知事定例会見録
平成20年 5月8日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
なし
2.質疑応答
(質)中部国際空港の2本目の滑走路建設を求める期成同盟ができまして、今日、国の方にも要望に行っているようですが、知事として、この2本目の滑走路についてのお考えをお願いします。
(答)この中部国際空港については、国の基幹空港として大いに期待をされているところであります。したがって今の滑走路、複数の滑走路をもってそれが対応できるということ、これには中部地区はものづくりの拠点として日本の経済をリードしている所でもあります。そういう意味では大いに、我が国への貢献ということを考えても、その整備については基本的には必要なのではないかと、こういうふうに考えているところであります。しかし、まずは現空港をしっかり活用していくということ、利用促進をしていくということがまず大事なことでありまして、その上に立ってこれから将来の2本目滑走路の整備というものを考えていく必要があると思います。また、あくまでもこれは事業規模からいっても、経済効果や国家的な意義を持つプロジェクトという位置付けが必要でありますから、地元が結集するということだけではなくて、国によります計画への位置付けということが必要であろうと考えているところであります。したがってそういう観点から、昨年2月以降、3県1市や、あるいは地元の経済界等と連携して、国への要請というもの、要望活動を進めてきているというところであります。私ども同盟会につきましては、まず現在の空港機能を十分に利活用する必要があると考えておりますので、地域の自治体や、あるいは経済界等が連携してその利用促進を図ってまいりたいと、こう考えております。そして2本目滑走路については、国土形成計画あるいは社会資本整備重点計画といったような国の計画にきちっと位置付けられるということが必要でありますので、地域一体となった要望活動によりまして、国に強く働きかけていきたいと、このように考えているところであります。
(質)中空の役員会の中で、予想されるべきと言うか、既に起こりつつあるような懸案みたいなものというのは特に今のところ挙がってないんですか。例えば漁業補償の問題であるとか。
(答)まだ、そういう段階には至っていません。ご承知のとおり、中部国際空港は今、需要面からいっても必ずしも十分でない、貨物量も減っているとか離発着の便数・利用者というものも少し低迷をしている、そういう状況であります。したがいまして、まだ2本目滑走路ということへの環境がそれだけ熟している、高まっているという状況ではありませんから、先程申し上げましたように我々としては需要促進、利用促進をまず図っていくという、そういうところに強い関心を持っているというところであります。ご指摘のあったようなことは、もっと話が進んでいく段階でまた出てくる課題なのかなと思っております。
(質)がん対策の話なんですけども、がん対策の推進計画が、三重を含む7府県でその計画作りが3月末の期限までにできなかったという報道がありましたが、知事としてこの計画作りが遅れている理由と、今後の方針についてお考えがあればお願いします。
(答)お話がありました件につきまして三重県が遅れているという、その認識は少し正確でないし、誤解が生じますので申し上げておきたいと、こう思います。ご承知だと思うんですが、三重県におきましては平成16年に5カ年計画、平成17年から21年までの計画でありますが、「三重県がん対策戦略プラン」というのを策定しているところでございます。国においては平成19年、昨年の4月にがん対策基本法が施行されまして、がん対策推進基本計画が策定されました。同時に県においても、各都道府県で基本計画を作るように義務付けてきているというところであります。しかし三重県においては、実は先行いたしまして、平成16年にもう既に「三重県がん対策戦略プラン」というのを持っていたわけでございまして、そういう意味では国の施策に、三重県の場合には先行して対応して今日までやってきたんだというところであります。しかし今回、国が法律を作りました。したがって国が作りましたがん対策推進基本計画との整合はきちっと図っていかなければなりません。そういう意味から、今あります三重県の「がん対策戦略プラン」につきまして、これまでの成果も確認しながら国との整合性を図り、そしてまた三重県独自の取り組みを盛り込んだ改訂プランとしたいということで、今その改訂プラン、改訂作業をやっているところでございます。既にかなり今、検討は進んできているところでございまして、この5月には改訂案というのを提示いたしまして、パブリックコメント等、意見の聴取をやろうという予定をしております。そしてこの第1回定例会6月会議に、県議会の方に、できたら報告をしてまいりたい、その上で改訂案について確認をしていきたいと、こう思ってます。最終的には7月の初旬になろうかと思いますが、三重県がん対策推進協議会、ここに諮りまして最終案としてまいりたいと、こういうふうに考えているところであります。
(質)連休はどのように過ごされたんですか。
(答)連休は、娘が孫を連れて帰ってきまして、最初は松阪の飯高町へでも行ってこようかと、こう思っていたのですが、途中で少し公務の関係も入るということがあったので、ずっと津の公舎におりました。孫を連れて、3日には潮干狩りに御殿場海岸へ行ってきました。相当多くの人が来ていまして、びっくりしたのですけれども。そんなところで、津で過ごしていたというところです。
(質)お孫さんも貝を採ったのですか。1歳ちょっとでしたよね。
(答)1歳1カ月ですけれども、まだ歩くまではいかないのですけれども立ち上がって、それから海辺へ連れて行きましたら、我々はこう、一生懸命貝を掘るのですけれども、残念ながらほとんど貝は採れなかったんです。孫はもう水遊びが気に入って、泥んこになって遊んでいました。浜辺を、はいはいで泥んこになっていたという状況です。
(質)その連休に絡んでなんですけれども、昨日、県警がゴールデンウィーク中の人出というのを発表しまして、どうも三重県内の主な行楽地への人出が5万人程減っているというようなことがあったのですけれども、知事からご覧になって、なぜ減ったのだろうかというのがあれば。
(答)私もちょっと、今回のゴールデンウィークの主要な所の入込客数をお聞きをしました。それで昨年の4月26日から5月6日と今年の同じ11日間を比較しますと、調べました12カ所の調査では、昨年が121万1,912人、今年は119万1,756人、約2万人、1.7%減というような数字になっているようであります。ただ昨年と比較しますと、昨年は4月の28・29・30日が3連休で、2日空けてまた5月3日から6日まで4連休ということでしたが、今年は4月の26・27日が土日で、そして28日を空けて29日が1日また休み、そして30・1・2日と3日間を空けてその次の4連休ということで、いわゆる連休のつなぎが昨年と比べると少し並びが悪かったのかな、というところがあるかと思います。こういうことから中身をちょっと見てみますと、例えば連休中の5月3日から6日までの4連休をとって見てみますと、実は昨年の数字と比較しますと6.1%増ということでありますので、この後半の4連休については決して悪くなかった、ということも言えるのかと思います。しかし、例えば4月26日から30日の4日間の入込客を比較してみますと、昨年よりも13.6%減少しているという、こういうところがあります。天候の加減とかいろんな状況が複雑に影響している点があるかも分かりません。あるいは新名神が開通して、どちらかと言うと愛知県あたりから三重県内へというよりも滋賀県の方へ流れていったとか、いろんな影響があるかも知れません。ちょっとその辺は分かりませんけれども、中身は先程申し上げましたように、決して悪いばかりではないと、こう思います。
(質)むしろ4連休で見ると6%増ということで、観光三重というのは他県にも浸透しつつあるというご判断ですか。
(答)そうですね。施設によっても随分ばらつきがあったりするんですね。例えば、確か御殿場海岸を見てみますと、5月6日の入込みなどは昨年の25倍、2,500%あったというようなことがあったりします。それから三重県で最も代表的な所である伊勢神宮については、これは11日間合計しましても若干増えているというようなところです。ご遷宮の関係ももちろんあるかも知れません。そしてまた、観光三重、美(うま)し国三重というPRも少しずつ効果を出しているということを期待したいです。
(質)観光客が増えてくると、先程も少し触れられましたが新名神を始めとして、県内の高速道路がかなり渋滞してきて、今回も最長で30キロを超えたというようですが、何か対策とかは?
(答)新名神が亀山~大津間で開通するということで、そのことによる影響が逆に東名阪等にもかなり出てくるだろうということは、当初から予想をしていたところあります。新名神が開通をしまして、新名神そのものの通行量は予想をはるかに超える交通量でありますし、一方で名神高速道路の方はやはり、かなり車台数が減っておりますし、それから名阪国道から西名阪の方に流れていく車、これも少し減少して走りやすくなっているというようなことが言われております。しかし一方では、東名阪の方は相当普段から渋滞が多くなった、長くなったというようなことも指摘をされているところであります。したがいまして私ども新名神につきましては、それがきちっと全部でき上がっていくということが本来、本当の機能を発揮していくものであると、こう思っておりますので、三重県内で残っております亀山から四日市の区間については、早期に整備をしていただきたいということで、国にも引き続き強く要請をしてまいりたいと、こう思っております。それから東名阪の方も、一部3車線化した所がありますね、片側3車線化した所、その辺は若干その効果も出ているのではないかなと、こう思いますので、引き続きそういった拡幅も有効なのではないか、国にできるところはお願いしていく、ということでやってまいりたいと思います。
(質)通行料金の割引というのはかなり影響しているんでしょうか。
(答)新名神の方は割引料金が適用されていますね。あれは、あの区間の中でインターを降りる、あるいは乗るということが条件になっていたんだと思います。しかしいずれにしろ、新名神をとにかく通って、滋賀県内が多いわけでありますが、そこへ行くという人はかなり増えているのではないかということは想像します。
(質)これに関連と言えば関連なのですが、ゴールデンウィークに入って5月1日から暫定税率復活でガソリンの価格が上がりましたけれども、三重県の観光ということを言うと、ガソリン値上げの影響というのは少なかったんでしょうか。
(答)入込客の数字を見まして、いろいろ、ガソリンの価格の影響というのを、どうなのかなと思って見ようと思ったのですが、どうも見ている限りにおいてはその影響があったとも思えない、ですから直接ゴー・泣fンウィークの人出に影響しているというのは数字を見る限りは感じられないですね。むしろ、皆さんの新聞等を拝見していても、JRであるとか航空便利用が連休中減少していると、あるいは近鉄もゴールデンウィーク中の利用が少し減っているというようなことで、むしろ鉄道等は減少しておりますけれども、やはり今、自動車利用というのは相変わらず増えているのではないかなと、そんな感じがしています。
( 以 上 )