知事定例会見録
平成19年 9月11日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 鈴鹿でのF1日本グランプリ再開決定について(報告)
- メカトロ・ロボット国際フォーラムin三重について(報告)
それでは、鈴鹿でのF1再開決定について少し申し述べます。2009年から、F1日本グランプリが鈴鹿サーキットと富士スピードウェイで交互に開催されるということが決定いたしまして、誠に喜ばしく思っております。こうした方法で決着する可能性があることは、ある程度、事前に聞いておりましたが、正式にこの時期に決定されることは承知しておりませんでした。今回決定に至るまでには、関係者の方々の並々ならぬご努力やご決断があったものと思っております。こうした皆様のご尽力に対しまして、敬意と感謝の意を表したいと思います。鈴鹿でのF1開催につきましては、30万人もの来訪者が期待でき、世界各国のメディアの注目も集まるということから、鈴鹿並びに三重県を世界に発信し、知名度の向上や経済波及に大きな効果があると考えております。今後、2009年の鈴鹿F1開催に向けまして、関係自治体、地元経済団体など、地域の関係者の皆さんと協働しながら、お越しいただくファンの皆様にこれまで以上に感動とご満足を得ていただけるよう、受け入れ態勢の準備、あるいはおもてなしの向上等に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、もう一つコメント申し上げたいと思います。それは、メカトロ・ロボット国際フォーラムin三重についてでございます。明日、9月12日に、米国から企業や研究機関を招へいし、津市の「あのつピア」で、メカトロ・ロボットのフォーラムを開催いたします。今回は米国から、バージニア大学の研究機関の教授とメカトロ・ロボット関連の企業を2社招へいすると聞いておりますが、私も明日9時からこの県庁でお会いすることになっております。また、今回は、県内の企業と招へい企業間との提携成立の可能性があると聞いております。提携成立の場合には、翌13日、明後日でございますが、県庁内で発表をさせていただく予定をしておりますので、よろしくお願いいたします。このことにつきまして、詳しくは農水商工部の方にご確認をいただきたいと、こう思います。私の方からは以上でございます。
2.質疑応答
(質)まず、鈴鹿のF1についてですけれども、富士での開催前にこういうことが決まったということについては、どのようにお感じになっていますか。
(答)鈴鹿でのF1開催の継続については、私も地元鈴鹿市の皆さんと一緒に、強い要請をFIA、あるいはFOMの方に対してお願いもしてきたところでございます。そういう中で、この2009年から鈴鹿と富士の方で交互に開催されるということを、早いこの段階でお決めいただいたということについては、大変嬉しく思っております。私は1カ月ほど前に、こういう方向での決着があるという情報を得ておりました。その時に、その情報の信頼性ということについては、開催興行権を持っているFOMのバーニーさんも承知しているというお話でありましたので、これはかなり信頼できる情報だと、こう思い、期待をしていたところです。ただ、正式決定、発表については、いつ頃になるのか分からない状況でありました。そういう意味では、今の時点で発表になったということは、極めて早いご決断をいただいたということだと思います。鈴鹿サーキットの方のご努力と、富士スピードウェイ並びにトヨタのご理解と、そしてバーニー氏を含めたFOM、あるいはFIAの関係者のご決断に心から敬意を表し、感謝申し上げたいと、こう思っております。
(質)2009年の開催に向けて地元と協働して、これまで以上の感動を与えられるように、というふうにおっしゃいましたけれども、三重県として今後どのような形で鈴鹿F1に関わっていかれるおつもりですか。
(答)鈴鹿での20回の開催につきまして、これまで選手の皆さん、あるいはF1関係者の皆さん並びにファンの皆さんから大変高い評価を受けているところであり、これまでもあそこで名勝負が展開されたところであります。そういう意味では、ファンの方々も含め、鈴鹿での開催というのは本当に強い期待感があったんだなあということも思っているところであり、そういった背景があったからこそ、今回こういうふうなことになったのではないかと、こう思います。三重県にとりましても、経済効果、これは少し前の20年近くも経つ10数年前の調査でも、経済効果として50億円ぐらいあるということですから、多分、今の時点での調査をすればその何倍かの経済効果があるのではないかなと、こういうふうに思っているところであります。先程申し上げたように、鈴鹿並びに三重をしっかり情報発信していくという機会にもなるわけでございますので、私としてはこのF1というのは三重県で行われるビッグイベント中の最も大きなものの一つとして、今後地元の皆さんとしっかり、隔年ではありますけれども継続的に開催できるようにしっかりバックアップして行けたらと思っております。
(質)今回の決定の背景に、三重県、それから鈴鹿市、地元経済界、それと鈴鹿サーキット、ホンダ、トヨタも含めて関係者の努力というものはもちろんあると思うんですけれども、鈴鹿に対するファンの思いみたいなものがあったかと思われるんですが、それについてはいかがですか。
(答)以前私も、モズレー会長にもお目にかかってお話をしましたし、また、バーニーさんともお話をしております。お二人とも、鈴鹿のこれまでの実績というものを大変高く評価をされておりますが、それはやはり、選手だけではなくてファンの皆さんの鈴鹿への評価というものが大いにあったからこそであると、こういうふうに思っております。そういう意味では、これまで鈴鹿開催をしっかりお支えいただいてきた、支援をしてくださったファンの皆さんにも心からお礼を申し上げたい気持ちであります。
(質)今度ギリシャに行かれる時に、例えばこれの件に関してお礼に行く、挨拶してくる、というようなことは予定されていますか。
(答)これまで、FIAの会長に直接お目にかかってお願いをしたり、あるいはバーニーさんがこちらへお見えになった時、バーニーさんともお目にかかってお願いしたり、それから昨年春にはモズレーさんとバーニーさんのお二人に書簡を送ってお願いしたと、こういうふうな経緯もございます。したがいまして、今回こういうご決定をいただいたことにつきまして、FIA並びにFOMに対して、モズレーさんとバーニーさんに対しましてお礼の書簡を送らせていただこうかなと、こう思っております。今の時点ではそういう考え方でおります。
(質)1カ月ほど前の情報というのは、どんな方面から得てこられたんでしょうか。
(答)そういうことについては申し上げられません。
(質)1カ月ほど前にそういう情報を得た以前、富士に決まって以降、実感としては諦めの気分はありましたか。
(答)実は、この件につきましては地元鈴鹿も、他の自治体と協力してこの問題をさらに力強く運動を展開したいというようなこともお取り組みでございました。県としても、そういった地元の動きと呼応して、今後も鈴鹿での開催についてはしっかりご要望をしていこうと、こういう気持ちでいたところでございます。
(質)それはいつの時点の話ですか。
(答)ずっとそうであります。
(質)それでは、メカトロ・ロボット国際フォーラムについてお尋ねします。日本国内でこういったものが開かれるというのはこれまであったんでしょうか。
(答)ちょっと他の例については私も承知いたしておりません。今回おいでをいただくのは、グレーター・ナゴヤ・イニシアチブと、三重県と、それからジェトロの共催事業ということでお招きするということでございます。今度来られる方々につきましては、昨年、三重県メカトロ・ロボット研究会が三重大学のネットワークを活用いたしまして、米国の訪問調査を行いまして関係を構築してきたバージニア大学の先生、それからカリフォルニア州とテネシー州内のメカトロ関連企業の代表者などを招へいすることになったということでございます。また、いずれも医療分野でのメカトロ・ロボットの研究開発、事業化に取り組む企業、あるいは大学でございまして、三重県での共同研究開発への参画に大変関心の高いものだと、こういうふうに考えているところでございます。私どもとしては、このメカトロ・ロボット研究会そのものが、この関係の研究開発についての拠点化を図っていく、あるいは関連産業の集積を目指していく、そして産学官が連携した組織を作って、県内における技術の高度化、裾野の拡大を図るということが目的でございますので、私どもとしても、その推進にご支援できるところを支援していきたいと、こういうふうに思っております。
(質)県議会の会期の見直しの議論の関係なんですけれども、本日、県議会の方で、検討プロジェクト会議の会合が開かれております。その席で、経費の増高ということについての試算も行われております。検討プロジェクト会議の方では、現行の定例会年4回ということから、年3回もしくは年1回通年、この2つの案のどちらかで議論を進めていこうというふうになっておりますけれども、まず経費の増高の関係ですけども、議会の方で試算が出ておりまして、年3回にすると大体411万2,000円ぐらいということですが。
(答)それは増高分ですか。
(質)増高分の試算ということなんですけども。
(答)ちょっと私もそれは伺っておりません。
(質)3回にした場合は411万2,000円で、1回にした場合だと507万4,000円、これは現行よりも増えるという試算が今日、出ているわけですけれども、これについてまず、今お聞きになったばかりだと思うんですけど、どんなお考えでしょうか。
(答)どういう前提を置いて、どういう試算をされたのか、その上で出てきた数字だと思いますけれども、状況は分かりませんからコメントできるものではありません。
(質)それでは、年3回もしくは年1回にしていこうというふうな方向になっているわけですけども、これについては改めてどうでしょうか。
(答)今回の会期見直しにつきましては、県民の意向をよりしっかり議会の方に汲み取れるような、そういう機会を増やすとか、あるいは議員間の討議をもっと盛んにしていくというようなことにおいて、議会の機能を強化していこうと、こういうご趣旨でご検討されていると聞いているわけでございます。そういう意味では、非常に私は県民のための一つの県議会のあり方として評価をするものでございます。ただ、具体的な中身につきましては、今、いろいろご議論をされているところであります。私ども執行部とのルールづくりということも大事な観点でありますし、それからもちろん厳しい財政状況の中でございますから、こういったことについてもいろんな議論を深めていただくということが大事でありましょう。少なくとも今日は、いろいろとそういった経費の増減について、経費の問題についてご議論もあると聞いておりますけれども、併せて副知事の方が今日は呼ばれておりまして、執行部の立場から今回、会期見直しということになります場合のルール化、そしてそれをまた明文化していく、そういうことについて意見を申し上げるということにいたしているところであります。私としては議会側の熱心な議論、そしてまた、執行部との真摯な協議でもって、この議論が進んでいくということを心から期待をいたしたいと思います。
(質)副知事の申し入れ、その内容について、もしここでお話しいただけるようであればご説明いただきたいんですけど。
(答)副知事の申し上げる中身については、もちろん事前に私どもで検討もし、調整もしたところであります。表現は、副知事の表現ということでありますので、申し訳ございませんが議会側での副知事の表現をお聞き取りいただきたいと、こう思います。
(質)副知事の発言される内容について、あらかじめ資料が出てるので確認させていただきたいんですけども、通年議会になれば専決処分の廃止が考えられるので、その専決処分に対して、対応を今後協議したいというニュアンスが混じってるんですけども、専決処分は地方自治法第179条に規定されているもので、法律の改正に伴う事務的な条例改正と訴訟や選挙などに伴う経費の計上と、これは専決処分を廃止して事前に協議することは可能だと思うんですけども、もう一つの方の、地方自治法第180条に規定されている軽易な事項の委任専決で、自動車事故による損害賠償や県営住宅に関わる訴えの提起等という部分があるんですけども、これはだから事後報告ではなくて事前にかけていくということになるんでしょうか。
(答)ここで申し上げているのは、専決処分すなわち議会の承認・審議が必要なものであるけれども、時間的にその余裕がないということで、専決処分という形でやっているものの中身について申し上げているところでございます。多くは、法律の改正等がございまして、これは事務的に条例改正あるいは訴訟や選挙などに伴う、こういった経費の計上というものが多いわけでございます。国の方の法律改正に従ってこういう条例改正をするということについては、実は地方にとってこれを違う方向に、というような、そういう選択の余地があるわけではございません。そういう意味では、議論をすると言いましても幅の広い議論ができるわけではなくて、国の法律がこういうふうに変わったから条例をこういうふうに直さなければならないのだという理解を深めるということしか、実はなかなか議論ができないような状況でございます。したがいまして、専決処分を議会で議論したから大きくその選択の方向が変わるんだというような、そういうこちらに裁量の幅があるというものは、この中にはほとんどないということでございます。それから今、ご指摘がありましたような、事故によります損害賠償とか県営住宅に係る訴えの提起、これも頻繁にあるわけでございます。これについても、普通は迅速に処理した上で専決処分で後ほど議会にかけると、こういうふうなことになっているわけでございます。したがって専決処分については、何かそのことによって大事な決定が歪められたり、あるいはそれが抜け落ちたりとか、そういった問題が今まであったということではないことを、ここで念のために申し上げているということでございます。
(質)事務的条例改正、それは結構なんですけども、聞いているのはもう一つの方で、具体的な流れとして損害賠償とかは事後報告ではなくて事前に、こんな事故を起こしましたからこういう契約を結びますけど、というような形になるんでしょうか。
(答)これも実は裁判等で、損害賠償額は、相手がある話でありますから、その中でふさわしい県の責任というものが決められてくるわけでございます。事故の状況によって、いろいろ違いはあるかと思います。そういう意味では、極めてこれも事務的に詰めていって、大体決まってくるものだというものでございます。そういうことを申し上げているわけであります。
(質)これ、事務方の職員はどなたかおられますか。要するに、事前にかけるのか、かけないのか聞いてるんです。
(答)この議論は、したがって県議会の方で今日申し上げているので、先程から申し上げているように、まだ今の時間、県議会で副知事の発言時間になっているのかどうかも承知をしておりません。したがって、ここでの議論は後程にしていただきたいと、こう思います。
(質)安倍改造内閣について、知事は8月30日の会見の時に、期待をしているというようなご発言があったかと思うのですけれども、その後、農水大臣が辞職されたり、「政治とカネ」をめぐる問題が引き続き出てきているわけですけれども、これについてまた改めて、その8月30日の時点と印象が変わったのかどうか、変わったとすればどういうふうに変わったのか、お答えいただきたいと思います。
(答)安倍内閣につきましては、先の参議院選挙であれだけ厳しい国民の審判があったわけであります。それでもなおかつ、特に選挙では「私を選ぶのか、小沢さんを選ぶのか」という、そういう表現を使って国民に選択を迫ったという経緯からいっても、あの選挙結果を受けて安倍内閣が続いていくということについては、私としては大変疑問に感じていたところであります。しかしそれであっても、その後安倍内閣については、政権を継続していくのだということで内閣改造を図られたところでございます。その改造内閣のメンバー等については、例えば総務大臣に前岩手県知事の増田氏が起用されたり、そして今までの内閣とは、いわゆるお友達内閣と言われるようなものとは少し違う、重厚な布陣も見られるということで一定の評価をしたというところでございます。しかし、その後も政治資金問題等についても問題がいろいろと噴出をしているというようなことで、そのことについては極めて残念なことでございます。今後、この内閣がこういった大変厳しい状況の中で、どう対応されるのか注目をいたしていきたいと、こう思っているところであります。ちょうど臨時国会も始まったところでございますので、今後の国会議論にも注目をしていきたいと思っております。
(質)今日、10時半から伊勢市の方でレジ袋が有料化という話があるのですが、その検討会の中に三重県も入っているのですが、レジ袋が有料化することに関して何か?
(答)三重県におきましては平成16年から、ごみゼロ社会実現に向けた取り組みを重点事業にも取り上げ、やってきたところでございます。しかし、このごみゼロ問題については、まずは県民の皆さんにそれぞれ、ごみの減少あるいは環境問題等、大きな課題までご認識をいただき、その中で県民が実際にそういう行動を一緒になって取っていただくということによって前進するものでございます。したがいまして、県がごみゼロ社会実現に向けて動くというのは、全国で三重県が初めてであり唯一でありますけれども、そのためには県民の皆さん、あるいは県民に一番近い所にある自治体、こういった所の先進的な意欲的な取り組み、これが大変大事なことでございます。伊勢市におかれては、レジ袋の有料化等、このごみの問題について極めて意欲的に今までお取り組みをいただいてきたところであります。三重県も会議のメンバーに入っておりますが、ここでは三重大学の朴先生等が非常に強い指導力も発揮をしていただいて、今回こういう形になったわけでございます。私としては、伊勢市の取り組みを心から大いに評価をいたしまして、県下の市町におけるモデル的な取り組みだというふうに思います。ぜひこういった取り組みを、県としても、他市町においても取り組みが進んでいくということを期待し、またそういった方向でも、県のごみゼロ社会実現に向けた取り組みの一つとして推進、努力をいたしていきたいと思っています。
(質)博物館の土地ですけれども、昨日議会で、川喜田家から津市に寄付の申し出があった、あの千歳山の土地も検討してはどうかという話が出ましたけれども、有力候補地として県の方では総合文化センターの所があるわけですけれども、それは十分検討対象に、県としての検討対象になりますでしょうか。
(答)今回、川喜田家の津市への寄付がなされます千歳山の土地につきましては、これは津市が所有をしていくというものでございます。したがいまして、津市がどういうふうにこの土地の活用を考えていくのか、今の時点で全くそのことについて伺っていないという状況にございます。なお、今の時点でこのことについてコメントする立場ではございませんが、博物館の用地については県議会でもそんなご議論も出ていると聞いていますが、ぜひご議論を深めていただくということは大事なことではないかと、こういうふうに思っているところでございます。
( 以 上 )