知事定例会見録
平成23年1月19日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目等
・率先実行大賞発表会の開催について(報告)
(知事)率先実行大賞発表会の開催について私のほうから申し上げます。今年度の率先実行大賞、10の取り組みの決定につきましては、一昨日公表させていただいたところでありますけれども、その発表会を2月2日(水)午後1時から県庁講堂において開催をいたします。率先実行大賞は、県職員の自主的・創造的な取り組みを称える職員表彰制度でございまして、県が進めております経営品質向上活動の成果の結晶とも言えるものでございます。今年度は191件の応募がございまして、その内容も一層充実してきているというふうに評価されるところです。今年度の特徴といたしましては、多様な主体との連携でありますとか、地道な業務改善に取り組む応募が目立ってきていることが挙げられます。発表会では、10の取り組みの発表のあとグランプリなどを決定することとしているところであります。当日は、県庁で行っている前向きな取り組み、これをたくさんご紹介できるものと思っておりまして、私自身も毎年この発表会を楽しみにしているところでございます。ぜひ、この発表会につきまして、皆様方にもご取材をいただきまして、県庁が行っている改善活動の集大成、これを広く発信する機会にさせていただければなおありがたいと、こう思っているところであります。なお、この発表会の詳細につきましては追って資料提供させていただくという予定でございます。
2.質疑応答
・発表項目等に関する質疑
・国勢調査の結果について
・伊勢湾フェリーについて
・鹿児島県阿久根市の市長選結果について
・子ども手当の地方負担分の拒否について
・民主党と自民党の大連立について
・内閣改造について
・民主党のマニフェストについて
・ローカルマニフェストについて
・水力発電事業の譲渡について
・知事選について
(質)率先実行大賞について、特に応募総数にはこだわらないのですか、数値目標的な意味合いから。
(答)率先実行大賞というのは平成11年から実施をしておりまして、そういう意味では12回目ということになりますが、この発表会は、私が知事になりましてから、平成16年度から実施をしているもので、この発表会としては今年度で7回目です。最初、平成11年から15~16年までは100以下の応募でありましたけれども、平成16年から発表会をやるということをきっかけに、平成17年は100を超えてまいりまして、平成18年は141、そして平成19年には190、20年に228、昨年が199、そして今年が191、いずれも200件前後でここ4年推移をしてきているところでありまして、私は、経営品質向上活動をもうずっと長年やってきたことから、かなり県庁内に浸透をしてきて、不断の改善活動への取組姿勢というものも定着してきている、そして、この発表会というのが職員にとりましても改善への意欲を生み出す、そういう貴重な場になっている、それからお互いにこの発表会等を通じまして、優れた取り組みの発想であるとか、あるいはノウハウ、これを共有する場にもなっておりますし、そういう意味で職員に対しても非常に効果の高い研修会にもなっているのではないかなと、こう思います。そして、改善活動を外に対して集大成として発信をしていく、そういったことが職員にとっても非常に仕事に対する意気込みややる気、これを高めていく要素になっているのではないか、そういう意味では、今のこの応募というのは非常に近年高いレベルの応募が続いていると言えると思います。
(質)実際にグランプリを取った中身が予算化されて、実際に施策として成ったものというのはあるのですか。
(答)発表会に出てくるのは、むしろその年度年度の事業の中で、経営品質向上活動の一環としてどういうふうな知恵、工夫をしたか、そういうものでございますから、それは、一定の成果が得られたものはよりその後も継続的に行われ、あるいはまたさらに一層の改善にということはあると思います。むしろ、今のようなご質問にお答えするとすれば、他の部門でもやはり『ああいうやり方があるのか』という、そういう新たな気付き・学びというものがあって、それがために翌年度以降の自分のところの新たな事業の展開等に生かされる、こういったことはあるのだろうと思います。現に、例えば今年の受賞の取り組みの中でも、3年前のグランプリで松阪農林商工環境事務所の「地元学」という・謔闡gみがありましたが、そういった取り組みが今回また生かされた発表に結びついたり、それから「津ぎょうざ」の取り組み、これは昨年度のベストセレクトでありますけれども、こういった取り組みが、その後新たな取り組みに結びついたりというような、そういうものが見られるところであります。
(質)グランプリとかの特典と言うか、賞品と言うか、何かそういうのはありますか。
(答)図書カード。実は私、先般、昨年度のグランプリを取りました草の実リハビリテーションセンターを訪れました。先週の金曜日。毎年グランプリを取ったところの職場へ私は訪問しているところでありまして、草の実リハビリテーションセンターへは、少し遅くなったのではありますが、先週の金曜日に行ってまいりました。私は、あそこは使った福祉機器をリサイクルするという取り組みを、ずっとこれまで、7年続けてきているところでありまして、そういった取り組みの発表、これがグランプリになったところでありますが、職員の皆さんとお話をしまして、大変仕事そのものにやりがいを感じ、そしてこういった経営品質向上活動等も通して非常にモチベーションが高まっているということ、このことに私もあらためて大変嬉しい思いをしたところでありまして、そういう意味で、この経営品質向上活動について私は、職員の意識を向上させていく最大ツールとして今後も活用していくべきだと、こういうふうに思っています。
(質)図書カードはいくらですか。
(答:総務部)各チーム1万円。
(質)グランプリとか、それぞれで差はつけないのですね。今残っているチームに各1万円ずつの図書カードがつくということでいいですか。
(答:総務部)はい。
(答)10取り組み、これは大賞を取った10取り組み。その中で一番いいやつはどれかというような形でグランプリ等も一応決めているわけであります。
(質)三重県が国勢調査の結果で人口減少社会に突入したというような結果が出ています。社会に与える影響は大きいと思うのですけど、知事のご見解は。
(答)50年ぶりに三重県も人口減少ということになったということは新聞に掲載されておりました。私はもう数年前から、実質的には日本国籍を持つ三重県人は減少に入ってきているという認識を持っておりました。しかしながら、三重県は外国人の登録がどんどん増えておりまして、ご承知かと思いますけれども、人口に占める外国人の比率というものは東京都、愛知県に次いで3番目に率としても高い県でございましたし、増え続けてきていた。そのことが、ついまだ近年まで三重県の人口を減少させずに、わずかずつでも増えてきていたということでございました。しかし、今は外国人も非常にリーマンショック以降、減少したという状況もございます。そして、三重県人はもうずっと減少傾向で数年前からきておりますから、出てきた数字としてはああいったことになるのかなと、そういう感じで受け止めました。
(質)三重県として、例えば少子化対策ですとか、住宅造成とかいろいろ対策があると思うのですけれども、何かお考えは。
(答)まずは人口減少というものがより中山間地中心に人口減少が大幅に進み、そして高齢化比率が相当高くなってきて、そのことにより地域のコミュニティそのものの維持にも問題が起こりつつあるというような現象が一つございまして、そういった地域の維持、これをどういうふうにしていくのか、県としてもこれまで2、3年勉強も積み重ねてきているところであります。来年以降、各担当部においてもいろいろと工夫をこらしながら、政策に反映していこうという努力をしているところでございます。それから、この人口減少ということは中山間だけに留まらず、全国どこでも進んでいくというような状況です。多分、人口減少に当面ならない県は、東京以外では滋賀県と沖縄県ぐらいではないのかなと言われているところでありますから、そういう意味では、今後都市における高齢化の問題、あるいは産業における労働人口への影響、こういった様々な面で課題が出てくると、こういうふうに思います。さらには社会保障であるとか、あるいは地域医療、こういった関係の制度にも人口減少あるいは高齢化、こういった課題が非常に大きな課題としてさらに出てくるのではないか、こういうふうに思っております。県としてはそういった課題に対応して、これは国全体での対応の仕方ということがまず基本にはありますけれども、それと連携しながら地域の状況、これをしっかり把握しながら、市町とも連携した中で取り組んでいく必要があると、こう思っています。一応、今まで県としては準備してきております第三次戦略計画等はそういった課題も含めてこれまで議論してきたところでありまして、次の新しい体制への提言のような形になりますけれども、それはお示しをしていきたいと、こういうふうに思っています。
(質)国の当初予算が決まって、そこで伊勢湾フェリーに関わる地域公共交通確保維持改善事業が概算要求に対して6割ぐらい、600億ぐらい付いていたと記憶しているのですが、そこでフェリーへの支援というのを実質想定していないと、国交省の担当課が見解を出しているのですけれども、今回伊勢湾フェリーは協議会で活性化策の策定までは予算が付くのですけれども、実行に対しては全く、予算が多分付かない見通しになってくると思うのですが、知事のお考えをちょっとお聞かせください。
(答)これまでの地域公共交通活性化・再生総合事業というのが、この平成22年度までの事業としてございました。それでこの鳥羽伊良湖航路への支援につきまして、実は地元でこの活性化協議会というのを鳥羽市や田原市等、地域の関係者も入った中でできておりますけれども、そこでこれからの、この鳥羽伊良湖航路の活性化についての計画を、どういうふうに対応していくのだという計画を作ろうということについて、実は12月に今年度予算の中で国のほうからの交付が決定されているところであります。12月17日に7,245千円、これがこの鳥羽に係る地域公共交通総合計画の策定についての国の支援ということで決定をしていただきましたので、当面はこの国の支援いただいたものをしっかり活用しながら取り組んでいくということになります。おっしゃったように、来年以降のことについては、事業仕分けでの指摘でこういったことについては地方の判断に任せるということになったということから、今の国の状態としては同事業の対象にはしにくいのかなという、そういう話を聞いているところでありますが、こういった課題についても、今後協議会の中で十分にいろんな情報も集めながら、そしてまたそういう中で、まずは計画を作る中でどういう対応の仕方があるのか、それを協議会で詰めていただきたいと、こう思っています。
(質)今回のこの支援メニューは中部運輸局から、向こうから提出された、国としてはこういうものがあるということで設定されて、計画作るまでの予算と計画実行の3年間の予算が付くというものだったと思うのですが、それを国からはしごを外される形で、計画を作るのは作ってもいいけども、その後は今年度限りというか、終わるということで、知事は予算要望でも、この事業の中でフェリーもちゃんと支援してくれということを要望されていて、要望は通らなかったわけですけれども、国に対してご意見とかもしあれば。
(答)そんなに悲観的に考えずに、私はやはりこのフェリーというものは地域にとって、大変、愛知県にとっても三重県にとっても大事なものでありますから、そういう意味でこの航路をどう活性化していくのか、地元関係者等の不断の努力というものが必要でありますから、そういったことに向け地域が主体的になって取り組んでいく、このことが大事だと、こう思います。しかし一方で、係るこういう地域公共交通機関が今、安定的に継続運営されていくということについては非常に厳しい環境にありますから、そういう意味では国が今、移動権といったようなことも含めた交通基本法を検討しているということでありますから、そういう検討の中でしっかり理念について議論を確立されて、そしてその中で国の役割としてどういう国が政策的な支援をするべきなのか詰めていただく、そのことが大事だと思いますから、そういったところへの議論も今後期待していったらいいのではないか、こう思っています。
(質)前回の記者会見でお話くださったことと、また重なってしまうかもしれないのですけれども、鹿児島県阿久根市で出直し市長選の結果が出たわけですけれども、首長と議会、どちらも民意の反映があったわけですけれども、どちらかの意向を優先させるほうが市政運営はうまくいくのか、それとももしくは議論が不十分だったのか、どちらのようにお考えでしょうか。
(答)少なくとも、私は議会との議論の仕方、なかなかこちらが納得いかない議論を議会が言い出したときには、私のほうはこれまで何度か逆に議会側に議論する機会を持てという要請を出して、やはり議論を尽くすということをやってまいりました。二元代表制の中では双方が議論を尽くすということが大事で、その議論を尽くすというやり方で政治闘争的なものがあるならば、そこでやるべきだと、こういうふうに思います。そういう意味では、何と言いますか、専決を乱発したり、あるいは名古屋市等のように議会を解散させて選挙に持ち込むというような、そういうやり方は極めて乱暴な、二元代表制を歪めることになるのではないか、こう思います。したがって私は今度の阿久根市の市民はそういったことへの市民としてのこれまでの選択の間違いを正していく、そういうような傾向で出てきた結果だろうと、こういうふうに思います。
(質)子ども手当の関係で1点お伺いしたいのですが、県内含めて幾つかの地方公共団体で地方負担分を拒否するという動きがあります、この動きについてどのようにお考えでしょうか。
(答)まずは子ども手当そのものが、私どもかなり知事会からも地方の負担はだめですよということを強く申し上げてまいりましたにもかかわらず、その子ども手当が地方負担が昨年に引き続いて残ったということについては大変遺憾に思っているところであります。しかし一方では、保育料や給食費、これは子ども手当の中から徴収、納付できるようにしたということやら、それから地方が行います独自の現物給付につきまして、新たなその財源として国500億、地方500億のそういった交付金を新たに付け加えるということによって、ある程度地方の現物給付の充実にも配慮してきたというようなこと等、一定の評価もできるものであると、こう思っております。地方負担については、これは許し難いということで法律論争に持ち込もうというような、そういう自治体もあるやに聞いているところでありますけれども、この児童手当制度そのものが残されて、その児童手当制度のほうの仕組みの中で地方負担というものが置かれているところでありまして、いささか民主党のマニフェストとの整合性ということは課題がある、あるいは知事会が言っているように地方分権、地域主権の社会を追求する中で子ども手当における国の全面的な義務・責任、こういった議論からいって、いろいろと議論があります。それを正していけという強い意見を持っておりますが、しかし現行の児童手当法に基づく地方負担、これを地方が持つということについて、法律違反とまでは言えないのではないか、したがって国がその制度を、子ども手当の制度の中で児童手当制度を温存している以上はその法律に基づく負担をせざるを得ないということでございます。むしろ問題なのは、平成25年以降の子ども新システムの中でこの子ども手当がどういう制度になっていくのか、そういったところをしっかり見極めながら、あるいは地方としてもしっかりその議論に入りながらいい制度を作っていくということだと思います。それで私は若干さらに付け加えて申し上げるならば、今回内閣改造がございました。今回の改造の中で経済財政それから社会保障と税改革の担当大臣として与謝野馨さんが起用されました。経緯からいくと、少し想定できなかった人事でありましたけれども、与謝野さんが入り、おっしゃっておられることについて、高く評価をしているところでございます。そもそも的に、今、社会保障、あるいは年金だとか医療も含め、それから福祉・教育制度、こういったものについてはもう既にセーフティーネットが相当壊れてしまってきたわけであります。そういう意味では、これまでそれを壊してきた、あるいはそれを再構築できなかった自民党政権の責任は極めて大きなものがあると、こう思います。その反省もなしに、ただ単に与謝野氏を批判する自民党の姿勢には、私は大変怒りに似たものを覚えるところでございます。子ども新システム等についても、民主党はこの12月7日に閣議決定で、これからの社会保障制度と税制改革に関しての閣議決定をしているところでございますけれども、その中でこれから必要な社会保障制度の制度構築をした場合の金額、これがどれぐらい必要か、それに見合った税制改革をどういうふうにしていくのか、こういうものを今年の6月ぐらいまでに党としての考え方をまとめるのだと、こういうことを打ち出しているところでありまして、そういう意味では与謝野さんもそれの中心としてこれから役割を果たされていくということであります。民主党の社会保障制度に対する考え方と与謝野さんが言っておられることとは少し違った議論もあります。そこは、私は今の民主党政権内閣はただ民主党の内閣というだけではなくて、この国の救国内閣として、そして国会の議論も救国国会としてしっかり機能しなければならないものだと、こう思っているところであります。したがって、自民党等、野党がただ単に政府与党を批判し、国会での対抗勢力として、抵抗勢力として機能するというよりも、私は挙国一致で、国会を挙げて議論していくということが大事であり、そういう意味では与謝野さんの言っていること、これは全く同感でございまして、そういう意味で国民はしっかり今回のこういった与謝野氏の起用ということを前向きに受け止めなければならないと、こういうふうに思います。
(質)一つの救国の国会として、民主党と自民党が一つの社会保障のテーマに絞って大連立を組むといったことも肯定的に受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(答)私は参議院選挙が、民主党が予想以上に大変な負けになってしまったわけでありますが、その直後の会見の時、すなわち夏の記者会見の時にも若干申し上げましたが、大変な国難の中での政権運営あるいは国会運営でありますから、そういう意味では大連立といったそういった連携の仕方も一つの方法であるというふうに申し上げました。今もそういう選択肢あってもいいのではないかなというふうにも思います。そういった大連立まで至らなくても、ぜひ、こういう社会保障と税の問題とについて、しっかり与野党で議論をやって、そして成案をきちっと得ていく、そのことによって国民はこの国難から救われるということだと、こう思います。その責任をこれまでの反省に基づいて自民党もしっかり考えてもらいたい。民主党は当然のこと政権を担っているわけでありますから、そのことに最大責任を感じてもらいたい。それからついでに触れれば、愛知県で減税が政策目標のような議論が行われ、誠に今おかしな状況になっているというふうに思います。ああいった、国民から見ると本当になぜ180度違うようなそういった議論が行われているのか、そういったところがまだ国の政治がそういう対立的な議論ばかりしているということで、見えてこないのではないかなと、こういうふうにも思います。私は社会保障と税の議論を国がやる場合に、例えば消費税においても、社会保障目的税のような形のことが言われたりしておりますけれども、実は、消費税は地方にとりましても非常に安定的な財源として望まれるものであります。したがいまして、地方もいろんな社会保障や福祉や教育等の現物給付・現物サービスで大きな役割を今後果たしていかなくてはなりません。そういう意味では、地方にとっても安定的、将来の継続可能なそういう税の制度を地方も含めて国の方でしっかり検討してもらうという必要があるということでございます。そうすることによって名古屋市のあんな議論はその後の議論になっていくのだろうと、こう思います
(質)もしその一つのテーマに、税と社会保障のテーマに、一つのめどがついたら大連立を解消して解散して、もう一度国民の信を問うべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)そうですね、私はよく国が外交とか防衛、こういったものが政権が変わるたびに大きく変わることは好ましくない、これはよく言われてまいりました。しかし、一方で、社会保障、例えば年金だとか医療の制度、これもその基本的な制度が政権変わるたびにくるくる変わるということでは何とも困ったことだろう、これは国民生活にかえって混乱をもたらすであろうと、こう思います。したがって、そういった骨格的な制度については与野党という違いではなくて、むしろきちっと議論をし、積みあげて制度を作っておいて、その上で具体的なより細かい政策の展開の方向なりそういったものについては、政権間で議論をさらに詰めていったらいいと、こういうふうに思います。ですから今は本当にこのままではこの国本当にどうなっていくのかという、救国の思いをしっかりみんなが共有して事に当たるべき時であろうと、こういうふうに私は思っております。
(質)知事としては、社会保障目的税とは言わず社会保障なりそういった一般、これから高齢化社会になってそういったものに対する支出がどうしても大きくなる以上、消費税増税も含めてそういった税の改革はやむを得ないと、その中で昨日閣僚の中でも発言がくい違いましたけれど、消費税、例えば増税となれば、当然解散して国民に信を問うべきだと、一方でそうではないという話もありますけれども、知事のお考えとしてはどうですか。消費税を取るときには必ず解散すべきだと、それごとに解散して、例えば政権が変われば政治が進まなくなると思うので、あまり個人的にはよくないと思うのですけど。
(答)民主党政権は、消費税上げる時には、国民に信を問う選挙をやるのだということを、これは鳩山内閣の時から言っていることであり、これは国民に対する極めて大事な約束事のように打ち出してこられたところであります。したがって当然今の内閣で、与野党も含めた議論でどういうふうにするのか議論を詰めていったうえにおいても、最終的には解散して国民にも信を問うということ、このことはしなければならないことだと、こういうふうに思います。
(質)与謝野さんの起用について知事は評価をされて、一方でやはり国民というか、有権者がちゃんと理解をする、信頼をするということも必要だと、名古屋の例も引き合いにおっしゃられたのですけれども、与謝野さんはそもそも自民党の比例で受かって、対民主党を打ち出して離党し、今度は民主党側に付く、ここで与謝野さんのおっしゃられる事自体を評価されているかも知れないけれども、与謝野さんの今の経緯ということに関して、やはり国民の信頼が必ずしも得られていると思えないのですが、そこら辺のバランスをどういうふうに取らなければいけないのか、こういうことが起こらないようにするためには何の改善が必要なのか、そこら辺の知事のお考えがあれば教えてください。
(答)制度的に与謝野さんのこれまでの選挙後の、彼が当選をした後の、選挙後にとっている行動、そういったものが制度的に法律に認められていないものならば、今の与謝野さんはないはずであります。そういう意味では、許された制度の中で与謝野氏はやはり国のことを憂い、そして政治家として自ら何をなすべきかということに基づいて行動をしておられるところであります。私はそのことを高く評価をしているところであります。それが許されないというならば今の議員としての身分はないであろうと、こう思います。
(質)要するに、国民から見れば、必ずしも制度が許しているから、じゃあ、道義的にも許されるのかというところでの議論はあるかと思うのですが。
(答)私はむしろ、そんな理屈で攻める自民党よりも、勇気を出している与謝野さんの方を高く評価します。
(質)内閣改造関連で、身近な話題で、芝さんの首相補佐官について何かあらためて一言。
(答)芝さんは、大変エネルギッシュな元気のある方であります。首相補佐官としてその役割は、どうも幹事長との連絡に当たったり、あるいは参議院との連絡に当たったりということで、幹事長は岡田さんでありますから、同じ三重県同士しっかり岡田幹事長を支えていただく立場にもなる。総理を支え、幹事長を支え、非常にうってつけの立場ではないかなと思いますから、これから彼の活躍を祈りたいと思います。
(質)今、民主党のほうでマニフェストの修正についての議論があがっていますが、知事としてのお考えをお聞かせください。
(答)マニフェストについては、若干前にも触れたかと思いますけれども、国民を幸せにするツールとして、選挙に際して国民に訴える分かりやすい制度ということで活用をされればいいのでありますけれども、どうも、マニフェストで当選するためにはむちゃくちゃなことを書いたり、それから本来的には議院内閣制で政権政党での選択について国民に示すものだと考えておりましたけれども、どういう選挙においてもマニフェスト、マニフェストというのが流行語になり、挙句の果てに議員の選挙にまでマニフェストというものが出てきて、選挙に少しでも票を取れるそういう戦術的なツールとして使われているということ、そういう意味ではちょっとマニフェストについては、もっと冷静にしっかり受け止めていくべきではないかと、こういうふうに思います。政権をこれまでとっていなかった民主党についても、本来議院内閣制でありますからマニフェストという形で政権公約を出すということについてはこれはいいわけでありますけれども、いささか現実性のないマニフェストを選挙で打ち出したわけであります。私はちょうど1年ちょっと前になるかと思いますが、一昨年の暮れに向けて民主党が初めての予算編成に臨んでいく中で、子ども手当の件もそうでありますし、ほかのいろんな件も含めてマニフェストでいくらあげていても、それが無理だと分かったら、あるいは間違っていると気が付いたら、それを率直に直していく、そのことが大事だということを申し上げました。私は民主党もそういう意味では、できもしないことをできると思ってきたけれどもそれが間違っていたと気が付いたならば、とにかくしっかり直していくべきだと、こういうふうに思います。そうすることによって民主党もより現実的に理解できるものが多くなるのではないかなと、こう思います。
(質)先ほど、子ども手当のところでもおっしゃってはいたのですけれども、特に地方をご覧になっていて、マニフェスト修正にあたって、特に留意して欲しい点とか、ここは見直さないで欲しいとか、もしここ特に見直して欲しいとか、もしご意見があればお願いします。
(答)まず、この国のあり方でもお示ししましたけれども、この国には新しい国のあり方、姿というものをしっかり描いていかなければなりませんから、その理念、哲学といった議論はやっぱり大事に詰めていって欲しいなと、こういうふうに思います。もちろん与野党で幅広く議論をしていく中においては、そのいろんな意見を戦わせる中で、政治的な判断というものもせざるを得ない場面もあるかと思いますが、やっぱりまずは、理念、哲学というものがしっかりなければ、将来にわたって安定的な制度の構築はなかなか難しいのではないかなと、こういうふうに思います。それから制度を考える時に必ず、やっぱり財源の確保ということが大事でありますから、税財政の制度についてもしっかりそれと合わせてセットにして打ち出してもらうということが大事であります。それから子ども手当のように非常に、現金を国民にばらまくわけでありますから、そういう意味では非常に目立つのでありますけれども、しかし、政策はあくまで総合的に展開するということでなければ効果は出ません。そういう意味では、これまでの民主党の議論では子ども手当にばかり、どうも選挙のすぐから次の選挙に効果があるようにというので、慌てこんで手当だけを実施しましたね。だけど、やっぱりもっとバランスよく総合的に現物給付も含めて、そして恒久的にしっかりした制度をまず作っていくということをしながら、徐々にレベルを上げていくということが大事だと、こういうふうに思います。
(質)マニフェストに関してなのですけれども、今回の統一地方選、三重県内に目を向ければ、新政みえや自民みらいがローカルマニフェストと呼ぶべきものを発表します。今後も公明であるとか、共産、みんなの党もそれぞれ三重県内に促したそういったマニフェストのようなものを発表するやに聞いています。なぜこういうことになるかと言いますと、今、議会も政策立案能力を求められていたり、議会への風当たりが強かったりということを受けたものでしょうが、一方ではそういった議会が現行の制度の中ではそこまでできるのかという懐疑的な声もあります。行政の執行者としてこのようなローカルパーティーがこのようなマニフェストを発表するという動きに対してはどうお考えですか。
(答)私はマニフェストという言葉にこだわらずに、これまでも政治家は首長であれ議員であれ、選挙に出る場合には、公約というような形で提示をしてきたわけですね。それをより分かりやすくしていくのだという中で、マニフェストというものが言われてきたところでありまして、まあ流行語みたいなものだと、こういうふうに思います。私みたいにマニフェストに冷ややかに言うというのは、まだ少数なのかもしれませんけれども、いささか私はやっぱり弊害の方が強く出ているのではないかという感を強く持っておりますので、あまりマニフェスト、マニフェストと選挙民のほうからは騒がなくてもいいのではないかなというような感じもします。ところで、ローカルパーティーというものについては、先般も申し上げましたけれども、国の政党と、私は、ものを考える立場、あるいは基準もちょっと違うわけでありまして、地域にはそれぞれ地域の事情、特色、こういったものがあります。また、特有の課題もあるところであります。したがって、それにどう対応していくのかということを地域、地域でしっかり追求していくということが大事であり、議会もそういう意味では、中央の政党とはいささか立場を異にしながらローカルパーティーというのがあって当然だし、今、まだ地方分権がほとんど実態として進んでいませんから、中央集権的な体制が続いておりますから、今はなかなかすぐに整理しにくいところがあるかもしれませんけれども、将来的に地域主権社会、地方分権社会が進んでいくならば、ローカルパーティーという性格のものがより強くにじみ出てくるのではないかなと、こういうふうに思います。そこで出される政策については、どう表現するかということですけれども、少なくともマニフェストというような言い方で強調するならば、議院内閣制の地方行政システムができた時には、まさにマニフェスト選挙という、いわゆる政権交代を地方行政においても選挙で決めるということが現実的なものだと思いますね。二元代表制ですから選挙で自分達が有利になることを言葉の中に散りばめているというふうに見ておけばいいのではないですか。
(質)水力発電事業のことなのですが、今の進捗具合をお聞かせください。
(答)水力発電事業につきましては、これは県議会からも企業庁事業についてのいろいろな改革議論、あるいは提案、提言も受けて県としてもそういう中で、これで議論をして、そして、電力事業については民間への譲渡ということを打ち出し、その譲渡先としては中電しかないのではないかという判断の下でその交渉を積み重ねてきたところであります。かなり突っ込んだ議論をしながら、また、議会等からもいろいろな意見もいただきながら、中部電力との議論を詰めさせていただいてきているところであります。しかし、最終的には価格もどうするかというようなこともございます。私どもとしては、この譲渡が県民にしっかり説明できる、そういう内容、中身を持って中部電力と合意に至らなければならないということで、今、最終的な詰めをやっているというところでございます。
(質)ひとつ確認させていただきたいのですけれども、先だって、さる講演の中で本年度内の水力発電事業譲渡について、ある程度の自信をお示しになりましたけれども、中電側に打ち返すと、なかなか実際問題難しいですよというお話もあったのですが、その辺は実際、この年度末内に解決しそうなのでしょうか。
(答)中部電力との話につきましては、当初、昨年の年末には議会にある程度方向性について報告できるかなというところあったのですけれども、やはり最後のところが、なかなか詰められないまま、まいりました。したがって状況を来月、2月には議会も始まってくる、その前に議会のほうにも一定のこの結論を報告できるようにしていきたいと、こう思っているところであります。結論がどうなるかということについては、これはしたがって最後までしっかり議論をした結果、判断するということでございますけれども、私としては、今月中には結論を得られる努力をいたしまして、来月には議会のほうに報告できる、県民に報告できるということにしていきたいと、こう思います。どういう結論になるかということについては、どちらの方向に対しても、可能性を偏って申し上げることはできません。
(質)ありていに大きく、今、交渉がずっと長引いて、元々延長になっているわけなのですけれども、そこで大きく引っかかっているものは何ですか。
(答)最終的には事業の中身だとか、地域貢献だとかもういろいろそういったことは詰めてきましたが、最終的にやはり価格をどうするかというところ、これが最終の一番の難関というところであります。
(質)知事の後任選びというのが、今、若干、こう着状態に陥っているのですね。候補者等が複数上がっている中で、それも水面下で実際なかなか決まらないのですけれども、これを現職知事のお立場でご覧になって、どのようにお考えですか。何か感じられることがありましたら。
(答)私も具体的にどういう議論をしているのか存じませんので、申し上げようがないのです。かなり水面下での話が進んでいるのかという想像をしたり、今のお話ですと、それがあまりいっていないということならどうなっているのかなというようなことですね。いろんな要素があるのだろうと思いますけれども、お隣の愛知県でへんてこな選挙が行われていて、ああいったものがどう影響してくるのかということも気にしているのではないかなと、こういうふうに思います。私は愛知県や名古屋市に惑わされることなく、三重県はしっかり将来の三重県を考えて取り組んでいったらいいというふうには思うのでありますけれども、それは関係の皆さんが、今、いろいろそういったことも考えながらお取り組みいただいているのだろうと、こう思います。
(質)ご自身の経験踏まえて、選挙日程が、例えば2月に候補者の選定がずれ込むようなことがあっても、実際、選挙の日程からいって間に合うことは間に合うのですか。
(答)そうですね、私も8年前の時には、なかなかあの時、立候補を決断するのは大変でした。2月の初めになって、立候補しないという最終的な自分の結論をいったん出しながら、またその後、ひっくり返されたというようなそういった経緯もありました。だから実質あの時にも2月の何日ぐらいだったかな、2月の日にちまでは覚えていませんけれども、初旬にまでずれ込んで立候補する意志を固めたということでありました。実際にそういった選挙に向けての後援会活動に入ったのは、市長を辞した2月の確か18日ぐらいでしたかね。それから、いろんな後援会活動に入ったところであります。それは選挙に向けてどれぐらいあったらいいのかとか、そういうふうなことではなくて、まず選挙運動では与えられた期間があるわけですし、それ以前にそれに対する準備として後援会組織を結成するなり、そういった時期としては4月の選挙でありますから十分あるのではないですか。
以上