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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成19年 9月28日
       於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • 第28回世界新体操選手権パトラス大会の視察について(報告)
  • 福田内閣の発足について(報告)
  • 水力発電事業の民間譲渡について(報告)
  • 石原産業株式会社による産業廃棄物不法投棄について(報告)
(知事)

それではまず、世界新体操選手権大会のことについて報告申し上げます。去る9月15日から23日にかけましてギリシャで開催されました第28回世界新体操選手権パトラス大会に三重県代表団を派遣いたしまして、2009年に行われます第29回世界新体操選手権三重大会、これをPRいたしますとともに、開催地として各国の選手団を万全の態勢で迎えることができるようにということで、パトラス大会の運営についての視察を行ったところであります。私自身も18日から25日の日程で代表団に合流をいたしまして、三重大会PRレセプションに出席をいたしましたのと、閉会式におきましては国際体操連盟の旗を受け取るといった公式行事に参加をしたところでございます。三重大会PRレセプションにおきましては、昨年の新体操ワールドカップファイナルでもおいでをいただきましたし、何度かお目にかかっておりますグランディ会長ほか、国際体操連盟の役員と再会いたしましたし、また各国から参加をされております選手団の団長とも積極的に交流をいたしまして、三重をしっかりPRしてまいりました。パンフレット等を用意いたしてまいりましたし、それから法被を持って参りましたが、そういったプレゼント品も出席者の方々が全てお持ち帰りをいただいたというようなことでございました。大変盛況であったということをご報告申し上げたいと思います。なお、このレセプションの開催、それから競技場の会場内では、三重PRブースというのを設置したところでございますけれども、これにつきましてはパトラス大会の組織委員会とか、それから実はギリシャにございます日本大使館の関係の皆さんにも大変ご協力をいただいたことを感謝しているところでございます。閉会式におきましては、日本体操協会の二木(ふたぎ)会長とともに国際体操連盟旗の引継式に臨んだところでございますが、三重県としては改めて次期開催地であるということで、その責任の重さを痛感したところでございます。また、今回のギリシャ訪問の機会を得ましたので、ギリシャ国立考古学博物館や世界遺産であるオリンピアの遺跡や博物館も視察してまいりました。なお、ギリシャでは山林火災が多発しておりましたが、アテネからパトラに向かう車中からも至る所でそれが見られましたし、オリンピアの遺跡の博物館の隣にまで火災が及んでいるというような、そういう惨状を目にしてまいりました。改めて、犠牲になられた方あるいは被害を受けられた方にお見舞いを申し上げておきたいと思います。すでに大きく報道で伝えられておりますけれども、今回のパトラス大会で、団体競技で日本代表が7位に入ったわけでございます。10位までに入るとオリンピックの出場権ができるということで、来年の北京オリンピックへの出場権を手にしたわけでございます。北京で来年活躍をしていただくということが新体操人気をさらに盛り上げていくのではないか、そして再来年の世界選手権三重大会につながっていくのではないかと、大いに期待をいたしているところであります。今回、この代表団を派遣いたしました成果を、ぜひ再来年の三重大会で選手団を心からおもてなしをして、また大会をしっかり成功裏に迎えることができるように準備をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。新体操世界選手権大会については、以上でございます。

次に、福田新内閣が発足いたしました。この件について、少し申し上げたいと思います。今、国難ともいえる困難な課題が山積をしております。また、不安定な政治情勢が続いている中で福田新内閣が発足したわけでございますが、政治に対する国民の信頼回復に向け、責任ある果敢な取り組みというものを期待するところでございます。昨日、県議会の冒頭でも申し上げましたが、私としては国民の皆様の暮らしに軸を置いた国政が展開され、国民の皆様が将来への希望と安心を抱きつつ、真にゆとりと豊かさを実感できる国づくりを進めていただきたいと考えております。そのためにも、様々な局面で顕在化してきております格差の是正や、また地域主権社会の実現に向けて、着実に歩みを進めていただきたいと考えているところでございます。

次に、水力発電事業の民間譲渡交渉のことについて、申し述べたいと思います。水力発電事業の民間譲渡につきましては、平成18年3月に県議会からいただきました「三重県企業庁事業の民営化に向けた提言」を踏まえまして、平成19年2月に「企業庁のあり方に関する基本的方向」というのを示したところでございますが、その方向に従いまして、これまで検討を重ねてきたところでございます。譲渡方法につきましては、譲渡交渉先を決定し、譲渡条件や譲渡価格についての交渉を進めた上で譲渡を行う随意契約によることとする、ということを県議会の6月議会、第2回定例会の常任委員会で報告させていただいたところでございます。先般、県として、中部電力株式会社を譲渡交渉先に決定をいたしまして、9月21日に副知事から中部電力各務(かくむ)副社長に文書により譲渡交渉の申し入れを行ったところでございます。9月25日付けで中部電力の方から、本県からの「申し入れについては、誠意をもって対応する」という回答文書を受け取っているところでございます。中部電力から応諾が得られたということから、今後速やかに譲渡に向けた協議を開始してまいろうと考えているところであります。

次に、この際、石原産業株式会社による新たな不法投棄の発覚について、コメントを申し上げたいと思います。9月21日、石原産業株式会社から、同社四日市工場から発生した有機塩素系廃油を含む汚泥を愛知県瀬戸市内へ不法投棄したことについての報告がありました。同社は、フェロシルト問題が発覚していたにもかかわらず、同時期に別の産業廃棄物の不法投棄を会社ぐるみで隠匿し、県民を欺いた行為は企業倫理のかけらもなく、強い憤りを覚えます。今後、不法投棄の事実調査を進め、同社等に対して厳格な対応を取ってまいります。また、未だフェロシルトの回収が完了していない県内の2地区につきましては、早期に撤去を完了されるよう引き続き監視・指導してまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(質)

それでは、ギリシャの視察の関係で一つお尋ねしたいと思います。ギリシャ大会をご覧になって、三重大会の運営上の何か課題と言いますか、参考になるところとか、何かお気付きの点があればお話しいただけますでしょうか。

(答)

私そのものは事務局と、運営のあり方とかそういったことについて直接、意見交換する機会はなかったところであります。しかし、この大会そのものについては個人競技の総合競技も見ましたし、また日本選手団の試合も見てまいりました。特に個人総合競技では、ウクライナのアンナ・ベッソノハがロシアのベラ・セシナと非常にごくわずかの点差で競り合う中、大変な盛り上がりでございました。観衆も、競技場がほぼ満席になっている状況の中で、大変な興奮というような状況でありました。三重大会というものを考えてみますと、各国の選手団の応援というのがまたすごいんです。そういった応援態勢のあり方というようなことも一度県民とともに、例えば選手団のおもてなしも含めた面で対応を考えていかなければならないのではないかなと、こういうふうなことを思いました。それから、実は試合が2時間程、時間がずれ込んだりした日がございました。これにつきましてはどうも食事の関係から、お腹の調子、身体の調子が少し悪くなった選手が相当出たというようなことがございました。食中毒というような状況ではなかったようでありますけれども、選手のこういう健康管理といったような面においても、細心の注意が必要だなということを感じたところでございます。競技の運営そのものについては、県が直接関わるものではありませんけれども、いろんな状況が発生する中で機敏に対応していかなければならないということがたくさんあろうかと、こう思います。そういう意味で、今回の視察団では、事務局もそういった運営についての子細をいろいろと見てまいりました。今後、これからの検討ということになりますけれども、これを大いに参考にしながら生かしてまいりたいと、このように考えております。

(質)

知事は今までギリシャに行かれたことはあるんですか。

(答)

ギリシャ訪問は、国会議員の当時に、随分前でございますけれども一度訪問いたしております。

(質)

2度目?

(答)

そうですね、私としては2度目です。前はアテネ周辺だけだったと思います。

(質)

考古学博物館とかオリンピア遺跡をご覧になって、県の新博物館構想で何かお考えになったことはありますか。

(答)

考古学博物館へ参りました時に、女性の職員の方にご案内いただき、また博物館の状況をいろいろお伺いいたしました。1881年に完成をしておりますし、その後1990年に増築をされておりますが、大理石で造られたすごい建物でございます。ただ、このギリシャという地は皆さんもご承知のとおり、本当に考古学的な遺跡・資料がいっぱいある所でございます。ここでは展示点数が約3,000点、収蔵点数が約11,000点ということですが、実はそんなに少なくはないだろうと深く聞きましたら、整理できていないものを含めると収蔵点数は10万点を超えるだろうというような話でもございました。ただ、この博物館はもちろん国立でございますし、また国の状況はどちらかというと社会主義経済のような体制でございまして、国家管理が日本と違ってかなり官営という色彩が濃いわけでございます。したがいまして、そういう面ではなかなか直接的に参考になるというような所は、運営面では見出せないのかなと、こういう感じを持ったところでございます。それから、オリンピアの方の博物館も見てまいりましたが、これらにつきましても、このギリシャのアテネにございます考古学博物館と比べますと、規模も大変小さなものでございました。ただ、ここは世界遺産に登録をされておりますので、大変な観光客がひっきりなしに多数訪れているという状況でございました。

(質)

新内閣について一つお伺いします。福田総理とは、これまで交流はありましたでしょうか。

(答)

存じ上げておりますけれども、特に親しくお付き合いをしていたというわけではありません。そういう意味では、私も直接的にはそんなに知っているというわけではありません。

(質)

水力発電事業の譲渡の件ですが、これは交渉自体は、今後のスケジュールとかそのあたりは?

(答)

まだスケジュールそのものは、相手方と相談して、今後協議しながら決めていくということでありますけれども、一応21年度末までの譲渡を目標としておりますので、それに沿って今後スケジュール等も決めながら交渉をしていくということになります。

(質)

交渉において、どの辺が両者の課題になるとお考えですか。

(答)

三重県から譲渡について申し入れましたが、その際に譲渡につきましては設備とかあるいは用地上のことだけではなくて、地域社会との関係等におけるいろいろな課題、これを地域貢献という言葉で私どもは言っておりますけれども、そういうことについて地元からもそれを継続してほしいという強い要望ももちろんありますし、県としてもそれは大事なことであると、こう思っておりますので、こういった課題が解決されていくということが必要でございます。実は、中部電力の方から25日付けでまいりました、向こうの返答の中におきましても、中部電力の方も地域社会との関係の中において多くの課題が存在しているので、こういった課題の解決ということが譲渡、譲り受けに当たっての条件であると、こういうことを会社側も申しております。したがいまして、こういったことについて今後協議を進めていくということになります。

(質)

この関係で、膝づめミーティングの場や地域づくり支援会議でもいろいろ関係首長と話しする機会があるのですけれども、この関係で特に宮川関係なのですが、最近お話しになったことはありますか。

(答)

私自身が直接、そういうことについて話を伺っているということはありませんが、最近、宮川の流域の市長さんや町長さん等の動きがいろいろあるということを聞いております。そして、そういう中で関係の市町からも、この交渉に当たっての要望書等も出てくるような状況だと聞いております。特に流量回復の観点とか、あるいはダムの社会的機能の確保といったような観点での意見・申し入れが中心になってくるのかなと、こういうふうに考えております。このことについては、実は関係者の利害関係といったことも大変多く絡んでおりますので、こういったことも念頭に置きながら、地元についてもご理解をいただきながら、しかしまずは譲渡交渉先の中部電力との協議をしっかりうまく進めていかなければならないと、こういうふうに思います。

(質)

県の基本姿勢の確認なのですけれども、県内市町のそういう関係、流域市町の関係が出てきて、あるいは関係漁協なんかもひょっとしたら関係してくるでしょうけど、その辺の最終的な譲渡に当たっての調整役というか、それは分権だからといって市町任せにするのではなくて、あくまでも県が調整役で、最終的にはきれいにされるということでよろしいですか。

(答)

もちろん県がこれまで、この水力発電をやってきたわけです。この交渉によりまして、仮に民間譲渡するということになりましたら、こういった課題についてはやはり今後も引き続き、先程申し上げました、いわゆる地域貢献等の取り組みを確実に担保をしていくという必要がございます。したがいまして、そういったことを含め協議を進めていくということでございますけれども、地元から出てきているご要請についてはよくそれもお聞きをし、また私どもからもご理解もお願いをしながら交渉をしていきたいと、こういうふうに思っております。

(質)

主体は県なのですか。

(答)

交渉については中部電力と三重県との交渉であります。

(質)

例えば、流域で市町が今まで確保されている水量をどうしても確保したいと、最終的にその要望があって、例えば直接、中部電力さんとかに市町が交渉に当たるとかいうことでなくて、それは引き受けてあくまでも県が主体でおやりになるということでよろしいですか。

(答)

中部電力との協議も、こういった課題をきちっと解決してということが譲り受けの条件ですねということであり、そういう意味では譲渡するまでにきちっとこういった課題を整理をして解決していかなけれななりません。それについてはこれまでもずっと県がやってきたことでありますから、県が主体ということになります。

(質)

石原産業の関係で質問します。今回愛知県で明らかになった不法投棄ですが、元をたどれば、三重県がリサイクル製品に認定したフェロシルトが結果的に隠れみのになっていたような感じだと思うんですが、そのことも含めて、改めてリサイクルのあり方とかについて一言いただけますか。

(答)

このフェロシルトについてはこれまでも何度も申し上げてまいりましたが、だまされたとは言え、私ども県としてそれをリサイクル製品として認定していた事実については大変ご迷惑をおかけし、お詫びを申し上げてきたところでございます。ただ、今回のさらなる別の不法投棄ということについてはまだ、先般報告があったわけでありますから、実態として私もそう詳しく承知をしておりません。ただ、法に基づいて調査を指示して報告をさせるということができますので、県としては県内でも7地区にフェロシルトの不法投棄された所があったわけでございますが、そういった所あるいはそれ以外に不法投棄されているような所はないのかどうなのかということで、法に基づく調査を再度指示いたしたところでございますが、26日付けにおいては不法投棄の事実はないという報告がございましたのと、県においては県内に他の不法投棄があるという事実を確認しているわけではありません。しかし、フェロシルトで私どもはああいった形でだまされたということに結果的になったわけでありますが、その上なお、さらに今回、分かっていた事実を隠していたことがまた新たに出てきたということで、コンプライアンスの問題、企業倫理の問題を、その時にも厳しく申し上げてきたところでございますけれども、そのかけらもないというようなことで、強い憤りを感じているということを先程申し上げたようなところであります。リサイクルそのものについては、循環型社会を構築していく中で、これが適正に運用されるということは大変大事なことでありまして、私はこのフェロシルトの問題等でリサイクルの有用性を否定してしまうということはいかがなものかと、こう思っております。

(質)

今回の件にも絡むのですけれども、石原産業はかなり会社として役員の処分を行っていますね。田村前社長、安藤元常務というような、こちらでは非常に取材対象にしたような方も完ぺきに会社を去られた、この処分について知事としてはどういうふうに評価されますか。

(答)

実は、今回また別の産業廃棄物の不法投棄という事実が明らかになりました。したがってそういったことを含めた今後のあり方、これは法に基づく、刑事的なことも含めて今後の問題だと、こういうふうに思っております。当然、これまでなされている処分ということについては、こういう事実が出てくる以前の話でありますから、もう一度改めて会社としては対応すべきことであると、こう思っております。

(質)

冒頭に、事実確認を進めて厳格な対応を取る、とおっしゃいましたけれども、どういった、具体的に考えられることはありますでしょうか。

(答)

今の時点では、法に基づく調査等を命じて、会社からはそういう事実はないという報告でありました。しかし、もしもそれが事実と違うということになれば当然、法的な措置も含めて対応しなければなりませんし、そういう意味では今後いろんな状況等を見ながら、県としては最も厳しい対応の仕方をしていかなければならないと、こういう気持ちを申し上げているところであります。

(質)

昨日出されました平成20年度の組織改編で、全員協議会で表明された以外に何か付け足すことはありますか。どういう狙いだとか、そういうことです。

(答)

組織のことについては、あらかたのことについて昨日報告を申し上げたというようなところであります。まだ今後、子細についてはこれから詰めていかなければならないというところでありますので、大枠としては昨日大体申し上げたところかなと思っております。条例に基づく部分以外にも、昨日の報告では含めて申し上げているところであります。ただもちろん、いろいろ議論がございますので、今後、第4回の定例会で具体的な中身等についてもう少しきちっと詰めてまいりたいと、こう思っております。

(質)

第4回定例会が最終ですか。中間案?

(答)

一応、関係条例としては三重県部制条例というのがありますのと、それから三重県行政機関設置条例というのがございます。その他にも組織改編ということになりますと、それに伴う必要な条例というのもあるかと思いますけれども、こういったものについては第4回の定例会で提案をいたしまして、議会の承認を得た上で平成20年、来年の4月1日から施行をしてまいりたいと、こう思っております。

(質)

ということは日程的に、昨日出された案がとりあえず素案として、いろんな意見も出て、今後さらに細部を詰めるとして、確・闢Iに執行部案として最終的な案というのは来年の第1回定例会ですか、それとも12月?

(答)

12月定例会に、条例等を含めて出させていただくということであります。

(質)

昨日、議員の方から意見が多々出ておりましたが、一つは工事検査の関係、あと一つは生活・文化、要は文化財保護法と社会教育法の関係ですね、あともう一つ言うならこども局ですか、あの辺の意見を聞かれて何かお考えになったことはありますか。

(答)

そうですね、いろいろご意見がありました。私としては昨日いただきましたご意見についても、よく部内でも議論、検討をしてみたいと、こう思います。一方ではなかなか、定数問題等もからんでおりますし、昨日出された課題では特に、先程挙げられた以外に地域関係のこともございました。そういったことも含めて、私どもとしてはまずは第二次戦略計画、これを今進めているところでありますから、これを着実に進めていくと同時に、併せてやはり簡素で効率的な、そういう行政体にしていかなければなりません。厳しい財政状況あるいは定数問題等がありますから、そういったことも踏まえながら今回素案として出してまいりましたけれども、今後12月に向けて検討していきたいと思います。大枠は、大体今回お示しはしたところでございます。

( 以 上 )

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