知事定例会見録
平成20年 1月22日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- レストラン等による「三重ブランドフェア」の開催について(発表)
三重県では、松阪牛、伊勢えび、ひじき、伊勢茶など三重県の豊かな自然、伝統など、自然を生かす技術が特に優れております県産品と、その生産者を三重ブランドとして認定し、情報発信を行っているところであります。全国におきましても、地域特産のブランド化が進められ、産地間競争が激しくなっております。このため、より多くの人に三重ブランドの素晴らしさを知ってもらい、三重ブランドのファンを増やすということを目的に、東京、名古屋、大阪及び三重県内のレストラン等で2月5日から3週間にわたりまして、「三重ブランドフェア」を実施いたします。三重県内では、鳥羽国際ホテル、ホテル合歓の郷など鳥羽志摩のホテルレストランを中心に12店舗、東京では六本木のイタリアンレストランRistrante Ruby(リストランテ ルビー)など5店舗、名古屋では「料理の鉄人」陳建一プロデュースのszechwan restaurant 陳(スーツアン レストラン ちん)名古屋店など3店舗、大阪では北新地なすの花など3店舗のレストラン等が、三重ブランドに認定されている食材を使用した期間限定特別メニューを展開いたします。この「三重ブランドフェア」のスタートにあたりましては、各レストランが自慢の腕に工夫を凝らしたメニューの紹介を、2月5日の午後3時から鳥羽国際ホテルでマスコミの方を対象に開催をいたします「三重ブランドフェア発表会」にて行うことにしておりますので、ぜひ皆さんにもご参加をいただきたいと思います。また、発表会に先立ちまして、午後2時から同ホテルにきまして「平成19年度三重ブランド認定証授与式」を開催いたします。本年度新たに三重ブランドに認定をいたしました伊賀焼、あのりふぐ、新たに認定事業者に加わった伊勢茶のほか、認定更新をいたします松阪牛、伊勢えび、あわび、的矢かき、真珠の各認定事業者に三重ブランド認定証を授与いたします。これからも、認定事業者とともに三重ブランドの情報発信を行いまして競争力強化に努めていきたいと、こう思っておりますので、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。
2.質疑応答
(質)元々、実施レストランというのは、以前からそういう三重ブランドを利用されていたのでしょうか。
(答)今回このようなことをやるということにつきましては、初めてのことでございます。そして、この「三重ブランドフェア」につきましては企画提案コンペをやりまして、その結果、三重県観光販売システムズに委託をしたところでございます。レストランの選定ということにつきましては、この三重県観光販売システムズの方で、グルメ情報サイトの最大手である「ぐるなび」などの協力を得て開催をするということになったところでございます。
(質)すると、特に三重ブランドを以前からもう使っていたというわけではないのですか。
(答)三重県の食材をこれまで各店が使っていたかどうかということについて、私自身は確認をしておりません。ただ、こういう「三重ブランドフェア」というような、そういう三重ブランドを使った特別メニューというようなことは、多くしていないところではないかなと、こういうふうに思います。
(質)事業費は全体でいくらですか。
(答)事業費はちょっと聞いていないです。
(答:農水商工部)今回のフェアに関しまして約800万円です。
(質)例えば、関係レストラン等に食材を安く卸すのに補助しているとか、そういう関連の使い方ではない?
(答:農水商工部)はい。
(質)だからポスターとかそういう類、あと企画?
(答:農水商工部)はい、企画です。
(質)赤福の問題なのですけれども、工事の完了が今月中旬の予定だったと思うのですけれども、それについて赤福側から何か連絡はありましたでしょうか。今後その解除に向けて、見通しとかもお聞きしたいのですが。
(答)担当部の方では、赤福といろいろ連絡、向こうからのいろんな申し出等も随時受けながら作業を進めていると、こういうふうに思っております。今現在、赤福では施設の改修などいろんな作業、手続きを進めているということでございまして、そういう赤福の状況を把握しながら、必要に応じまして随時検査も県の方で行っているというところでございます。今現在は、施設改修については概ね終了をいたしまして、製品検査等を行っているという状況でございますので、改善に向けた作業の完了が近いものであろうと、こういうふうに考えられるところでございます。もちろん、こういった改善につきましては、完了報告を受けた後に県の方の最終確認を行いまして、問題がなければ営業禁止処分を解除すると、こういう予定でございます。
(質)その完了が近いということですが、それは赤福側から、特にいつ頃になるという具体的なものはないのでしょうか。
(答)県の担当部の方では、先程申し上げたような施設の改修等については概ね終了もしてきているというようなことでございますので、近いという感触を聞いているところであります。特にいつ頃ということについては、聞いておりません。
(質)必要なことは随時検査を並行してやっているみたいですが、例えば完了報告があれば製品の細菌検査とか、県の方もそういうことはされるのでしょうか。大体、完了報告があってから、県による確認検査でどれぐらい時間を要するのか、その点をお聞きしたいのですけれど。
(答)私の聞いているのでは、完了報告があって、その後いろいろと検査作業、いろんな段階があるかと思います。拭き取り検査だとかそういう食品衛生関係の検査等も含めて、それに数日ぐらいはかかるのではないかなと、こういうふうに思います。したがいまして、月内に完了報告があったとしても、順調にいっても月は超えてしまうというようなことになるのかと思います。
(質)手続き的なことなのですが、解除を決める時に、昨年作られた食の安全の会議というか、副知事がトップを務められている会議、そこに上げてから解除という決断になるのでしょうか。もしくは健康福祉部とか保健所の段階で、もうこれならオーケーだという判断なのでしょうか。
(答)あくまでこの責任は、赤福の場合には伊勢保健所という所になるところであります。もちろん、事前にそういうことになるという報告はあろうかと思います。特にそのことについて問題なければ、伊勢保健所の所長の権限において、また再開を許可するということになります。
(質)製品検査ということは、実際にラインを動かして赤福餅を作って、それを検査していくという意味でよろしいでしょうか。
(答)そういう作業が入るのだと思いますが、担当の方で少し補足して下さい。
(答:健康福祉部)試運転をさせて製品を作らせて、それを製品検査、併せてまたライン上の拭き取り検査もやるかと思います。3カ月休んでいるということもありますので。
(質)それはもう今現在、行っているということですか、赤福の方で。
(答:健康福祉部)はい、もう行っていると思います。
(質)試験的に?
(答:健康福祉部)はい。試運転、稼働させておりますので、その辺のところでもやっていると思います。
(質)福祉医療費の助成制度の問題なんですが、昨日も市町との検討会が行われて、市町側からは、一部自己負担導入にはほとんどの市町が反対したということなんですが、議会からもそういう申し入れがありますし、知事としてその辺はどう対応されるんでしょうか。
(答)お話がありましたように、昨日、市町の担当課長の方々にお集まりをいただきまして、会議を行ったところでございます。会議におきましては、県が提案している内容はもちろんですが、県議会の申し入れ書等を基にいたしまして、そして財政負担のシミュレーション、受益と負担の公平性とか、あるいは制度の持続可能性の見地、こういったことも含めて意見交換を行っているところでございます。元々この福・ヨ纓テ費の見直しということにつきましては、市町の裁量を最大限尊重するということが必要でございます。そのことから県としては、市町それぞれいろんな一部負担についての考え方をお持ちでありますけれども、全ての市町で実施可能な基準とするということが大事であると、こういう考え方で今日まで取り組んできたところでございます。県議会からの申し入れもございましたし、それから市町におきましても昨日、いろいろとご意見を伺いました。昨日の会議では、担当課長さんの会議でございましたので、市町の市長さんとか町長さんのご意見があるならば、それについてまたお知らせをいただくようにお願いをしているところでございます。昨日出た意見としては、いろんな意見がございました。一部負担については、多くの市町が自己負担を導入しないというような言い方でございますけれども、しかし一方で県議会の申し入れに、精神障がい者(※)の拡大がさらに付け加わっているところでございまして、これについては反対をする、あるいは慎重に考える必要がある、という意見が多かったというようなところでございます。それから、私は先般、町村会の役員の方とお目にかかる機会がありまして、そういう機会にざっくばらんに本音でいろいろお話をしておりますと、やはりこの制度については県ももちろんそれを支援するということで深く関わってはおりますが、やはり市町の実施の事業であるということから、市町の裁量というものをやっぱりもっと尊重して考えてもらいたいと、こういう主旨の意見が出ておりまして、そこは正にもっともそのとおりだと、こう思っているところでございます。県としては、そういう意味では、制度は市町の裁量でいろいろな運用の仕方はあるのかも知れないわけでありますけれども、県としての役割はシビルミニマムを構築する、すなわち全ての市町が受け入れられる案にしたいという思いを持ちまして、これまで検討をしてきたところでございます。先般からの県議会の申し入れ、あるいは昨日行いました会議や、あと市長さん、町長さんからの意見も出てくることもあるかと思います。その上で、県としてはできるだけ早く考え方を整理いたしてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
(質)今、正に当初予算の査定の時期で、その判断というのも月内ぐらいには出さないといけないかなと思うんですが、それは知事が最終的に判断されるんでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、できるだけ早く考え方を整理いたしまして、方向性を見出していきたいと、こう思っております。
(質)市町の裁量次第という話ならば、逆にこの3つの福祉関係医療費をワンセットで元々そ上に載せた、その部分というのを外して、それぞれ、例えば乳幼児に関しても北と南では事情が違うだろうし、北部の出生率の高い所だとそれを使いたいと、しかし南部の出生率の低い所ではあえて市町が負担するということは避けたいと、はっきり言って意見がバラバラな部分があるので、この3つセットというのは取り外した形で市町に自由に協議させるという方向にはならないんですか。
(答)そもそも、この3つを一緒にしなくていいのではないかという意見、これも出ていることは承知をしております。そのことも含めて検討していきたいと、こう思います。
(質)知事としては、一部負担というのは今の段階ですけど見直す必要性というのは考えていますか。
(答)県議会とか、あるいはこの対象になっている関係の方々であるとか、そういった強いご要請もあるということを承知しているところであります。一方で、知事という立場からいきますと、やはり市町の方が主体になっている事業でありますから、その裁量権を全く無視して県の方が「こうだ」として決めてしまうということについては、やはり問題があろうかと思いますから、そういう意味でこれについてはかなり時間をかけて議論もしてきたところであります。市町の意見が、多数決とかそういう意味ではなくて、全ての市町が受け入れられるということになりますと、この間、県が出したような状況になるわけでございますけれども、この議論は相当いろいろ市町においてもバラバラしているところであります。無料化ということについても、一部の市町からは、その額が大きい小さいはともかくも、しかし負担と給付ということからいけば、一定の負担をもらうということは今後の社会保障制度の中でも大事ではないかと、こういう意見もあります。それも一つの正論でありましょうし、また一方で、社会的ないろんな状況から、これについて負担を求めることはできない、これも一つの制度なのかなと、こう思っているところであります。私どもとしては、やはり全市町が全て受け入れられるというところに非常に腐心をしてきたというところがございました。そういったことがございますので、私としても考え方を整理し、方向性を出すのにそう時間の余裕はないわけでありますけれども、しっかりそこについては早急に詰めて、考え方として整理をしたいと、こう思っております。
(質)先程言われた、市町の考えとして一定の負担をしてもらうことは今後の社会保障制度上で大事だという意見がある、ということなんですが、いわゆる無料化に消極的な市町というのはそういう意見、考え方の相違であって、財政的な理由でというわけではないということですか。
(答)そういう意見が出てきている市町については、今回の助成制度ということに関わらず、社会保障制度としてはやはり少しでも一定の負担をいただくということが大切ではないかという、そういう社会保障制度に対する思いを述べられた意見でございます。
(質)考え方の整理の中で、知事は先程、市町の裁量権を無視して「こうだ」と県が決めてしまうことは問題がある、ということをおっしゃってたんですが、現実問題、そういう形で進めたからこそ、県が言っている「市長との協議が概ねうまくいっている」というのと、議会が取ったアンケートでは食い違いが出てきているというふうな事態がありますよね。その辺は何か反省に立たれた部分で整理するという方向はあるんですか。
(答)県の方が、この間の整理で出した場合に、それは市町の判断で一部負担を取らないという判断をする所は市町で独自に対応するということでありますし、そういうことを前提とするならば、この間の案が最低限一致をする所なんだろうと、こういう判断でありました。そのことは、そういう考え方の整理でいいんではないかなと、今も思っておりますけれども、ただ県議会からのご要請もあり、社会的な要請としてはかなり圧倒的に、一部負担についてはなしにしてほしいという、そういう社会的要請が強くあるんだということをどう組み入れるかということだと思っております。したがいまして、今、知恵を絞っているところでありまして、近々その方向というものについては整理をしてお示しできるようにしたいと、こう思っております。
(質)今、一部負担なしという社会的要請をどう組み入れるか、というお言葉がありましたけれども、それはつまり市町の大多数の意見として一部負担なしが望ましいという判断を、県としても受け入れるということですか。
(答)これは議論にどれぐらい最終的にかかるか分かりませんけれども、最終的なものを見たら、「なるほど、そういうことか」とお分かりになると思います。市町の裁量についても尊重しながら、社会的なそういう要請にどう応えられるのかということを考えていかなければならないと、こういうことです。それからもう一つは、やはり精神障がい者の対象拡大ということについて議会が新たに触れられておりますが、そのことについては過半が大変慎重な意見を言われているということも重要な点でございます。
(質)道路特定財源の暫定税率についての問題なんですけれども、地方6団体とかも維持を求めているんですけれど、知事ご自身のお考えを改めてまたお聞きしたいのですけれども。
(答)三重県にとりましては、道路事業が、まだまだ他県に比べましてもその整備が遅れているということを感じております。したがいまして、県民あるいは市町等からも道路整備についてのご要請が多くありますし、また県のこれからの将来的な展開を考えるときに、交通アクセスの整備ということは大変基礎になる大事なものだと、こう思っております。したがいまして、三重県としては主要な幹線道路あるいは「命の道」と言われるような、そういった道路建設につきましては、今後もしっかり順調に整備を進めていきたいという考え方でいるところであります。しかし、実はもう平成20年度の開始が近づきました今の時点で、国会におきましては大政局の状況が醸し出されているところでございます。私どもは究極からいけば、道路整備がしっかりできるように、県民生活に混乱を来たさないような形でいってもらうということを強く望んでいるところでございます。そういう意味では、この道路財源の話につきましては極めて大きなリスクを今、抱えながらある状況ではないかなと、こう思っており、その推移につきましては注意深く見守っているというところでございます。
(質)民主党の、25円下がりますよという、そういうことについてはどう思われますか。
(答)いろんな評価が出ているのかなと、こう思います。ガソリンが今非常に高くなってきている、これは非常に投機的な状況で石油の高騰が続いてきているということでありますので、国際連携でぜひ政治的課題として解決をしてほしいなと、こう思っているところであります。したがって国民にとりましては、このガソリンが高くなっているということは大変生活にも影響しております。また、産業面においても、その悪影響が年末からいろいろ指摘をされてきているところであります。ただ一方では、国際的な比較であるとか、あるいは環境問題等から、また違った意見も出ているところであります。元々、道路財源についての議論はいろいろありましたし、また揮発油税等、税制の観点からもいろいろ議論がありました。こういうものについては、やはりしっかり落ち着いたところで議論をやってもらいたいと、こう思っております。大政局のこういう状況の中で、この問題が何か政治的な勝ち負けで決着が付いてしまうというようなことは、今の、もう新年度のスタートが近い時点では、大変心配な状況です。
(質)ということは、昨日、全国知事会の麻生会長が暫定税率確保という形で申し入れされておりますけれども、野呂知事のお立場としては当然、それはそれでそちらの方へくみするという形ですか。
(答)全国知事会から出していることはよく承知しておりますし、私もあの整理でいいと思っております。
(質)一方で、民主党さんが言われているようなものについては、それについてはどういうお立場ですか。去年、知事選で推薦も受けられてますし。
(答)民主党さんの考え方については、まだ中身がよく分からないわけであります。民主党の場合には政権を取って代わろうという勢いでありますから、道路財源の話だけのことではないと思います。そういう意味では、全体の整合性だとかいろんな観点が、実際に政権を担うということになれば求められるというところだと思います。ただ、道路財源についても、具体的にどこでどういうふうに捻出してくるのかということについては、私の今の立場で知り得る資料は持っていないというところです。
(質)先日、北川前知事とか東国原知事とか、「せんたく」というのを立ち上げられましたけれども、三重県の岩名議長が入っておられますけれど、野呂知事の方にはそういう参加のご要請とか、そういうものはあったんでしょうか。それから、「せんたく」についての知事のお考えを併せてお聞きしたいのですが。
(答)お尋ねの第1点につきましては、私の方にそのようなお誘いはありません。それから、「せんたく」そのものについてどう受け止めるかということでありますけれど、北川さんはマニフェスト選挙が大事だということで、これまでも活動してきました。その延長線上で、次の総選挙に向けてマニフェストを中心に、やはり政策重視のそういった「選択」を国民に求めるべきではないか、また政党はそういった立場で選挙をやるべきだ、マニフェスト選挙をやるべきだということに向けて、さらに一段と取り組みを強化されようということだと、こう思います。取り組みについては、それはそれでまた効果が出ればいいことであろうと、こういうふうに思います。参加をされるのは、それぞれのご意思で参加をされることであります。特にどなたがどうというコメントを申し上げるものではありません。
(質)知事は参加のご意思は?
(答)ありません。
(質)実際に、ああいう動きというのをどういうふうに見ていらっしゃいますか。特に知事としては東国原知事ですとか、松沢知事ですとか、まあ、非常に我々も注目しやすい方が出ていらっしゃる。一部の人では単なるパフォーマンスじゃないかとおっしゃる意見もあるみたいですが。
(答)それぞれの方がそれぞれの思い、信念で動かれていることであり、それはそれで敬意を表したいと、こういうふうに思います。ただ、三重県が今、出しております「文化力」といったような、そういったことを高めていくというために、この国がどう変わっていかなければならないのかということについては、目指している姿はいささか私とは違う方々が多いのかなと、それはそれぞれによってまた違うのでしょうけれども、少なくとも小泉さんであれ、あるいは今もてはやされる改革論者も、失敗したともう評価が出てきている英国の改革論だとか、英米改革論をまだ踏襲している、あるいはそことの整合性を気にし過ぎている、そういうきらいを感じます。私は、もう一時代先へ、改革指向というものは行くべきではないかなと、こう思っております。
(質)知事の考える「文化力」による施策、政策というのは、もう一つ先の時代を行っておられるという自負が?
(答)と言うのか、やはりこの国が成熟社会に入ってきて、目指す社会がアメリカ型社会なのか、あるいはもっと別の社会なのかということ、これは非常に大事なことだと、こう思います。日本はもちろん、諸外国のいろんな制度、いいものを取り入れていく、この考え方は、それはそれで大事であります。しかしやはり、それは日本のものにきちっとしていかなければなりません。本居宣長も、やはりそういう意味では、日本人の行動を中国思想で左右されたり判断したりというのではなくて、やはり日本人固有の物の考え方をしっかり持つべきだと、こう言いました。やはりグローバルな社会であるからこそ、そのグローバルな社会の中で日本社会がどう生きていくのか、どうあるべきなのか、そして私たちの、やはり日本人として培ってきた歴史、伝統、こういったものをどうしっかりそこに組み合わせていくのか、そういうことを考えたときに、これは価値観の違いはいろいろあるかもしれませんけれど、私はアメリカという国は大事でありますけど、日本が目指すべき国の姿はアメリカといったようなものとは全く違うのではないかなと、こう思っています。また、英国なんかとも違うのではないかなと思います。
※三重県では、「障害者」の表記における「害」という漢字のイメージの悪さを考慮し、平成19年6月から公文書・広報紙等において「障がい者」と表しています。
( 以 上 )