集まりの皆さんをはじめ、メディアサポーターみたいなのも増えていくといいのかなと、県としてそういうのをどうやって応援できるのかは、もちろん詰める必要がありますけど、一つのポイントとしてはそういうことだと聞いています。
(質)ホームグランドは市の持ち物ですよね。そこの改修とかそういうのがなかなかままならないということなのですけど、そのあたり県として何か支援できるようなことがあるのですか。
(答)それももちろんオプションの一つだと思います。一方でスポーツ施設は、全体で、前、表明した国体の誘致に向けてこの10年でスポーツ施設をどう整備するかというのは、それは全体のマップ論がありますので、にわかに伊賀のそこだけやりますというのは、ちょっと今、申し上げられませんが、背表紙作る中で考えたいと思います。もちろん『伊賀くノ一』なのですけれども、伊賀の練習場だけでやる必要もなくて、鈴鹿でやっていただいてもいいし、伊勢でやっていただいてもいいし、四日市ドーム使ってもらってもいいし、いろいろやってもらうことも県民の皆さんに知ってもらうというのにもいいのかなと思いますから、施設整備はそういう、今申し上げたこの10年間の整備方針の中で考えます。
(質)今日、前葉さんと部屋に閉じこもった時は施設整備の話ですか。
(答)違います。あれは連絡のやつ訓練のやつです。防災危機管理部長も一緒にいたでしょ。その連絡の話だけです。
(質)『くノ一』に関して、例えば県の業務補助員とかである程度安定させてというふうなそんなことはないですか。吉田さんのお父さんは職員で採られてそれで娘さん育てたわけだけど。
(答)働く場とかということではいろんなオプションがあると思いますので、そういう支援がいいのかちょっと考えますけどね。それを働く場的なやつでいくと、バイオレットアイリスというハンドボールのチームも鈴鹿を中心の民間企業、ホンダ系列を中心に入っているので、じゃあ『くノ一』はなんでよくてバイオレットアイリスはなんであかんのやと言われたらあれなんで、そういうこともちょっといろいろ考えます。
○商店街の振興について
(質)今日、前葉市長と来週会われて、大門の商店街歩くということで、なかなか商店街の活性化というのは頭が痛くて、全国でもいろいろ策は打てど響いてこないという現状が全国にいろんな各地に見られると、知事なりに大門よく歩かれると思うのですけれども、例えばそういう知事のご自身の中での活性化のイメージというか、経産省時代もという今日お話もあったと思うのですが、ここら辺のお考えを聞かせてください。
(答)大門というよりは商店街全般、今でありますけれども、経済産業省がこれまで進めてきた行政支援、アーケード作りましょうとか、歩道を整備しましょうとか、街路灯やりましょうとかいうことだけではもう無理だということは分かっているので、これなかなか難しいのですけれど、全国でうまくいっているというか、元気な商店街の共通点の一つは経営と所有の分離なんですよね。やっぱり便利なので、僕が前住んでいた白子もそうなのですけれども、店は閉めて、住居としてそこに住んでしまっていて、なかなか明け渡せないということで、そこで店舗やってチャレンジしたいと思う人にも、それがなかなか渡らないとか、石川県の竪町商店街というところがあるのですけれども金沢に、そこはほぼ全店舗が所有と経営の分離というのをやって、すごい若者たちも歩いて、活気のある商店街なんですけど、そういう部分をどう進めていくかということと、あと県も含めて、いろいろ国も含めて貸し付けてきた高度化融資というやつですね。高度化融資というやつは後で返しますということになっているのですけれども、だんだん商店街の人達も高齢化してきている、組合費も払わなあかん、その高度化融資の返済もある、だんだん一人当たりの負担も増えてくる、利益も下がってる、そうすると新しい投資ができない、さらに悪くなるという負のスパイラルというのがやっぱりあるので、高度化融資の部分は、国にも言っていかないといけないと思いますけど、その債務どういうふうにしていくかということは大きな問題だと思います。これは四日市の商店街でも同じことが起こっていますけれども、そういういくつかの課題なんかも踏まえながら、県、市、国そういう役割分担でどういうことしていくかというのは、あとはもちろんその根底にあるのは地域の皆さんが、ここをなんとかしたい、どうにかしたいという思いが根底にないといけないと思いますけど。そういういろんな自分の経験なども踏まえて、歩きながら前葉市長と考えたいなと思います。あとは軽いというか分からないけど、いろんなアイデアも申し上げるかも知れませんけど。
(質)前葉さんがおっしゃっていた公共施設をもう一回中心街に戻していこうよという話、今日若干たぶんされたと思うのですけれども、公共施設のことで、やはり中心街から人がどんどん逃げていくというのが一つ問題かなと思うのですけど、そこら辺は市と協力して何かやられるのですか。
(答)コンパクトシティ的発想だと思うのですけれども、実際に全国でコンパクトシティで成功しているのは確かに人口30万人規模ぐらいなんですね。宇都宮とか、青森とか、岐阜市もそう、岐阜市は40万人ぐらいですけど、なので規模的には非常にいいと思うので、どういうことがやり得るかというのがあると思いますけれども、それは議論はしてみたいと思います。でも結構なパワーが要りますので、コンパクトシティするには、成功してきたところも相当なパワーでやってますので、それをやるなら覚悟が必要ですので、もちろん議論はしますけど、そこは実際やるぜというのは軽々にはいかないです。
○汚染牛の肉の県内流通について
(質)昨日、県内4店等で汚染牛の肉を売っていたという話で、県がある程度調べられて、今日段階で出せるかもしれないというお話なんですけど、その辺は知事は?
(答)私も報告を聞いて、事業者の方が暫定規制値の関係が不明の中で公表される情報とうのは、なかなか我々もキャッチしにくいところがあって、そこはもっと努力しやなあかんなと思っているところです。今、事業者の方に確認をして、どっかの段階でちゃんと公表できるようになるべく早くしたいと思います。
(質)分かった段階で出る。
(答)はい。
以上