知事定例会見録
平成22年10月27日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目等
・平成22年度こども虐待防止キャンペーンについて(発表)
・市場公募債の募集開始について(報告)
(知事)まず、平成22年度こども虐待防止キャンペーンについて申し上げます。県では、平成16年3月に施行されました「子どもを虐待から守る条例」に基づきまして、毎年11月を子ども虐待防止啓発月間といたしまして、児童虐待の防止や早期発見・通告等の啓発活動を行ってまいりました。児童虐待の状況でございますが、全国的に見ましても、相談件数が増加をしているところでありまして、重篤な児童虐待事案も多数発生をしております。また、残念ながら三重県におきましても4月に重篤な児童虐待事案が発生し、県内における本年度の児童虐待相談件数、これは過去最高であった前年度を上回る勢いで増加しているところでございます。そこで、本年度の啓発月間の開始にあたりまして、月間の初日であります11月1日に、子ども虐待防止について緊急アピールを発表いたしますとともに、資料にございますように、県庁玄関前におきましてキャラバン隊の出発式を行いまして、広く県民の皆さんの理解と協力を訴えますとともに、市町や団体、企業の方々と連携して啓発活動に取り組むことといたしました。具体的には、県だけでなく、NPO、地域の企業などの関係団体の皆さんと協働で結成したキャラバン隊によりまして、県内29市町を訪問いたしまして緊急アピールの伝達式を行います。また、県、市町の公用車でありますとか、NPO、企業等の社用車や自家用車へ虐待防止マグネットを貼付していただきますとともに、ポスターやリーフレットによります啓発活動を行ってまいります。このような啓発活動を通しまして、県民の皆さんの児童虐待への意識が高まり、県民総がかりで児童虐待を防止していただくとともに、県といたしましては、児童相談所を中心に関係機関との連携を図りながら、相談機能をより一層強化してまいりたいと考えております。皆さまのご協力を心からお願い申し上げます。
次に、市場公募債の募集開始について報告いたします。本県では初めてとなります市場公募債につきまして、11月10日から募集を開始することといたしました。募集の期間は11月10日から11月19日までとしておりまして、個人、法人を問わず広く投資家の皆さまにご購入いただける県債でございます。購入の単位でございますが、1万円からで、上限は設けておりません。また、県内の主な銀行、証券会社の店頭窓口にてご購入いただけます。金利につきましては、11月10日に決定をいたしまして、県のホームページで公表いたしますとともに、取扱銀行、証券会社でもお聞きいただけるものでございます。この市場公募債の発行によりまして調達いたします資金の一部は、今年度から整備が始まりました新県立博物館の建設資金にも充当することとしているところでございます。ぜひこの機会に県民の皆さまにも購入をお願いいたしたいと考えております。私からは以上でございます。
2.質疑応答
・発表項目等に関する質疑
・伊勢湾フェリーについて
・発表項目等に関する質疑(市場公募債の募集開始について)
・関西広域連合について
・道州制について
・県立総合医療センターにおける多剤耐性緑膿菌の院内感染について
・関西広域連合について(再質問)
・知事選について
・育児休暇について
・高校卒業予定者の就職内定状況について
・県立病院改革について
・関西広域連合について(再質問)
(質)こども虐待防止キャンペーンの緊急アピールとありますが、具体的にはどのようなアピール内容になるのですか。
(答)資料のほうに啓発月間の取組実施要領というのがあるかと思います。その中の「内容」というところに、先ほど申し上げましたような、こども虐待防止のキャラバン隊、これを11月1日に出発式を行いまして、29市町を回ってまいります。11月1日から11日まで各市町の庁舎前におきまして緊急アピールの伝達式を行っていく、その後11月中、県内の巡回、そして啓発活動を行っていくというようなことでございます。そのほか、先ほど申し上げましたように啓発用のマグネット、これを自動車に貼り付けるとか、啓発グッズ、これを出すというような、そういった取り組みをやってまいるということでございます。
(質)アピール文みたいなものはあるのですか。
(答・健康福祉部)アピールの内容といたしましては、主に保護者の方むけに『ひとりで悩まずにご相談いただきたい』ということですとか、あとは県民の皆さま方に『そういった情報がもしございましたら積極的に情報提供をお願いしたい、県としては関係機関と連携をして適切に対応してまいりますので、よろしくご理解ください』というふうな内容になっております。
(質)それは紙で出せますか。
(答・健康福祉部)今最終の調整中でございますので。
(答)11月1日に出発式をやるのですが、そのころに記者クラブのほうへ入れさせていただくということでいいですか。
(質)相談件数の細かい数字は出ていますか。前年度を上回る増加というお話がありましたが。
(答)それにつきましては、平成21年が、相談件数、三重県で541件、これは過去最高であったということでございます。それで、今年も4月にああいった事案がございました。非常にこの児童虐待についての関心が高まっているということで、事件そのものが増えているのかどうかということについては即断できませんけれども、少なくとも関心の高まり等で、相談件数がそういう意味で増える傾向にあるということは、少なくとも言えるところでございます。先ほど私のほうから申し上げましたように、前年度を上回るような勢いになっているということで、かなり今までの上期に比べますと相談件数は多くなっているようでございます。
(質)例えば、9月末現在とか、そういう段階でまとまった数字というのは。
(答)9月末現在で468というような数字が一応手元には上がってきているところでございます。まだ後半の状況も見ないと、前年の同期と比べてどうだという数字は持っておりません。
(質)昨日、活性化協議会があった伊勢湾フェリーについてですが、昨日の結果を受けて、今後の活性化策をいろいろ話し合われたようですが、それについての知事のお考えと、毎回になりますが負担金等々現在の進捗状況について教えてください。
(答)昨日、「鳥羽伊良湖航路活性化協議会」、これが設立をされました。これにつきましては鳥羽伊良湖航路をよりご利用いただくような活性化策を、鳥羽市、田原市が中心となりまして取り組んでいくということで、鳥羽市の木下副市長が会長となって取り組むということになったところであります。これは国のほうの「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」というのがございますが、これに基づきましていろいろ対策もやっていこうということでございまして、構成員の中に三重県やあるいは愛知県、あるいは国のほうでは中部運輸局、それから地元の観光や商工や自治会といった関係団体、そして当然、伊勢湾フェリー株式会社にも入っていただいております。そのほか学識経験者にも加わっていただいているということでございます。今後、利用者ニーズの調査をやり、そして航路の維持活性化のための必要な方策、これは利用促進策だとか、観光振興策だとか、あるいはバスや鉄道など、他の移動手段との連携策等、こういった方策をいろいろ取りまとめてまいりまして、それで「地域公共交通総合連携計画」という計画に作り上げていく。これを策定いたしまして、この計画に基づいて取り組みを実施していくということでございます。県としては当然、関係者の皆さんと密接に連携をいたしまして、この航路の維持・活性化のために、この利用促進策等についても県としての役割、支援をしていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。それから、全体の行政支援の調整状況についてでございますけれども、今まで申し上げておりますように、資金支援、それからこの利用促進策、それから港湾使用料や固定資産税等の減免、これらの3つの支援につきまして、今2県2市で調整を行っておりまして、もう最終段階でございます。当然、11月会議にはきちっと報告させていただこうということで、今最後の詰めをやっているところでございますし、それから利用促進策につきましては、先ほど申し上げました協議会において、昨日設立されて、だいたいどういう形でいくかという方向も決まってきているところでございます。それ以上詳しいことにつきましては、私の立場からはまだ2県2市で最終決定という状況には、まだ発表するに至っていないということでございますので、差し控えておきたいと思います。
(質)方向性としては2県2市、全ての自治体で支援金等々も含めて負担するということでよろしいのですか。
(答)いろいろ役割分担ありますけれども、全体として2県2市でこれら3つの方策、支援についていろいろ割合を決めていこうと、こういうことにしております。
(質)ということは、お金についても2県2市でやっていくという理解でいいのですよね。
(答)基本的には全体調整の中で、そういったことも含めて考えております。
(質)資金援助の面なのですが、当面の会社の運転資金としての位置付けが強いということで言われてまして、時期的な問題として11月会議で報告して、その予算措置というのはすぐ補正で対応されるのでしょうか。
(答)支援の時期については、まだ当面はやっていける状況だと思います。具体的な時期については部長のほうから。
(答・政策部)資金支援の部分についてはできれば11月会議、そこの部分で出せたらなという形で2県2市で調整をしているところでございます。
(質)今、資金面で11月会議に出せたらなということで2県2市で調整しているということですけれども、この資金援助については例えば鳥羽市とかにも役割分担を求めていくということでよろしいのですか。資金援助についても。
(答)先ほど申し上げましたように、全体の中で調整しておりますが、おっしゃったような意味合いも含めて、今詰めているところでございます。
(質)じゃあ市側が資金援助をするということが決まっているわけではないのですね。
(答)木田市長がいろいろ発言されたことについて、マスコミでも言われているところでありますけれども、これは合意ができている状況で言われた発言ではございません。したがいまして、最終調整を行っているところでありまして、市側の負担も含めて、今最終調整をしているということでございます。
(質)県としては鳥羽市にも資金を出して欲しいという立場で最終調整をしているということでよろしいか。
(答)そういうことも含めて最終調整に入っております。
(質)公募債なのですけれども、利率はどれぐらいになりそうなのですか。
(答)利率につきましては、先ほど言いましたように11月10日に決めさせていただこうということでございますけれども、現在の金利情勢、これを見ますと、例えば10年国債の金利というのは0.9%前後ということですから、これよりも多少上乗せというようなことを考えると、おおむね1%前後になるのではないかというふうに考えられます。正式には10日に決定をして発表したいと思います。
(質)調達した資金のうち、博物館にはどれぐらいが行くのですか。
(答)一応、市場公募債の中で特に県民向けの販売ということについては、この新県立博物館、これに県民のご参画を、資金面で参画していただくというような、そういう意味合いがあるのかなと、こう思っているところでありまして、今は例えば新県立博物館の整備事業におきます起債予定額というのが18億7千万円程度でございますので、その程度ということを考えているところであります。これ実際に販売しないとわかりませんけれども、少なくとも10億から20億程度の規模ということを見込んでいるところでございます。
(質)関西広域連合のことでお伺いしますけれども、今日大阪府議会の議決をもって12月初めから広域連合が始まりそうなのですが、三重県の関わり方をあらためて教えていただきたいのですけれども。
(答)関西広域連合につきましては、一番最初の経緯から申し上げますと、平成15年2月に関西経済連合会が関西州の設立を提唱して以来、議論が始まったところでございます。そういう議論の上で関西における広域連携組織として、平成19年7月に関西広域機構が設立をされました。そしてその関西広域機構の内部に分権改革推進本部が設置されて、この地方自治法に基づきます広域連合の設立についての検討が行われてきたという経緯がございました。三重県にとりましては、当然関西との連携ということについては重要であるという認識を持って、これまでも生活、あるいは文化、経済、様々な面で密接に関わりを持っておりますし、例えば近畿ブロック知事会でありますとか、それから先ほど申し上げた関西広域機構等にも参加をしまして、これまでいろんな角度から広域的な取り組みを進めてきたというところでございます。この関西広域連合には三重県並びに奈良県、それから福井県、この3県は当面参加を見合わせているところでございます。しかしながら関西の課題と今後のあり方とを踏まえました、こういう広域連合の将来像等につきまして、協議には広域連合に参加しない関係自治体も加わることができるという、そういう仕組みが予定をされておりますので、オブザーバーの立場で広域連合とも積極的に関わりを持ちながら、必要な関西との連携を探ってまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。しかし、当面三重県にとりましては、オブザーバー参加で協議に加わらせていただくけれども、連合そのものにはまだ加わらないということでございます。
(質)ただ、今ドクターヘリの広域の利用とか、いろんな分野で連携するところがあると思うのですけれども、具体的な連携を強化したいとか、そういった分野はありますか。
(答)三重県は既に奈良県、和歌山県と3県でドクターヘリの共同運行を今現在やっているわけでございます。そういう意味では、この広域連合の中でいろいろ議論をされている、例えば鳥取なんかは部分参加みたいな形になるのかなと思うのですけれども、そこで広域のドクターヘリ運用というようなことも視野の1つに入っているのかなと、こう思います。三重県はもう既にそれをやっているということ、並びにご承知のとおり県単独のドクターヘリについてもようやく基地病院として、三重大学医学部附属病院と山田赤十字病院、これが決まりまして、病院の新しい病院棟が完成をしましたらすぐさま運行できるようにということで、大体完成の時期が2つの病院とも、平成24年1、2月かその頃になるのかなと、こう思っております。したがいまして、1年3カ月か4カ月後には県独自のドクターヘリの運行に入ります。今、広域連合でのそういったドクターヘリの運行ということについて、三重県としては検討するような状況にはありません。
(質)道州制に対する考え方はどういったものなのですか。
(答)道州制につきましては、これまで何度か私のほうで考え方を申し述べておりますけれども、本来的にこの国そのものがどうあるべきなのか、それは国民の実生活がどのような形で行われていくのか、またどういう生活の状況になるべきなのか、そういったものをしっかり描いていくということがまず大事でありまして、道州制ありきという、最初から道州制を目的として考えるような、そういう課題ではないと思っているところであります。したがいまして、知事会でも「この国のあり方」についての議論をやろうということで、私が座長になって、今後将来に希望を持って生きられる、そういう社会をつくっていくべきであり、そのためには次世代の育成というものを社会資本として位置付けるなり、あるいは生き生きと活動できるような活動保証をしっかり行政がつくっていく、あるいは安心して暮らせるようなそういう生活保証をしっかりつくっていく、また地域等に根ざすきずなというものは、そこで再生醸成されるようなそういう仕組み、仕掛けというものをしっかり持ちながらきずなづくりもやっていかなければいけないということを申し上げたところであり、その上で行政体の構造がどうあるべきなのかという議論にいくわけであります。今、役割としては国の政府の役割、あるいは地方の行政体の役割ということを、この検討の中でも研究会のほうでも議論をいたしました。その上で、やはり国民の生活そのものが希望の持てるような社会にしていくためには住民に近い地方政府、地方公共団体が相当多くの役割を果たしていかなければならない。その上で住民に近い行政体、地方政府というものが非常に重要だと申し上げたところでございます。道州制というものがそういう枠の中でどういう位置付けで議論されていくのか、どうしても道州制というのは住民から見ると、もしも県がなくなり、道州制ということになれば住民から遠ざかっていくというような形にも見えるところでございます。したがいまして、道州制については目指す社会というものをしっかり描いた上で、その上で道州制がいいものなのかどうなのか、という議論をその上で詰めていくということだと思っておりまして、まだ実は国としてそういった国民の将来の生活に渡るビジョンというもの、これが具体的には提示されていない。民主党は今、いろんな面で手掛けておりますけれども、全体像がやはり提示をされてようやく議論できる課題なのかなと、こういうふうに思っているところであります。
(質)少し前の話なのですけれども、県立総合医療センターのほうで、院内感染が見つかったという案件なのですけれども、これについては疑いの段階で公表されたり、対応が随分早かったと思うのですけれども、9月に帝京病院の問題があった時にいくつかの県では調査を実施されたりとかしている県もあったようなのですけれども、野呂知事として、今回の問題に対する今後のご対応についてお聞かせ下さい。
(答)まず、県立病院で、今回、多剤耐性緑膿菌の院内感染が2例起こったということで、すぐ調査をいたしましたが、こういう事実が起こったということは真摯に受け止めながら、今後、病院においてもあるいは事業庁も一緒になって感染の拡大防止にしっかり取り組んでもらいたいと考えているところでございます。今までの経緯についてお話がありましたように多剤耐性アシネトバクター・バウマニ、こういう多剤耐性菌の発生に基づいて、県においても、今年9月8日に健康福祉部長名で通知を出しまして、県内の各病院あるいは三重県医師会、三重県病院協会、こういったところに注意、そしてしっかり対応するようにという指導を行ったところでございます。今回またこういう状況がございましたので、実は10月18日に健康福祉部のほうで関係機関、これは保健所とあるいは総合医療センターも入っているかと思いますが、協議調整をいたしました。そして、翌10月19日にあらためて県内病院とか医師会とか三重県病院協会あてに通知をいたしまして、一層の医療安全管理体制の確保について注意を喚起いたしますとともに、必要に応じまして保健所のほうへ相談するように呼びかけもやっているところでございます。県としては、今は、そういう対応の仕方かなと、こういうふうに考えております。
(質)関西広域連合の話に戻るのですけれども、協議にオブザーバーとしての参加をするということですが、特に注視していきたい部分があればお願いします。
(答)実は、当初の広域連合での議論としては、より広域性でやったほうがいいものを、広域連合でやろうよというような話でございましたが、一方で我々から見ると、今、広域の連携でいろんな事業やっておりますけれども、例えば観光なんかはそのいい例でありますけれども、それが非常に重い組織である、しかも議会まで作ってやるような、そういう広域連合でやるメリットがあるのか、経費やいろんな負担もより多く掛かってくる、そういう中でそういうものが必要なのだろうかどうなのか、というような議論を随分やっていました。ところが、実は国の出先機関の廃止移譲というような話が出てまいりました中で、それらの受け皿論としての広域連合というのも出てきて、そういう議論も実は出てきて、今はどちらかと言うと広域行政の受け皿論がかなり主体になってきているようにも思います。したがいまして、どういうふうな今後展開をやっていくのかなという状況を三重県としてはよく見ていかなくてはならないと思います。実際に、例えばこういう広域連合に国の出先機関の受け皿として移譲されるというようなことになった時に、三重県として、そうなってまいりますと、どうしてもやはり入らなければならないようなそういう状況というのもありうるのかなと、こう思います。ただ一方で、例えば、河川の関係でいきますと、三重県では例えば長良川水系、この流域というものは当然愛知県や岐阜県との連携した流域としての考え方とならなければなりません。一方で伊賀のほうは木津川水系、淀川水系に結びついていっているものでございますから、そういう意味では、例えば九州で、今回九州知事会が10月18日に九州の広域行政機構というものを作るという決定をしておりますけれども、九州という一つのまとまりのいい所と違いまして、本州の場合には、三重県もそういった悩ましい課題がありますように、例えばものによっては北陸との連携であったり、中部としての区域の連携であったり、あるいは観光とかそういうものは、今、関西の枠の中に三重県は入っていたり、長野県あたりもものによっては東京、関東との中に入っていたり、ものによっては中部に入っていたり、非常に複雑なのですね。したがって九州の行政広域機構のように簡単に割り切っていくということはかなり難しい状況であるかと思います。その悩ましさは、実は関西広域連合も抱えているという状況でありますので、今後、国のこういった出先機関の整理の動向、それから具体的にどういう事業をやっていくのだというようなことについて、三重県としては協議にもオブザーバーで参加をいたしていきますので、よくそこら辺を見ながら適切な判断をしていかなくてはならないと、こういうふうに考えているところであります。
(質)来年の統一地方選、知事選の出馬について、いつごろまでに判断されるのでしょうか。
(答)今いろんな当面の課題がございます。そういった課題にしっかり知事としての職責を果たしてまいりたいと考えております。後のことについては、今申し上げる状況ではございません。今のご質問には、したがいましてノーコメントとさせていただきます。
(質)子育てに関してお伺いしたいのですけれども、広島県の湯崎知事が育休をとることで、今、首長の育休制度に関して話題になっていますけれども、そのことに関して、育休をとることに関してのお考えと、あともう1点が、県職員の方の育休の取得状況に関しまして何かコメントをいただけたらと思っております。
(答)これからは、ワークライフバランス等も言われておりますように、仕事についてもしっかり取り組んでいくと同時に、やはり家庭というものとの両立、これが非常に大事なことだと思います。そういう意味で子育てというのはこれまではどちらかというと女性に一方的に負担がかかるその代表的なものと言われてきたところでございます。そういう中で、男性の、夫の子育てへの参加ということは随分議論が高まってきているところでございますから、基本的には男性の育児への参加ということは進められていかなければならないことだと、こう思います。その中で育休というのも当然必要なことでございます。三重県においても労使協働委員会の中で、このワークライフバランスに基づいて育休についての目標も定めながら、今、取り組みをやろうということで、労使で協働してやっているところでございます。確か、目標数値としては3%だったかな、ちょっとここでは少しうろ覚えで、3%だったか、その何年ということがありますけれども、5%でしたかね(平成22年4月1日から平成27年3月31日までの5年間の目安とする指標は男性の育児休業取得率10%)、目標値を決めているところでありまして、職員についても、結婚している男性職員については子どもができた時には取ってもらうように推進方に努めているところでございます。まだまだ数値としては低いところでありますけれども、そういう意味では首長さんの中に、三重県でも伊勢市長も育休を取っているということですし、広島県でのそういった知事の取り組みもそういう動きを推進する一つの事例としては、評価できるのではないかなと、こういうふうに思います。
(質)育休の県職員の現在の取得状況についての知事の感想と、確か警察本部は0だったと思うのですけれども、その辺の現状について知事の感想とかありましたら。
(答)警察本部のことについて、私のほうから数値そのものについて触れることは、これはできませんけれども、少なくとも三重県庁内においては少しずつ機運が高まっているのではないか、ちょっと今、資料を持っていませんけれども、男性で育休を取る事例も確実に出てきているというふうに聞いているところであります。
(質)前回の会見でもちょっとありましたけれども、高校生の就職内定率とか求人が減っているということで、厚生労働省のほうでも様々な策を打ち出してますが、三重県として12月補正も含めて、新たな取り組み、検討されていることがあれば教えていただけますか。
(答)まだ、それについては担当部のほうで検討もしているかと思います。少なくとも今まで申し上げておりますように、ハローワーク、労働局、そういったところと教育委員会や生活・文化部等、関係のところも連携をしながら、いろんな経済関係企業等へのお願い、周知徹底というようなこと、それから関係機関と、一人でも雇用を増やしていくためにどうすればよいのか、そういったことについて検討をさせていただいているということであります。当然、非常に経済が厳しい状況で、雇用についても新卒者の就職ということについても厳しさが予想されますから、国においても新卒の未就業者対策というようなことについての国の施策もいろいろ出てくるかと思います。県も今年の春、一定の対策を国に先んじて対応するということでやってまいりました。来年について具体的には、また今後11月会議等でいろいろとまたご議論いただける、そういったものを今、担当部のほうで検討しているということでございます。
(質)県立病院改革なのですけれども、先日、志摩病院の指定管理者選定委員会のほうで結論が出ましたけれども、一方で県立総合医療センターの特定独法(特定地方独立行政法人)に向けての取り組み状況というのはどうなっているのでしょうか。
(答)まず、志摩のほうにつきましては10月20日に第4回の指定管理者選定委員会が行われまして、今、応募いただいております指定管理者制度での候補者につきましてはふさわしいという評価、決定をいただいているということでございます。11月1日ぐらいに審査報告書が私のほうに提出されると伺っております。その中で多分、選定委員としてご尽力いただきました皆様方の意見も添えて出てくるのではないかと、こう思っておりますので、当然、この委員会での報告については尊重をいたしながら子細検討して決定をしていきたいと、こういうふうに考えております。その上で、議会のほうにこの11月会議には議案として提出できるように進めていきたいと考えております。それから総合医療センターの件でございますけれども、独法化という方向の中で、特定独法ということ、お願いをするということで、これは総務大臣の許可が必要でございます。そういう意味で総務省のほうにご相談をしているところでございまして、いろんな課題整理をいたしながら、総務省との協議を続行しているところでございます。できるだけ早く私どもとしてはお認めをいただきたいということでやっておりますけれども、実は内閣も先般変わったというようなこともございまして、担当の方も変わりますと、もう一度丁寧に、少し検討を加えていただくということで、今まだ、そういった総務省の状況を見守っているというところでございます。時期がいつになるのか分かりませんけれども、当然、特定独法ということで感触が得られたら、議会のほうにもお諮りできる準備を始めたいと、こういうふうに思っております。
(質)それは、いつごろぐらいまでにはある程度の結論を出したいとか、そういうお考えというのはどうですか。
(答)私としては年内にその方向が確認できたらなと、こう思っておりますが、少なくとも年度内には、そのことについてはきちっとしておかなければならないと、こういうふうに考えております。と申しますのも実際に24年4月に新しい体制でのスタートをしているということになりますと、今年度内にはそこら辺はきちっと結・_を出していくということでないといけないと、こう思っております。
(質)広域連合の件で、道州制ありきとは考えていないということと、あと一方で国の出先機関の整理の動向で適切に判断していきたいというふうにおっしゃっていたのですが、例えば和歌山とかだと、広域連合が道州制に変化していかないことを付帯決議で付けていると思うのですが、例えば三重が今後、広域連合に参加するとしたら、そういった条件を付けるならば参加したいというような、そういうような感じなのですか。
(答)三重県としては、道州制というようなことについてはまだ全く考えておりませんが、現在の県政推進の中で、広域連合等に参加をしないと県民にとって不利な状況が生じるということがあってはいけませんから、そういう必要性等も加味しながら考えていくということです。それから例えば出先機関の受け皿論としていろいろ言われておりますけれども、かなり多くのものは府県で移譲を受けてやっていくということができるものがかなりあるのではないかと、一方で、しかし広域性を持たせなければできないというようなことについて、先ほど申し上げましたように、例えば河川とかそういうふうなことを考えた時に、必ずしも都道府県単位のグループ分けで分けられる状況ではございませんね。当然歴史的、文化的いろんなものも加味しながら、その課題課題によってどうしても広域的に組まなければならないものも課題によって変化をしていく、そういう意味では、こういう受け皿論についても具体的に課題が提示をされれば、それによって考え方が違ってくるのではないかなと、こう思います。知事会等でもほかの知事さんといろんな意見交換をしますけれども、私と同じような考えを持った知事さんも相当多くおられるというふうに考えているところでございます。特に九州のようなまとまりのいい地域、あるいは北海道みたいな単一のところ、こういったところと、ちょっと本州の場合には違う悩ましいものが、当然この区域分けでも出てくるところであります。したがって私は課題ごとの広域連携組織というものをつくっていく、今、地方自治法に基づく広域連合でない任意の連携組織というのは事業主体になれないという、非常に困った状況がございます。したがって、広域的に事業をやっていくという場合にはそういった事業主体にもなれるような、しかし、果たして議会まで持つような、そんな重たい組織でなければならないのかどうなのか、こういったことも今後の議論の中では出てくるのではないかなと、こういうふうに思います。
以上